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平成11(ネ)45等損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件

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裁判所 大阪高等裁判所
裁判年月日 平成11年12月27日
事件種別 民事
法令 不正競争
キーワード 損害賠償4回
実施2回
差止2回
抵触1回
主文
事件の概要

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判決文

平成一一年(ネ)第四五号、第一五二五号 損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件
(原審・大阪地方裁判所平成八年(ワ)第八七五〇号)
【当審口頭弁論終結日 平成一一年七月二九日】
判    決
控訴人(附帯被控訴人、以下「一審被告」という。) 株式会社ウエスタン・アー
ムス
右代表者代表取締役                A
右訴訟代理人弁護士               宗万秀和
同                       高橋隆二
同                       荒木和男
同                       近藤良紹
同                       早野貴文
同                       川合晋太郎
同                       川合順子
同                       田伏岳人
同                       鬼頭栄美子
被控訴人(附帯控訴人、以下「一審原告」という。) 株式会社シェリフ
右代表者代表取締役                B
右訴訟代理人弁護士               渡辺 徹
同                       八代紀彦
同                       佐伯照道
同                       天野勝介
同                       中島健仁  他一二名
        主    文
一 本件控訴を棄却する。
二 本件附帯控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。
1 一審被告は、一審原告に対し、金一九二万〇二一四円及びこれに対する平成八
年九月五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
2 一審原告のその余の請求を棄却する。
三 控訴費用は一審被告の負担とし、附帯控訴費用は、これを二〇分し、その一九
を一審原告の、その余を一審被告の負担とする。
四 この判決は、第二項1に限り、仮に執行することができる。
事実及び理由
第一 当事者の求めた裁判
一 一審被告
1 原判決中一審被告敗訴部分を取り消す。
2 一審原告の請求をいずれも棄却する。
3 本件附帯控訴を棄却する。
4 訴訟費用(本件附帯控訴費用を含む。)は、第一、二審とも一審原告の負担と
する。
二 一審原告
1 本件控訴を棄却する。
2 原判決を次のとおり変更する(附帯控訴)。
(一) 一審被告は、一審原告に対し、金二九九〇万三二九九円及びこれに対する平
成八年九月五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え(当審における
請求の拡張)。
(二) 一審被告は、原判決添付別紙雑誌目録記載の雑誌に各一回ずつ原判決添付別
紙広告目録記載の文案により、五号活字を使用した広告を掲載せよ。
3 控訴費用及び附帯控訴費用は、一審被告の負担とする。
4 2項(一)につき仮執行宣言
   (以下、一審原告を「原告」、一審被告を「被告」という。)
第二 事案の概要
一 本件は、遊戯銃のカスタムパーツの製造・販売を業とする原告が、遊戯銃及び
その部品の製造・販売等を業とする被告に対し、被告が原告の取引先に対してした
「原告部品はすべて不正競争防止法によって規制される被告部品の形態模倣品であ
