知財判決速報/裁判例集知的財産に関する判決速報,判決データベース

ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 平成28(ネ)10030 損害賠償請求控訴事件

この記事をはてなブックマークに追加

平成28(ネ)10030損害賠償請求控訴事件

判決文PDF

▶ 最新の判決一覧に戻る

裁判所 控訴棄却 知的財産高等裁判所 東京地方裁判所
裁判年月日 平成28年5月11日
事件種別 民事
当事者 被告)株式会社リコー近藤正篤
控訴人(一審原告)X
被控訴人(一審被告)株式会社リコー近藤正篤
法令 実用新案権
民法709条1回
キーワード 侵害21回
実施6回
実用新案権6回
損害賠償2回
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事件の概要 1 本件は,カツター装置付きテープホルダーに関する実用新案権(実用新案登 録番号第978602号。本件実用新案権)を有していた控訴人が,被控訴人によ る原判決添付別紙「「カッター装置付きテープホルダー」という名称の考案(「カッ ター装置付テープホルダー」という物品の構造に係る考案)に係る実用新案権(登 録番号第978602号。昭和56年6月13日に存続期間満了。本件実用新案権) を有していたXが主張する侵害対象物A及びB並びにCの共通目録」(原判決共通目 録)記載の「侵害対象物A」,「侵害対象物B」及び「侵害対象物C」の製造販売は 本件実用新案権を侵害すると主張して,被控訴人に対し,不法行為(民法709条) に基づく損害賠償金250億9892万円のうち,「侵害対象物A」につき昭和50 年9月1日から昭和56年6月13日までの間に製造販売された10万5500台 のうち当初の122台に係る実施料相当額651万4800円,「侵害対象物B」に つき上記期間に製造販売された3万8300台のうち当初の10台に係る実施料相 当額53万4000円,「侵害対象物C」につき上記期間に製造販売された6万70 00台のうち当初の15台に係る実施料相当額390万円の合計1094万880 0円及びこれに対する不法行為の後である昭和56年6月14日から支払済みまで

▶ 前の判決 ▶ 次の判決 ▶ 実用新案権に関する裁判例

本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。

判決文

平成28年5月11日判決言渡
平成28年(ネ)第10030号 損害賠償請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成28年(ワ)第304号)
判 決
控 訴 人 ( 一 審 原 告 ) X
被控訴人(一審被告) 株 式 会 社 リ コ ー
訴 訟 代 理 人 弁 護 士 田 中 昌 利
近 藤 正 篤
主 文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事 実 及び 理 由
用語の略称及び略称の意味は,本判決で付するもののほか,原判決に従う。
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,1094万8800円及びこれに対する昭和5
6年6月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 本件は,カツター装置付きテープホルダーに関する実用新案権(実用新案登
録番号第978602号。本件実用新案権)を有していた控訴人が,被控訴人によ
る原判決添付別紙「「カッター装置付きテープホルダー」という名称の考案(「カッ
ター装置付テープホルダー」という物品の構造に係る考案)に係る実用新案権(登
録番号第978602号。昭和56年6月13日に存続期間満了。本件実用新案権)
を有していたXが主張する侵害対象物A及びB並びにCの共通目録」原判決共通目

録)記載の「侵害対象物A」「侵害対象物B」及び「侵害対象物C」の製造販売は

本件実用新案権を侵害すると主張して,被控訴人に対し,不法行為(民法709条)
に基づく損害賠償金250億9892万円のうち,
「侵害対象物A」につき昭和50
年9月1日から昭和56年6月13日までの間に製造販売された10万5500台
のうち当初の122台に係る実施料相当額651万4800円,
「侵害対象物B」に
つき上記期間に製造販売された3万8300台のうち当初の10台に係る実施料相
当額53万4000円,
「侵害対象物C」につき上記期間に製造販売された6万70
00台のうち当初の15台に係る実施料相当額390万円の合計1094万880
0円及びこれに対する不法行為の後である昭和56年6月14日から支払済みまで
民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は,本件訴えは,控訴人が被控訴人に対して平成13年に提起して敗訴し,
確定した訴訟と同一の紛争を蒸し返すものであるから,信義則に反し訴権の濫用に
当たる不適法なものであり,控訴人が昭和53年以降も実質的に同一の訴訟を繰り
返し提起してきたことを考慮すれば,その不備を補正することができないものであ
ることが明らかであるとして,口頭弁論を経ないでこれを却下した。
控訴人は,当審において,本件実用新案権を侵害した被控訴人の製品を示す原判
決共通目録を交換的に変更し,
「侵害対象物A」「侵害対象物B」及び「侵害対象物

