知財判決速報/裁判例集知的財産に関する判決速報,判決データベース

ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 平成29(ワ)35891 損害賠償請求(著作権等侵害)事件

この記事をはてなブックマークに追加

平成29(ワ)35891損害賠償請求(著作権等侵害)事件

判決文PDF

▶ 最新の判決一覧に戻る

裁判所 東京地方裁判所
裁判年月日 平成30年3月23日
事件種別 民事
当事者 被告Dacoon株式会社前田真樹 は,iPhone・Androidアプリの開発,ウェブサイトの企 は,上記アップロードにつき,プロバイダ責任制限法4条1項の開示
原告が 写真について著作権及び著作者人格権を有するとの点については が著作権及び著作者人格権を有するものと認めるのが相当である。
法令 著作権
キーワード 侵害13回
損害賠償4回
主文
事件の概要 1 本件は,原告が,氏名不詳者がインターネット上のウェブサイトにアップロ ードした画像は原告が著作権及び著作者人格権を有する写真を複製するなどし て作成したものであるから,同行為により原告の権利が侵害されたことは明ら25 かであると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信 者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1 項の開示関係役務提供者である被告に対し,同項に基づき,被告の保有する発 信者情報の開示を求める事案である。

▶ 前の判決 ▶ 次の判決 ▶ 著作権に関する裁判例

本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。

判決文

平成30年3月23日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成29年(ワ)第35891号 損害賠償請求(著作権等侵害)事件
口頭弁論終結日 平成30年2月28日
判 決
5 原 告 A
同訴訟代理人弁護士 齋 藤 理 央
被 告 Dacoon株式会社
同訴訟代理人弁護士 小 林 大 貴
前 田 真 樹
10 岩 本 健 太 郎
西 宮 英 彦
山 口 明 彦
岩 寺 剛 太
谷 原 誠
15 主 文
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の発信者情報を開示せ
よ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
20 第1 請求
主文同旨
第2 事案の概要
1 本件は,原告が,氏名不詳者がインターネット上のウェブサイトにアップロ
ードした画像は原告が著作権及び著作者人格権を有する写真を複製するなどし
25 て作成したものであるから,同行為により原告の権利が侵害されたことは明ら
かであると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信
者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1
項の開示関係役務提供者である被告に対し,同項に基づき,被告の保有する発
信者情報の開示を求める事案である。
2 前提事実(当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠により認定する
5 ことができる事実)
(1) 被告
被告は,iPhone・Androidアプリの開発,ウェブサイトの企
画・制作等を業とする情報通信技術関連企業である。
(2) 画像のアップロード
10 氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)は,平成28年5月8日,別
紙侵害情報目録記載1のURLに同目録記載2の画像(以下「本件画像」と
いう。)をアップロードした上,ウェブサイト「きじなび」(http:以下省
略)の別紙URL目録記載の各URLにおいて公開した。(甲2,10~1
2)
15 (3) 開示関係役務提供者の該当性
被告は,上記アップロードにつき,プロバイダ責任制限法4条1項の開示
関係役務提供者に該当し,別紙発信者情報目録記載の各発信者情報を保有し
ている。
3 争点
20 (1) 権利侵害の明白性
(2) 開示を受けるべき正当理由の有無
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点(1)(権利侵害の明白性)について
〔原告の主張〕
25 原告は,別紙写真目録記載の写真(以下「原告写真」という。)の著作者で
あり,原告写真について著作権及び著作者人格権を有する。
しかるに,本件発信者は,前記第2,2(2)のアップロードに際し,原告写
真を無断複製し,送信可能化し,改変し,著作者名として表示された原告の氏
名を切除し,もって原告の著作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人格権
(同一性保持権,氏名表示権)を侵害した。
5 〔被告の主張〕
原告が原告写真について著作権及び著作者人格権を有するとの点については
不知。
2 争点(2)(開示を受けるべき正当理由の有無)について
〔原告の主張〕
10 原告は,本件発信者に対して損害賠償請求権を行使し,その損害を回復させ
る必要性がある。
〔被告の主張〕
不知。
第4 当裁判所の判断
15 1 争点(1)(権利侵害の明白性)について
証拠(甲15,16)によれば,原告写真は原告の設営するウェブサイト上
で公開され,同ウェブサイトには原告の氏名が表示されていることが認められ
るのであって,これに,原告が原告写真のポジフィルムの写真原版を所持して
いること(甲18),原告自身,原告写真を撮影した日時,場所,状況等を具
20 体的に陳述しており(甲19),これは原告の日記(甲17)によっても裏付
けられることなどを併せ考慮すると,原告写真は原告が撮影したものであって,
原告が著作権及び著作者人格権を有するものと認めるのが相当である。
そして,前記第2,2のとおり,本件発信者は別紙侵害情報目録記載1のU
RLに本件画像をアップロードし,これを公開しているところ,証拠(甲2,
25 10~12)によれば,これは原告写真を複製し,送信可能化し,改変し,原
告の氏名を著作者名として表示しなかったものであることが認められる。
したがって,本件発信者の行為によって原告の著作権(複製権,公衆送信権)
及び著作者人格権(同一性保持権,氏名表示権)が侵害されたことは明らかと
いうべきである。
2 争点(2)(開示を受けるべき正当理由の有無)について
5 上記1によれば,原告は本件発信者に対して著作権(複製権,公衆送信権)
及び著作者人格権(同一性保持権,氏名表示権)を理由とする不法行為に基づ
く損害賠償請求権を有するところ,その行使のためには,本件発信者に係る情
報の開示が必要であるものと認められる。
したがって,原告には被告から上記開示を受けるべき正当な理由があるもの
10 ということができる。
3 結論
よって,本訴請求は理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり
判決する。
15 東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官
20 佐 藤 達 文
裁判官
瀬 孝
裁判官
5 勝 又 来 未 子
(別紙)
発信者情報目録
別紙侵害情報目録記載の侵害情報発信者その他侵害情報の送信に係る者の下記の
5 情報
1 氏名又は名称
2 住所
3 メールアドレス
(別紙)
侵害情報目録
下記1のURLにアップロードされた下記2の画像をブラウザに表示するJPG
5 データ
1 http:以下省略
2 画像省略
(別紙)
URL目録
1 http:以下省略
2 http:以下省略
3 http:以下省略
(別紙)
写真目録
以下省略

最新の判決一覧に戻る

法域

特許裁判例 実用新案裁判例
意匠裁判例 商標裁判例
不正競争裁判例 著作権裁判例

最高裁判例

特許判例 実用新案判例
意匠判例 商標判例
不正競争判例 著作権判例

今週の知財セミナー (2月24日~3月2日)

2月26日(水) - 東京 港区

実務に則した欧州特許の取得方法

来週の知財セミナー (3月3日~3月9日)

3月4日(火) -

特許とAI

3月6日(木) - 東京 港区

研究開発と特許

3月7日(金) - 東京 港区

知りたかったインド特許の実務

特許事務所紹介 IP Force 特許事務所紹介

共栄国際特許商標事務所

〒543-0014 大阪市天王寺区玉造元町2番32-1301 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

東海特許事務所

〒445-0802 愛知県西尾市米津町蓮台6-10 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

特許業務法人パテントボックス

東京都千代田区岩本町2-19-9 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング