令和4(行ケ)10119審決取消請求事件
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裁判所 |
請求棄却 知的財産高等裁判所知的財産高等裁判所
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裁判年月日 |
令和5年5月18日 |
事件種別 |
民事 |
当事者 |
原告株式会社LBT 被告特許庁長官
|
法令 |
商標権
商標法4条1項11号7回 商標法27条2項1回
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キーワード |
商標権14回 審決12回 抵触1回 実施1回
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主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事件の概要 |
本件は、別紙商標目録記載の商標(以下「本願商標」という。)に係る商標登録
出願の拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点
は、本願商標が商標法4条1項11号に掲げる商標に該当するか否かである。 |
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判決文
令和5年5月18日判決言渡
令和4年(行ケ)第10119号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 令和5年4月11日
判 決
原 告 株 式 会 社 L B T
同訴訟代理人弁護士 高 橋 淳
光 野 真 純
宮 川 利 彰
被 告 特 許 庁 長 官
同 指 定 代 理 人 阿 曾 裕 樹
矢 澤 一 幸
綾 郁 奈 子
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が不服2022-5164号事件について令和4年10月14日にした審
決を取り消す。
第2 事案の概要
本件は、別紙商標目録記載の商標(以下「本願商標」という。)に係る商標登録
出願の拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点
は、本願商標が商標法4条1項11号に掲げる商標に該当するか否かである。
1 特許庁における手続の経緯等
原告は、令和2年12月17日、本願商標について、商標登録出願(商願202
0-161972号)をし(甲2、乙1の1)、令和3年9月27日受付の手続補
正書により指定商品及び指定役務を補正したところ(甲3、乙1の2)、同年12
月8日付けで拒絶査定を受けた。そこで、原告は、令和4年3月20日、同拒絶査
定に対する不服審判の請求(不服2022-5164号)をした上、同月22日受
付の手続補正書により指定商品及び指定役務を補正した(甲4、乙1の3。なお、
別紙商標目録記載2の指定商品及び指定役務は、上記の各手続補正の後のものであ
る。)。
特許庁は、令和4年10月14日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との
審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月28日、原告に送達さ
れた。
原告は、令和4年11月25日、本件訴えを提起した。
2 本件審決の理由の要旨
(1) 引用商標(本件審決が判断に用いたものに限る。)
本件における引用商標は、別紙引用商標目録記載のとおりであり、いずれも現に
有効に存続しているものである(以下、同目録記載の各商標を併せて「本件引用商
標」という。)。
(2) 本願商標と本件引用商標の類否
ア 本願商標について
本願商標は、別紙商標目録記載1のとおり、上段には円状枠内に曲線で構成され
た欧文字風のモノグラム図形を表示するロゴ風の図形を表し、中段には「GINZ
A」の欧文字をサンセリフ体の書体で、下段には「CLEAR」の欧文字をセリフ
体の書体で、中段の文字より大きく表してなるところ、各段の構成部分は、段を異
にして、一定の間隔を空けて配置され、構成態様の差異(図形と文字、書体や大き
さ)もあるから、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるものである。
そして、本願商標の構成中、「GINZA」の欧文字部分は、「東京都中央区の
繁華街。」である「銀座」(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)のローマ字表記
であって、商品の産地、販売地、役務の提供場所又は会社の所在地などの表示に相
当する。そうすると、当該文字部分は、他の図形部分や文字部分とは段を異にして、
小さく付記的に表示されていることもあいまって、独立した出所識別標識としての
称呼及び観念が生じるものではない。
他方、本願商標の構成中、「CLEAR」の欧文字部分は、「明快な。明晰な。
澄んだ。」の意味を有する外来語(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館
書店、「広辞苑 第7版」岩波書店)であり、本願商標の構成においては、他の図
形部分や文字部分とは分離、独立した態様で、大きく目立つ態様で表示されている
から、出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
また、本願商標の構成中、ロゴ風の図形部分は、曲線を主体とした何らかのモノ
グラム図形を表してなると理解はできるが、図案化の程度も顕著であるから、それ
より出所識別標識としての称呼及び観念は生じない。
そうすると、本願商標は、その構成中「CLEAR」の欧文字部分が、取引者、
需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの
と認められるもので、併せて、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観
念が生じないと認められるから、当該欧文字部分を要部として取り出し、これを本
件引用商標と比較して商標そのものの類否を判断すべきである。
以上を踏まえると、本願商標は、その要部に相応して、「クリア」又は「クリア
ー」の称呼が生じ、「明快な。明晰な。澄んだ。」の観念が生じる。
イ 本件引用商標について
(ア) 本件引用商標(引用商標6を除く。)は、その構成中に「クリア」、「ク
リアー」又は「CLEAR」(Clear、clear)の文字を含むところ、当
該文字は「明快な。明晰な。澄んだ。」の意味を有する外来語(前掲書参照)であ
る。
そうすると、当該商標は、その構成文字に相応して、「クリア」又は「クリアー」
の称呼が生じ、「明快な。明晰な。澄んだ。」の観念が生じる。
(イ) 引用商標6は、「クリヤー」の片仮名及び「CLEAR」の欧文字を二段
に横書きしてなるところ、その片仮名部分は欧文字部分の表音を表してなるもので
あって、その構成文字は、「明快な。明晰な。澄んだ。」の意味を有する外来語
「clear」(前掲書参照)に相当する。
そうすると、引用商標6は、その構成文字に相応して、「クリヤー」の称呼が生
じ、「明快な。明晰な。澄んだ。」の観念が生じる。
ウ 本願商標と本件引用商標の比較
(ア) 本願商標の要部と本件引用商標(引用商標6を除く。)を比較すると、外
観においては、図形部分や構成文字の有無などに差異があるとしても、構成中に
「clear」の欧文字を含む点又は当該文字に通じる片仮名を含む点において共
通するから、相紛らわしい。また、称呼において、共通する称呼(クリア、クリア
ー)が生じ、さらに、観念において、共通する観念が生じる。
そうすると、両商標は、外観において相紛らわしく、称呼及び観念を共通にする
から、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の
出所について誤認混同が生じるおそれがあるというべきで、互いに類似する商標と
認められる。
(イ) 本願商標の要部と引用商標6を比較すると、外観においては、図形部分や
構成文字の有無などに差異があるとしても、構成中に「CLEAR」の欧文字を含
む点及び当該文字に相当する片仮名を含む点において共通するから、相紛らわしい。
また、称呼においては、「クリアー」と「クリヤー」の称呼は、全4音中3音が共
通し、その差異音は3音目の「ア」と「ヤ」の相違(母音「a」を共通にする。)
にすぎないから、全体の語調、語感は似通ったものとなり、相紛らわしい。さらに、
観念において、共通する観念が生じる。
そうすると、両商標は、外観及び称呼において相紛らわしく、観念を共通にする
から、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その出所について誤
認混同が生じるおそれがあるというべきで、互いに類似する商標と認められる。
(3) 本願商標の指定商品及び指定役務と本件引用商標の指定商品及び指定役務
の類否
本願商標の指定商品及び指定役務は、本件引用商標の指定商品及び指定役務と同
一又は類似の商品及び役務を含むものである。
例えば、引用商標1の指定商品中「エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮
製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、ネクタイ、ネッカチ
ーフ、バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い」は、本願商標の指定商品