C」を,
「イ号侵害物件」「ロ号侵害物件」及び「ハ号侵害物件」と変更するとした

上,不法行為に基づく損害額の総額を406億8948万円と変更し,
「イ号侵害物
件」については,昭和47年3月から昭和56年6月13日までの間に製造販売さ
れた16万1100台のうち当初の122台に係る実施料相当額651万4800
円,
「ロ号侵害物件」については,上記期間に製造販売された9万1100台のうち
当初の10台に係る実施料相当額53万4000円,「ハ号侵害物件」については,
昭和47年2月から昭和56年6月13日までの間に製造販売された10万470
0台のうち当初の15台に係る実施料相当額390万円として,その合計1094
万8800円及びこれに対する不法行為の後である昭和56年6月14日から支払
済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとした。
2 控訴理由は,本判決添付別紙A(控訴理由書写し),別紙B(追加控訴理由書
写し)及び別紙C(再追加控訴理由書写し)記載のとおりである。
第3 当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の本件訴えは不適法な訴えとして却下すべきであり,その不
備を補正することができないものであることが明らかであると判断する。その理由
は,次のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」欄の2項記載のとおりで
ある。
当審において,控訴人が,訴状添付の原判決共通目録と交換的に変更した本判決
添付別紙A控訴理由書添付の別紙(本件控訴理由書別紙)1-1~3の記載と,原
判決添付別紙2平成13年訴訟判決添付の別紙(平成13年訴訟判決別紙)の記載
とを比較すると,本件控訴理由書別紙における「イ号侵害物件」「ロ号侵害物件」

及び「ハ号侵害物件」と平成13年訴訟判決別紙における「イ号製品」「ロ号製品」

及び「ハ号製品」とは,実質的に同一の製品であると認められるから,控訴理由を
勘案してもなお,交換的変更後と主張する本件訴えは,実質的には平成13年訴訟
等で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものというべきであり,本件訴えは
信義則に反し訴権の濫用に当たる不適法なものであって,その不備を補正すること
ができないものである。
よって,本件訴えを却下した原判決は相当であるから,口頭弁論を経ないで本件
控訴を棄却することとし(最3小昭和57年10月19日判決・裁判集民事137
号391頁),主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官
清 水 節
裁判官
片 岡 早 苗
裁判官
古 庄 研

最新の判決一覧に戻る

法域

特許裁判例 実用新案裁判例
意匠裁判例 商標裁判例
不正競争裁判例 著作権裁判例

最高裁判例

特許判例 実用新案判例
意匠判例 商標判例
不正競争判例 著作権判例

特許事務所の求人知財の求人一覧

青山学院大学

神奈川県相模原市中央区淵野辺

今週の知財セミナー (11月18日~11月24日)

来週の知財セミナー (11月25日~12月1日)

11月25日(月) - 岐阜 各務原市

オープンイノベーションマッチング in 岐阜

11月26日(火) - 東京 港区

企業における侵害予防調査

11月27日(水) - 東京 港区

他社特許対策の基本と実践

11月28日(木) - 東京 港区

特許拒絶理由通知対応の基本(化学)

11月28日(木) - 島根 松江市

つながる特許庁in松江

11月29日(金) - 東京 港区

中国の知的財産政策の現状とその影響

11月29日(金) - 茨城 ひたちなか市

あなたもできる!  ネーミングトラブル回避術

特許事務所紹介 IP Force 特許事務所紹介

渡辺国際特許事務所

*毎日新聞ビル(梅田)* 〒530-0001 大阪市北区梅田3丁目4番5号 毎日新聞ビル9階 *高槻事務所* 〒569-1116 大阪府高槻市白梅町4番14号1602号室 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

中山特許事務所

〒500-8842 岐阜県岐阜市金町六丁目21 岐阜ステーションビル304 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 訴訟 鑑定 コンサルティング 

あいわ特許業務法人(特許事務所)

〒104-0045 東京都中央区築地1-12-22 コンワビル4F 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング