令和3(行ケ)10092審決取消請求事件
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裁判所 |
請求棄却 知的財産高等裁判所知的財産高等裁判所
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裁判年月日 |
令和4年1月27日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
原告有限会社B.BRUTE 被告特許庁長官
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法令 |
商標権
商標法4条1項15号4回 商標法50条1項1回
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キーワード |
商標権1回
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主文 |
1 原告の請求を棄却する。20
2 訴訟費用(補助参加によって生じた訴訟費用を含む。)は,原告の負担とする。 |
事件の概要 |
1 特許庁における手続の経緯等
(1) 原告は,令和2年2月25日,「hihachi」の欧文字を標準文字で
表し,指定商品を第11類「業務用暖冷房装置,家庭用電気火鉢,家庭用電
熱用品類,家庭用加熱器(電気式のものを除く。),家庭用調理台,家庭用流
し台,火鉢,ストーブ類(電気式のものを除く。)」とする商標(以下「本件5
商標」という。)について,商標登録出願をし(商願2020-020112),
同年8月14日に設定登録を受けた(登録第6280832号)。(甲1,乙 |
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判決文
令和4年1月27日判決言渡
令和3年(行ケ)第10092号 商標登録取消決定取消請求事件
口頭弁論終結日 令和3年11月15日
判 決
原 告 有限会社B.BRUTE
同訴訟代理人弁理士 小 川 清
10 被 告 特 許 庁 長 官
同 指 定 代 理 人 冨 澤 美 加
同 山 田 啓 之
同 佐 藤 淳
15 被告補助参加人 株 式 会 社 日 立 製 作 所
同訴訟代理人弁理士 早 川 文 宏
同 林 二 郎
主 文
20 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(補助参加によって生じた訴訟費用を含む。 は,
) 原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が異議2020-900280号事件について令和3年6月23日
25 にした決定を取り消す。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯等
(1) 原告は,令和2年2月25日,「hihachi」の欧文字を標準文字で
表し,指定商品を第11類「業務用暖冷房装置,家庭用電気火鉢,家庭用電
熱用品類,家庭用加熱器(電気式のものを除く。 ,家庭用調理台,家庭用流
)
5 し台,火鉢,ストーブ類(電気式のものを除く。 」とする商標(以下「本件
)
商標」という。 について,
) 商標登録出願をし(商願2020-020112),
同年8月14日に設定登録を受けた(登録第6280832号) (甲1,乙
。
1,2)
(2) 被告補助参加人は,令和2年10月29日,本件商標について,異議申立
10 てをした(異議2020-900280号)。(乙20)
(3) 特許庁は,令和3年6月23日,「登録第6280832号商標の商標登
録を取り消す。」とする決定(以下「本件決定」という。)をし,その謄本は,
同年7月7日に原告に送達された。(乙33)
(4) 原告は,令和3年8月6日,本件決定の取消しを求めて,本件訴えを提起
15 した。
2 本件決定の理由の要旨
本件決定の理由は,別紙「異議の決定」(写し)のとおりであり,要するに,
本件商標は,被告補助参加人が商標登録を受けている別紙引用商標目録記載1
ないし6の商標(いずれも「HITACHI」の欧文字を標準文字で表したも
20 のであり,併せて「引用商標」と総称する。)との関係において,他人の業務に
係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であり,商標法4条1項15号に該
当するものであるから,その登録を取り消すべきであるというものである。
3 原告の主張する取消事由
商標法4条1項15号該当性に関する判断の誤り
25 第3 当事者の主張
〔原告の主張〕
引用商標の周知著名性の程度が極めて高いこと,本件商標の指定商品及び被
告補助参加人の業務に係る商品が需要者の範囲を共通にするものであることは
争わないが,以下のとおり,本件商標と引用商標とは類似しておらず,本件商
標は被告補助参加人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ではな
5 いから,本件決定の判断には誤りがある。
1 「外観」とは,「視覚を通じて認識する外形」等と定義されるのであるから,
商標の外観を比較するに当たっては,文字のつづりが共通するかを問題とする
のではなく,目に映る外形が類似しているか否かで判断すべきである。そして,
本件商標及び引用商標は,目に映る外形が大きく異なる。
10 また,商標中に文字が含まれていたとしても,それらは文字として認識する
のではなく,
「模様」又は「柄」とみなして比較すべきである。そして,文字と
は,「記号」又は「符号」であるから,アルファベットの大文字及び小文字は,
異なる文字であり,発音が共通するにすぎない。したがって,本件商標及び引
用商標には,共通の文字又は同じ文字は一つも含まれていない。
15 以上のとおり,本件商標及び引用商標は,外観が全く異なるものであり,近
似した印象を与えるものではない。このことは,対比観察又は離隔的観察のい
ずれによっても同様であり,実際に本件商標及び引用商標を比較観察すれば明
らかである。
2 本件商標から生じる称呼は「ヒハチ」であり,引用商標から生じる称呼は「ヒ
20 タチ」であるから,両商標から生じる称呼は異なる。
3 本件商標からは,特別の観念は生じず,強いていえば,原告が火鉢を製造,
販売していることなどから「火鉢」の観念が生じ得るのみである。他方で,引
用商標からは,地名である「日立市」や「日立製作所」との観念が生じる。
このように,本件商標及び引用商標から生じる観念は,類似しない。
25 4 商標は,商取引に際して自社の商品又は役務を他社のものと識別してもらう
ための「標識」であり,
「マーク」であるところ,商標中の文字の文字種を変え
たり,デザインを大きく変えたりすると,商標の識別機能が大きく低下してし
まうため,商標中の大文字のアルファベットを小文字表記に変えて使用するこ
となどは全く行われていない。このことは,引用商標についても同様であり,
被告補助参加人が「hitachi」の商標を使用したことはない。
5 そうすると,一般消費者が,小文字表記である本件商標が付された商品をみ
たとしても,それが被告補助参加人の商品であると判断することはない。
〔被告の主張〕
以下の事情を総合的に考慮すれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定
商品に使用した場合には,これに接する取引者,需要者が,引用商標を連想,
10 想起して,当該商品が被告補助参加人若しくはそのグループ会社又はこれらと
経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの
ように,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである
から,本件決定の判断に誤りはない。
1 引用商標の周知著名性の程度について
15 引用商標は,本件商標の登録出願時前から,登録査定時はもとより現在にお
いても継続して,被告補助参加人及びそのグループ会社の業務に係る商品及び
役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されており,その周知著名性
の程度は,極めて高いものである。
2 本件商標と引用商標との類似性の程度について
20 (1) 本件商標と引用商標とを比較すると,両者は,いずれも7文字の欧文字か
らなるものであり,大文字か小文字かの違いはあるものの,6文字を共通に
し,異なるのは中間における「h」の文字及び「T」の文字のみであるから,
外観において近似した印象を与える。
(2) 本件商標から生じる「ヒハチ」の称呼及び引用商標から生じる「ヒタチ」
25 の称呼は,いずれも3音からなるものであり,3音中,比較的印象に残りや
すい語頭の「ヒ」の音及び語尾の「チ」の音を共通にし,異なるところは,
中間における「ハ」の音と「タ」の音との差異のみであるが,当該差異音に
おいても,母音「a」を共通にするものである。
(3) 本件商標からは特定の観念を生じないのに対し,引用商標からは「株式会
社日立製作所及びそのグループ会社のブランド」の観念を生じるから,両者
5 は観念において紛れるおそれはない。
(4) 原告は,取引の実情における商標の表示に関して,商標中の大文字のアル
ファベットを小文字表記に変えて使用することなどは全く行われていない旨
主張するが,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼が生じる
範囲内で文字種を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが
10 一般的に行われている。
(5) 以上のとおり,本件商標及び引用商標は,比較的高い類似性を有する。
3 引用商標の独創性の程度について
引用商標は,
「茨城県北東部,太平洋に面する市」の意味を有する「日立」の
ローマ字表記であるから,その独創性の程度は高くない。
15 4 商品の関連性及び需要者の共通性について
本件商標の指定商品は,被告補助参加人及びそのグループ会社の業務に係る
商品と密接な関連性を有しており,両商品は需要者の範囲を共通にする。
第4 当裁判所の判断
1 商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ず
20 るおそれがある商標」には,当該商標をその指定商品又は指定役務に使用した
ときに,当該指定商品又は指定役務が他人の業務に係る商品又は役務であると
誤信されるおそれがある商標のみならず,当該指定商品又は指定役務が上記他
人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表
示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商
25 品又は役務であると誤信されるおそれがある商標を含むものと解するのが相当
である。そして,上記の「混同を生ずるおそれ」の有無は,当該商標と他人の
表示との類似性の程度,他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や,当該商
標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質,用
途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者及び需要者の共
通性その他取引の実情などに照らし,当該商標の指定商品又は指定役務の取引
5 者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断され
るべきものである(最高裁判所平成10年(行ヒ)第85号同12年7月11
日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁参照)。
2 引用商標の周知著名性の程度
(1) 証拠(乙21ないし32)及び弁論の全趣旨によれば,被告補助参加人は,
10 明治43年に創業した大手総合電機メーカーであり,現在は800社を超え
るグループ会社と共に多岐にわたる事業を展開していること,被告補助参加
人及びそのグループ会社は,遅くとも1950年代から現在に至るまでの間,
各種の商品及び役務等に引用商標を継続的に使用してきたものであり,引用
商標は,被告補助参加人及びそのグループ会社の業務に係るブランド又はハ
15 ウスマークとして定着していることが認められる。
(2) 上記(1)の事実によれば,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定
時において,被告補助参加人及びそのグループ会社の業務に係る商品及び役
務を表示するものとして,取引者及び需要者の間に広く認識されていたもの
と認められ,その周知著名性の程度は,極めて高いというべきである(この点
20 については原告も争っていない。 。
)
3 商品の関連性の程度,取引者及び需要者の共通性
(1) 本件商標の指定商品は,前記第2の1(1)のとおりであるところ,大手総
合電機メーカーであり,多岐にわたる事業を展開している被告補助参加人及
びそのグループ会社の業務に係る商品と同一又は類似の商品であるといえる。
25 (2) そうすると,本件商標の指定商品は,被告補助参加人及びそのグループ
会社の業務に係る商品と密接な関連性を有するものであり,両商品は,取引
者及び需要者の範囲を共通にするものといえる(この点については原告も争
っていない。 。また,上記の各商品には一般的な家電製品等が含まれること
)
からすれば,上記の需要者には一般消費者が含まれるものといえる。
4 本件商標と引用商標との類似性の程度
5 (1) 外観について
ア 本件商標及び引用商標は,いずれも標準文字で表された7文字のアルフ
ァベットからなるものであるところ,
「h」と「T」とで異なる3文字目を
除いては,同じアルファベットが同じ順序でつづられており,使用されて
いる文字及びそのつづりが近似しているものといえる。また,本件商標及
10 び引用商標は,標準文字で表されたアルファベットが等間隔に配置された
ものであり,まとまりよく構成されている。
以上の事情を考慮すると,本件商標及び引用商標の外観は,互いに相紛
らわしいものであるというべきである。
イ この点に関して原告は,本件商標及び引用商標は目に映る外形が大きく
15 異なる上,アルファベットの大文字及び小文字は異なる文字であるから,
両商標は外観が全く異なるものであり,このことは,実際に両商標を比較
観察すれば明らかである旨主張する。
しかしながら,本件商標及び引用商標の目に映る外形の差といっても,
上記アのとおり,両者はいずれも標準文字で表され,
「h」と「T」とで異
20 なる3文字目を除いては同じアルファベットが同じ順序でつづられてい
るのであるから,目に映る外形が大きく異なるとはいえないばかりか,上
記原告の主張は,二つの商標を並べて比較する対比観察の方法によればそ
のようにいえるかもしれないが,商標の外観上の類否を判断するに当たっ
ては,時と場所を異にして離隔的に観察する方法によるべきであるから,
25 上記主張は,そもそもその前提とするところが相当でないというべきであ
る。
また,前記3のとおり,本件商標及び引用商標に係る需要者には注意力
がそれほど高くない一般消費者が含まれることを前提に検討すると,両商
標は,いずれも標準文字で表されたものであるから,その外形自体が外観
における印象として強く記憶に残るものではないことに加え,アルファベ
5 ットからなる商標の使用においては,その構成文字について,大文字と小
文字とを相互に変換して表記することが一般に行われていること(乙4な
いし19)からすれば,両商標に接した需要者は,
「hihachi」又は
「HITACHI」という文字が表されているという程度の印象を受ける
のみであって,アルファベットが大文字であるか小文字であるかの違いを
10 それほど強く印象付けられるものではないというべきである。そして,上
記アで検討したとおり,本件商標及び引用商標において使用されている文
字及びそのつづりが近似していることなどからすれば,両商標の外観は,
大文字表記と小文字表記という違いがあることを考慮しても,互いに相紛
らわしいものであるというべきである。
15 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。
(2) 称呼について
ア 本件商標からは「ヒハチ」との称呼が生じ,引用商標からは「ヒタチ」
との称呼が生じるところ,これらはいずれも3音からなるものである上,
比較的印象に残りやすいといえる語頭の「ヒ」の音及び語尾の「チ」の音
20 が共通する。そして,異なる部分である2音目の「ハ」の音及び「タ」の
音は,いずれも母音を「a」とする点で共通する上,通常はそれほど強く
発音されない2音目であることからすれば,本件商標及び引用商標の称呼
を明確に区別することが困難な場合もあるというべきである。
イ 以上の事情を考慮すると,本件商標及び引用商標の称呼は,互いに相紛
25 らわしいものであるというべきである。
(3) 観念について
ア 本件商標は,
「hihachi」を標準文字で表したものであり,特定の
意味等を有しない造語であるといえるから,本件商標からは特段の観念を
生じないというべきである。
なお,原告は,原告が火鉢を製造,販売していることから,本件商標か
5 らは「火鉢」の観念が生じ得るとも主張するが,
「火鉢」は「ヒバチ」と読
むのが通常であること,濁音を含まない「ヒハチ」と2文字目が濁音とな
る「ヒバチ」とでは称呼が異なることからすれば,原告が火鉢を製造,販
売しているからといって,本件商標から「火鉢」の観念が生じるものとは
いえない。
10 イ 前記2で検討したとおり,引用商標は,被告補助参加人及びそのグルー
プ会社の業務に係る商品及び役務を表示するものとして極めて高い周知
著名性を有するものであることからすれば,引用商標からは「被告補助参
加人及びそのグループ会社のブランド」という観念が生じるものといえる。
ウ 以上によれば,本件商標及び引用商標は,観念において類似するもので
15 はない。
(4) 検討
ア 上記(1)ないし(3)のとおり,本件商標及び引用商標は,観念において類
似するものではないものの,外観及び称呼が互いに相紛らわしいものであ
るというべきである。
20 そして,前記3で検討したとおり,本件商標及び引用商標に係る需要者
には一般消費者が含まれるものであるところ,一般消費者が通常有する注
意力を踏まえると,外観及び称呼が互いに相紛らわしい両商標を取り違え
ることは十分にあり得るといえることからすれば,両商標の類似性の程度
は,相当程度高いというべきである。
25 イ 原告は,引用商標の取引の実情に関して,商標中の大文字のアルファベ
ットを小文字表記に変えて使用することなどは全く行われておらず,この
ことは引用商標においても同様である旨主張する。
しかしながら,上記(1)イのとおり,アルファベットからなる商標の使用
においては,その構成文字について,大文字と小文字とを相互に変換して
表記することが一般に行われているといえる。また,商標法においても,
5 商標登録の取消しの審判について,登録商標と社会通念上同一と認められ
る商標(例えば,平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更
するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標)の使用を証明するこ
とによって商標登録の取消しを免れることができる旨が規定されている
が(商標法50条1項,2項,38条5項),これは,商標の使用において
10 は,同一の称呼及び観念が生じる範囲内で商標の構成文字の文字種を相互
に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般によく行われる
ことを前提とした規定であるといえる。これらの事情を考慮すると,商標
中の大文字のアルファベットを小文字表記に変えて使用することが全く
行われていないということはできない。
15 以上によれば,原告の上記主張は採用することができない。
5 出所混同が生ずるおそれの有無
本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基
準として,前記2ないし4において検討した事情を総合的に考慮すると,注意
力がそれほど高いとはいえない一般消費者が,被告補助参加人及びそのグルー
20 プ会社の業務に係る商品及び役務を表示するものとして極めて高い周知著名性
を有する引用商標に相当程度類似し,取り扱う商品も密接に関連する本件商標
が付された商品に接した場合には,当該商品が被告補助参加人及びそのグルー
プ会社の業務に係る商品であると混同するおそれがあるというべきである。
6 結論
25 以上によれば,本件商標は,引用商標との関係において,他人の業務に係る
商品と混同を生ずるおそれがある商標であり,商標法4条1項15号に該当す
るものと認められる。そうすると,本件商標の商標登録を取り消すべきである
とした本件決定の判断に誤りはない。
よって,原告の請求は,理由がないからこれを棄却することとして,主文の
とおり判決する。
5 知的財産高等裁判所第3部
10 裁判長裁判官
東 海 林 保
15 裁判官
中 平 健
20 裁判官
都 野 道 紀
(別 紙)
引用商標目録
5 1 登録番号:商標登録第433710号
商標の構成(標準文字) 「HITACHI」
:
