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平成25(ワ)5595商号使用差止等請求事件

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裁判所 認容 東京地方裁判所
裁判年月日 平成25年7月12日
事件種別 民事
当事者 被告株式会社三菱エステート
原告三菱商事株式会社 三菱地所株式会社 ら訴訟代理人弁護士大野聖二
法令 不正競争
不正競争防止法2条1項2号4回
キーワード 差止3回
損害賠償2回
侵害1回
主文 1 被告は,「株式会社三菱エステート」の商号を使用してはならない。
2 被告は,水戸地方法務局平成20年11月25日設立の商業登記中,「株式会社三菱エステート」の商号登記の抹消登記手続をせよ。
3 被告は,原告らに対し,それぞれ30万円及びこれに対する平成25年5月31日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,第1,3項に限り,仮に執行することができる。
事件の概要 本件は,いわゆる三菱グループに属する原告らが,同グループに属せずかつ 「株式会社三菱エステート」の商号((((以下以下以下以下「「「「被告商号被告商号被告商号被告商号」」」」というというというという。)。)。)。)による商業 登記を有する被告に対し,不正競争防止法2条1項2号,3条,4条に基づ き,被告商号の使用差止め,商号登記部分の抹消登記手続及び損害賠償を求め た事案である。

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判決文

平成25年7月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成25年(ワ)第5595号 商号使用差止等請求事件
口頭弁論終結日 平成25年6月5日
判 決
東京都千代田区<以下略>
原 告 三 菱 商 事 株 式 会 社
東京都千代田区<以下略>
原 告 三 菱 地 所 株 式 会 社
原告ら訴訟代理人弁護士 大 野 聖 二
同 小 林 英 了
同 本 橋 た え 子
(送達をすべき場所)不明
(商業登記簿上の本店所在地)茨城県鹿嶋市<以下略>
被 告 株式会社三菱エステート
主 文
1 被告は,「株式会社三菱エステート」の商号を使用してはならない。
2 被告は,水戸地方法務局平成20年11月25日設立の商業登記中,「株式
会社三菱エステート」の商号登記の抹消登記手続をせよ。
3 被告は,原告らに対し,それぞれ30万円及びこれに対する平成25年5月
31日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,第1,3項に限り,仮に執行することができる。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
主文同旨
第2 当事者の主張
本件は,いわゆる三菱グループに属する原告らが,同グループに属せずかつ
「株式会社三菱エステート」の商号( 以下 「 被告商号 」 という 。)
( 以下「被告商号」という。) 。)による商業
登記を有する被告に対し,不正競争防止法2条1項2号,3条,4条に基づ
き,被告商号の使用差止め,商号登記部分の抹消登記手続及び損害賠償を求め
た事案である。
1 請求原因
別紙訴状のとおり
2 請求原因に対する認否
被告は,公示送達による呼出を受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。
第3 当裁判所の判断
1 被告は,公示送達による呼出を受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。
2 甲1,5,6によれば,請求原因第1(当事者)の事実が認められる。
3 請求原因第2(不正競争防止法2条1項2号,同3条1項に基づく請求)に
関し,甲2,3及び弁論の全趣旨によれば,「三菱」の表示は,原告らいわゆ
る三菱グループの商品等表示として著名であることが認められる。
被告商号のうち「株式会社」は会社の種類を表す一般名称であり,「エステ
ート」は「地所」や「資産」を意味する英語であり,事業分野を表す一般名詞
として商品又は役務の出所識別機能を有しないから,被告商号の要部は「三
菱」の部分というべきところ,これは原告らの商品等表示(「三菱」)と同一
である。
したがって,被告商号は原告らの著名な商品等表示と類似し,被告が被告商
号を使用する行為は不正競争防止法2条1項2号の不正競争に該当する。
被告は,①アジア系外国人の芸能家,歌手,演芸家等芸能タレントの養成及
びそれらのマネージメント,②芸能タレントの斡旋,仲介,③食料品の輸出入
及び販売,④飲食店の経営及び⑤これらに附帯する一切の業務を目的とする株
式会社であり(甲1),原告らは,これらと重複する事業目的を有する株式会
社であるから(甲5,6),原告らは,被告商号の使用により「営業上の利益
を侵害されるおそれがある者」といえる。
したがって,原告らは,不正競争防止法2条1項2号,3条1項,2項に基
づき,被告商号の使用の差止め,被告商号の抹消を求めることができる。
4 請求原因第3(損害賠償)に関し,甲2,3及び弁論の全趣旨によれば,原
告ら三菱グループの商品等表示である「三菱」は,被告が設立された平成20
年11月25日時点で著名であったと認められるから,被告には故意又は過失
があったものと認められる。
被告の不正競争行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額として,原告ら
にそれぞれ30万円の損害を認める。
5 以上によれば,原告らの請求はすべて認められる。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 大 須 賀 滋
裁判官 西 村 康 夫
裁判官 森 川 さ つ き

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