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令和1(ワ)11739発信者情報開示請求事件

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裁判所 認容 東京地方裁判所
裁判年月日 令和1年9月4日
事件種別 民事
当事者 被告ニフティ株式会社穂積伸一
法令 著作権
著作権法14条2回
キーワード 侵害4回
損害賠償4回
商標権1回
主文 1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。事 実 及 び 理 由15第1 請求主文同旨第2 事案の概要
1 本件は,原告が,インターネットの動画投稿サイトである「FC2動画」に原告が著作権を有する別紙作品目録記載の動画(以下「本件作品」という。)の一20部を何者かが無断でアップロードしたことにより,原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかであるから,同アップロードをした者(以下「発信者」という。)への損害賠償請求権の行使等のために経由プロバイダである被告から発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるなどと主張して,被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する25法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告が保有する別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める事案である。
2 前提事実(当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠及び弁論の全趣旨により認定することができる事実。なお,本判決を通じ,証拠を摘示する場合には,特に断らない限り,枝番を含むものとする。)(1) 当事者5ア 原告(旧商号株式会社ディープス。平成24年3月2日商号変更)は,主にアダルトビデオの制作,販売を業とする株式会社である。原告は,「ディープス」なる標準文字商標の商標権者である(商標登録第5877279号)。(甲1,6)イ 被告は,インターネットサービス等の電気通信事業を営む株式会社である。10(2) 本件作品原告は,平成30年9月頃から,映画の著作物である本件作品を,原告のウェブサイトや有料配信サイト等において,DVDやダウンロード等の方法により,全国に販売している。(甲5,7)(3) FC2動画15FC2動画は,メールアドレスがあれば,IDとパスワードを設定して会員登録及びアカウントの作成をすることで,誰でも好きな動画を無料で投稿することができる,米国のFC2,Inc.(以下「FC2社」という。)の運営する動画投稿サイトである。(4) 被告の保有する情報20別紙動画目録記載のIPアドレス(以下「本件IPアドレス」という。)は,被告が管理するものであり,被告は,本件IPアドレス及び同目録記載の投稿日時により特定されるインターネット接続サービスの契約者の情報(氏名又は名称,住所及び電子メールアドレス。以下「被告保有情報」という。)を保有している。25
3 争点(1) 原告が本件作品の著作者であるか否か(争点1)(2) 原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か(争点2)第3 争点に関する当事者の主張
1 争点1(原告が本件作品の著作者であるか否か)について(原告の主張)5本件作品を制作した原告は,本件作品の著作権者である。原告が全国に販売している本件作品のDVDのパッケージに原告の旧商号かつ登録商標として周知の「ディープス」が著作者名として通常の方法により表示されていることから,原告は,著作権法14条に基づき,本件作品の著作権者と推定される。(被告の主張)10本件作品のDVD媒体のパッケージに「ディープス」が著作者名として表示されているとはいえないから,原告が著作権法14条に基づき著作者と推定されるとはいえず,原告が著作権者であることは立証されていない。
2 争点2(原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か)について15(原告の主張)発信者は,別紙動画目録記載のアカウント名を用いて,同目録記載の日時に,FC2動画のウェブページ(URLは同目録記載のとおり。以下「本件ウェブページ」という。)に,本件作品の一部分である同目録記載の動画(以下「本件動画」という。)をアップロードしたのであるから,原告の本件作品に係る著作権20(公衆送信権)を侵害したことが明らかである。また,原告は,本件作品をDVD媒体で販売しているのみならず,有料配信サイトにおいて有料で配信しているところ,上記アップロードにより有料視聴の機会を奪われて損害を受けた。原告は,発信者に対して不法行為に基づく損害賠償等の請求をする予定であるが,そのためには被告保有情報の開示が不可欠である25から,その開示を受けるべき正当な理由がある。(被告の主張)否認し争う。本件IPアドレスが本件動画のアップロードに使用されたものであり,同アップロードがされたのが別紙動画目録記載の投稿日時であること,本件動画が真に存在し,これがFC2動画にアップロードされ,不特定多数の者が再生できる状5態になっていたこと,本件動画が本件作品の一部分を抜き出したものであることについての立証はされていない。第4 当裁判所の判断
1 争点1(原告が本件作品の著作者であるか否か)について前記前提事実,証拠(甲4,5,7)及び弁論の全趣旨によれば,映画の著作10物である本件作品のDVDのパッケージの裏面左下隅には「DEEP’S」の文字がそのロゴと共に表示され,その下に「制作・著作・受審/ディープス」と表示されていること,上記パッケージの画像は,原告が本件作品をダウンロードやストリーミング配信の方法で販売するウェブページにおいても表示されていること,「ディープス」は旧商号かつ登録商標であるが,原告は,これをレーベル15名として用いてアダルトビデオ作品を全国的に流通・販売しており,AV業界ではそのことが広く知られていることが認められる。被告は,「ディープス」が著作者名として表示されているとはいえないと主張するが,上記認定事実によれば,著作物である本件作品が公衆に提供又は提示される際に,原告の変名として周知の「ディープス」が著作者名として通常の方法20により表示されているということができるので,原告は,本件作品の著作者と推定され,その推定を覆すに足りる証拠は存在しない。
2 争点2(原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か)について(1) 前記前提事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認めら25れる。ア 原告は,平成30年9月27日,発信者が,別紙動画目録記載のアカウント名を用いて,同目録記載の投稿日時(2018年9月24日午前零時1分54秒)に本件動画を本件ウェブページにアップロードしたことを発見した。発見時点における本件動画の再生回数は2万9967回であった。原告訴訟代理人がその後本件動画と本件作品を対比したところ,本件動画は,原告が5DVD媒体や有料配信サイトにおける有料配信の方法で販売している本件作品の一部であり,画像を左右反転したものであることが判明した。(甲2~5,7)イ 原告が,平成30年11月19日,米国ネバダ連邦地方裁判所に対し,FC2社を相手方として,米国デジタルミレニアム著作権法に基づき,本件動10画のアップロードに係るIPアドレス等発信者を特定するに十分な情報の開示を命じるよう申し立てたところ,同裁判所は,同月21日,上記開示を命じた。そこで,FC2社は,同年12月21日,原告に対し,本件IPアドレスを開示した。(甲8,9)ウ 被告は,本件IPアドレス及び同目録記載の投稿日時により特定される被15告保有情報を保有している。(2) 前記(1)認定の事実によれば,発信者が平成30年9月24日午前零時1分54秒に本件作品の一部の抜粋である本件動画を本件ウェブページにアップロードして送信可能化したことにより,原告の本件作品に係る著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかである。20また,FC2社が原告に開示した本件IPアドレスは,発信者が本件動画をアップロードした際のIPアドレスであることが認められるから,被告保有情報は,原告の上記公衆送信権の侵害に係る発信者情報に当たる。そして,原告は,発信者に対して不法行為に基づく損害賠償等の請求をする予定であるというのであるから,そのために上記発信者情報の開示を受けるべ25き正当な理由があると認められる。したがって,原告は,被告に対し,プロバイダ責任制限法4条1項に基づき,被告保有情報の開示を請求することができる。(3) これに対して,被告は,本件動画がFC2動画にアップロードされ,不特定多数の者が再生できる状態になっていたこと,本件作品の一部分を抜き出したものであることについて争うが,本件動画のアップロード画面(甲2の1・2)5によれば,本件動画が実際にアップロードされて不特定多数の者が再生できる状態であったことは明らかであり,また,証拠(甲2~5,7)によれば,本件動画が本件作品の一部の抜粋であると認められることは前記判示のとおりである。また,被告は,本件IPアドレスが本件動画のアップロードに使用されたも10のであること等が立証されていないと主張するが,FC2社は,原告から本件動画の掲載されたページのURLを示されてIPアドレス等発信者を特定するに十分な情報の開示を求められたのに対し,当該発信者を特定する情報として本件IPアドレスを開示しているのであるから,本件IPアドレスは本件動画のアップロードに使用されたものであると推認するのが相当であり,本件動15画のアップロード時点で本件IPアドレスとは異なるIPアドレスが使用されたことをうかがわせる証拠は存在しない。
