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平成13(行ケ)322行政訴訟 特許権

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裁判所 東京高等裁判所
裁判年月日 平成14年11月12日
事件種別 民事
法令 特許権
特許法29条2項1回
民事訴訟法61条1回
キーワード 審決44回
刊行物4回
主文
事件の概要

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判決文

平成13年(行ケ)第322号 審決取消請求事件
平成14年10月29日口頭弁論終結
            判       決
      原      告    株式会社タック技研工業
       訴訟代理人弁理士    中 前 冨士男
      被      告    特許庁長官 太 田 信一郎
      指定代理人     小 池 正 利
   同    鈴 木 孝 幸
   同       大 橋 良 三
   同       大 野 克 人
   同       涌 井 幸 一
          主       文
   1 原告の請求を棄却する。
   2 訴訟費用は原告の負担とする。
        事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 原告
 特許庁が不服2000-5552号事件について平成13年5月30日にし
た審決を取り消す。
   訴訟費用は被告の負担とする。
2 被告
 主文と同旨
第2 当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯
  原告は,平成6年4月6日,発明の名称を「電動加工装置」とする発明(以
下「本願発明」という。)につき特許出願(平成6年特許願第93643号。以下
「本願出願」という。)をし,平成12年3月28日拒絶査定を受けたので,同年
4月19日,これに対する不服の審判を請求した。特許庁は,これを不服2000
-5552号として審理し,その結果,平成13年5月30日,「本件審判の請求
は,成り立たない。」との審決をし,同年6月21日,その謄本を原告に送達し
た。
2 特許請求の範囲(別紙図面1参照)
 「【請求項1】外側が円筒状ケースとなって内部に電動モータを備え,該電動
モータのロータに直結されたスピンドルを先部に有し,後部には前記電動モータの
端子ボックスが設けられたモータ本体と,
前記スピンドルの先部に取付けられる工具チャックと,
前記モータ本体の中央に固定されたリング状のピストン,その外側に配置され
た円筒体,及び該円筒体の両側にそれぞれ設けられ,前記モータ本体を前後動可能
に支持し,しかも下部にはねじ孔を穿設した取付け座が形成された前後の脚付きガ
イドブロックを備えたエアシリンダー部と,
前記後側の脚付きガイドブロックにその前端が取付けられたガイドロッドと,
前記モータ本体に固着され,前記ガイドロッドを摺動移動する回り止めとを有
し,
前記前後の脚付きガイドブロックにはそれぞれエア供給口が形成され,更に,
前記取付け座は前記前後の脚付きガイドブロックにそれぞれ一体となって形成され
ていることを特徴とする電動加工装置。」
3 審決の理由
 審決は,別紙審決書の写しのとおり,本願発明は,実願昭58-15292
8号(実開昭60-61105号)のマイクロフィルム(甲第1号証。以下「刊行
物1」という。)に記載された発明(以下「引用発明1」という。別紙図面2参
照。)に,実願平2-112942号(実開平4-70415号)のマイクロフィ
ルム(甲第2号証。以下「刊行物2」という。)に記載された発明及び周知の技術
手段を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるか
ら,特許法29条2項に該当し,特許を受けることができない,と判断した。
第3 原告主張の審決取消事由の要点
 審決は,重大な手続違背を犯しており(取消事由1),本願発明と引用発明
1との相違点の一つ(相違点4)についての判断を誤った(取消事由2)ものであ
り,これらはそれぞれ結論に影響するから,違法として取り消されるべきである。
1 取消事由1(手続違背)
 審決は,「本件発明では,円筒体の両側にそれぞれ設けられ,モータ本体を
前後動可能に支持するガイドブロックが,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成
された脚付きガイドブロックであり,前記取付け座は前記前後の脚付きガイドブロ
ックにそれぞれ一体となって形成されているのに対して,引用例1記載の発明で
は,前記ガイドブロックが脚付きガイドブロックではない点。」(審決書6頁)を
本願発明と引用発明1との相違点の一つ(相違点4)として認定した上,この相違
点について判断するに当たり,「エアシリンダーにおいて,円筒体の両側にそれぞ
れ設けられるガイドブロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚
付きガイドブロックとすることは,例えば,久津見舜一著「空気圧機器と応用回
