ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 平成31(行ケ)10002 審決取消請求事件
| 裁判所 | 請求棄却 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和1年7月30日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 被告特許庁長官堀川一郎 原告X |
| 対象物 | エンジンと多目的ファンモーター |
| 法令 |
特許権 特許法17条の23回 特許法36条4項1号2回 特許法36条6項2号2回 |
| キーワード | 審決20回 実施15回 拒絶査定不服審判1回 |
| 主文 | 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
| 事件の概要 | 本件は,特許出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟 である。争点は,①補正における新規事項の追加の有無,②明確性要件違反の有無, ③実施可能要件違反の有無である。 |
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令和元年7月30日判決言渡
平成31年(行ケ)第10002号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 令和元年7月2日
判 決
原 告 X
被 告 特 許 庁 長 官
同 指 定 代 理 人 藤 井 昇
堀 川 一 郎
河 本 充 雄
豊 田 純 一
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が不服2017-13430号事件について平成30年11月19日にした審決を取り消す。
第2 事案の概要
本件は,特許出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,①補正における新規事項の追加の有無,②明確性要件違反の有無,
③実施可能要件違反の有無である。1 特許庁における手続の経緯原告は,名称を「エンジンと多目的ファンモーター」とする発明につき,平成2年6月16日に特許出願し(特願2016-146762号。以下「本願」という。乙1),同年9月16日付けで拒絶理由通知(乙4)を受けたため,同年11月日に手続補正(乙6。以下「本件補正1」という。)をし,さらに,平成29年月17日付けで拒絶理由通知(乙7)を受けたため,同年4月19日に,再度,手続補正(同補正により発明の名称は,「エンジンと多目的ファンモーターターボ」に変更された。乙9。以下「本件補正2」といい,本件補正1と本件補正2を併せて「本件補正」という。)をしたが,同年7月4日付けで拒絶査定(乙10)を受けた。原告は,平成29年8月23日,拒絶査定不服審判を請求したが(不服2017-13430。乙11) 特許庁は,, 平成30年11月19日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,同審決謄本は,同年12月14日,原告に送達され(乙16),原告は,これに対して平成31年1月8日,本件訴訟を提起した。2 本件補正1前の特許請求の範囲(以下,出願当初の明細書を「当初明細書」といい,出願当初の特許請求の範囲,当初明細書及び図面を併せて「当初明細書等」という。)の記載(乙1)【請求項1】回転軸を磁気浮上させたファンモーターを排気ガスと場合によってモーターで回転させクーラントの冷却とエンジンの冷却と吸気口と通風口に送風して発電する多目的ファンモーター【請求項2】磁石の反発作用を活用して磁気浮上させたタービンを爆発燃焼エネルギーで回転させて,動力を発生させ発電機で発電をして,タービンの回転力でエンジン内部に送風冷却するエンジンでモーター走行も可能なエンジン【請求項3】磁石の反発作用を活用して磁気浮上させたタービンを爆発燃焼エネルギーで回転させ動力を発生させ発電機で発電して,排気ガスとモーターで多目的ファンモーターを回転させ発電とエンジン内部に送風とクーラント冷却循環と吸気口に強力な送風をする多目的ファンモータータービンエンジンで場合によってモータースィッチを切り燃費の悪化を防止するエンジン3 本件補正の内容