3 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとして,主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第40部裁判長裁判官佐 藤 達 文裁判官三 井 大 有5裁判官今 野 智 紀10別紙発信者情報目録別紙動画目録記載の投稿日時頃に,同目録記載のIPアドレスを使用してインターネットに接続していた者の下記情報5記①氏名又は名称②住所③電子メールアドレス動画目録投稿先URL https:// 以下省略投稿日時 2018/09/24 00:01:54IPアドレス (省略)15アカウント名 ムラムラしてる,性欲強めな女隊表題 公開オナニーショーなんだかヤリたくてムラムラしちゃう作品目録商品名「ザ・マジックミラー 顔出し!女子大生限定 徹底検証!リア友の素人大学生が2人っきりの密室内で初めての相互オナニー5 恋人にも見せたことのない公開オナニーで火照り出した友達を間近で見てしまった2人は友情よりも性欲を選びSEXをしてしまうのか?人生初の真正中出しスペシャル!in池袋」25
事件の概要 1 本件は,原告が,インターネットの動画投稿サイトである「FC2動画」に原 告が著作権を有する別紙作品目録記載の動画(以下「本件作品」という。)の一20 部を何者かが無断でアップロードしたことにより,原告の著作権(公衆送信権) が侵害されたことが明らかであるから,同アップロードをした者(以下「発信者」 という。)への損害賠償請求権の行使等のために経由プロバイダである被告から 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるなどと主張して,被告に対し, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する25 法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告が保有 する別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める事案である。

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判決文

令和元年9月4日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和元年(ワ)第11739号 発信者情報開示請求事件
口頭弁論終結日 令和元年7月26日
判 決
5 原 告 株 式 会 社 東 凛
同訴訟代理人弁護士 鶴 谷 秀 哲
被 告 ニ フ テ ィ 株 式 会 社
同訴訟代理人弁護士 村 島 俊 宏
穂 積 伸 一
10 谷 口 悠 樹
工 藤 友 良
主 文
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
15 事 実 及 び 理 由
第1 請求
主文同旨
第2 事案の概要
1 本件は,原告が,インターネットの動画投稿サイトである「FC2動画」に原
20 告が著作権を有する別紙作品目録記載の動画(以下「本件作品」という。)の一
部を何者かが無断でアップロードしたことにより,原告の著作権(公衆送信権)
が侵害されたことが明らかであるから,同アップロードをした者(以下「発信者」
という。)への損害賠償請求権の行使等のために経由プロバイダである被告から
発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるなどと主張して,被告に対し,
25 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する
法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告が保有
する別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める事案である。
2 前提事実(当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠及び弁論の全趣旨
により認定することができる事実。なお,本判決を通じ,証拠を摘示する場合に
は,特に断らない限り,枝番を含むものとする。)