路」第8版 昭和50年11月25日 日刊工業新聞社発行 第127~130頁
(特に,図6・1及び図6・4(1))に示されているように従来周知である。」(審決書
7頁)と認定した。しかし,同文献(甲第5号証。以下「甲5文献」という。)
は,審決において初めて引用された文献であり,これを事前に原告に通知せずに拒
絶の審決の根拠とすることは手続違反である。
 甲5文献は,相違点4の判断において用いられたものであり,相違点4に係
る本願発明の構成は,本願発明の最大の特徴点であるから,上記手続違反は重大と
しかいいようがなく,審決は違法である。
 なお,甲5文献は,昭和50年に発行された書籍であるので,原告は,これ
を即座に入手し,その内容を確認することができない。原告が特許庁にそのコピー
を請求する手続を取り,そのコピーを入手するまでに,約40日間の日数を要する
ものであり,その間に審決取消訴訟の訴えの提起期間が経過してしまうのである。
他方,特許庁が甲5文献について拒絶理由通知を発送していれば,原告は,これに
ついて,意見書等を提出することも,明細書及び図面について,特許請求の範囲を
含めて,その補正をすることもでき,これによって,特許を取得できる可能性が十
分にあったのである。
2 取消事由2(相違点4についての判断の誤り)
 審決は,相違点4につき,「電動加工装置において,当該装置を支持台に固
定するためにネジによって取り付けられる脚部材を設けることは,例えば,原査定
の拒絶の理由に引用した特開昭49-38281号公報に示されており,また,エ
アシリンダーにおいて,円筒体の両側にそれぞれ設けられるガイドブロックを,下
部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付きガイドブロックとすることは,
例えば,久津見舜一著『空気圧機器と応用回路』第8版 昭和50年11月25日
 日刊工業新聞社発行 第127~130頁(特に,図6・1及び図6・4(1))に示さ
れているように従来周知である。したがって,引用例1記載の発明に上記各事項を
適用してガイドブロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付き
ガイドブロックとすることは,当業者が格別の発明力を要することなく容易に想到
し得る事項である。」(審決書7頁。以下「本件判断1」という。),及び「電動
加工装置において,当該装置を固定するための取付座脚を装置本体に一体に設ける
ことが,例えば,実願昭55-9154号(実開昭56-109839号)のマイ
クロフィルムに示されていると共に,一般に,ある部材を他の部材に対して取り外
し可能に設けるか,或いは,両者一体に設けるかは,必要に応じて適宜選択すれば
よい単なる設計的事項であることを考慮すると,本件発明において,前記取付け座
を脚付きガイドブロックに一体に形成することは,上記適用に当たって適宜なし得
る設計的改変事項にすぎない。」(審決書7頁。以下「本件判断2」という。)と
認定判断した。しかし,本件判断1及び2は,いずれも誤りである。
(1) 本願発明は,円筒体(33)の両側に設けられた脚付きガイドブロック
(34,35)の下部にねじ孔が穿設された取付け座(47,48)が設けられて
いるとの構成により,次の作用効果を奏する。
① 取付け座をガイドブロックに分離して取り付けている場合に比較して,
電動加工装置の穴加工の精度を格段に向上させることができる。
② 脚付きガイドブロックは,円筒体の長さを変えれば,ストロークの長い
電動加工装置にもそのまま適用できる。したがって,大量生産に向いており,結果
として電動加工装置の製造コストを下げることができる。
③ 脚付きガイドブロックを円筒体の前後に設けることによって,複数の電
動加工装置を横に並べて取り付ける場合に,比較的狭い間隔で取り付けることがで
きる。
(2) 特開昭49-38281号公報(甲第3号証。以下「甲3文献」とい
う。)には,内部にモータを有するドリルをバンド状の固定金具を用いて固定した
セット・ドリルが記載されている。しかし,このドリルにおいては,先端に取り付
けられているドリルの刃を進退させる機構はなく,また,この固定金具がドリル本
体と一体となっているわけでもない。このドリルは,本願発明とはその構成が大き
く異なる。
  甲5文献には,確かに,審決認定の技術が開示されている。しかし,ここ
に記載されたものは,モータ等の電機部品がなく,純然たる機械製品であるエアシ
リンダーであって,本願発明のように,その内部にモータを有する電動加工装置と
は異なる。エアシリンダーは,対象物を押し引きするにすぎないものであるから,
特にピストンロッドの精度が大きな問題とならないのに対し,電動加工装置は,穴
を開けたり,タッピングしたりするための装置であるから,その精度が極めて重要
である。甲5文献に記載された技術は,脚部材のねじ孔に長尺ボルトを挿通し,こ
れに螺合するナットの組合せによって固定するものであり,ねじ孔が長尺ボルトの
外径より大きくなっているので,長尺ボルトとねじ孔との間に多少のガタを有する
ことになり,この構造では,本願発明の上記作用効果①を奏することはない。
  このように,エアシリンダーにおける技術をそのまま電動加工装置に適用