登録出願日:昭和27年12月26日
設定登録日:昭和28年10月29日
最新更新登録日:平成25年8月6日
10 書換登録日:平成16年12月15日
指定商品:第11類「電気炉,電気カーペット,電気がま,電気こんろ,電気
暖房機,電気布団,電気湯沸かし器,白熱電球,アーク灯,電球類及
び照明器具用の炭素棒,懐中電灯」ほか
15 2 登録番号:商標登録第617079号
商標の構成(標準文字) 「HITACHI」
:
登録出願日:昭和37年3月3日
設定登録日:昭和38年6月12日
最新更新登録日:平成25年4月2日
20 書換登録日:平成16年6月16日
指定商品:第11類「火鉢類」ほか
3 登録番号:商標登録第836099号
商標の構成(標準文字) 「HITACHI」
:
25 登録出願日:昭和38年11月30日
設定登録日:昭和44年10月29日
最新更新登録日:令和元年6月4日
書換登録日:平成21年8月26日
指定商品:第11類「扇風機」
5 4 登録番号:商標登録第984592号
商標の構成(標準文字) 「HITACHI」
:
登録出願日:昭和43年7月24日
設定登録日:昭和47年10月11日
最新更新登録日:平成24年8月7日
10 書換登録日:平成15年8月13日
指定商品:第11類「ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,バーベキューグリル,
流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんど
ん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,
かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペン
15 サー,便器,和式便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,
家庭用ごみ焼却炉,化学物質を充てんした保温保冷具」ほか
5 登録番号:商標登録第1698222号
商標の構成(標準文字) 「HITACHI」
:
20 登録出願日:昭和52年3月25日
設定登録日:昭和59年6月21日
最新更新登録日:平成26年2月25日
書換登録日:平成18年6月28日
指定商品:第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱
25 交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,
暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店
用の機械器具(いすを除く。 ,業務用加熱調理機械器具,業務用食器
)
乾燥機,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,太陽熱利用温
水器,浄水装置,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,
水産用水質浄化装置,ガス浄化装置,業務用温蔵庫,業務用浴槽循環
5 装置,業務用飲料水浄水装置」ほか
6 登録番号:商標登録第4670241号
商標の構成(標準文字) 「HITACHI」
:
登録出願日:平成14年1月9日
10 設定登録日:平成15年5月9日
最新更新登録日:平成25年3月5日
指定商品:第11類「便所ユニット,浴室ユニット,乾燥装置,換熱器,蒸煮
装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子
炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣
15 類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。 ,業務用
)
加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,業務用食器消毒器,水道用栓,
タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,
業務用ごみ焼却炉,家庭用ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置,
電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類,水道蛇口用座金,水道蛇
20 口用ワッシャー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイス
ボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,
ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たん
ぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式
便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,化学物質を充て
25 んした保温保冷具,火鉢類,家庭用エアーコンディショナーの室外機
据え付け台,換気扇用フィルター」ほか
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