5 (1) 当事者
ア 原告(旧商号株式会社ディープス。平成24年3月2日商号変更)は,主
にアダルトビデオの制作,販売を業とする株式会社である。原告は,「ディ
ープス」なる標準文字商標の商標権者である(商標登録第5877279号)。
(甲1,6)
10 イ 被告は,インターネットサービス等の電気通信事業を営む株式会社である。
(2) 本件作品
原告は,平成30年9月頃から,映画の著作物である本件作品を,原告のウ
ェブサイトや有料配信サイト等において,DVDやダウンロード等の方法によ
り,全国に販売している。(甲5,7)
15 (3) FC2動画
FC2動画は,メールアドレスがあれば,IDとパスワードを設定して会員
登録及びアカウントの作成をすることで,誰でも好きな動画を無料で投稿する
ことができる,米国のFC2,Inc.(以下「FC2社」という。)の運営
する動画投稿サイトである。
20 (4) 被告の保有する情報
別紙動画目録記載のIPアドレス(以下「本件IPアドレス」という。 は,

被告が管理するものであり,被告は,本件IPアドレス及び同目録記載の投稿
日時により特定されるインターネット接続サービスの契約者の情報(氏名又は
名称,住所及び電子メールアドレス。以下「被告保有情報」という。)を保有
25 している。
3 争点
(1) 原告が本件作品の著作者であるか否か(争点1)
(2) 原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か(争点2)
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点1(原告が本件作品の著作者であるか否か)について
5 (原告の主張)
本件作品を制作した原告は,本件作品の著作権者である。原告が全国に販売し
ている本件作品のDVDのパッケージに原告の旧商号かつ登録商標として周知
の「ディープス」が著作者名として通常の方法により表示されていることから,
原告は,著作権法14条に基づき,本件作品の著作権者と推定される。
10 (被告の主張)
本件作品のDVD媒体のパッケージに「ディープス」が著作者名として表示さ
れているとはいえないから,原告が著作権法14条に基づき著作者と推定される
とはいえず,原告が著作権者であることは立証されていない。
2 争点2(原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か)につい
15 て
(原告の主張)
発信者は,別紙動画目録記載のアカウント名を用いて,同目録記載の日時に,
FC2動画のウェブページ(URLは同目録記載のとおり。以下「本件ウェブペ
ージ」という。)に,本件作品の一部分である同目録記載の動画(以下「本件動
20 画」という。)をアップロードしたのであるから,原告の本件作品に係る著作権
(公衆送信権)を侵害したことが明らかである。
また,原告は,本件作品をDVD媒体で販売しているのみならず,有料配信サ
イトにおいて有料で配信しているところ,上記アップロードにより有料視聴の機
会を奪われて損害を受けた。原告は,発信者に対して不法行為に基づく損害賠償
25 等の請求をする予定であるが,そのためには被告保有情報の開示が不可欠である
から,その開示を受けるべき正当な理由がある。
(被告の主張)
否認し争う。
本件IPアドレスが本件動画のアップロードに使用されたものであり,同アッ
プロードがされたのが別紙動画目録記載の投稿日時であること,本件動画が真に
5 存在し,これがFC2動画にアップロードされ,不特定多数の者が再生できる状
態になっていたこと,本件動画が本件作品の一部分を抜き出したものであること
についての立証はされていない。
第4 当裁判所の判断
1 争点1(原告が本件作品の著作者であるか否か)について
10 前記前提事実,証拠(甲4,5,7)及び弁論の全趣旨によれば,映画の著作
物である本件作品のDVDのパッケージの裏面左下隅には「DEEP’S」の文
字がそのロゴと共に表示され,その下に「制作・著作・受審/ディープス」と表
示されていること,上記パッケージの画像は,原告が本件作品をダウンロードや
ストリーミング配信の方法で販売するウェブページにおいても表示されている
15 こと,「ディープス」は旧商号かつ登録商標であるが,原告は,これをレーベル
名として用いてアダルトビデオ作品を全国的に流通・販売しており,AV業界で
はそのことが広く知られていることが認められる。
被告は,「ディープス」が著作者名として表示されているとはいえないと主張
するが,上記認定事実によれば,著作物である本件作品が公衆に提供又は提示さ
20 れる際に,原告の変名として周知の「ディープス」が著作者名として通常の方法
により表示されているということができるので,原告は,本件作品の著作者と推