(1) 本件補正1(乙6)本件補正1は,請求項1,2の記載を以下のとおり補正して,請求項3を削除するものである(以下,補正後の請求項1,2に係る発明を併せて「本件補正発明」という。。)【請求項1】ファンモーターを排気ガスによって回転させるのとエンジンの回転数が低い場合はターボの効果が悪いのでファンをモーターで回転させる事により通常より高いターボ効果を出す。また,ターボ効果を必要としない場合は,モータースィッチを切り燃費の悪化を防止する。それと多目的ファンモーターターボにより送風をしてクーラントの冷却とエンジン外部冷却及びエンジンの通風口よりエンジン内部冷却とエンジンの吸気口に冷却送風する。また発電もする多目的ファンターボ【請求項2】不完全燃焼防止装置を取り付けたエンジンで,回転部分であるタービンと軸を磁気反発浮上させてあり,アクセルを踏まない場合燃料が吸気されない構造でノーマル使用及びハイブリット使用が可能なエンジン
(2) 本件補正2(乙9)本件補正2は明細書の全文を変更するものであり,その内容は,後記第5の2(2)で認定するとおりである(以下,本件補正2により補正された明細書を「本件補正後明細書」という。。)4 審決の理由の要点
(1) 理由1(特許法17条の2第3項)についてア 本件補正1について一般的に「不完全燃焼」とは,「燃焼の際に酸素の供給が不十分で,一酸化炭素や煤が発生する現象。(広辞苑第6版)であって,」 「不完全燃焼防止装置」とは,当該現象を防止するために燃焼の際の酸素の供給を十分にする装置と解されるが,そのような装置は,当初明細書等に記載も示唆もなく,自明なものでもないから,本件補正1により補正された,請求項2の「不完全燃焼防止装置を取り付けた」エンジンは,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものと認めることができない。イ 本件補正2について本件補正2により,「テコ作用」に関する記載,「不完全燃焼防止装置」に関する記載,「具体的数値や各部寸法」に関する記載,「エンジンの効率,ファンモータターボの使用方法,パワステの構成,排気システム等」についての記載が追加されたが,これらは,当初明細書等に記載も示唆もなく,自明なものでもないから,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものと認めることができない。ウ 以上からすると,本件補正は,特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
(2) 理由2(特許法36条6項2号)についてア 請求項1には,「ファンモーターを排気ガスによって回転させるのとエンジンの回転数が低い場合はターボの効果が悪いのでファンをモーターで回転させる事により通常より高いターボ効果を出す。」と記載されているが,「~回転させるのと」という記載があるため,「ファンモーターを排気ガスによって回転させる」場合と「エンジン回転数が低い場合」の両方の場合にターボの効果が悪くなるという意味か,又はファンモーターを排気ガスによって回転させることによりエンジン回転数が低くなりターボ効果が悪くなるという意味か,それとも,「ファンモーターを排気ガスによって回転させる」 「エンジンの回転数が低い場合はターボの効果がが,悪いのでファンをモーターで回転させる」という意味か,それ以外か,いずれを意味しているのかが不明である。また,「ファンモーター」という語句と,「ファン」「モーター」なる語句が特定,されているところ,通常,語句が異なると,別々の物として理解されることになるが,「ファンモーター」と「ファン」と「モーター」はそれぞれ別々の物なのか,それとも,「ファン」や「モーター」は「ファンモーター」の部品の一部であるのかが不明である。さらに,「ファンモーター」は通常モーターによってファンを回転させるものであるが,どのようにして排気ガスによってファンを回転させるのか不明であり,しかも「ファンモーター」が図面のどの部材であるのかが把握できないため構成が不明である。イ 本件補正1後の請求項1は,以下のA~Dに分説できるが,Aの,「ターボの効果が悪いのでファンをモーターで回転させる事により通常より高いターボ効果を出す」際に,Bの,「ターボ効果を必要としない場合」が発生した場合にモータースィッチを切り燃費の悪化を防止するのか否か特定できず,構成が不明である。また, Dは多目的ファンC, (モーター)ターボに関する構成であるのに対して,上記A,Bは,多目的ファン(モーター)ターボの構成であるかが不明であって,本件補正1後の請求項1に係る発明について,これら四つの部分の構成がそれぞれの発明であるのか,それとも四つの部分の構成を備えた一つの発明であるのか不明である。A ファンモーターを排気ガスによって回転させるのとエンジンの回転数が低い場合はターボの効果が悪いのでファンをモーターで回転させる事により通常より高いターボ効果を出す。