る。」旨の口頭の告知行為(本件告知行為)が虚偽の事実を内容としており、原告
の営業上の信用を害するものであって、不正競争防止法(以下「本法」という。)
二条一項一一号の不正競争行為(以下「営業誹謗行為」という。)に該当するとし
て、本法三条一項、四条、七条に基づき、右行為の差止め、損害賠償及び謝罪広告
の掲載を求めた事案である。
 原判決は、被告の営業誹謗行為を認め、被告に対し、損害賠償として一五一万〇
九五三円(請求額は一二七八万八〇七〇円)の支払を命じ、原告のその余の請求を
棄却したところ、前記第一記載のとおり、被告から控訴の申立て、原告から附帯控
訴の申立てがなされた(本法三条一項に基づく差止請求を棄却した部分については
不服申立てはない。)。
二 基本的事実関係、争点、争点に関する当事者の主張は、次に付加訂正するほ
か、原判決記載のとおり(基本的事実関係については三頁七行目から五頁四行目ま
で、争点については六頁二行目から末行まで、争点に関する当事者の主張について
は七頁一行目から七〇頁四行目まで)であるから、これを引用する。
1 原判決二四頁四行目の「チェンバカバー」を「チェンバーカバー」と、四八頁
末行の「フローティンブバルブ」を「フローティングバルブ」と、それぞれ改め、
原判決六五頁七行目の「現在」から次行の「審理されており、」までを削除する。
2 原判決六二頁一〇行目から六五頁二行目までを、次のとおり改める。
「(一) 逸失利益
 原告の原判決別紙取引先目録記載の取引先との取引は、本件告知行為の直後(平
成八年八月ころ)から全くなくなってしまった(甲32)。それまで、右取引先から
継続的にあった注文が、本件告知行為が行われた時期に、突如として完全に途絶し
たことからすれば、その完全途絶は明らかに本件告知行為に起因する。
 このように、営業誹謗行為によって注文が完全に途絶した場合の損害額の算定方
法については、当該行為直前の一年間の売上合計を基にして、当該行為のあった時
からその行為が撤回された時までの期間について、原告の売上額を推定した上で、
その推定売上額に粗利益率を乗じた金額を損害額とすべきである。
 本件においては、本件告知行為直前の一年間(平成七年八月から平成八年七月ま
で)の原告部品の売上げは、一二二七万四五八四円である(甲32)ので、これを基
にして、本件告知行為によって取引の完全途絶した平成八年八月から平成一〇年一
一月(原判決言渡し時)までの期間の推定売上額を求めると、二八六四万〇六九六円
となる(12,274,584÷12×28=28,640,696)。
 そして、本件告知行為の影響を受けていない直前の一年間の粗利益は六二・五一
パーセントであるから、逸失利益は一七九〇万三二九九円となる(28,640,696×
0.6251=17,903,299)。
   (二) 信用毀損による無形損害
 ①被告の営業誹謗行為によって原告部品について卸売り取引が突如として完全に
途絶したこと、②原告は、本件告知行為のあった当時、原告部品を営業の主力商品
にしていたこと、③右取引の完全な途絶により、原告は赤字に陥り、倒産しかかっ
たこと、④本件につき法的手続を執るため、本訴提起前に仮処分の申立ても行った
こと、⑤本件告知行為の内容が極めて激しく、その態様が極めて強引であったこと
等、一切の事情を総合考慮すると、右信用毀損による原告の損害額は一〇〇〇万円
とすべきである。
(三) 弁護士費用
 第一審及び第二審における弁護士費用は二〇〇万円を下らない。」
三 当審における主張の補足
(原告)
1 純正部品についての本法二条一項三号該当性について
 いわゆる純正部品については、本法二条一項三号の規定による保護は及ばないと
解するのが相当であるところ(東京地裁平成一一年二月二五日判決参照)、被告部
品はいずれも被告エアガン用の純正部品であるから、仮に原告部品がこれと形態が
同一であるとしても、同号の形態模倣には該当しないというべきである。
2 被告の後記主張2について
 被告が銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)及び日本遊戯銃協同
