平成11(行ケ)329行政訴訟 特許権
判決文PDF
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裁判所 |
東京高等裁判所
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裁判年月日 |
平成12年9月14日 |
事件種別 |
民事 |
法令 |
特許権
特許法134条5項1回
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キーワード |
審決11回 無効4回 特許権2回 訂正審判1回 無効審判1回
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主文 |
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事件の概要 |
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判決文
平成11年(行ケ)第329号 審決取消請求事件
判 決
原 告 株式会社三木製作所
代表者代表取締役 A
原 告 日本セイフティー株式会社
代表者代表取締役 B
原 告 近畿パネル株式会社
代表者代表取締役 C
原告ら訴訟代理人弁理士 D、E、F
被 告 日本機電株式会社
代表者代表取締役 G
訴訟代理人弁護士 米津稜威雄、長嶋憲一、佐貫葉子、野口英彦、世戸孝司、西
畠義昭、高橋利郎、弁理士 H、I
主 文
原告らの請求を棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
第1 原告らの求めた裁判
「特許庁が平成10年審判第35222号事件について平成11年8月16日に
した審決を取り消す。」との判決。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯
原告らは、名称を「工事現場用囲い板の敷設構造」とする特許第2700425
号発明(平成3年8月30日特許出願(特願平3-219505号)、平成9年1
0月3日設定登録。本件発明)の特許権者であるが、被告は、平成10年5月22
日、本件発明について無効審判請求をし、平成10年審判35222号事件として
審理され、原告らは平成10年8月26日訂正請求をしたが、平成11年8月16
日、「特許第2700425発明の明細書の請求項第1項に記載された発明につい
ての特許を無効とする。」との審決があり、その謄本は同年9月8日原告らに送達
された。なお、原告近畿パネル株式会社は、平成10年4月24日受付、同年6月
22日登録をもって、従前の本件特許権の持分権者であったサンド工業株式会社か
らその持分権を取得し、これに基づき、同年6月24日、本件審判手続の続行通知
を得ていたところ、審決には従前の持分権者であるサンド工業株式会社が被請求人
の一人として記載されている。
2 本件発明の要旨
(1)(平成10年8月26日の訂正請求による訂正後の請求項1に記載のもの)
縦長の板材の両端縁部分に敷設された時に隣接する囲い板の端縁部を平面視にお
いてクランク状に折り曲げ、更にその先端部分を囲い板の裏面と平行に内方に折り
曲げて嵌合接続部を形成し、該嵌合接続部の端縁部を板材の裏面側に折り曲げると
ともに、クランク状の嵌合接続部同士を当接させて囲い板を工事現場の周囲に連接
するようにしたことを特徴とする工事現場用囲い板の敷設構造。
(2)(上記訂正前の請求項1に記載のもの)
縦長の板材の両端縁部分に敷設された時に隣接する囲い板の端縁部を平面視にお
いてクランク状に折り曲げ、更にその先端部分を囲い板の裏面と平行に内方に折り
曲げて嵌合接続部を形成し、クランク状の嵌合接続部同士を当接させて囲い板を工
事現場の周囲に連接するようにしたことを特徴とする工事現場用囲い板の敷設構
造。
3 審決の理由の要点
審決は、平成10年8月26日の訂正請求は、実公昭37-15738号公報及
び実願昭52-43966号(実開昭53-139718号)のマイクロフィルム
に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、
特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、上記訂正は、
特許法134条5項において準用する126条3項の規定に適合しないので、当該
訂正は認められないとした上、本件請求項1に係る発明は前項の(2)に記載されたと
おりのものであると認定し、当該発明は、実公昭37-15738号公報及び実願
昭52-43966号(実開昭53-139718号)のマイクロフィルムに記載
された発明に基づいて容易に発明できたものと認められ、特許法29条2項の規定
により特許を受けることができないとし、同発明の特許は同法123条1項2号の
規定により無効にすべきものであると判断した。
第3 原告ら主張の審決取消事由
原告らは、審決の認定、判断を争わないが、審決が引用する先行技術によって本
件発明の特許が無効にされるのを回避するため、平成12年1月13日付け審判請
求書をもって、特許請求の範囲の減縮及び発明の詳細な説明の欄における明瞭でな
い記載の釈明を目的として、本件発明の請求項1の記載の訂正などをすることにつ
いて審判を請求した、と主張する。
第4 当裁判所の判断
原告らは、審決の認定、判断を争わず、具体的な取消事由を主張していないの
で、本訴請求が理由のないものであることは明らかである。原告らが主張する訂正
審判請求も、本訴の口頭弁論終結時においていまだ認められているものではないの
で、この訂正のあったことを前提にして審決の判断に結果的に誤りがあったとする
こともできない。
第5 結論
以上のとおりであり、原告らの請求は棄却されるべきである。
(平成12年7月11日口頭弁論終結)
東京高等裁判所第18民事部
裁判長裁判官 永 井 紀 昭
裁判官 塩 月 秀 平
裁判官 橋 本 英 史
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