B また,ターボ効果を必要としない場合は,モータースィッチを切り燃費の悪化を防止する。C それと多目的ファンモーターターボにより送風をしてクーラントの冷却とエンジン外部冷却及びエンジンの通風口よりエンジン内部冷却とエンジンの吸気口に冷却送風する。D また発電もする多目的ファンターボウ 本件補正1後の請求項1,2に記載された発明特定事項,特に,請求項の「ファンモーター」「ファン」「モーター」「モータースイッチ」「多目的フ, , , ,ァンターボ」,請求項2の「不完全燃焼防止装置」と,図面に記載された実施例の部材の名称が一致していないことにより,対応関係が明確でないため,本件補正発明の構成を特定することができない。エ 以上からすると,本件補正発明は,特許請求の範囲の記載が明確でないため,特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。
(3) 理由3(特許法36条4項1号)についてア 本件補正後明細書の発明の詳細な説明は,どのような技術的な構成が開示されているのか不明であり,本件補正発明も前記(2)のとおり記載が不明であるため,発明の詳細な説明は,本件補正発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。イ 本件補正後明細書には「テコ作用」とあり,「テコ」や「テコの原理」の一般的な意味を前提とすると,支点,力点,作用点があるはずであるが,本件補正後明細書の段落【0002】【0005】【0007】【0010】の記載からは, , ,支点,力点,作用点がどこにあるのか,テコを形成しているのか否かが不明である。また,本件補正後明細書で「テコ作用」とされた長さの定義が不明であり,「テコ作用」が,物理的にどのような作用を行い,どのような技術的な意義を有するのかは不明である。なお,原告は,平成30年8月15日付けの意見書で,「逃げる力の作用」が小さいと「テコ作用」が大きくなる旨主張するが,「逃げる力の作用」の物理的な定義が不明であるため,「テコ作用」についても依然として不明である。ウ 以上からすると,本件補正後明細書の詳細な説明の記載は,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではなく,本願は,特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない。
第3 原告主張の審決取消事由
1 取消事由1(新規事項追加の認定判断の誤り)
(1) 「不完全燃焼防止装置」について
不完全燃焼については,点火プラグの設置位置,点火プラグ不良や接触不良,排気バルブのスプリング不良,燃料機不良や異物による吸入口の不具合,2サイクルエンジンの構造上のバランス及び排気に問題があって発生するのが一般的である。また,不完全燃焼は必ずしも酸素不足で生じるものでもない。
(2) 「テコ作用」について
本件補正2により追加された「テコ作用」は,当初明細書等の【図2】から理解できる。本件補正発明は,「テコ作用」が普通のエンジンより大きなものである。例えば,従来の3気筒660cc のエンジンの「テコ作用」 別紙図面のとおり,は,クランクシャフトの円運動の半径2.08cmとなり,クランクシャフトの円運動の半径に応じて「テコ作用」が発生する。本件補正発明の場合,タービン直径12cm,タービンの羽根の長さ2cmであるので,「テコ作用」は61cmとなり,約30倍「テコ作用」が発生する。また,「テコ作用」を利用している発明が何の説明もなく特許査定となっているなどの例がある。
(3) 本件補正2で追加されたその他の記載について
当初明細書等の【図2】からすると,新規事項の追加に当たらない。
2 取消事由2(明確性要件違反の認定判断の誤り)
本件補正発明は当業者には明確であり,審決の認定判断は誤っている。取消事由3(実施可能要件違反の認定判断の誤り)
(1) 「逃げる力の作用」について
「逃げる力の作用」は中国語で「消力」といい,一般常識であり,一般社会にも利用されることは多く,武術や交通事故などで,力の作用を和らげるものである。また,「逃げる力の作用」とは爆発によりピストンを下に下げる力のことをいい,当業者は理解できる。ピストン,タービン,ローターは小さい物ほど速く回転させやすいが,爆発燃焼圧力は,小さい物ほど高速回転するため力が逃げてしまい性能が悪化する。原告が発明したエンジンは,他のピストン式やロータリーエンジンと同じ排気量にした場合,タービンは大きくなって(当初明細書等の【図2】【図3】参照), ,その分,回転が遅くなるが,それにより逃げる力の作用は小さくなって力は逃げない上,回転が遅くなってもミッションを活用することでスピードを出すことは可能であり,問題とはならない。このことは当業者には十分に理解可能であるから,当業者は「逃げる力の作用」が小さくなるのに合わせて「テコ作用」が大きくなることについて理解できる。本件補正発明の場合,上記のタービンの直径が12.5cmであるのに対し,一般的な1800ccエンジンのピストンの上下運動は10cmであるから,12.π:10=39.26990818:10となり,3.926990818倍回転が遅く,力が逃げないため,性能がいいことになる。
