ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 平成17(行ケ)10056 行政訴訟 特許権
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 平成17年10月18日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 法令 |
特許権 |
| キーワード | 審決6回 訂正審判4回 優先権1回 特許権1回 |
| 主文 | |
| 事件の概要 |
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平成17年(行ケ)第10056号 特許取消決定取消請求事件
(旧事件番号 東京高裁 平成15年(行ケ)第491号)
口頭弁論終結日 平成17年10月4日
判 決
原 告 帝人株式会社
訴訟代理人弁理士 三原秀子
同 鈴木雅彦
同 尾仲理香
被 告 特許庁長官 中嶋誠
指定代理人 鈴木由紀夫
同 野村康秀
同 一色由美子
同 涌井幸一
同 宮下正之
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
特許庁が異議2002-71476号事件について平成15年9月18日にした決定を取り消す。
第2 事案の概要
本件は,後記特許に関し,E株式会社からの特許異議の申立てに基づき特許庁が特許取消の決定をしたので,特許権者である原告がその取消しを求めた事案である。 なお,本件訴訟係属中に原告は,本件特許の訂正審判の請求を行い,特許庁から請求不成立の審決を受けたので,同審決の取消訴訟を提起し,同訴訟は当庁平成年(行ケ)第10130号事件として係属し,本件訴訟と並行して審理されている。
第3 当事者の主張
1 請求の原因
(1) 特許庁における手続の経緯
原告は,名称を「二軸配向積層ポリエステルフィルム」とする発明につき,平成7年1月6日(優先権主張日平成6年1月11日,日本国)に特許出願をし,平成13年10月5日に特許第3238589号として設定登録を受けた(以下「本件特許」という。)。 ところが本件特許に対し,E株式会社から特許異議の申立てがなされ,異議2002-71476号として特許庁に係属した。これに対し原告は,請求項5の削除等を内容とする訂正請求をして対抗していたところ,特許庁は平成15年9月18日,「訂正を認める。特許第3238589号の請求項1ないし4に係る特許を取り消す。」旨の決定(以下「本件決定」という。)をし,その謄本は平成15年10月10日に原告に送達された。
(2) 登録時の発明の内容
本件特許の設定登録時の特許請求の範囲は,以下のとおりである(甲)。【請求項1】共押出によって形成された積層ポリエステルフイルムであって,少くとも一つの表面層の厚さが0.02μm以上3μm以下でかつフイルム幅方向に変化しており,そして該表面層の表面粗さRaが3~40nmでかつフイルム幅方向での変動が5%/500mm以下であることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフイルム。【請求項2】表面層の厚さが縦方向の屈折率(nMD)と幅方向の屈折率(nTD)の差(複屈折率:Δn)が大きくなるほど厚くなっている請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフイルム。【請求項3】表面層の複屈折率最小部(A部)の厚さtAと複屈折率最大部(B部)の厚さtBとが下記式1を満足する請求項1または2記載の二軸配向積層ポリエステルフイルム。(判決注:式1の具体的内容は省略。甲15参照。)【請求項4】表面層の厚さt(μm)と該表面層に含有されている不活性粒子の平均粒径D(μm)及び含有量W(wt%)とが下記式2,3を満足する請求項,2または3記載の二軸配向積層ポリエステルフイルム。(判決注:式2,3の具体的内容は省略。甲15参照。)【請求項5】表面層の配向角最小部(A′部)の厚さtA′と配向角最大部(B′部)の厚さtB′とが下記式4を満足する請求項1または2記載の二軸配向積層ポリエステルフイルム。(判決注:式4の具体的内容は省略。甲15参照。)
(3) 本件決定の内容
本件決定の内容は,別紙決定写しのとおりである。その要旨は,前記訂正を認めるとした上,本件特許の請求項1~4に係る特許は,特許法(平成6年法律
第116号による改正前のもの)36条4項及び5項2号に規定する要件を満たしていな
い特許出願に対してされたものであるから,いずれも取り消すべきものである等としたものである。
(4) 本件決定の取消事由
ア 原告は,平成16年6月11日,本件特許の願書に添付された明細書の訂正をする訂正審判の請求をした。特許庁は,同請求を訂正2004―39134号事件として審理した上,平成16年11月24日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をした。そこで原告は,平成16年12月28日,上記審決取消の訴えを提起した(旧事件番号東京高裁平成16年(行ケ)第569号,当庁平成17年(行ケ)第10130号)。 上記訂正審判の請求について,これを認容する審決が確定した場合には,特許請求の範囲の記載が遡及的に訂正され,本件決定は結果的に発明の要旨の認定を誤ったものとして取り消されるべきことになる。イ 本件決定固有の取消事由は,主張しない。
第4 当裁判所の判断
1 証拠(甲1~29)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(1)(特許庁における手続の経緯)・(2)(登録時の発明の内容)・(3)(本件決定の内容)の各事実を認めることができる。
2 原告は,本件訴訟において,本件決定の取消事由を何ら主張しない。 また,前記訂正審判請求不成立審決に対する取消訴訟(当庁平成17年(行ケ)第号)は,本件訴訟と同時に判決言渡し(請求棄却)がなされた。
3 よって,原告の本訴請求は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 中 野 哲 弘
裁判官 岡 本 岳
裁判官 上 田 卓 哉
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