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平成14(行ケ)198行政訴訟 商標権

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裁判所 東京高等裁判所
裁判年月日 平成14年10月16日
事件種別 民事
法令 商標権
商標法4条1項15号6回
キーワード 審決10回
無効3回
商標権1回
主文
事件の概要

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判決文

平成14年(行ケ)第198号 審決取消請求事件
口頭弁論終結の日 平成14年8月19日
             判       決
    原       告    コンド・ナスト・アジア・パシフィッ
ク・インコーポレイテッド
       同訴訟代理人弁理士    島  田  義  勝
       同            水  谷  安  男
       被       告    株式会社円谷プロダクション
       同訴訟代理人弁理士    高  田  修  治
             主       文
      1 原告の請求を棄却する。
      2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を3
0日と定める。
             事実及び理由
第1 請求
 特許庁が平成11年審判第35727号事件について平成13年12月26
日にした審決を取り消す。
第2 事案の概要
 本件は,原告が,特許庁に対し,被告の登録商標について,商標法4条1項
15号に違反して登録されたものであると主張して,同法46条1項1号に基づ
き,商標登録を無効にする審判を請求したところ,特許庁が,同審判の請求は成り
立たない旨の審決をしたことから,原告が,被告に対し,同審決の取消を求めた事
案である。
 1 争いのない事実等
(1) 被告は,平成10年4月15日,片仮名文字「ゾンボーグ」を標準文字と
する構成から成る商標(以下「本件商標」という)につき,指定商品を商標法施行
令別表の第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいこ
ろ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用
具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,運動用具,釣り
具」として,登録出願を行い,特許庁から,同11年6月18日,その設定登録
(商標登録第4285636号)を受けた。
(2) アメリカ合衆国ニューヨーク州所在のザ・コンド・ナスト・パブリケーシ
ヨンズ・インコーポレーテツド(以下「コンドナスト社」という)は,昭和36年
10月23日,欧文字「VOGUE」とする構成から成る商標( ,以
下「引用商標」という)につき,指定商品を商標法施行令(平成3年政令第299
号による改正前のもの)別表の第26類「印刷物,ただし,この商標が特定の著作
物の表題(題号)として使用される場合を除く」として,登録出願を行い,特許庁
から,同39年10月9日,その設定登録(商標登録第655209号)を受け,
その後,同商標は,同50年8月1日,同59年9月17日及び平成6年9月29
日の3回存続期間が更新登録されている。引用商標に係る商標権については,平成
3年8月26日,コンドナスト社から,同社を買収したアメリカ合衆国ニューヨー
ク州所在のアドバンス・マガジン・パブリツシヤーズ・インコーポレーテツド(以
下「アドバンス社」という)に移転し,同9年6月9日,アドバンス社の関連会社
である原告に移転した(甲5)。
 引用商標は,コンドナスト社によって明治25年アメリカ合衆国ニューヨ
ークで創刊されたファッション雑誌「VOGUE」誌の題号として,世界的に有名
であり,わが国においても,流行の被服,靴,鞄及び時計等の服飾品の取引者及び
需要者の間において,広く認識されているものであって,周知著名性が高い。
(3) 原告は,特許庁に対し,平成11年12月6日,被告を被請求人として,
本件商標がその指定商品に使用された場合,取引者及び需要者において,引用商標
との関係で,その商品について,原告又はこれと何らかの関係がある者の業務に係
る商品であると誤認し,商品の出所の混同を生ずるおそれがあるから,本件商標
は,商標法4条1項15号に違反して登録されたものであると主張して,同法46
条1項1号に基づき,本件商標の商標登録を無効にすることについて審判を請求し
た。
(4) 特許庁は,平成13年12月26日,本件商標について,商標法4条1項
15号に違反して登録されたものとはいえないと判断して,上記審判請求は成り立
たない旨の審決(以下「本件審決」という)を行い(出訴期間として90日を附
加),同14年1月9日,上記審決の謄本が原告に送達されたことから,原告は,
被告に対し,同年4月23日,本件審決の取消を求める本件訴訟を提起した。
 2 争点
 原告主張の取消事由に関して,本件商標は,商標法4条1項15号に規定さ