(2) その他
審決は本願について当業者が実施できないとするが,それについて十分な説明がされていない。本願は,特願2013-264533の関連発明であるが,特願2-264533については,実施可能要件について何ら指摘はなく,かえって被告は同発明が容易であると主張していた。
第4
(被告の主張)
1 取消事由1(新規事項追加の認定判断の誤り)に対して
(1)
(原告の主張)
は,新規事項の追加に関する審決の認定判断のすべてについてそれが誤っていることをいうものではなく,「具体的数値や各部寸法」等に関して原告は何ら具体的な主張をしていない。
(2) 「不完全燃焼防止装置」に関する
(原告の主張)
に対して原告は,不完全燃焼が起こる原因について,エンジンに関する一般的な原因を列挙しているが,このようなエンジンに関する不完全燃焼が生じる一般的な原因は,当初明細書等に記載も示唆もされていない。仮に,エンジンに関して,このような不完全燃焼が起こる原因が自明であるとしても,それを防止する不完全燃焼防止装置については,当初明細書等に記載も示唆もなく,当初明細書等の【図2】を参照しても,具体的にどのように不完全燃焼を防止するのか(不完全燃焼防止装置)について何の説明もなく,自明なものでもない。
(3) 「テコ作用」に関する
(原告の主張)
に対して原告は,当初明細書等の【図2】から「テコ作用」に関して理解できる旨主張するが,同図を参照しても,「テコ作用」に関して,どこが,支点,力点及び作用点になるのか何の説明もされていない上に,添付された図面は,明細書の記載内容を理解する補助として用いられるものであって,設計図のように正確な寸法を示すものではないから,【図2】の記載から,本件補正発明の「テコ作用が普通のエンジンより大きい」ことが理解できるとはいえない。また,原告は,「テコ作用」に関し,3気筒660ccのエンジンと当初明細書等の【図2】のエンジンの具体的な寸法を示して「テコ作用が普通のエンジンより大きい」ことを説明しようとするが,これらの主張を参照しても,「テコ作用」に関し,具体的な寸法について当初明細書等に記載も示唆もなく,自明なものでもないことには変わりはない。
(4) 以上からすると,審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の取消事由1
は理由がない。
2 取消事由2(明確性要件違反の認定判断の誤り)に対して
(原告の主張)
は,本件補正発明は当業者には明確であり,審決の判断は誤っているとするものであるが,何ら審決の認定判断が誤りであることを具体的に指摘するものではないから,その認定判断を覆すものではなく,原告の上記主張は失当である。取消事由3(実施可能要件違反の認定判断の誤り)に対して
(1)
(原告の主張)
は,実施可能要件違反についての審決の判断が誤りであることを具体的に指摘するものではなく,審決の認定判断を覆すものではない。
(2) 当初明細書等の【図2】,【図3】の図示内容及びこれらの図面に関する
当初明細書等の記載を参照しても,ピストンについて何ら記載されていないため,「逃げる力の作用」として原告が定義する「爆発によりピストンを下に下げる力」が,原告の発明したエンジンのどのような力に対応するのか不明であり,当初明細書等において何の説明もない「テコ作用」との関係も不明である。したがって,「テコ作用」が不明であるとした審決の判断に誤りはない。
(3) 以上からすると,審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の取消事由3は
理由がない。
第5 当裁判所の判断
1 当初明細書等の記載(乙1)
(1) 特許請求の範囲
前記第2の2記載のとおりである。
(2) 当初明細書及び図面
【発明の名称】エンジンと多目的ファンモーター【技術分野】【0001】本発明はエンジンと多目的ファンモーターに関する。【背景技術】【0002】従来のエンジンは,一般的に出力30%位排気損失35%冷却損失22%機械損失%と言われています。【先行技術文献】【特許文献】【0003】【特許文献1】特許公報第2524139号【非特許文献】【0004】【非特許文献1】特開2015-94353【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0005】排気損失35%と冷却損失22%と機械損失10%できるだけ軽減して出力を上げて発電するエンジン【課題を解決するための手段】【0006】本発明は,強力磁石の反発作用や強力磁力を活用してタービンと多目的ファンモーターと回転軸を浮かせて重力を軽減して,吸気口及びタービン内部に多目的ファンモーターで,送風して発電力を向上及び冷却効果を出し,クーラントにも冷却効果を出し発電機を回転させ発電をして自動車の場合は,エンジンを停止してバッテリー走行時にも回生発電を実施して低燃費を実現させる。【発明の効果】【0007】多目的ファンモーターによる出力アップと排気損失35%と冷却損失22%と機械損失10%をできるだけ軽減して排気ガスで多目的ファンモーターと発電機を回転させ回生して発電をする。自動車の場合は,モーター走行時も回生をしてできるだけ発電をする。電力消費はコンピューター制御と点火プラグと吸気バルブと遮断板に使用する電磁弁がメインなだけです。従来のエンジンより性能が高い見込みです。多目的ファンモーターを回転させ回転率を上げるとターボ車としても使用できます。普通はエンジンの回転数が上がらないとターボ効果は悪いですが,ターボスィッチを入れるとモータプラス排気ガスでファンを回転させるので低回転から早くターボ効果が出る見込みです。また,ターボスィッチを切ると燃費の悪化を防止します。【図面の簡単な説明】【0008】【図1】本発明の上から見た全体図の例【図2】本発明のカーバを取ったエンジンの部分図の例【図3】本発明の横から見たエンジン部分図(断面)A-A,【図4】本発明の横から見た多目的ファンモーターの部分図【図5】本発明の燃焼室付近の部分図【図6】本発明の逆から見た風車(横)【図7】本発明の上から見たクーラント循環用風車【発明を実施するための形態】【0009】本発明は,図1のように配置される。【実施例】【0010】混合気を電磁弁を使用して燃焼室に入れる。その時に同時に遮断板が下がり漏れが発生しないようにする。バルブと遮断板が上昇したらスィッチが入り点火プラグで点火する。爆発燃焼エネルギーがタービンを回転させ発電機も回転する。排気ガスは多目的ファンモーターを回転させ発電機も回転する。ファンモーターの回転により送風効果でエンジンとクーラントを冷却する。クーラント循環用風車も回転させクーラントを循環させる。モーター走行時にも回生をして発電する。【符号の説明】【0011】.ミッション.風車式クーラント循環装置(ポンプ).クーラントタンク.排水管.フィルター.通風口.発電機.発電機またはモーター.ファンの羽根.ファンの羽根.吸気口.燃料機.発電機兼用モーター.燃焼室.点火プラグ.発電機兼用モーター.タービン.クーラント配管.タービン羽根.タービン主軸.吸気バルブ.排水コック.タービン羽根.多目的ファンモーター固定金具.電磁石装置.点火スィッチ.遮断板.点火プラグ.風車.風車下部循環用羽根.歯車.歯車.強力磁石.強力磁石.強力磁石.主軸.多目的ファンモーターのタービン羽根注意点 強力磁石を使用しないと問題が発生する場合があります。発電機やモーターも強力磁石を使用する事多目的ファンモーターは複雑な構造になっていて排気ガスが漏れないように固定金具があります。大型の多目的ファンモーターの場合は固定金具を増やして排気ガスが漏れないようにする事後,図面は一例としていますので,場合によって変更した方が便利です。大型エンジンの場合はダブルタービンにする事も可能です。エンジンの燃焼室付近はクーラント配管が図面上は記入がありませんが,理解しがたいため未記入にしました。あらかじめご理解の方お願い申し上げます。図面【図1】【図2】【図3】【図4】【図5】【図6】【図7】
2 本件補正について
(1) 本件補正1の内容
前記第2の3(1)のとおりである。
(2) 本件補正2の内容
