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令和3(ワ)6974商標権侵害差止等請求事件

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裁判所 請求棄却 大阪地方裁判所大阪地方裁判所
裁判年月日 令和4年9月12日
事件種別 民事
当事者 原告株式会社トーリン
被告株式会社エス・エム・エス
法令 商標権
商標法26条1項6号8回
民法709条1回
商標法36条2項1回
キーワード 商標権18回
損害賠償2回
侵害2回
差止1回
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
1 被告は、そのウェブサイト(https<以下略>。以下「本件ウェブページ」と
2 被告は、原告に対し、540万円及びこれに対する令和3年8月3日から支20
40万円及びこれに対する不法行為の日の後である令和3年8月3日(本訴状送達
1 前提事実(争いのない事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に
2 争点
1 争点1(被告が見出し及び説明文において被告標章を使用しているか)につ
2 争点2(被告役務が本件商標権の指定役務と同一又は類似であるか)につい
3 争点3(被告標章の使用が商標法26条1項6号に該当するか)について25
4 争点4(損害の発生及びその額)について5
00万円となり、その差額は約2300万円である。したがって、少なく見積もっ
12%であるから、少なく見積もっても、9%を下回ることはない。以上から、220
000万円に9%を乗じ、これに3(年)を乗じた540万円が原告の得べかりし
5 争点5(被告標章の削除の必要性があるか)について25
1 事案にかんがみ、争点3(被告標章の使用が商標法26条1項6号に該当す
2 結論
1 登録商標(標準文字) トーリン
2 登録商標(標準文字) セレモニートーリン
3 登録商標(標準文字) ひらのとーりん
1 タイトルタグ
2 記述メタタグ
事件の概要 本件は、別紙商標権目録記載の各商標権(以下、本件において直接問題となるの は同目録記載2の商標権であるので、これを「本件商標権」という。)の商標権者 である原告が、被告による被告標章の使用が本件商標権の侵害に当たると主張し、25 被告に対し、商標法36条2項に基づき、本件ウェブページに係る html ファイル内 のタイトルタグ及びディスクリプションメタタグ(以下「記述メタタグ」という。) における被告標章の削除を求めるとともに、民法709条に基づき、損害賠償金5 40万円及びこれに対する不法行為の日の後である令和3年8月3日(本訴状送達 日の翌日)から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案で ある。5

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判決文

令和4年9月12日判決言渡 同日判決原本交付 裁判所書記官

令和3年(ワ)第6974号 商標権侵害差止等請求事件

口頭弁論終結の日 令和4年7月15日

判 決

原告 株式会社トーリン

被告 株式会社エス・エム・エス

同訴訟代理人弁護士 田辺 克彦

同 橋本 裕幸

同 松田 秀明

主 文

1 原告の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

1 被告は、そのウェブサイト(https<以下略>。以下「本件ウェブページ」という。 の html ファイルの及びから、)別紙被告標章目録記載の標章(以下「被告標章」という。)を削除せよ。2 被告は、原告に対し、540万円及びこれに対する令和3年8月3日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等

本件は、別紙商標権目録記載の各商標権(以下、本件において直接問題となるのは同目録記載2の商標権であるので、これを「本件商標権」という。)の商標権者である原告が、被告による被告標章の使用が本件商標権の侵害に当たると主張し、被告に対し、商標法36条2項に基づき、本件ウェブページに係る html ファイル内のタイトルタグ及びディスクリプションメタタグ(以下「記述メタタグ」という。)における被告標章の削除を求めるとともに、民法709条に基づき、損害賠償金540万円及びこれに対する不法行為の日の後である令和3年8月3日(本訴状送達日の翌日)から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案で

5 ある。1 前提事実(争いのない事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)

(1) 当事者原告は、葬儀会館の経営、葬儀及び葬儀に付帯する業務等を目的とする株式会社である(甲1)。原告は、大阪市<以下略>において、「セレモニートーリン」との名称の葬儀場(以下「本件葬儀場」という。)を運営している。被告は、インターネットを活用した情報提供サービス業等を目的とする株式会社である(甲2)。なお、被告自身は、葬儀会館の運営等の葬儀業自体は行っていない(弁論の全趣旨)。

(2) 本件商標権原告は、本件商標権の商標権者である。本件商標権に係る商標(以下、「本件商標」といい、本件商標に係る標章を「本件標章」という。)の指定役務は、別紙商標権目録記載2のとおりである(甲16の2)。

(3) 被告の行為等ア 被告は、「安心葬儀」という名称のウェブサイト(以下「本件サービスサイト」という。)を運営しており、本件サービスサイトにおいて、葬儀希望者が選択した地域に応じて、その条件に見合った葬儀社ないし葬儀場(以下「葬儀社等」という。)を一覧表示して情報提供することにより、葬儀希望者と葬儀社等とのマッチング支援を行うサービス(以下「被告役務」という。)を提供している。本件ウェブページは、本件サービスサイトに含まれる、原告が運営する本件葬儀場に関するものである。イ 被告は、本件ウェブページを表示するための html ファイルのタイトルタグ及び記述メタタグに、別紙タイトルタグ等目録記載1及び2のとおり記載することで、検索サイト(Yahoo!)において「セレモニートーリン」とキーワード検索した際の検索結果等に本件ウェブページに関する検索結果として見出し及び説明文と

5 して次のとおり本件標章と同一である被告標章を含む内容を表示させ(甲7、21の2。甲21の2は口頭弁論終結時のもの)、さらに本件ウェブページの見出しとして次の(ア)のとおり表示させ、もって本件標章を使用した。(ア) 見出し「セレモニートーリン(大阪府)の斎場詳細/安心葬儀」(イ) 説明文「セレモニートーリン(大阪府大阪市<以下略>)の口コミ、写真、施設情報、アクセス・地図など詳しい情報をご紹介します。【安心葬儀】はお客様のご予算やご要望に合わせて、...」2 争点

(1) 被告が見出し及び説明文において被告標章を使用しているか(争点1)

(2) 被告役務が本件商標権の指定役務と同一又は類似であるか(争点2)

(3) 被告標章の使用が商標法26条1項6号に該当するか(争点3)

(4) 損害の発生及びその額(争点4)

(5) 被告標章の削除の必要性があるか(争点5)

第3 争点に関する当事者の主張

1 争点1(被告が見出し及び説明文において被告標章を使用しているか)につ

いて【

(原告の主張)

】

(1) 被告は、令和2年5月ころから、本件ウェブページを表示するための html

ファイルに、タイトルタグ及び記述メタタグとして別紙タイトルタグ等目録記載1及び2のとおり記載した。その結果、検索エンジンで「セレモニートーリン」を用いてキーワード検索をすると、検索結果の一覧が表示されるページにおいて、本件ウェブページの案内として、前記タイトルタグ及び記述メタタグの内容のとおり表示され、本件ウェブページを表示すると、見出しとしてタイトルタグのとおり表示されることになった。

5 (2) 被告は、検索エンジンが独自のアルゴリズムによって表示内容を決定するか

ら、被告が被告標章を使用しているとはいえない旨を主張する。しかし、検索エンジンは、記載内容が不適切でないかをチェックするために、タイトルタグ等を管理しているにすぎず、検索エンジンがタイトルタグ等の内容を自動的に決定しているわけではない。したがって、被告が見出し及び説明文を作成し、被告標章を使用しているといえる。【

(被告の主張)

】被告は、本件ウェブページを表示するための html ファイルのタイトルタグ及び記述メタタグとして、原告が主張する内容の記載をしているが、検索結果の表示内容は、最終的には検索エンジンが独自のアルゴリズムによって決定するものであるから、これらの記載が、そのまま検索結果に表示されるとは限らない。例えば、Googleにおいては、「要素内のコンテンツ」(=「タイトルタグ」)のほか、「ページ上の主な視覚的なタイトルや見出し」「要素などの見出し要素」「ページ内のその他のテキスト」「ページ上のアンカーテキスト」「ページを指すリンク内のテキスト」を使って、「見出し」を自動的に決定するものとしている。また、Yahoo!においては、検索エンジン用ロボットが機械的にインターネット上の情報 「タ(イトルタグ」のほか、「他サイトからの紹介内容やリンク名」)を収集し、「見出し」を表示するものとしている。したがって、本件ウェブページのタイトルタグ及び記述メタタグの記載者が被告であるとしても、被告が、検索サイトの検索結果における見出し及び説明文において被告標章を使用していることにはならない。

2 争点2(被告役務が本件商標権の指定役務と同一又は類似であるか)につい

て【

(原告の主張)

】原告は、被告が、安心葬儀において、被告役務を提供していることを争うもので

5 はないが、少なくとも本件ウェブページにおいては、被告が葬儀希望者と葬儀社等

とのマッチング支援をするサービスを提供しているとはいえない。すなわち、被告は、本件ウェブページに本件葬儀場の情報を記載しつつ、一方で、「安心葬儀/葬儀相談コールセンター(無料)<省略>」との記載を際立たせて表示し、葬儀を希望する需要者をして、安心葬儀の電話番号である「<省略>」に架電させ、葬儀の執行をさせようとしているところ、かかる被告の行為は、葬儀を希望する需要者と、本件サービスサイトへの掲載や提携に応じた葬儀場とを直結させ、需要者による葬儀の執行に至るまでの一プロセスを担うものであるから、葬儀の執行を行う葬儀場と同一の業務と評価することができる。したがって、被告役務は、本件商標権の指定役務である葬儀の執行と同一又は類似である。【

(被告の主張)

】安心葬儀は、葬儀希望者が地域を選択すると、その条件に見合った葬儀社等(被告との提携や承諾の有無を問わない。)が一覧表示されるインターネット上のいわゆる情報サイトであり、被告が安心葬儀を通じて提供する被告役務は、あくまで「葬儀社等の情報提供を通じた葬儀希望者と葬儀社等とのマッチング支援」であり、いかなる意味においても「葬儀の執行」や「葬儀のための施設の提供」ではないし、これらと同視すべきものでもない。したがって、被告役務は、本件商標権の指定役務と同一又は類似であるとはいえない。

3 争点3(被告標章の使用が商標法26条1項6号に該当するか)について

【

(被告の主張)

】原告のウェブサイトの見出しは「公式/セレモニートーリン」となっており、「公式」の文字が見られ、その上部には「www.tohrin.co.jp」と表示されており、 tohrin」「の文字が見られるのに対し、本件ウェブページの見出しには「公式」の文字はなく、その上部には「ansinsougi.jp」「大阪府の斎場/葬儀社一覧>大阪市<以下略>」

5 と表示されている。これらの表示から、原告のウェブサイトが公式サイトであると

判断するのは容易である一方で、本件ウェブページは原告が提供するサービスの紹介ページであることが読み取れるものとなっている。また、本件ウェブページの説明文を見れば、通常の理解力を有する需要者は、本件ウェブページは、本件サービスサイトの本件葬儀場の紹介ページであることが十分理解できる内容となっている。さらに、本件ウェブページに遷移すれば、本件ウェブページには、常に「安心葬儀」の文言と電話番号が表示され、原告の他にも多数の葬儀業者が紹介されていることに加え、その記載内容自体から、本件葬儀場の紹介をしているものであることはより一層明白となる。したがって、本件ウェブページを見た需要者は、本件ウェブページは原告のサービスを紹介するサイトであると認識するのであって、本件サービスサイトが原告の運営するサービスであると認識したり、被告が本件葬儀場のサービスを提供する者であると認識したりすることはなく、出所の混同は生じない。以上から、被告が本件ウェブページの見出し及び説明文において被告標章を使用することは、商標法26条1項6号に該当する。【

(原告の主張)

】被告は、本件ウェブページの見出しやその説明文において被告標章を表示させ、需要者をして本件ウェブページにアクセスするよう誘引し、本件ウェブページにおいて本件葬儀場の建物の写真や情報を表示させることで、需要者をして、本件ウェブページが原告ないし本件葬儀場のウェブページであると誤認させ、出所の混同を生じさせている。したがって、被告は、単に形式的に被告標章を使用しているのではなく、需要者が葬儀場の「セレモニートーリン」であると認識することを前提として、識別力の高い本件標章の自他識別標識をことさら利用する目的で被告標章を使用するものであるから、被告が本件ウェブページの見出し及び説明文において被告標章を使用することは、商標法26条1項6号に該当しない。

5 4 争点4(損害の発生及びその額)について

【

(原告の主張)

】被告は、本件ウェブページのタイトルタグ及び記述メタタグに被告標章を表示することで、原告は多大な損害を被っている。すなわち、原告は、従前、売上高において年間7000万円を下回ることがあり得なかったところ、本件ウェブページを通じた違法な誘導により、令和元年8月期以降は、売上高が5000万円台の真ん中当たりに止まっており、少なくとも1800万円前後の売上高減少となった。不法行為に基づく損害賠償請求による損害は、得べかりし利益と考えられるから、次の計算式のとおり、原告の被った損害は540万円を下回ることはない。平成26年8月期から平成30年8月期における売上高を基にして1年間の売上高の平均を算出すると、約7940万円となるところ、令和元年8月期から令和3年8月期の推測した売上高を基にして1年間の売上高の平均を算出すると、約5600万円となり、その差額は約2300万円である。したがって、少なく見積もっても、1年間当たりの得べかりし売上高は2000万円を下回ることはない。また、平成26年8月期から平成30年8月期における売上高営業利益率の平均値は9.12%であるから、少なく見積もっても、9%を下回ることはない。以上から、2000万円に9%を乗じ、これに3(年)を乗じた540万円が原告の得べかりし利益となる。【

(被告の主張)

】争う。

5 争点5(被告標章の削除の必要性があるか)について

【

(原告の主張)

】前記4のとおり、原告は、被告が本件ウェブページのタイトルタグ及び記述メタタグに被告標章を表示することで多大な損害を被っていることから、本件ウェブページのタイトルタグ及び記述メタタグから被告標章を削除する必要性がある。【

(被告の主張)

】

5 争う。

第4 当裁判所の判断

1 事案にかんがみ、争点3(被告標章の使用が商標法26条1項6号に該当するか)を検討する。

(1) 本件サービスサイトの性質及び本件ウェブページの位置づけについて後掲各証拠及び弁論の全趣旨に前提事実を総合すると、次の各事実を認めることができる。ア 被告は、平成30年、葬儀に関する困りごとの解決へ向け、葬儀サービスを探している人々と葬儀社をマッチングする事業として葬儀社紹介サービスを提供する本件サービスサイトの運営を開始した(甲3、4)。本件サービスサイトは、被告との提携の有無にかかわらず、全国の葬儀社の情報を掲載することとしており、被告と提携していない葬儀社のページには、葬儀社の電話番号やウェブサイトのリンクを記載し、被告の提供するサービスを介さず直接連絡できる設計としており、本サービスサイトのユーザー(葬儀希望者)が、提携していない葬儀社を指定して被告に問合せをした場合は、当該葬儀社の電話番号を案内する方針としている。なお、提携先の葬儀社については、見積り取得の手配や代行を行っている(甲10、20)。イ 本件サービスサイトにおいて、ユーザーが一定の地域を選択すると、被告が把握するその地域に所在の葬儀社や斎場が一覧表示され(その他、費用・形式別のプランの紹介、葬儀の依頼や相談、一括見積を行うサイトへの遷移ボタン、当該地域の葬儀に関するQ&Aや事例なども表示される)、その一覧の中から、個別の葬儀社等を選択すると、当該個別の葬儀社等に関する被告が把握した情報を提供するページが表示され、本件葬儀場(セレモニートーリン)を選択した場合、本件ウェブページが表示される(甲22の1・2、乙1)。ウ 本件ウェブページは、その固定ヘッダーに「安心葬儀 葬儀のご依頼/ご相談 一括見積なら|安心葬儀」「安心葬儀/葬儀相談コールセンター(無料)通話

5 無料<省略>」といった記載があるほか、ページの上部に「安心葬儀TOP」「葬儀の種類」「宗教・宗派別葬儀」「葬儀の知識」という記載(リンク)や「安心葬儀TOP>大阪府の葬儀社/斎場一覧>大阪市<以下略>>セレモニートーリン」という各ウェブページの階層を示す記載があり、また、「セレモニートーリン」と太字で書かれた下部には、本件葬儀場の外観を撮影した写真が掲載され、「セレモニートーリンとは」「セレモニートーリンの特徴」「セレモニートーリンの住所・地図・アクセス」「セレモニートーリンの情報」「セレモニートーリンの口コミ・レビュー」「セレモニートーリンの葬儀式場・休憩室情報」の各欄にはそれぞれ見出しに対応した情報が記載されているほか、「当サイトは「セレモニートーリン」と提携しておりません。掲載している情報は、葬儀社様の公式サイトの情報など、一般に公開されている情報をもとに、当サイトの方で収集、編集を加えまとめたものになります(中略)。斎場に関する詳細・最新の情報につきましては公式の Web サイトや電話で直接ご確認ください。」との記載がある。これより下部には、「セレモニートーリンの近くにある他の斎場」「大阪府で経験・実績の多い葬儀社」「大阪府の家族葬の葬儀事例」の欄には、それぞれ複数の葬儀社や葬儀事例が記載されており、さらに、「葬儀社/斎場を地域を指定して検索する」「葬儀社/斎場を大阪府の市町村から選ぶ」の欄においては、それぞれ選択した対象エリアや地域に所在する葬儀社等を検索することが可能である(甲22の1・2。なお、以上の記載内容は、口頭弁論終結時のものである。)。エ 検索サイトYahoo!において、「セレモニートーリン」とキーワード検索すると、検索結果を表示するウェブページにおいて、広告であることが明記された他の葬儀社等のリンクが表示された後、広告表示のないものとしては一番目に原告のウェブサイトへのリンクが「公式/セレモニートーリン・大阪市<以下略>、東大阪のお葬式」等の見出しのもとに何件か表示される。それに引き続き、被告の本件ウェブページについての案内(その詳細は、「https<以下略>>大阪府の葬儀社/斎場一覧>大阪市<以下略>」とドメイン部分等が小さく表示され、その下に

5 見出し(リンク)部分として、「セレモニートーリン(大阪府)の斎場詳細|安心葬儀」が表示され、「評価:4.3 1件のレビュー」との情報及び本件ウェブページの説明文として、「セレモニートーリン(大阪府大阪市<以下略>)の口コミ、写真、施設情報、アクセス・地図など詳しい情報をご紹介します。【安心葬儀】はお客様のご予算やご要望に合わせて、...」が表示され、「セレモニートーリンの特徴・セレモニートーリンの住所・地図...」との表示もされる。)が表示される。なお、その下には、詳細は不明であるが、被告以外の他のサービスサイトと思われるサイトへのリンクも表示される(甲21の1・2)。

(2) 前記認定によると、本件サービスサイトは、その構成において、需要者である葬儀希望者に対し、その条件に見合った葬儀社等の情報提供を行い、また希望者には葬儀の依頼や相談、一括見積を行うことなどを通して、葬儀希望者と葬儀社等とのマッチング支援を行うサービス(被告役務)を提供するものであることが容易に看取できる。そして、本件ウェブページは、これを単独でみても、そのドメインや本件ウェブページのタイトル部分や末尾の「安心葬儀」等の表示、競合し得る近隣の斎場等の情報も表示されることに加え、本件葬儀場の情報については、ホールの外観、特徴や所在地、アクセス方法、設備情報等の客観的な情報が記載されているにとどまり、これを超えて本件葬儀場の利用を誘引するような記載はみられないこと等の事情からすると、本件ウェブページに接した需要者は、「セレモニートーリン」を、葬儀場を紹介するという本件サービスサイトにおいて紹介される一葬儀社(場)として認識するものであり、原告が本件葬儀場において提供する商品ないし役務に関し、被告がその主体であると認識することはないものというべきである(本件ウェブページを含め、本件サービスサイトの運営者が原告であると認識することがないことも同様である。)。さらに、原告が問題とする本件ウェブページの html ファイル中のタイトルタグ及び記述メタタグに記載された内容は、検索サイトYahoo!において「セレモニー