することはできず,審決の本件判断1は誤りである。
(3) 実願昭55-9154号(実開昭56-109839号)のマイクロフィ
ルム(甲第4号証。以下「甲4文献」という。)には,確かに,ケース1と一体の
取付座脚4が記載されている。しかし,取付座脚4はケース1の直下に取り付けら
れているので,ドリルユニットの全長が変わる場合には,それぞれ取付け座付きの
ケースを用意する必要があって,上記作用効果②を奏さない。さらに,甲4文献記
載の取付座脚はケース1の両側に広がっているため,上記作用効果③も奏さない
(脚付きガイドブロックを円筒体の前後に設けることは,特許請求の範囲には明確
には記載していない。しかし,本願出願に添付した明細書の添付図面の図1,図2
には取付け座を前後に配置した例が明確に示されており,これは,特許請求の範囲
の記載から必然的に導き出される効果である。それに対し,甲4文献記載の発明で
は作用効果③を奏することは不可能である。)。
  それのみならず,甲4文献記載の発明では,取付座脚は電動加工装置の前
側と,電動加工装置の中央部分に取付けられているため,前後の脚の間隔が短くな
り,その結果,本願発明の作用効果①についても,十分に発揮することができるわ
けではない。
  したがって,本件判断2も誤りである。
第4 被告の反論の骨子
1 取消事由1(手続違背)について
 審決は,甲5文献を「エアシリンダーにおいて,円筒体の両側にそれぞれ設
けられるガイドブロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付き
ガイドブロックとすること」が周知であることを例示するために挙げたものであ
る。このような周知の技術は,当業者が熟知している技術であるから,これを拒絶
理由通知に示す必要はない。
2 取消事由2(相違点4についての判断の誤り)について
 原告の主張は,本願発明と引用発明1との相違点4について,容易に想到し
得る事項である,との審決の判断内容について論駁することなく,単に本願発明と
甲3文献,甲5文献及び甲4文献記載の各発明との相違をいろいろと述べているだ
けのものであって,当を得ていない。相違点4についての審決の判断に誤りはな
い。
第5 当裁判所の判断
1 取消事由1(手続違背)について
(1) 審決は,「エアシリンダーにおいて,円筒体の両側にそれぞれ設けられる
ガイドブロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付きガイドブ
ロックとすることは,例えば,久津見舜一著「空気圧機器と応用回路」第8版 昭
和50年11月25日 日刊工業新聞社発行 第127~130頁(特に,図6・1
及び図6・4(1))に示されているように従来周知である。」(審決書7頁)と認定し
ている。
  甲5文献は,上記審決の認定のとおり,本願出願のおよそ19年前の昭和
50年に頒布された刊行物であり(甲第5号証),本願出願までに多数の当業者が
甲5文献に接したものと推測されるのであるから,そこに記載された技術は,あま
ねく当業者に知れ渡っているというべきである。
  したがって,「エアシリンダーにおいて,円筒体の両側にそれぞれ設けら
れるガイドブロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付きガイ
ドブロックとする」との技術が周知である,との審決の上記認定には誤りがないと
いうべきである。
  そして,周知技術とは,とりたててその例を示すまでもなく,当業者が当
然に認識しているべき技術のことであるから,原告に対し,審決前に,その例を通
知しなかったからといって,そのことを審決の手続違反とすることができないこと
は,明らかである。
(2) 原告は,本願発明と引用発明1との相違点4に係る構成が,本願発明の最
大の特徴であることを挙げ,甲5文献を原告に通知することなく審決したことは重
大な手続違反である,とも主張する。しかし,審決において周知技術の一例として
挙げられたにすぎない甲5文献を事前に原告に通知しなかったことを,そもそも手
続違反とすることができないことは,上記のとおりであるから,原告の上記主張に
理由がないことは明らかである。
  原告は,甲5文献の入手困難性を主張する。しかし,審決が周知技術とし
たのは,同号証に記載された特定の技術ではなく,「エアシリンダーにおいて,円
筒体の両側にそれぞれ設けられるガイドブロックを,下部にねじ孔を穿設した取付
け座が形成された脚付きガイドブロックとする」という技術であり,この技術が周
知技術であるということは,当業者は,特定の文献等に接しなくとも同技術を当然
に認識しているものとして扱うことが許されるということであるから,甲5文献の
入手困難性を問題にする余地はない。入手困難性を問題とすることが許されると仮
定しても,甲5文献は,日本国内において頒布された技術書であるから,例えば国
立国会図書館においても閲読可能なものであり,原告がその入手の努力を怠ること
により,何らかの不利益を受けるとしても,その責任は原告自らが負うべきもので
ある。
2 取消事由2(相違点4についての判断の誤り)について
(1) 審決が周知例として挙げている甲3文献に,「電動加工装置において,当