本件補正2は,当初明細書の全文を以下のとおり変更するものである(乙9。下線部が本件補正2による補正部分。)。【発明の名称】エンジンと多目的ファンモーターターボ【技術分野】【0001】本発明はエンジンと多目的ファンモーターターボに関する。【背景技術】【0002】ジェットエンジンはテコ作用が小さく騒音も大きい。バードストライクの問題もあるし,ジェット噴射式なので自動車に使用できない。ピストン式エンジンもテコ作用は小さく,ロータリーエンジンは高温が発生する為に大型エンジンが実用化できない問題や不完全燃焼が発生する問題があった。【先行技術文献】【特許文献】【0003】【特許文献1】特許公報第2524139号【非特許文献】【0004】【非特許文献1】特開2015-94353【発明が解決しようとする課題】【0005】従来のエンジンより不完全燃焼を防止してテコ作用をできるだけ出す高性能エンジンと高性能ファンモーターターボです。【課題を解決するための手段】【0006】本発明はエンジンに不完全燃焼防止装置を取り付け不完全燃焼を防止して,エンジンに通風口を設けタービンの回転によりエンジンの内部を送風冷却する。また磁石の反発作用を活用してタービンと軸及び歯車を浮上させる。調整によりアクセルを踏まないと燃焼室に混合気が入らないようにして燃費の悪化を防止する。それに多目的ファンモーターターボを使用してエンジン全体及びエンジン内部とクーラントを送風冷却して発電機を回転させる。排気ガスの効果が悪い場合は,モーターも同時に使用してターボ効果を強化する。また,多目的ファンモーターターボの送風を利用して風車を回転させクーラントを循環させる。【発明の効果】【0007】一般的に排気損失35%冷却損失22%機械損失10%と言われていますが,それをできるだけ軽減して,テコ作用をエンジンの構造を活用してできるだけ出し,ロータリーエンジンでは製造実用化できなかった大型エンジンを実用可能にして不完全燃焼を防止して大型エンジンではテコ作用だけでも理論計算上約20倍の効果を出す。計算例として,従来のディゼルエンジン20000CC8気筒の場合はシリンダー直径14.23524cm半径7.11762cmピストンの上下運動31.41cmクランクシャフトの円運動31.41592654cmクランクシャフトの円運動の直径は10cmでテコ作用はクランクシャフトの円運動の半径になるので5cmになります。私の発明したエンジンの場合は例えば内径直径2m羽根の長さ3cm羽根の高さ1.cmのタービンを使用すると(103×103×π×1.5)-(100×10×π×1.5)=2869.84489となり燃焼室の体積をプラスしても29CC位の排気量で騒音も従来より小さい見込みです。テコ作用は,タービンの内径半径に羽根の長さの約半分をプラスした数値で計算すると101.5cmになり従来のエンジンと比較すると20.3倍です。燃焼室に入れる混合気の量を従来の20分の1にすると約20倍はテコ作用だけで燃費が向上する計算になります。他には私の発明したエンジンは吸気バルブ1本ですが,8気筒は普通32バルブ(排気16バルブ)で排気バルブを押し上げパワーを消費するのと吸気バルブが多い分パワーを消費します。私の発明したエンジンの場合は吸気バルブ1本と不完全燃焼防止装置に電力は消費しますが,タービンの上に発電機があり発電するので実質は冷却損失がゼロとエアコン●ラジエーター,パワステ,点火プラグ,ライト,カーナビ,不完全燃焼防止装置,燃料機,制動灯に使用する電力より発電する予定です。また,私の発明したエンジンの場合タービンの回転により空気を取り入れ冷却するのとテコ作用が約20倍あるので発生する熱量は20分の1位を冷却するので消費電力は大幅に軽減する見込みです。それに関して,クーラント使用量も大幅に削減できる見込みです。燃料タンクも従来200lを10l位にできる見込みです。磁石の反発作用でタービンと軸と歯車を浮かせるので推定機械損失は8%位向上が見込めます。排気損失は従来35%と言われていますが私の発明したエンジンの場合は,爆発燃焼圧力と排気ガスが,タービンを約半回転して遠心力排気をするので大幅に向上が見込まれます。エンジンに空気を取り込む事によりタービンに加わる圧力は従来のエンジンより高くなり,不完全燃焼防止装置の効果もあるので燃費はその分,向上する見込みです。私の発明したエンジンはコスト的には従来のエンジンと同じ位と思っています。一般的にタービンロスは排気タービンの場合45%と言われています。それを私の発明したエンジンに仮定すると55%になり機械損失が8%向上すると%位で一般的エンジン出力30%の約2倍となりテコ作用が20倍なので合計は約40倍従来のエンジンより燃費が向上する見込みです。多目的ファンモーターターボはエンジンの回転数が低い場合は,モーターも同時に使用して高いターボ効果が期待できます。従来のターボより送風,発電,モーター効果があり性能は上です。それに耐熱構造になっています。しかし,発明したエンジンにパワーがあるので自動車には,多目的ファンモーターターボは使用しない方がいいと思います。【図面の簡単な説明】【0008】【図1】本発明を上から見た全体図の例【図2】本発明からカバーを取ったエンジンの部分図の例【図3】本発明を横から見たエンジン部分図(断面)A-A.