5 トーリン」をキーワードとして検索した際の検索結果において基本的に各タグに記載されたとおり表示されると認めることができるが、その内容は、いずれも本件サービスサイトの名称が明記された見出し及び説明文と相まって、原告の運営するウェブサイトとは異なることが容易に分かるものと評価できる上、一般に、検索サイトの利用者、とりわけ現に葬儀の依頼を検討するような需要者は、検索結果だけを参照するのではなく、検索結果の見出しに貼られたリンクを辿って目的の情報に到達するのが通常であると考えられるところ、需要者がそのように本件ウェブページに遷移した場合には、前記のとおり、被告が運営する本件サービスサイトの一部として本件ウェブページを理解するのであって、やはり、被告標章を本件ウェブページの各タグ内で使用することによって、原告と被告の提供する商品または役務に関し出所の混同が生じることはないというべきである。したがって、被告による被告標章の使用は、商標法26条1項6号の規定により、本件商標権の効力が及ばないというべきである。

(3) 原告は、被告は、本件ウェブページの見出しやその説明文において被告標章を表示させ、需要者をして本件ウェブページにアクセスするよう誘引し、本件ウェブページにおいて本件葬儀場の建物の写真や情報を表示させることで、需要者をして、本件ウェブページが原告(セレモニートーリン)のウェブページであると誤認させ、出所の混同を生じさせている旨を主張する。しかし、本件ウェブページの見出し、説明文及び本件ウェブページ自体の表示内容を踏まえると、見出し及び説明文に被告標章の表示があるからといって、出所の混同を生じさせることにはならないことは前述したとおりである。原告の主張は、要するに、原告を紹介する本件ウェブページに被告の電話番号等が表示されることにより、原告が、その潜在的需要を失う不利益を被っていることをいうものと解されるが、そのような結果が仮に生じているとしても、前記認定に係る本件サービスサイトの性質及び本件ウェブページの記載(なお、反対にこれを参照して原告に依頼する需要者も在り得ると考えられる。)からすると、自由競争の範囲内のものと

5 いうべきである。原告の前記主張は採用の限りでない。

(4) したがって、本件ウェブページの見出し及び説明文における被告標章の使用は、商標法26条1項6号に該当するとの被告の主張は、理由がある。

2 結論以上によれば、見出し及び説明文において被告標章を使用しているのが被告であるかどうか(争点1)、また被告役務は本件商標権の指定役務と同一又は類似かどうか(争点2)にかかわらず、被告による被告標章の使用は商標法26条1項6号に該当するものであるから、被告の主張は理由がある。そうすると、その余の点を判断するまでもなく、原告の請求には理由がない。よって、主文のとおり判決する。大阪地方裁判所第26民事部

裁判長裁判官

松 阿 彌 隆

裁判官

杉 浦 一 輝

裁判官

峯 健 一 郎

(別紙)

被告標章目録セレモニートーリン以上

(別紙)

商標権目録

1 登 録商標 (標準文字) トーリン5 登 録番号 商標登録第6362311号出 願日 令和2年3月10日登 録日 令和3年3月11日商 品及び役務の区分並 びに指定商品又は指定役務第 45類 葬儀の執行、葬儀のための施設の提供、法事又は法要のための施設の提供、祭壇の貸与、婚礼( 結婚披露を含む。)のための施設の提供、墓地又 は 納 骨堂の提供

2 登 録商標 (標準文字) セレモニートーリン登 録番号 商標登録第6362312 号出 願日 令和2年3月10日登 録日 令和3年3月1 1日商 品及び役務の区分並 びに指定商品又は指定役務第 45類 葬儀の執行、葬儀のための施設の提供、法事又は法要のための施設の提供、祭壇の貸与、婚礼( 結婚披露を含む。)のための施設の提供、墓地又 は 納 骨堂の提供

3 登 録商標 (標準文字) ひらのとーりん登 録番号 商標登録第6363290号出 願日 令和2年3月10日登 録日 令和3年3月15日商 品及び役務の区分並 びに指定商品又は指定役務第 45類 葬儀の執行、葬儀のための施設の提供、法事又は法要のための施設の提供、祭壇の貸与、婚礼( 結婚披露を含む。)のための施設の提供、墓地又 は 納 骨堂の提供以上

(別紙)

タイトルタグ等目録1 タ イトルタグ5 セレモニートーリン(大阪府)の斎場詳細 | 安心葬儀2 記 述メタタグ以上

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