平成14(行ヒ)200行政訴訟 特許権
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裁判所 |
最高裁判所第二小法廷
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裁判年月日 |
平成15年10月31日 |
事件種別 |
民事 |
法令 |
特許権
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キーワード |
審決5回 特許権3回
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主文 |
原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 |
事件の概要 |
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判決文
主 文
原判決を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人大場正成,同尾崎英男,同嶋末和秀,同黒田健二,同平田忠雄,同藤谷修の平
成14年9月13日付け上申書記載の上告受理申立て理由について
1 原審の確定した事実関係及び本件訴訟の経緯の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人らは ,発明の名称を「 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 」とする特許権( 特
許番号第26 58009 号。以下,こ の特許を「 本件特許」と いう 。 の特許権者で ある。本
)
件特許は,平成4年7月23日に特許出願がされ,願書に添付した明細書(以下「本件明細
書」という 。)につい ての同8年2 月1日付け 手続補正書に よる補正を 経て,同9年 6月6日
に特許権の設定の登録がされたものである。
(2) 本 件特 許について特 許異議の申 立てがされ, 特許庁にお いて,平成1 0年異議第 71
450号事件として審理された結果,平成11年10月1日,本件特許の請求項1から3ま
でに係る特許を取り消すべき旨の決定(以下「本件取消決定」という 。)がされた。
(3) 上 告人 らは,本件取 消決定の取 消しを求める 本件訴訟を 提起した。原 審は,平成 14
年4月3日に口頭弁論を終結し,同月24日に上告人らの請求を棄却する旨の判決を言い渡
した。上告人らは,同年5月15日,上告及び上告受理の申立てをした。
2 上告代理人ら提出の特許庁訂正2002−39155号事件審決謄本写し及び本件記
録によれば,次の事実が認められる。
(1) 本 件明 細書の特許請 求の範囲の 請求項1から 3までの記 載は,別紙1 のとおりで あっ
た。上告人らは,平成14年7月11日,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の
釈明を目的として,本件明細書の訂正をすることについて審判を請求した。この審判請求に
つき,特許庁において,訂正2002−39155号事件として審理された結果,同年9月
2日,本件明 細書の訂正 をすべき旨の 審決(以下 「本件訂正審 決」という 。)がされ ,そのこ
ろ確定した。
(2) 本 件訂 正審決は,本 件特許の請 求項1及び2 を別紙2の とおり訂正し ,請求項3 を削
除するものであって,特許請求の範囲の減縮に当たる。
3 本件の ように ,【要旨】特許 を取り消す べき旨の決定 の取消請求 を棄却した原 判決に対
して上告又は上告受理の申立てがされ,上告審係属中に当該特許について特許出願の願書に
添付された明細書を訂正すべき旨の審決が確定し,特許請求の範囲が減縮された場合には,
原判決の基礎となった行政処分が後の行政処分により変更されたものとして,原判決には民
訴法338条1項8号に規定する再審の事由がある。そして,この場合には,原判決には判
決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があったものというべきである(最高裁昭和5
8年(行ツ)第124号同60年5月28日第三小法廷判決・裁判集民事145号73頁参
照)。
そうすると,本件については,原判決を破棄し,更に審理を尽くさせるために事件を原審
に差し戻すのが相当である。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 梶谷 玄 裁判官 福田 博 裁判官 亀山継夫 裁判官 滝井繁男)
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