れている「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該
当するか否か。
  (1) 原告の主張
ア 本件商標は,引用商標の称呼を片仮名表記した「ボーグ」を含むもので
あるため,引用商標又は「ボーグ」と外観,称呼及び観念において類似する。
イ 「ボーグ」は,本件商標の出願前ないし登録査定時において,引用商標
の片仮名表記として,ファッション関連商品の取引者及び需要者の間で周知著名に
なっていた。
ウ 本件商標の指定商品である「おもちゃ,人形」等は,遅くとも昭和60
年ころから,ファッション関連商品になっているのであるから,これらは,ファッ
ション雑誌「VOGUE」誌が取り扱っているファッション関連商品との関係で,
その用途又は目的において,広く関連性を生じている。
エ 本件商標の指定商品である「おもちゃ,人形」等の取引者及び需要者と
ファッション関連商品の取引者及び需要者は,全ての老若男女を含む一般大衆であ
る点で共通している。
オ 以上によれば,本件商標をその指定商品である「おもちゃ,人形」等に
使用した場合,これに接した取引者及び需要者である一般大衆は,ファッション誌
「VOGUE」誌を連想し,上記商品が,原告又は原告と経済的若しくは組織的に
何らかの関係がある者の業務に係る商品ではないかと,その出所について誤認混同
するおそれがある。
カ しかるに,本件審決は,本件商標のうち「ボーグ」という部分は引用商
標とその態様を異にする,引用商標の片仮名表記としての「ヴォーグ」とは異な
り,同「ボーグ」は周知著名とは認めがたい,「おもちゃ,人形」等はファッショ
ン関連商品に含まれないなどとした上で,本件商標を上記指定商品に使用しても,
上記「VOGUE」誌を想起するものとはいえないから,商品の出所について混同
を生ずるおそれはないとして,その判断を誤ったものであり,取消を免れない。
  (2) 被告の反論
ア 本件商標は,外観上,称呼上,観念上いずれの点からも,不可分一体に
のみ認識され,簡易迅速性を重んじる取引の実際においても,その一部分である
「ボーグ」だけによって簡略に表記ないし称呼されることはない。
イ 原告は,引用商標の片仮名表記として専ら「ヴォーグ」を用いており,
「ボーグ」を用いていないことから,「ボーグ」という片仮名表記が,引用商標又
は「ヴォーグ」と同様に,わが国におけるファッション関連商品の取引者及び需要
者の間に,広く認識されているとは認められない。
ウ 本件商標の指定商品である「おもちゃ,人形」等と引用商標が使用され
ているファッション雑誌とは全く関連性がない。
 また,ファッション関連商品というのは,一般に,流行の被服,靴,鞄
及び時計等の服飾品を指称するものであるから,「おもちゃ,人形」等は含まれ
ず,仮に含まれるとしても,その関連性は薄い。
エ しかも,本件商品の指定商品である「おもちゃ,人形」等とファッショ
ン雑誌又はファッション関連商品とは,その製造部門,販売・流通部門を異にし,
購買・消費者層も相違する。
オ 以上によれば,本件商標が,これに接した取引者及び需要者に対し,引
用商標を連想させて商品の出所につき誤認を生じさせることはない。
第3 争点に対する判断
1 商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ず
るおそれがある商標」には,当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したとき
に,当該商品等が他人の商品又は役務に係るものであると誤信されるおそれがある
商標のみならず,当該商品等が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の
緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係
にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある商標を含むもの
と解するのが相当である。そして,「混同を生ずるおそれ」の有無は,当該商標と
他人の表示との類似性の程度,他人の表示の周知著名性及び独創性の程度,当該商
標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,用途又は目的における関
連性の程度,商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし,
当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準と
して,総合的に判断されるべきである(最高裁平成10年(行ヒ)第85号同12年
7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁参照)。
2 これを本件について見ると,次のとおりである。
(1) 本件商標と引用商標及び「ボーグ」との類似性の程度
ア 証拠(甲8から12,13から52の各(1)(2),53から63,66)
及び弁論の全趣旨によれば,「VOGUE」は,流行やファッションを意味するフ
ランス語に由来する英語の普通名詞であるところ,その片仮名表記としては,「ヴ
ォーグ」と「ボーグ」の2通りがあるものの,わが国では,「ヴォ」と「ボ」の発
音を明確に区別することが困難であるために,「ボーグ」という片仮名表記が用い
られることが多く,ファッション雑誌「VOGUE」誌の片仮名表記としても,新
聞や辞書等においては,「ボーグ」が用いられることが多かったことから,「ボー
グ」は,本件商標の出願前ないし登録査定時において,わが国における流行の被
服,靴,鞄及び時計等の服飾品の取引者及び需要者の間で,ファッション雑誌「V
OGUE」誌の片仮名表記として広く認識されていたことが認められる。
 この点,本件商標は,「ボーグ」という片仮名部分をその構成の一部に
含むところ,「ゾン」という片仮名部分に,顕著な出所表示力があるわけではな
く,また,引用商標の連想を阻害する要素があるわけでもないことに照らすと,本
件商標においては,「ボーグ」という部分に,取引者及び需要者の注意を引きやす
い要素があるというべきである。
 したがって,本件商標と引用商標との間には,称呼,観念において類似
しているところがあると一応いうことができ,また,本件商標と引用商標の片仮名
表記である「ボーグ」との間には,称呼,外観,観念において類似しているところ
があると一応いうことができる。
イ しかしながら,本件商標は,その構成の一部に引用商標である「VOG
UE」という部分を含むわけではないから,本件商標と引用商標との間には,外観
において明確な相違がある。
 また,本件商標は,片仮名文字で5字から成る外観及び称呼がごく短い
商標であり,同じ書体,大きさの標準文字で等間隔に表されていて外観上まとまり
よく一体的に看取し得るばかりでなく,「ゾン」という片仮名部分が独立して何ら
かの意味を有するものとは看取し難いことに照らすと,簡易迅速性を重んじる取引
の実際において,本件商標について,わざわざ「ゾン」という片仮名部分と「ボー
グ」という片仮名部分の2つに区分し,「ボーグ」という片仮名部分のみによって
簡略に表記ないし称呼される必然性は,乏しいというべきであるから,本件商標と
引用商標との間の称呼の類似,本件商標と引用商標の片仮名表記である「ボーグ」
との間の称呼及び外観の類似は,いずれも限定的なものというべきである。
 さらに,本件商標については,上記のとおり,独立した何らかの意味を
有するものとは看取し難い「ゾン」という片仮名部分が,「ボーグ」という片仮名
部分に結合しており,しかも,外観上まとまりよく一体的に看取し得るものである
ため,全体として,特定の観念を持たない造語との印象も有しているのに対し,引
用商標及び引用商標の片仮名表記である「ボーグ」については,「VOGUE」が
上記のとおり,流行やファッションを意味するものであるため,流行やファッショ
ンという特定の観念を有しているというべきである。しかも,わが国における外来
語の片仮名表記においては,当該外来語中の子音が「B」であるか,「V」である
かに応じて,意識的に,「ボ」と「ヴォ」とを使い分けることがあるため(甲8か
ら10,12),「ボーグ」からは,「B」で始まる欧文字列の外来語を片仮名表
記したものではないかとの想像が生じうるのみならず,証拠(甲66,乙1,2)
及び弁論の全趣旨によれば,改造人間等が登場する子供向けテレビ番組等における
改造人間等の名付けの方法として,著名な「サイボーグ(CYBORG)」という
既成語のイメージを活かして,「ボーグ(BORG)」の文字の前に他の文字を結
合させて造語を形成することがしばしば行われているものと認められることに照ら
すと,本件商標の中の「ボーグ」という片仮名部分は,「サイボーグ」という既成
語の中の「ボーグ」という部分に由来するとも観念しうるところである。したがっ
て,本件商標と引用商標及びその片仮名表記である「ボーグ」との間の観念の類似
は,限定的なものというべきである。
(2) 引用商標及び「ボーグ」の周知著名性及び独創性の程度
ア 上記争いのない事実等(2)のとおり,引用商標は,コンドナスト社によっ
て明治25年アメリカ合衆国ニューヨークで創刊されたファッション雑誌「VOG
UE」誌の題号として,世界的に有名であり,わが国においても,流行の被服,
靴,鞄及び時計等の服飾品の取引者及び需要者の間において,広く認識されている
ものであって,周知著名性が高く,また,上記(1)ア認定のとおり,「ボーグ」は,
わが国における流行の被服,靴,鞄及び時計等の服飾品の取引者及び需要者の間
で,引用商標の片仮名表記として広く認識されていたものであるから,引用商標及
びその片仮名表記である「ボーグ」は,いずれも周知著名性が高いというべきであ
る。
イ しかしながら,上記(1)アのとおり,「VOGUE」は,流行やファッシ
ョンを意味するフランス語に由来する英語の普通名詞であるから,引用商標の独創
性の程度は,造語による商標とは異なり,相当程度低いといわざるを得ない。
(3) 本件商標の指定商品と原告又はその関連会社の業務に係る商品との間の性
質,用途又は目的における関連性の程度並びに商品の取引者及び需要者の共通性そ
の他取引の実情等
