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平成12(行ケ)100行政訴訟 特許権

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裁判所 東京高等裁判所
裁判年月日 平成13年4月23日
事件種別 民事
法令 特許権
民事訴訟法61条1回
特許法29条1項3号1回
キーワード 審決6回
訂正審判1回
特許権1回
分割1回
主文
事件の概要

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判決文

平成12年(行ケ)第100号 特許取消決定取消請求事件(平成13年4月9日
口頭弁論終結)
          判           決
       原      告   株式会社半導体エネルギー研究所
       訴訟代理人弁理士   加 茂 裕 邦
       被      告   特許庁長官 及 川 耕 造
       指定代理人    中 澤  登
       同          関 根 恒 也
       同          小 林 信 雄
       同          宮 川 久 成
          主           文
 特許庁が平成10年異議第72049号事件について平成12年2月
3日にした決定を取り消す。
      訴訟費用は被告の負担とする。
          事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
 1 原告
   主文と同旨
 2 被告
   原告の請求を棄却する。
   訴訟費用は原告の負担とする。
第2 当事者間に争いのない事実
 1 特許庁における手続の経緯
  (1) 原告は、名称を「プラズマ処理装置」とする特許第2670560号発明
(昭和61年8月8日原出願、平成5年8月20日分割出願、平成9年7月11日
設定登録、以下「本件発明」という。)の特許権者である。
    平成10年4月28日、上記特許につき特許異議の申立てがされ、平成1
0年異議第72049号事件として特許庁に係属したところ、原告は、同年11月
4日に本件明細書の記載を訂正する旨の訂正請求をし、平成11年7月12日に訂
正請求書の補正をした。
    特許庁は、同特許異議の申立てにつき審理した上、平成12年2月3日、
「特許第2670560号の特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」とい
う。)をし、その謄本は同月28日原告に送達された。
  (2) 原告は、本件決定の取消しを求める本訴提起後の平成12年12月27
日、本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の各記載を訂正する旨の訂
正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2001-39002号事件
として審理した上、平成13年3月5日、上記訂正を認める旨の審決(以下「本件
訂正審決」といい、本件訂正審決に係る訂正を「本件訂正」という。)をし、その
謄本は同月15日原告に送達された。
 2 特許請求の範囲の記載
  (1) 本件訂正前の記載
    減圧状態で被膜形成用基板を保持する反応空間と、
高周波電力を発生させる手段と、
前記高周波電力を振幅変調せしめる手段と、
前記反応空間における一対の電極間に前記振幅変調した高周波電力を供給す
る手段と、
から構成されたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  (2) 本件訂正によって訂正された記載(注、訂正部分を下線で示す。)
    減圧状態で被膜形成用基板を保持する反応空間と、
   高周波電力を発生させる手段と、
   前記高周波電力を、反応容器の内壁に発生するフレークが低減するように放
電の弱いまたは無い時が得られるように、振幅変調せしめる手段と、
   前記反応空間における一対の電極間に前記振幅変調した高周波電力を供給す
る手段と、
   から構成されたことを特徴とするプラズマ処理装置。
 3 本件決定の理由
   本件決定は、本件発明の要旨を本件訂正前の特許請求の範囲の記載のとおり
認定した上、本件発明は、特開昭60-86831号公報(審判甲第1号証、本訴
甲第4号証)に記載された発明であって、本件特許は特許法29条1項3号に基づ
いて拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるから、特
許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年
政令第205号)4条1項及び2項の規定により取り消されるべきものとした。
第3 当事者の主張
 1 原告
   本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正前の特許請求の範囲記載のとおり認
定した点は、本件訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正
されたため、誤りに帰したことになる。そして、この瑕疵は本件決定の結論に影響
を及ぼすものであるから、本件決定は違法として取り消されるべきである。
 2 被告
   本件訂正審決の確定により特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正された
ことは認める。
第4 当裁判所の判断
   本件訂正審決の確定により、特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正され
たことは当事者間に争いがなく、この訂正によって特許請求の範囲が減縮されたこ
とは明らかである。
   そうすると、本件決定が、本件発明の要旨を本件訂正前の特許請求の範囲記
載のとおりであると認定したことは、結果的に誤りであったことに帰する。そし
て、これが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、本件決定は、
瑕疵があるものとして取消しを免れない。
   よって、原告の請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき行政事
件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
     東京高等裁判所第13民事部
         裁判長裁判官  篠 原 勝 美
    裁判官  長 沢 幸 男
    裁判官  宮 坂 昌 利

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