【図4】本発明を横から見た多目的ファンモーターターボの部分図【図5】本発明の燃焼室付近の部分図【図6】本発明を逆から見た風車(横)【図7】本発明を上から見たクーラント循環用風車【発明を実施するための形態】【0009】本発明は,例として図1のように配置される。【実施例】【0010】混合気を電磁弁を使用して燃焼室に入れる。その時同時に遮断板が下がり混合気が漏れが発生しないようにする。吸気バルブと遮断板が上昇したらスィッチが入り点火プラグで点火する。爆発燃焼エネルギーがタービンを回転させ連動で発電機も回転する。排気ガスは多目的ファンモーターターボを回転させターボ効果及び発電機を回転させ,エンジン全体とエンジン内部送風とクーラント冷却及びクーラント循環用風車を回転させクーラントを循環させる。ハイブリッドの場合はモーター走行時にも回生をして発電する。例として,エンジンを軽自動車に使用した場合は,多目的ファンモーターターボはエンジン性能が高い為に使用しない見込みです。エンジンの内部直径110cm・タービンの内径107cm・羽根の長さ1.5cm・高さ1.5cmです。従来の軽自動車のテコ作用は1.92825782cm位で私の発明したエンジンはタービンの半径53.5cmに羽根の長さ1.5cm÷2を合計した54.25cmがテコ作用になります。ピストン式エンジンの28.13420458倍になりますので混合気は,従来の約25分の1位にした方がいいと思います。(最大に混合気を入れた場合)アクセルを踏まないと混合気が燃焼室に入らないように調整する事。パワステは別に電動モーターを使用してください。(エンジンを停止する場合がある為です。)タービンの上に発電機があるので性能がいい発電機を使用すればバッテリーがなくなる事はない見込みです。ファンモーターターボを使用しない場合は,ファンモーターを取り付けてください。風力でクーラントが循環するようにしてください。サーモスタットは必要ありません。(クーラント循環用)燃費がいいので燃料タンクは5l位でいいと思います。点火プラグは1本だけで排気は排気バルブはなく遠心力排気システムです。エンジンの組立は磁石の反発作用でタービンを浮かせた後にエンジンの外カバーを取り付けてその後発電機を取り付けてください。磁石はサビに強い磁石を使用した方がよく,磁石付近は水分が高くならないようにカバーを取り付けてください。単純計算では約40倍燃費がいいため発生する熱量も少量になりますのでクーラント使用量は2l位でいいと思います。エンジンの燃焼室は図面に書いていませんがクーラントを循環するようにしてください。また,エンジンの固定が悪いと思う場合は,軸受けを取り付けてください。タービンの上下には図面には書いていませんが,5mm位の板を取り付けて爆発圧力が逃げないようにしてください。多目的ファンモーターターボは複雑な構造になっていて排気ガスが漏れないように固定金具があります。(設置には注意して問題がないようにしてください。)後,図面は一例としていますので場合によって変更した方が便利です。超大型エンジンの場合はダブルタービンにする事も可能です。【符号の説明】【0011】,ミッション,風車式クーラント循環装置(ポンプ),クーラントタンク,排水管,フィルター,通風口,発電機,発電機またはモーター,ファンの羽根,ファンの羽根,吸気口,燃料機,発電機兼用モーター,燃焼室,点火プラグ,発電機兼用モーター,タービン,クーラント配管,タービン羽根,タービン主軸,吸気バルブ,排水コック,タービン羽根,多目的ファンモーターターボ固定金具,電磁石装置,点火スィッチ,遮断板,点火プラグ,風車,風車下部循環用羽根,歯車,歯車,強力磁石,強力磁石,強力磁石,主軸,多目的ファンモーターターボのタービンの羽根
3 取消事由1(新規事項追加の認定判断の誤り)について
(1) 明細書や特許請求の範囲の補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請
求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならないところ(特許法17条の2第3項),上記「最初に添付した明細書又は図面に記載した事項」とは,当業者によって,明細書又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項を意味し,当該補正が,このようにして導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものであるときは,当該補正は「明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」するものということができる。