ア 本件商標の指定商品は,上記争いのない事実等(1)のとおり,「おもち
ゃ,人形」等であるところ,証拠(甲81~93の各(1)(2))及び弁論の全趣旨に
よれば,色や柄の斬新なヨーヨーの流行,携帯電話に付けるキャラクター人形等の
普及,着替人形の普及やフィギュア(大人向けのキャラクター人形)の流行等に伴
い,おもちゃや人形を所持又は携帯することがファッションの一部と認識される場
合が生じるようになっていること,また,テレビ番組に登場する人気キャラクター
のコスチュームを再現した子供向けの服飾品がおもちゃ売り場で販売されているこ
との各事実が認められるから,本件商標の指定商品である「おもちゃ,人形」等に
ついては,ファッションに関連する場合があるというべきである。
 これに対し,原告又はその関連会社であるアドバンス社の業務に係る商
品は,上記争いのない事実等(2)のとおり,ファッション雑誌「VOGUE」誌であ
るところ,証拠(甲94)及び弁論の全趣旨によれば,ファッション雑誌「VOG
UE」誌は,流行の被服,靴,鞄及び時計等の服飾品に加え,ファッションに関連
する雑貨等を取り扱う場合のあることが認められる。
 したがって,両者の商品の間には,ファッションという用途又は目的に
おいて,関連性が認められる場合があるというべきである。
 また,このことから,両者の商品の取引者及び需要者についても,共通
する場合があるというべきである。
 しかも,本件商標の指定商品である「おもちゃ,人形」等が日常的に消
費される性質の商品であることや,その需要者が特別な専門的知識経験を有しない
一般大衆であることからすると,これを購入するに際して払われる注意力はさほど
高いものではないと見なければならない。
イ しかしながら,本件全証拠をもってしても,本件商標の指定商品である
「おもちゃ,人形」等を所持又は携帯することが,一般的に,ファッションの一部
であると認識されるようになっているとまでは認められず,また,服飾品がおもち
ゃ売り場で販売されることが,上記のような子供向けの特殊な服飾品を超えて,一
般的な販売形態になっているとまでは認められないことに照らすと,本件商標の指
定商品である「おもちゃ,人形」等とファッション雑誌「VOGUE」誌との間の
ファッションという用途又は目的における関連性は,相当程度弱いものというべき
である。
 また,このことから,両者の商品の取引者及び需要者についても,共通
性は,相当程度弱いものというべきである。
3 以上によれば,確かに,本件商標と引用商標及びその片仮名表記である「ボ
ーグ」とは,称呼,外観及び観念において類似しているところがあると一応いうこ
とができ,また,引用商標とその片仮名表記である「ボーグ」については,いずれ
も高い周知著名性を有しているというべきであり,さらに,本件商標の指定商品で
ある「おもちゃ,人形」等とファッション雑誌「VOGUE」誌との間には,ファ
ッションという用途又は目的において,関連性が認められる場合があるというべき
である。しかも,両商品の取引者及び需要者についても,共通する場合があるとい
うべきであり,加えて,本件商標の指定商品である「おもちゃ,人形」等を購入す
るに際して払われる需要者の注意力はさほど高いものではないと見なければならな
い。しかしながら,他方,本件商標と引用商標及びその片仮名表記である「ボー
グ」との間の上記類似の程度は,限定的というべきであり,また,引用商標の独創
性は,相当程度低いといわざるをえず,さらに,本件商標の指定商品である「おも
ちゃ,人形」等とファッション雑誌「VOGUE」誌との間のファッションという
用途又は目的における関連性の程度は,相当程度弱いというべきであり,しかも,
両商品の取引者及び需要者の共通性の程度も,相当程度弱いというべきである。し
たがって,これらの各事情を総合的に考慮するならば,本件商標が,これに接した
取引者及び需要者に対し,引用商標を連想させて商品の出所につき誤認を生じさせ
るということはできないというべきであり,また,その商標登録を認めた場合に,
引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化
(いわゆるダイリューション)を招くという結果が招来されるということもできな
いというべきである。
 そうすると,本件商標は,商標法4条1項15号に規定されている「他人の
業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には該当しないという
べきである。
4 以上によれば,本件商標の商標登録を無効にする審判請求は成り立たないと
した本件審決は,結論において相当というべきである。よって,原告の本訴請求は
理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
    東京高等裁判所第3民事部
           裁判長裁判官   北  山  元  章
              裁判官   青  柳     馨
              裁判官   絹  川  泰  毅

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