該装置を支持台に固定するためにネジによって取り付けられる脚部材を設ける」
(審決書7頁13~14行)との技術が記載されていることは当事者間に争いがな
い。
  「エアシリンダーにおいて,円筒体の両側にそれぞれ設けられるガイドブ
ロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付きガイドブロックと
すること」(審決書7頁)が周知であることは,1で説示したとおりである。
  引用発明1のガイドブロックをエアシリンダーにおけると同様に,「下部
にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付き」の構成とすることを困難ならし
める事情があると認めることはできない。
  そうである以上,「引用例1記載の発明に上記各事項を適用してガイドブ
ロックを,下部にねじ孔を穿設した取付け座が形成された脚付きガイドブロックと
することは,当業者が格別の発明力を要することなく容易に想到し得る事項であ
る。」(審決書7頁)との審決の本件判断1には誤りがない。
  原告は,甲3文献に記載された発明は,ドリルの刃を進退させる機構もな
く,固定金具がドリル本体と一体となっているわけでもなく,本願発明とはその構
成が大きく異なる,と主張する。しかし,審決が甲3文献を引用した趣旨は,引用
発明1のような電動加工装置では「他の装置」への取付け部材が必要であるとのご
く常識的な事項を証拠をもって例示することにあることは明らかであり,甲3文献
はその限度において意味を有する刊行物であるから,甲3文献記載の発明と本願発
明の構成が異なることは,本件判断1を左右する理由とはならないことが明らかで
ある。
  原告は,甲5文献記載の技術が,モータ等の電機部品がなく,純然たる機
械製品であるエアシリンダーであって,本願発明のように内部にモータを有する電
動加工装置とは異なる,とか,エアシリンダーは,対象物を押し引きするものであ
るから,特にピストンロッドの精度が大きな問題とならないのに対し,電動加工装
置は,穴を開けたり,タッピングしたりするための装置であるから,その精度が極
めて重要である,とか主張する。しかし,引用発明1の電動加工装置は内部にモー
タを有する,ということが,エアシリンダーを支持台に取り付けるに当たってガイ
ドブロックに取付け座を形成するとの,直接にはエアシリンダーについての上記技
術を,引用発明1の電動加工装置に適用することを妨げる理由とはなり得ないこと
は,明らかである。また,エアシリンダーにおいては,電動加工装置ほどの精度が
要求されないとしても,このこともまた,引用発明1の電動加工装置において,エ
アシリンダーにおけるのと同様にガイドブロックに取付け座を形成することに想到
することの妨げとなるものではないことも,明らかである。
  原告の主張は,いずれも失当である。
(2) 審決が周知例として挙げている甲4文献に,ケース1と一体となっている
取付座脚4が記載されていることは原告も認めるところである。そして,審決は,
甲4文献に記載された上記技術を一例として挙げた上で,「一般に,ある部材を他
の部材に対して取り外し可能に設けるか,或いは,両者一体に設けるかは,必要に
応じて適宜選択すればよい単なる設計的事項であることを考慮すると,本件発明に
おいて,前記取付け座を脚付きガイドブロックに一体に形成することは,上記適用
に当たって適宜なし得る設計的改変事項にすぎない。」(審決書7頁)と判断した
ものである。およそ,二つの部材が連結された構成を得るに当たり,両部材を取り
外し可能とするか,一体構成とするかは,製造容易性,製造価格,耐久性,保守容
易性,取付精度等を総合的に勘案して決定すべき設計上の選択的事項であるという
べきであるから,これと同旨の審決の本件判断2にも誤りがない。
  原告は,甲4文献記載の発明は,原告が主張する本願発明の①ないし③の
効果を奏しない,と主張する。しかし,審決は,脚付きガイドブロックに取付け座
を一体形成するかどうかは,単なる設計的改変事項にすぎないとの上記判断の一例
として,甲4文献を示したにすぎないのであり,本願発明とはその全体的構成が異
なる甲4文献記載の発明と本願発明との作用効果を比較して論じること自体が,本
件においては意味のないことである。原告の主張は,主張自体失当である。
3 結論
 以上に検討したところによれば,原告の主張する取消事由にはいずれも理由
がなく,その他,審決には,これを取り消すべき瑕疵が見当たらない。そこで,原
告の請求を棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民
事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
  東京高等裁判所第6民事部
           裁判長裁判官      山  下  和  明
              裁判官      設  樂  隆  一
 
               裁判官      阿  部  正  幸
(別紙)
別紙図面1別紙図面2

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