定され,その推定を覆すに足りる証拠は存在しない。
2 争点2(原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か)につい

25 (1) 前記前提事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認めら
れる。
ア 原告は,平成30年9月27日,発信者が,別紙動画目録記載のアカウン
ト名を用いて,同目録記載の投稿日時(2018年9月24日午前零時1分
54秒)に本件動画を本件ウェブページにアップロードしたことを発見した。
発見時点における本件動画の再生回数は2万9967回であった。原告訴訟
5 代理人がその後本件動画と本件作品を対比したところ,本件動画は,原告が
DVD媒体や有料配信サイトにおける有料配信の方法で販売している本件
作品の一部であり,画像を左右反転したものであることが判明した。(甲2
~5,7)
イ 原告が,平成30年11月19日,米国ネバダ連邦地方裁判所に対し,F
10 C2社を相手方として,米国デジタルミレニアム著作権法に基づき,本件動
画のアップロードに係るIPアドレス等発信者を特定するに十分な情報の
開示を命じるよう申し立てたところ,同裁判所は,同月21日,上記開示を
命じた。そこで,FC2社は,同年12月21日,原告に対し,本件IPア
ドレスを開示した。(甲8,9)
15 ウ 被告は,本件IPアドレス及び同目録記載の投稿日時により特定される被
告保有情報を保有している。
(2) 前記(1)認定の事実によれば,発信者が平成30年9月24日午前零時1分
54秒に本件作品の一部の抜粋である本件動画を本件ウェブページにアップ
ロードして送信可能化したことにより,原告の本件作品に係る著作権(公衆送
20 信権)が侵害されたことが明らかである。
また,FC2社が原告に開示した本件IPアドレスは,発信者が本件動画を
アップロードした際のIPアドレスであることが認められるから,被告保有情
報は,原告の上記公衆送信権の侵害に係る発信者情報に当たる。
そして,原告は,発信者に対して不法行為に基づく損害賠償等の請求をする
25 予定であるというのであるから,そのために上記発信者情報の開示を受けるべ
き正当な理由があると認められる。
したがって,原告は,被告に対し,プロバイダ責任制限法4条1項に基づき,
被告保有情報の開示を請求することができる。
(3) これに対して,被告は,本件動画がFC2動画にアップロードされ,不特定
多数の者が再生できる状態になっていたこと,本件作品の一部分を抜き出した
5 ものであることについて争うが,本件動画のアップロード画面(甲2の1・2)
によれば,本件動画が実際にアップロードされて不特定多数の者が再生できる
状態であったことは明らかであり,また,証拠(甲2~5,7)によれば,本
件動画が本件作品の一部の抜粋であると認められることは前記判示のとおり
である。
10 また,被告は,本件IPアドレスが本件動画のアップロードに使用されたも
のであること等が立証されていないと主張するが,FC2社は,原告から本件
動画の掲載されたページのURLを示されてIPアドレス等発信者を特定す
るに十分な情報の開示を求められたのに対し,当該発信者を特定する情報とし
て本件IPアドレスを開示しているのであるから,本件IPアドレスは本件動
15 画のアップロードに使用されたものであると推認するのが相当であり,本件動
画のアップロード時点で本件IPアドレスとは異なるIPアドレスが使用さ
れたことをうかがわせる証拠は存在しない。
3 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとして,主文のと
おり判決する。
東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官
佐 藤 達 文
裁判官
5 三 井 大 有
裁判官
10 今 野 智 紀
別紙
発信者情報目録
別紙動画目録記載の投稿日時頃に,同目録記載のIPアドレスを使用してインター
5 ネットに接続していた者の下記情報

①氏名又は名称
②住所
③電子メールアドレス
動画目録
投稿先URL https:// 以下省略
投稿日時 2018/09/24 00:01:54
15 IPアドレス (省略)
アカウント名 ムラムラしてる,性欲強めな女隊
表題 公開オナニーショーなんだかヤリたくてムラムラしちゃう
作品目録
商品名
「ザ・マジックミラー 顔出し!女子大生限定 徹底検証!リア友の素人大学生が
2人っきりの密室内で初めての相互オナニー5 恋人にも見せたことのない公開オ
ナニーで火照り出した友達を間近で見てしまった2人は友情よりも性欲を選びSE
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