(2) 事案に鑑み,まず,本件補正2で追加された「テコ作用」に関する記載が
新規事項の追加に当たるかについて判断する。前記2のとおり,本件補正2により,段落【0002】【0005】, ,【0007】【0010】に「テコ作用」に関する記載が追加されているところ,,一般に,「テコ(てこ)」とは「①重いものを手でこじ上げるのに用いる棒。②棒上の一点(支点)を固定し,別の一点(力点)に力を加えて支点を中心に回転させて用いる。そのしかけ全体についてもいう。槓桿(こうかん)。てこじ。(広辞苑第7」版)とされており,「テコ(てこ)の原理」とは「棒の1点を支点とし,小さな力を支点から遠い点(力点)に加えると,支点に近い点(作用点)で大きな力が得られるという原理。(広辞苑第7版)であるとされている。一般に,」 「テコ(てこ)」がこれ以外の意味を有することを認めるに足りる証拠はない。しかるところ,前記1で認定した当初明細書等の中に上記のような一般的な意味での「テコ」「テコの原理」に関する記載はない。,本件補正後明細書の段落【0007】の「テコ作用は,タービンの内径半径に羽根の長さの約半分をプラスした数値で計算する」との記載及び段落【0】 「私の発明したエンジンはタービンの半径53.の 5cmに羽根の長さ1.cm÷2を合計した54.25cmがテコ作用になります。との記載からすると,」本件補正発明における「テコ作用」は,タービンにおいて働くものであると認められるが,上記のようにタービンに用いられている「テコ作用」について,その意味や技術的な内容が前記1認定の当初明細書等から読み取れるということはない。そして,出願当時の当業者にとって,エンジンやタービンにおいて何らかの「テコ」や「テコ作用」なるものが備わっていることが自明であると認めるに足りる証拠もない。したがって,本件補正2により段落【0002】【0005】【00, ,】【0010】に追加された「テコ作用」は,当初明細書等に記載されておら,ず,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない。イ 原告は,本件補正2により追加された「テコ作用」について,当初明細書等の【図2】から理解できるとして,従来の3気筒660cc のエンジンを例に挙げて本件補正発明と数値を比較して説明し,「テコ作用」を利用している発明が何の説明もなく特許査定となっている例が存在しているなどと主張している。しかし,当初明細書等の【図2】及び【符号の説明】からすると,【図2】はタービンの断面図等について記載したものであって,当該タービンの断面形状がほぼ円形であり,同タービンの外周に羽根が固定されていることが認められるのみであり,当業者が【図2】から原告のいう「テコ作用」の意味や技術的な内容を読み取ることができるとは認められない。また,前記1で認定したとおり,当初明細書等には従来のエンジンや本件補正発明のエンジンに係る本件補正2で追加されたような各種の具体的数値については何らの記載もないから,これらの具体的数値を根拠として「テコ作用」について当初明細書等に記載されていたと認めることはできない。さらに,原告が主張するような「テコ作用」を用いつつも,それについて何ら説明することなく特許査定となった例が存在することを認めるに足りる証拠もない。したがって,原告の上記主張は,前記アの認定判断を左右するものではない。
(3) 以上のとおり,本件補正2のうち「テコ作用」に関する記載の追加は,当
初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから,その余の点について判断するまでもなく,原告が主張する審決取消事由1は理由がない。
第6 結論
よって,審決取消事由2,3について判断するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。なお,原告は,被告が特願2013-264533について,容易想到であると主張する一方で,本願について実施可能ではないと主張しているというが,上記のとおり,審決取消事由3について判断するまでもなく本願は拒絶されるべきものである。以上の次第で原告の請求には理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。知的財産高等裁判所第2部裁判長裁判官森 義 之裁判官眞 鍋 美 穂 子裁判官熊 谷 大 輔
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