組合の自主規制による材料の制限等を遵守しているため、被告が使用できない金属
を使用して原告部品が作られていることと、本法二条一項三号の解釈とは関係がな
い。
(被告)
1 原告の主張1は争う。
 原告の引用する東京地裁判決は、本法二条一項三号の立法趣旨を没却するもので
ある。
 なお、原審で詳述したとおり、本号が保護の対象から除外しているのは、「同種
の商品が通常有する形態」のみであって、「製作上不可避な形態」はこれに含まれ
ないと解すべきである。
2 原告部品の要保護性の欠如
 被告は、自己の製品が改造の用に供され、銃刀法、武器製造法等の法令違反事件
の誘因となることのないよう、自らの製品を製造するについて、銃刀法及び日本遊
戯銃協同組合の自主規制による材料の制限等を遵守している。原告は、これを悪用
し、被告が製造し得ない金属を用いて部品を製造し、より実銃に近い商品としてマ
ニアの購買欲に訴え、開発努力を伴わない形態模倣品を法外な価格で販売してい
る。
 このような競争行為は、本法が保護しようとする「公正競争」には該当せず、原
告部品には本法による要保護性が欠如しているというべきである。
第三 当裁判所の判断
一 争点1(被告が行った本件告知行為は「虚偽の事実」を内容とするものか。)
及び争点2(被告は原告部品の販売を承諾していたか。また、被告の本件告知行為
は禁反言の原則に反するか。)について
 当裁判所も、被告代表者の本件告知行為は、営業誹謗行為として本法二条一項一
一号の不正競争行為に該当し、不法行為を構成すると判断する。
 その理由は、次に付加訂正するほか、原判決の理由説示一ないし三(原判決七〇
頁六行目から一三三頁九行目まで)のとおりであるから、これを引用する。
 1 原判決の訂正等
(一) 原判決七二頁一行目と五行目の「乙22」をいずれも「乙21」と改める。
(二) 原判決八二頁一〇行目の「カスタムパーツ」の前に「被告エアガン用の」
を、同八三頁七行目の「事実を」の次に「含めて」を、それぞれ加える。
(三) 原判決八六頁八行目から九行目の「従前取引があったものが平成八年八月か
ら取引が途絶したこと(甲32)から推認することができるが」を「従前取引があっ
たものが、大友商会及び桑田商会と同時期の平成八年八月から取引が途絶したこと
(甲32)から、右二社に対するのと同様の告知行為があったことを推認することが
できるが」と改める。
(四) 原判決八七頁七行目から九四頁一〇行目まで((一)ないし(三)の部分)を次
のとおり改める。
 「(一) 本号が、他人の商品形態を模倣した商品の販売行為等を不正競争行為と
する趣旨は、先行者の商品形態を模倣する後行者は、先行者が商品開発に要した時
間、費用や労力を節約でき、しかも商品開発に伴うビジネスリスクを負うことも回
避できる一方で、先行者の市場先行のメリットが著しく損なわれることにより、後
行者と先行者との間に競業上著しい不公平が生じるが、このような行為は、他人が
資金や労力を投下した成果を盗用するものとして競争上不正な行為であるという点
に基づくと解される。
       したがって、まず、その形態が本号によって保護される「商品」で
あるためには、当該商品が市場において独立の取引の対象となっているものである
ことを要するものと解されるところ、被告は、本体としての被告エアガンとは別に
被告エアガン用の部品も販売していることが認められ(乙1添付のパーツリスト、
証人Cの証言、弁論の全趣旨)、右の事実によれば、被告部品は、本体たる被告エ
アガンとは別個に市場において取引の対象となっているものと推認することができ
るから、被告部品は、そのそれぞれが本号の「商品」に該当し、その形態は、被告
エアガンとは別に保護の対象となるものといえる。
     (二) 次に、本号は、「当該他人の商品と同種の商品(同種の商品がな
い場合にあっては、当該他人の商品とその機能及び効用が同一又は類似の商品)が
通常有する形態」(以下「同種の商品が通常有する形態」という。)を保護の対象
から除外しているが、その趣旨は、①同種の商品においてありふれた形態は、その
開発に特段の費用や労力の投下及びリスク負担が行われたわけではないのが通常で
ある上に、②同種の商品が機能及び効用を発揮するために不可避的に採らざるを得
ない形態までも特定の者に専用させることは、機能や効用自体を特定の者に専用さ
せることとなり、かえって同種の商品間における発展的な競争を阻害するというこ
とに基づくものと解される。
      したがって、「同種の商品が通常有する形態」とは、同種の商品の
場合であれ、機能及び効用が同一又は類似の商品の場合であれ、それらの商品にお
いてありふれた形態をいうものと解されるが、何をもってありふれた形態というべ
きかについては、その商品の機能及び効用をも考慮して判断すべきものと解され
る。そして、右趣旨に照らせば、当該商品が全く新たな種類のものであって、同種
の商品や、機能及び効用を同じくする商品がそれまで世の中に存在していなかった
場合であっても、なお、当該商品の機能及び効用を発揮させるために不可避的に採
らざるを得ない形態として、「同種の商品が通常有する形態」に該当し、本号の保
護の対象から除外される場合もあり得るものと解される。
       また、ある商品の形態がすべて同種の商品が通常有する形態から構
成されることはまれであり、通常は、そのような形態を基礎として、独自に付加的
ないしは付随的な要素を加えて全体の形態が構成されているものであるところ、本
号は、全体としての商品の形態を保護するものであるから、当該商品の形態が「同
種の商品が通常有する形態」に該当するかどうかは、右の付加的ないし付随的要素
を加味した全体としての形態を基準として判断すべきものと解するのが相当であ
る。
     (三) これを本件についてみると、後掲各証拠によれば、
      (1) 遊戯銃の一種であるエアソフトガンは、ガスの圧力によりプラス
チック弾を発射するものであるが、需要者である愛好者からは実銃と可能な限り類
似した外観や操作性が求められる反面、その発射原理は実銃と全く異なるため、そ
の開発においては、外観は実銃のモデルにできるだけ似せつつ、その内部には精度
の高いガス発射機構を組み込まなければならないという制約を受けることとなるこ
と(乙13、弁論の全趣旨)、
      (2) 被告は、エアソフトガンの発射原理について、マグナブローバッ
クシステムという方式を開発し、これによって初めて、エアソフトガンにおいて実
銃と外見上同様の作動を実現することが可能となり、この方式を実施するための部
品構造を設計、開発して、被告エアガンに採用したこと(乙12、乙13、弁論の全趣
旨)、
      (3) エアソフトガンの愛好者の間では、その楽しみ方として、その性
能、機能や外観を変えたり、改善したりすること(カスタムやチューンアップと呼
ばれる。)が行われており、その需要に応えるために、本体としてのエアソフトガ
ンに対応したカスタム用の部品(カスタムパーツ)が、エアガン本体の製造販売メ
ーカーとは異なるメーカーから販売されているところ、本件で問題となっている原
告部品は、被告エアソフトガン用のカスタムパーツであること(甲20、弁論の全趣
旨)、
      以上の事実が認められる。
       そうすると、前記のように、被告部品を被告エアガンとは別個の独
立した「商品」として把握した場合、右(1)ないし(3)で認定した事実からすると、
その「商品」としての機能及び効用は、まさに被告エアガン中に組み込まれてその
機構の一部を構成する点にあるのであって、エアソフトガンの愛好者は、そのよう
な機能と効用を有する被告部品やカスタムパーツの中から自己が購入する部品を選
択するものと認められるから、被告部品の形態が「同種の商品が通常有する形態」
であるか否かを検討するに当たっては、各被告部品について、当該部品が被告エア
ガンの中で果たす機能や効用をも踏まえて、その部品の形態がエアソフトガンの部
品形態としてありふれた形態であるか否かを検討することが必要である。」
(五) 原判決九七頁八行目から同一〇〇頁一〇行目までの各「別紙図面6」(一六
箇所)をいずれも「本判決添付別紙図面6」と改め、原判決別紙図面6を本判決別
紙図面6に差し替える。
(六) 原判決一〇四頁八行目の「あるが、」の次に「これを全体的に観察すると、
別表⑬記載のとおり、」を加える。
(七) 原判決一〇八頁四行目から一〇九頁三行目までを次のとおり改める。
「構成されていると解するのが相当である(この点について、被告は、被告チェン
バーカバーの形態は、被告がマグナブローバックシステムを実施するに当たって新
規に考案した形態である旨主張するが、本号は技術ないし考案そのものを保護する
趣旨の規定ではないから、右の主張は失当である。)。
 しかしながら、被告チェンバーカバーの形態を全体的に観察すると、別表⑭記載
のとおり、その模様や色彩の点においてなお独自性を有する部分もあるから、その
形態が全体として同種の商品が通常有する形態であるとまではいえない。」
(八) 原判決一一〇頁二行目から一一二頁六行目までを次のとおり改める。
「これに対し、被告ハンマーの形状のうち、フルコックノッチの幅がハンマー幅の
半分である点及びリバウンドロックノッチが設けられている点は、実銃のハンマー
にも従来のエアガンのハンマーにも見られない新規な点である。
 そして、前記(1)で認定した事実によれば、被告エアガンにおけるハンマーの機能
は、発射準備完了時においてはシアーによってコックされ、発射時においてはコッ
クが解除されてファイアリングピンを打撃する点にあるが、乙13によれば、フルコ
ックノッチの幅がハンマー幅の半分である理由は、被告エアガンのシアーは、ディ
スコネクターと並列して配置してあるために、その幅が実銃と異なり半分しかない
ことに対応したものであることが認められる。そうすると、フルコックノッチの幅
の点については、被告エアガンにおいてハンマーがディスコネクターと抵触せずに
シアーによってコックされるために工夫された独自の形態というべきである。
 また、乙13によれば、リバウンドロックノッチが設けられている理由は、被告エ
アガンを使用しないときにハンマーが誤ってファイアリングピンを押すことがない
ように、両者が接触する直前の位置でハンマーを固定しておく点にあるものと認め
られるところ、リバウンドロックノッチは、非使用時に誤ってファイアリングピン
を押さないようにするという技術的目的を達成するための手段であることからする
と、その形状にはおのずと制約があると考えられるが、被告の右リバウンドロック
ノッチは、その限られた選択の幅の中から具体的に選ばれた長さや幅・高さを有す
る形状であって、そこには被告独自の工夫に基づく形態的特徴があると認めること
ができる。
 以上によれば、被告ハンマーの形態は、基本的には同種の商品が通常有する形態
であるといえるが、右にみたフルコックノッチの幅及びリバウンドロックノッチの
付設のほか、その模様や色彩等独自性を有する部分もあるから、全体として同種の
商品が通常有する形態であるとはいえない。」
(九) 原判決一一四頁三行目から同頁末行までを次のとおり改める。
「したがって、被告フローティングバルブの形態は、右の限度で同種の商品が通常
有する形態であるということができるが、しかし、右の形態を子細に観察すると、
バルブ(円盤状の弁)部分の細かな形態やバルブの両側の部材の形状(三枚から成
る羽根の数や長さなど)、模様や色彩など独自に工夫した部分も存在するから、右
の形態は、全体として同種の商品が通常有する形態であるとまではいえない。
 被告は、フローティングバルブがブローバックシステムを実現するために考案さ
れた全く新たな部品であることを理由に、その形態すべてに独自性があると主張す
るが、全く新たな商品であっても、その機能及び効能を発揮するために不可避的に
採らざるを得ない形態については、同法の保護が及ばないと解すべきことは前記の
とおりである。」
(一〇) 原判決一一七頁三行目の「外観」の次に「、材質」を加え、同頁四行目の
「形態」を「形状」と改める。
(一一) 原判決一二三頁二行目の冒頭から四行目の「したものである。」までを
「フルコックノッチの幅、リバウンドロックノッチの付設、模様や色彩の部分であ
るが、これらの点を原告ハンマーと比較すると、前二者についてはほぼ同一である
といえるものの、後者の模様や色彩の点において異なっており、また、このような
相違は主として材質の相違を反映したものである。」と改める。
(一二) 同一二六頁三行目末尾の「ま」から五行目末尾までを削る。
2 当審における主張について
