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平成17(行ケ)10590行政訴訟 特許権

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裁判所 知的財産高等裁判所
裁判年月日 平成17年11月30日
事件種別 民事
法令 特許権
民事訴訟法338条2回
特許法178条1回
キーワード 特許権7回
損害賠償3回
無効3回
侵害2回
優先権1回
抵触1回
主文
事件の概要

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判決文

平成17年(行ケ)第10590号 異議の決定無効確認請求事件

口頭弁論終結日 平成17年10月26日

判決

原 告 株式会社イー・ピー・ルーム

被 告   特許庁長官 中嶋誠

同指定代理人   柳和子

   同        宮下正之

主文

     1 本件訴えを却下する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第1 当事者の求めた裁判

1 請求の趣旨 別紙訴状写しの「請求の趣旨」記載のとおり2 請求の趣旨に対する答弁

(1) 本案前の答弁 主文と同旨

(2) 本案の答弁 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。

第2 事案の概要

1 争いのない事実等(証拠を掲げた事実以外は,当事者間に争いがない。)

(1) 原告が受けた特許 原告は,発明の名称を「放電焼結装置」とする特許第2640694号の特許(平成2年9月18日出願,優先権主張平成2年2月2日・日本,平成9年5月2日設定登録,以下「本件特許」という。)の特許権者であった(甲1)。

(2) 特許取消決定 住友石炭鉱業株式会社から,平成10年2月13日,本件特許につき特許異議の申立てがされた(平成10年異議第70682号)ところ,特許庁は,平成年7月4日,「特許第2640694号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし(甲2),その謄本は,同月日,原告に送達された(乙1)。 本件決定の理由は,要するに,平成7年3月14日付け手続補正(以下「本件補正」という。)が,明細書又は図面の要旨を変更するものであるため,本件特許の請求項1ないし3に係る発明についての出願日は平成7年3月14日とみなされるから,各発明は,その出願前に頒布された特開平4-9405号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたとするものである。

(3) 決定取消訴訟 原告は,東京高等裁判所に本件決定についての取消訴訟を提起した(平成年(行ケ)第369号)が,平成15年4月9日,「原告の請求を棄却する。」との判決(以下「本件高裁判決」という。)が言い渡された(乙2)。 原告は,最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをした(平成15年(行ツ)第197号,同年(行ヒ)第203号)が,同年10月9日,「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない。」との決定がされた(乙3)。

(4) 特許権の消滅 これにより,本件決定が確定し,平成15年10月22日,原告の有していた該特許権(以下「本件特許権」という。)の登録の抹消が登録された(甲)。

(5) 再審の訴え 原告は,東京高等裁判所に,本件高裁判決について再審の訴えを提起した(平成15年(行ソ)第9号)が、平成16年6月30日,再審の訴えを却下する旨の決定がされた(乙4)。 原告は、東京高等裁判所に抗告許可の申立てをした(平成16年(行ハ)

第8号)が、平成16年7月30日,抗告を許可しない旨の決定がされた(乙

)。さらに,原告は、最高裁判所に特別抗告をした(平成16年(行ト)第45号)をしたが、同年10月21日,抗告を棄却する旨の決定がされた(乙6)。 2 当事者の主張 原告は,請求原因として,別紙訴状写しの「請求の原因」記載のとおり主張した。要するに,本件補正が,明細書又は図面の要旨を変更するものではないなどというものである。 これに対し,被告は,本件訴えは訴えの利益がないなどの理由により不適法なものであるから却下されるべきである旨主張して争う。

第3 当裁判所の判断

1 原告の求めた請求の趣旨は,必ずしも明確ではないものの,①本件決定が無

効であること,②本件高裁判決について,平成20年10月9日まで再審の訴えを提起することができること,③上記再審により回復した本件特許権を侵害している住友石炭鉱業株式会社に対し,損害賠償請求をすることができること,の各確認を求めるものと善解することができる。そこで,以下,それぞれの適法性について順次検討する。

2 まず,上記①については,特許異議の申立てに基づく取消決定については,

特許権者は取消訴訟を提起してこれを争うことが可能とされているところ(平成1年法律第47号による改正前の特許法178条),現に,本件において,原告は,本件決定について取消訴訟を提起し,本件決定の違法性を主張したが,本件高裁判決において原告の請求が棄却され,その後,同判決が確定したものである。したがって,現時点において,本件決定の無効確認訴訟を提起することは,上記判決の既判力に抵触し,許されないものというべきであるから,本件訴えのうち,上記

①の確認を求める部分は,不適法である。

3 次に,上記②については,行政事件訴訟法7条により準用される民事訴訟法

条に再審の訴えについての規定が存在する以上,確定判決の結論を争う方法としては,再審の訴えを提起すべきものであり(再審の訴えを提起した場合の,当該訴えの適法性は別論である。),本件訴えのうち,上記②の確認を求める部分は,確認の利益を欠き,不適法である。なお,原告は,行政事件訴訟法7条により準用される民事訴訟法338条に定める再審事由を主張していないから(原告は,本件高裁判決に係る口頭弁論の終結後に新たな証拠(甲3)を発見した旨主張するが,そのような事情は上記再審事由のいずれにも該当しない。),本件訴えのうち,上記②の確認を求める部分を,再審の訴えと解することもできない。

4 さらに,上記③については,再審により回復した本件特許権侵害に基づく損

害賠償請求権の確認は,再審が容れられることを前提として将来の権利関係の確認を求めるものであり,また,原告の住友石炭鉱業株式会社に対する損害賠償請求権について,第三者である特許庁長官(被告)との関係で確認を求めても,紛争の解決のために適切な手段とならないことは明らかであるから,本件訴えのうち,上記

③の確認を求める部分も,確認の利益を欠き,不適法である。

5 以上のとおり,本件訴えは不適法であるから,これを却下することとし,主

文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部   裁判長裁判官      三  村  量  一裁判官      嶋  末  和  秀        裁判官    沖  中  康  人

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