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平成17(行ヒ)106審決取消請求事件

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裁判所 最高裁判所第三小法廷
裁判年月日 平成17年10月18日
事件種別 民事
原審 平成15(行ケ)590 (平成16年11月30日)
法令 特許権
キーワード 審決16回
無効12回
特許権3回
無効審判2回
主文 原判決を破棄する。特許庁が無効2001−35183号事件について平成15年9月22日にした審決を取り消す。訴訟の総費用は上告人の負担とする。
判示事項 1 特許を無効にすべき旨の審決の取消請求を棄却した原判決に係る事件の上告審係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより原判決を破棄する場合に上記無効審決を取り消す旨の自判をした事例 2 特許を無効にすべき旨の審決の取消訴訟の係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより上記無効審決を取り消す場合に訴訟の総費用を特許権者に負担させた事例
事件の概要 (省略)

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判決文

         主    文
原判決を破棄する。
特許庁が無効2001−35183号事件について平成15年9月22日にした審
決を取り消す。
訴訟の総費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中元紘一郎ほかの上告受理申立て理由について
1 原審の適法に確定した事実関係及び本件訴訟の経緯の概要は,次のとおりであ
る。
(1) 上告人は,特許権の設定登録時の発明の名称を「包装され,含浸されたクリ
ーニングファブリックおよびその製造方法」とする特許権(特許第2673339
号。以下,この特許を「本件特許」という。)の特許権者である。
 (2) 被上告人は,本件特許の請求項1から26までに係る特許について,平成
13年4月25日,特許無効審判を請求し,特許庁に無効2001−35183号
事件として係属したところ,上告人は,平成15年6月27日,請求項の一部を削
除して請求項の数を22とすること等を内容とする明細書の訂正を請求した。上記
特許無効審判事件につき,特許庁において,平成15年9月22日,上記訂正を認
め,本件特許の請求項1から22までに係る特許を無効にすべき旨の審決(以下「
本件無効審決」という。)がされた。
 (3) 上告人は,本件無効審決の取消しを求める本件訴訟を提起し,原審は,平
成16年11月30日,上告人の請求を棄却する旨の判決を言い渡した。上告人は
,平成17年1月7日,上告受理の申立てをした。
 2 上告代理人ら提出の特許庁訂正2004−39263号事件審決謄本写し及
び本件記録によれば,次の事実が認められる。
(1)
上告人は,平成16年11月16日,特許請求の範囲の減縮等を目的として,明細
書及び図面を訂正することについての審判を請求した。この審判請求につき,特許
庁において,訂正2004−39263号事件として審理された結果,平成17年
1月12日,上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)がされ
,本件訂正審決は,同月24日に確定した。
 (2) 本件訂正審決は,本件特許の発明の名称を「包装され,含浸されたクリー
ニングファブリックを製造する方法」とし,請求項の一部を削除して請求項の数を
4とすること等を内容とする訂正を認めるもので,これによって,特許請求の範囲
が減縮された。

特許を無効にすべき旨の審決の取消請求を棄却した原判決に対して上告受理の申立
てがされ,その後,当該特許について特許出願の願書に添付された明細書を訂正す
べき旨の審決が確定し,特許請求の範囲が減縮された場合には,原判決の基礎とな
った行政処分が後の行政処分によって変更されたものとして,原判決には民訴法3
38条1項8号に規定する再審の事由がある。この場合には,原判決には判決に影
響を及ぼすことが明らかな法令の違反があったものというべきである(最高裁昭和
58年(行ツ)第124号同60年5月28日第三小法廷判決・裁判集民事145
号73頁,最高裁平成14年(行ヒ)第200号同15年10月31日第二小法廷
判決・裁判集民事211号325頁参照)。
 そして,特許を無効にすべき旨の審決の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特
許について特許出願の願書に添付された明細書を訂正すべき旨の審決が確定し,特
許請求の範囲が減縮された場合には,特許を無効にすべき旨の審決を取り消さなけ
ればならない(最高裁平成7年(行ツ)第204号同11年3月9日第三小法廷判
決・民集53巻3号303頁,最高裁平成10年(行ツ)第81号同11年4月2
2日第一小法廷判決・裁判集民事193号231頁参照)から,本件無効審決は,
これを取り消すべきものである。
 そうすると,論旨は理由があり,本件については,原判決を破棄し,本件無効審
決を取り消すのが相当である。
 なお,前記事実関係によれば,訴訟費用については,行政事件訴訟法7条,民訴
法62条を適用し,上告人の負担とするのが相当である。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 上田豊三 裁判官 濱田邦夫 裁判官 藤田宙靖 裁判官 堀籠
幸男)

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