(一) 原告は、被告部品は被告エアガンの純正部品であるから本法二条一項三号の
保護の対象となり得ないと主張する。
 しかし、前記1(四)((三)の項)でみたエアソフトガンの取引の実情に照らす
と、被告部品が被告エアガンの純正部品であるからといって、本法二条一項三号の
保護の対象から除外されることにはならないというべきである。
(二) 被告は、被告が銃刀法及び日本遊戯銃協同組合の自主規制による材料の制限
等を遵守しているにもかかわらず、原告がそのことを悪用し、形態模倣品を法外な
価格で販売することは、本法が保護しようとする「公正競争」に該当せず、本法に
より保護すべき実質的理由はないと主張する。
 しかし、原告の右販売が許されるか否かは、それぞれの法律によって、それぞれ
の理由から規制されているのであって、被告の主張する事由が存することをもっ
て、本法上の要件の解釈が左右されるとは考えられない。
二 争点4(賠償すべき損害の額及び謝罪広告の要否)について
 当裁判所は、被告が原告に対して賠償すべき損害の額は一九二万〇二一四円をも
って相当とし、また、謝罪広告を認めるまでの必要性及び相当性はないものと判断
する。
   その理由は、次に付加訂正するほか、原判決の理由説示五(原判決一三五頁
一行目から一四八頁二行目まで)のとおりであるから、これを引用する。
  1 原判決一三五頁七行目の「被告エアガン」の前に「スプリングなどの若干
の例外を除き、」を加える。
  2 原判決一三七頁四行目、同一四〇頁九行目、同一四一頁五行目・九行目
(二箇所)、同一四二頁一行目・六行目・九行目の各「別表⑰」の前に「本判決添
付」を加え、原判決添付別表⑰を本判決添付別表⑰と差し替える。
  3 原判決一四〇頁一〇行目から一一行目にかけての「合計八七二万九三二四
円」を「合計八五三万九〇二四円」と、同一四二頁一〇行目から一一行目にかけて
の「一八万八九〇〇円」を「一八万七九三三円」と、それぞれ改める。
  4 原判決一四三頁七行目から同一四四頁三行目までを次のとおりに改める。
   「(三) そこで、原告の得べかりし売上額を検討するに、前記のとおり、非
模倣品全体の得べかりし月間売上高は、一八万七九三三円であると認められるとこ
ろ、原告が本件において損害賠償の対象として請求しているのは、平成八年八月か
ら平成一〇年一一月までの二八か月間(なお、平成一〇年一一月二六日に原審判決
が言い渡されたことを考えると、少なくとも同月末日までは、本件告知行為の影響
は継続していたと認められる。)であるから、この間の非模倣品全体の得べかりし
売上高は、五二六万二一二四円から、前記仮処分決定によって仮処分対象品が販売
できなかった一か月分の売上高(本判決添付別表⑰によると、一五万四二一七円で
あると認められる。)を控除した五一〇万七九〇七円であると認められる。
      (187,933×28-154,217=5,107,907)」
  5 原判決一四六頁一〇行目の「五一万九五三円」を「七二万〇二一四円」
と、同末行の「(3,623,783×[1-0.859]=510,953)」を「(5,107,907×[1-0.859]=
720,214)」と、それぞれ改める。
  6 原判決一四七頁四行目の次に、改行して、「(七) 本件一、二審の弁護士
費用として、二〇万円を認めるのが相当である。」を加え、同五行目の「(七)」を
「(八)」と、同六行目の「一五一万九五三円」を「一九二万〇二一四円」と、それ
ぞれ改める。
 三 結 論
   以上によると、原告の本件請求は、被告に対し、金一九二万〇二一四円及び
その遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから、原判決を変更して、主文の
とおり判決する。
大阪高等裁判所第八民事部
 裁判長裁判官     鳥  越  健  治

          裁判官      小  原  卓  雄

    裁判官山田陽三は差支えにつき署名捺印することができない。
 
  裁判長裁判官     鳥  越  健  治

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