令和4(行ウ)382特許分割出願却下処分取消請求事件
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裁判所 |
請求棄却 東京地方裁判所東京地方裁判所
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裁判年月日 |
令和5年3月23日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
原告株式会社花雲 被告国
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法令 |
特許権
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キーワード |
特許権45回 分割39回 無効2回
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主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
8 月 5 日付けで本件親出願をもとの特許出願とする分割出願(特願 2020-132958
2 号に規定する期間内にされたものであり、同項に規定する要件を満たす適法
1 前提事実(争いのない事実、後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認め
7 月 29 日に特許権の設定登録がされているところ、同年 8 月 5 日に行われ10
2 争点及び争点に関する当事者の主張5
1 項)、特許出願人(特許権者)との関係においては例外的に特許証の受
1 争点(本件却下処分の違法性の有無)について
2 まとめ |
事件の概要 |
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判決文
令和 5 年 3 月 23 日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和 4 年(行ウ)第 382 号 特許分割出願却下処分取消請求事件
口頭弁論終結日 令和 5 年 1 月 23 日
判 決
原 告 株 式 会 社 花 雲
同訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫
同 平 田 慎 二
10 同訴訟復代理人弁護士 平 塚 健 士 朗
同補佐人弁理士 保 立 浩 一
被 告 国
15 処 分 行 政 庁 特 許 庁 長 官
同 指 定 代 理 人 八 屋 敦 子
同 白 幡 朋 之
同 稲 垣 若 菜
20 同 加 茂 絢 弓
同 中 澤 直 樹
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
25 事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁長官が令和 3 年 3 月 30 日付けでした、特願 2020-132958 号について
の出願却下の処分を取り消す。
第2 事案の概要
本件は、原告が、令和元年 10 月 29 日付けでした特許出願(特願 2019-196800
5 号。以下「本件親出願」という。)について、令和 2 年 7 月 29 日に特許権(特
許第 6741320 号。以下「本件特許権」という。)の設定登録を受けた後、同年
8 月 5 日付けで本件親出願をもとの特許出願とする分割出願(特願 2020-132958
号。以下「本件出願」という。)をしたところ、これにつき特許庁長官(処分
行政庁)から令和 3 年 3 月 30 日付けで出願却下の処分(以下「本件却下処分」
10 という。)を受けたため、本件出願は特許法(以下「法」という。)44 条 1 項
2 号に規定する期間内にされたものであり、同項に規定する要件を満たす適法
なものであるなどとして、本件却下処分の取消しを求める事案である。
1 前提事実(争いのない事実、後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認め
られる事実)
15 (1) 本件親出願に関する経緯
ア 原告は、令和元年 10 月 29 日、発明の名称を「ギフト資産管理システ
ム」とする発明について特許出願(本件親出願)をした。
イ 特許庁審査官は、令和 2 年 6 月 30 日付けで本件親出願について特許査
定を行い(以下「本件特許査定」という。)、同年 7 月 7 日、本件特許査
20 定の謄本が原告に送達された。
ウ 原告は、同月 20 日付けで本件親出願について第 1 年から第 3 年までの
各年分の特許料を納付した。これを受けて、特許庁長官は、同月 29 日、
本件特許権の設定登録をした(以下「本件設定登録」という。)。
(2) 本件出願及び本件却下処分
25 ア 原告は、令和 2 年 8 月 5 日、本件親出願をもとの特許出願とする分割出
願(本件出願)をした。
イ 特許庁長官は、同年 9 月 25 日付け却下理由通知書(甲 6。以下「本件理
由通知書」という。)により、原告に対し、本件出願は特許出願を分割で
きる時又は期間内にされた分割出願ではないことを理由に、法令で定める
要件を満たしていないため却下すべきものと認められる旨を通知すると共
5 に、弁明書提出の機会を付与した。
本件理由通知書には、その理由として、法 44 条 1 項 2 号所定の期間内
であっても、特許出願について特許権の設定登録がされた後は、その特許
出願は特許庁に係属しなくなるため、その特許出願をもとの出願として新
たな特許出願をすることはできない旨示した上で、本件親出願は令和 2 年
10 7 月 29 日に特許権の設定登録がされているところ、同年 8 月 5 日に行われ
た本件出願は、特許庁に係属していない特許出願をもとの出願として行わ
れたものであるから、法 44 条 1 項所定の要件を満たしていない不適法な
手続であって、その補正をすることができないものであり、法 18 条の 2
第 1 項の規定により却下すべきものと認められる旨の記載がある。
15 ウ これを受けて、原告は、同年 11 月 21 日、特許庁長官に対し、弁明書
(甲 7。以下「本件弁明書」という。)を提出した。本件弁明書には、本
件出願をした同年 8 月 5 日時点では、原告において本件特許権に係る特許
証を受領しておらず、同年 7 月 29 日に本件設定登録がされたことは了知
していなかった旨が記載されている。
20 エ しかし、特許庁長官は、令和 3 年 3 月 30 日付けで、原告に対し、本件
弁明書の内容を考慮しても本件理由通知書記載の却下理由を解消すること
はできないなどとして、本件却下処分をした(同年 4 月 6 日発送)。
(3) 本件審査請求及び本件裁決
原告は、同年 6 月 10 日付けで、特許庁長官に対し、本件却下処分の取消
25 しを求める審査請求をした(以下「本件審査請求」という。)。
これに対し、特許庁長官は、令和 4 年 2 月 22 日付けで本件審査請求を棄
却する旨の裁決をした。
(4) 本件訴訟の提起
原告は、令和 4 年 8 月 5 日付けで、本件却下処分の取消しを求めて本件訴
訟を提起した。
5 2 争点及び争点に関する当事者の主張
本件却下処分の違法性の有無
(原告の主張)
(1) 取消事由 1
本件理由通知書には、却下の理由として、法 44 条 1 項の定める分割出願
10 について、特許査定謄本の送達の日から 30 日以内であっても、もとの特許
出願につき特許権の設定登録がされた後はすることができない旨の記載があ
るが、その旨定めた規定は存在しない。これは被告(処分行政庁)による法
解釈にすぎないところ、発明の保護をその目的とする法の解釈にあたり、発
明の保護を制限する方向の解釈については、厳格にその根拠が吟味されなけ
15 ればならない。これを踏まえて解釈すると、まず、「特許出願人は」(同項
柱書き)とは、分割出願を行い得るのは親出願の出願人に限られ、第三者が
行うことはできないという主体的要件を定めているものと解される。また、
「二以上の発明を包含する特許出願の一部を」(同項柱書き)についても、
分割出願は親出願に包含されている内容がされなければならないとする客体
20 的要件を定めているものと解される。このため、これらの文言をもって直ち
に、特許権の設定登録がされた後は出願することができないという解釈が導
き出されるわけではない。法 46 条の 2 第 1 項が、実用新案登録出願が実用
新案登録により終了した後に特許出願という形で再係属する制度を設けてい
るように、登録後に出願が再係属すること自体、取り立てて奇異な状況では
25 ないことをも踏まえると、被告による上記法解釈は十分な合理性を備えてい
ない。
したがって、本件却下処分は違法である。
(2) 取消事由 2
仮に、特許査定謄本送達から 30 日以内であっても特許権の設定登録後は
分割出願できないと解されるとしても、以下のとおり、なお本件却下処分は
5 違法である。
すなわち、特許出願人は、特許証を受領するまでは特許権が設定登録され
た事実を知ることができないところ、上記解釈によれば、その間は特許権を
享受できず、分割出願をすることができる時期の制限という不利益のみを受
けることになり、不合理である。このため、少なくとも特許出願人との関係
10 では、特許権の効果が発生するのは特許証を受領した日と解すべきである。
また、特許権の設定登録後は分割出願をすることができないとする取扱い
により、特許証を送付する行為がそのような権利制限の処分を通知する行為
となっていることを踏まえると、特許権の設定登録により分割出願が不可と
なる部分は「特許出願人を相手方とする行政処分」に相当する。特許庁内部
15 で成立した特許出願人を相手方とする行政処分が効力を生じるには特許出願
人に告知することが必要であることに鑑みると、分割出願不可化の効力発生
時期は特許証の受領日でなければならない。すなわち、特許査定後 30 日以
内であっても特許権の設定登録がされた場合には分割出願をすることができ
ないという扱いは、以後の手続ができないという点で出願無効処分と同様で
20 あるから、行政行為の効力発生時期の原則から、処分(本件では特許権の設
定登録処分)が通知された時点で効力が生じるとすべきである。このように
解することは、特許査定後の分割出願に関する他の主要国の立法例とも調和
する。
本件出願は、本件特許権に係る特許証の受領日である令和 2 年 8 月 17 日
25 より前に行われたものであるため、分割出願をすることができる期間内にさ
れた適法なものである。
したがって、本件却下処分は違法である。
(被告の主張)
(1) 法 44 条 1 項の定める分割出願の時期的要件について
法 44 条 1 項は、分割出願の時期的要件として、「願書に添付した明細書、
5 特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内にす
るとき」(1 号)と定めるほか、「特許をすべき旨の査定…の謄本の送達が
あった日から 30 日以内にするとき」(2 号)や「拒絶をすべき旨の最初の
査定の謄本の送達があった日から 3 月以内にするとき」(3 号)と定めてい
る。もっとも、同項柱書きが「二以上の発明を包含する特許出願の一部を一
10 又は二以上の新たな特許出願とする」と規定していることからうかがわれる
ように、特許出願が特許庁に係属していなければ出願を分割することはでき
ない。このため、特許査定の謄本の送達があった日から 30 日以内であって
も、特許権の設定登録がされればその特許出願は特許庁に係属しなくなる以
上、これをもとに分割出願をすることはできないこととなる。
15 (2) 本件出願について
本件特許査定の謄本が原告に送達されたのは令和 2 年 7 月 7 日であり、本
件出願は、同日から 30 日以内である同年 8 月 5 日にされたものではある。
しかし、本件では、令和 2 年 7 月 29 日に本件設定登録がされたことにより、
本件出願は特許庁に係属しないものとなり、それ以降は本件親出願をもとの
20 特許出願として分割出願をすることはできなくなった。
したがって、原告による本件出願は、法 44 条 1 項所定の分割可能期間を
経過した後にされたものであり、同項所定の要件を満たさないものである。
以上のとおり、本件出願は、法 44 条 1 項所定の要件を満たさない不適法
なものであり、その補正をすることができないものといえるから、同法 18
25 条の 2 第 1 項本文に基づいて本件出願を却下した本件却下処分は適法である。
(3) 原告の主張について
ア 取消事由 1 について
法 44 条 1 項柱書きの「二以上の発明を包含する特許出願の一部」のう
ちの「特許出願」及び同柱書きの「特許出願人」が、特許庁に係属してい
る特許出願及び同出願における特許出願人をそれぞれ意味するものである
5 ことは文理上明らかである。
また、法 46 条の 2 第 1 項は、審査官によるいわゆる実体審査がなく、
出願から設定登録までの期間が短いという実用新案制度に特有の事情を考
慮して設けられたものであることに加え、その他の実用新案制度と特許制
度における手続上の違いをも踏まえれば、上記規定を考慮して分割出願の
10 時期的要件に係る解釈をすべきとする理由はない。
イ 取消事由 2 について
「特許権は、設定の登録により発生する」とされているところ(法 66 条
1 項)、特許出願人(特許権者)との関係においては例外的に特許証の受
領日に特許権が発生する旨を定める規定は存在しない。また、特許権は対
15 世効を有するゆえに、その権利が存在することが合理的であることや法的
に安定していることが必要であるところ、特許出願人との関係においての
み特許権の効力発生時期を別に解することは、この特許権の法的安定性を
欠く結果となり相当でない。さらに、特許証は、特許権の設定を公証する
ものにすぎず、権利の得喪変更とは無関係なものであり、そのような特許
20 証の受領をもって特許権が発生するとは解し得ない。
したがって、特許出願人との関係で特許権の効果が発生するのは特許証
を受領した日と解することはできない。
なお、特許権の設定登録は、特許査定を受けた特許出願人において、特
許権を得るため、法 107 条 1 項の規定による第 1 年から第 3 年までの各年
25 分の特許料の納付を行うことによりなされるものである(法 66 条 2 項)。
加えて、特許庁は、オンライン手続で特許料納付書が提出された場合には、
これに不備がなければ提出日から 3 日以内で登録される旨や、特許権の設
定登録があったときは当該特許出願を分割することができず、また、その
設定登録は特許料の納付書の提出後順次行われていくため、納付書の提出
と同日以前に当該特許出願の分割をすることが推奨される旨をウェブサイ
5 トに掲載している。これらの事情を踏まえれば、特許権の設定登録後は、
特許出願人(特許権者)において特許証を受領する前であっても、当該特
許出願を分割することはできないとすることが不合理であるとはいい難い。
第3 当裁判所の判断
1 争点(本件却下処分の違法性の有無)について
10 (1) 法 44 条 1 項柱書きは、特許出願人は、一の特許出願中に二以上の発明が
含まれている場合、その特許出願の一部を新たな出願(分割出願)とするこ
とができる旨規定する。ここで、「特許出願人」及び「特許出願」とされて
いることに鑑みると、同項の規定は分割出願のもととなる特許出願が特許庁
に係属していることを前提とするものと理解される。他方、同項は、分割出
15 願の時期的要件につき、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面
について補正をすることができる時又は期間内にするとき」(1 号)や「拒
絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があった日から三月以内にするとき」
(3 号)と定めるほか、「特許をすべき旨の査定…の謄本の送達があった日
から三十日以内にするとき」(2 号)と定めているところ、上記のとおり、
20 法 44 条 1 項はもととなる特許出願が特許庁に係属していることを前提とす
るものと理解されることを踏まえると、特許査定の謄本の送達があった日か
ら 30 日以内であっても、特許権の設定登録がされればその特許出願は特許
庁に係属しなくなる以上、これをもとに分割出願をすることはできないと解
される。
25 本件については、前提事実(1)のとおり、本件特許査定の謄本が原告に送
達されたのは令和 2 年 7 月 7 日であるから、原告は、同日から 30 日以内で
ある同年 8 月 5 日に本件親出願をもとの特許出願とする分割出願(本件出願)
をしたといえる。しかし、本件出願に先立つ令和 2 年 7 月 29 日に本件設定
登録がされたことにより、本件親出願は特許庁に係属しないものとなったこ
とから、それ以降は本件親出願をもとの特許出願として分割出願をすること
5 はできなくなっていたものである。
したがって、本件出願は、法 44 条 1 項所定の分割可能期間を経過した後
にされたものであり、同項所定の要件を満たさないものと認められる。
以上のとおり、本件出願は、法 44 条 1 項所定の要件を満たさない不適法
なものであり、その補正をすることができないものといえるから、同法 18
10 条の 2 第 1 項本文に基づいて本件出願を却下した本件却下処分は適法と認め
られる。
(2) 原告の主張について
ア 取消事由 1 について
原告は,法 44 条 1 項の定める分割出願について、特許査定謄本の送達
15 の日から 30 日以内であっても特許権の設定登録がされた後はすることが
できないとの解釈は,明文の規定のない被告による解釈にすぎず,十分な
合理性を有しないなどと主張する。
しかし,「二以上の発明を包含する特許出願の一部」(法 44 条 1 項柱
書き)のうちの「特許出願」及び「特許出願人」(前同)が、特許庁に係
20 属している特許出願及び同出願における特許出願人をそれぞれ意味するも
のであることは文理上明らかである。
また、法 46 条の 2 第 1 項は実用新案制度に特有の事情を考慮して設け
られたものであることなどに鑑みると、同条項の存在は、分割出願の時期
的要件に係る解釈に結び付くものでは必ずしもない。
25 したがって,この点に関する原告の主張は採用できない。
イ 取消事由 2 について
原告は,仮に特許査定謄本送達から 30 日以内であっても特許権の設定
登録後は分割出願できないとする法解釈が許容されるとしても、少なくと
も特許出願人との関係では特許権の効果が発生するのは特許証を受領した
日と解すべきであり、分割出願不可化の効力発生時期も特許証の受領日で
5 なければならないなどと主張する。
しかし、「特許権は、設定の登録により発生する」(法 66 条 1 項)と
されており、特許出願人(特許権者)との関係において例外的に特許証の
受領日に特許権が発生する旨を定める規定は存在しない。また、特許権は
対世効を有するところ、特許出願人との関係においてのみ特許権の効力発
10 生時期を別異に解することは、対世効を有する特許権の法的安定性を欠く
こととなる。さらに、特許証は、特許権の設定を公証するものにすぎず、
権利の得喪変更とは無関係なものであるから、特許証の受領をもって特許
権が発生すると解することはできない。なお、原告主張に係る設定登録後
の出願無効処分なる行政処分の性質等は必ずしも明らかではないが、少な
15 くとも法にはそのような行政処分の存在やその効力発生時期等を定める規
定は存しないことから、原告の主張は法の規定を離れた独自の見解という
ほかない。また、特許査定後の分割出願に関する他の主要国の立法例との
調和という点については、仮に他国の立法例が原告主張のとおりであると
しても、そのことをもって、分割出願の時期的要件と特許権の設定登録の
20 効力発生時期等につき原告の主張する解釈を採用すべきことには必ずしも
ならない。
したがって,この点に関する原告の主張は採用できない。
2 まとめ
以上より、本件却下処分は違法とはいえず、取り消すべきものとは認められ
25 ない。
第4 結論
よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のと
おり判決する。
東京地方裁判所民事第 47 部
裁判長裁判官
杉 浦 正 樹
裁判官
小 口 五 大
15 裁判官
稲 垣 雄 大
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