及び指定役務中「被服」(第25類)に含まれるもので、引用商標4の指定商品中
「植物性天然香料、動物性天然香料、合成香料、調合香料、精油からなる食品香料、
薫料」は、本願商標の指定商品及び指定役務中「香料及び薫料」(第3類)に含ま
れるものであり、その他の商品及び役務についても同様に同一又は類似の商品が含
まれている。
したがって、本願商標の指定商品及び指定役務は、本件引用商標の指定商品及び
指定役務と同一又は類似すると認められる。
(4) まとめ
以上のとおり、本願商標は、本件引用商標と同一又は類似する商標であって、そ
の指定商品及び指定役務は、本件引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似
するから、商標法4条1項11号に該当し、登録することができない。
第3 原告主張の審決取消事由(商標法4条1項11号該当性についての判断の誤
り)
以下のとおり、本願商標は、商標法4条1項11号に掲げる商標に該当しないか
ら、これと異なる本件審決の判断は誤りである。
1 結合商標の類否判断
(1) 結合商標の類否判断については、商標の構成部分の一部が取引者及び需用
者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認め
られる場合並びに当該構成部分以外の部分から出所識別標識としての称呼又は観念
が生じないと認められるような例外的な場合を除き、商標を構成する全体の文字等
によって生じる外観、称呼又は観念により判断するのが原則である。
(2) 本願商標は、楕円形の二重線の枠の中に「GINZA」の頭文字である
「G」と「CLEAR」の頭文字である「C」を飾り文字にして左右に配置し、カ
メオ(瑪瑙、大理石、貝殻等に浮き彫りを施した装飾品ないし工芸品)を彷彿とさ
せる図形の下部に「GINZA」と「CLEAR」を2段に表記し、「GINZA」
の文字は、「CLEAR」に比して小さく表されており、全て同じ薄い茶色で表記
されたものである。
本願商標の図形部分は、カメオを彷彿とさせる図形であるところ、カメオは、古
代ギリシャで発達した技法で、カメオ又はインタリオを施した宝石を指輪にはめ、
印章の代わりに使用していたものであるから、本願商標の図形部分は、トレードマ
ークとして極めて強い印象を与える。また、本願商標において、図形部分の面積は、
全体の70%を超えるから、本願商標が全体として与える印象のうち図形部分によ
るそれが占める割合は大きい。
他方、本願商標の文字部分は、「GINZA」と「CLEAR」の2段に分かれ、
「GINZA」の文字部分が全体の10%を占め、「CLEAR」の文字部分が全
体の20%を占めるにすぎない。また、「GINZA」は地名であり、「CLEA
R」は日本語で「明るい、澄み切った」などを意味する英語の形容詞であるから、
いずれも造語や特別印象的な意味を有する語ではなく、特徴的な振る舞いをする文
字からなる語でもない。また、原告は、その運営するエステティックサロン(「コ
ルギ」と称する韓国発祥の施術を中心とした施術を行うもの)において本願商標を
使用する際には、「CLEAR」の文字部分のみを使用することは決してなく、必
ず図形部分を含む本願商標の全体又は「GINZA CLEAR」の文字部分を使
用している。
さらに、本願商標は、現在、上記のエステティックサロンについて使用されてい
るほか、今後は、セルフケアを目的としたビューティー系コンテンツの配信及び健
康食品や健康グッズの小売等に関するECサイトの運営事業に係る商品又は役務に
ついて使用される予定である。これらの商品又は役務の需用者は、美容と健康に興
味のある老若男女(特に女性)であって(これらの需要者を対象に対面での施術及
びオンライン上でのコンテンツの配信や健康美容関連商品の販売が行われる。)、
当該商品又は役務の出所を注意深く確認して取引関係に入るのが一般的である。ま
た、エステティックは、リラクゼーションや美容術を施術するものであって、心身
をより快適かつ爽快にさせることを目的とするものであるから、「明るい、澄み切
った」などを意味する英語の「CLEAR」の語は、本願商標の指定商品及び指定
役務と極めて親和性のある形容詞である。このような本願商標に係る需要者の属性、
「CLEAR」の語と本願商標の指定商品及び指定役務との関係並びに取引の実情
からすると、需用者は、「CLEAR」の文字部分に注目して本願商標を認識する
ものではなく、当該文字部分は、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるも
のではない。
以上によると、本願商標においては、その図形部分が強く支配的な印象を与え、
出所識別標識としての観念を生じさせるものであるから、本件審決がしたように本
願商標から「CLEAR」の文字部分だけを抽出し、これを本件引用商標と比較し
て商標の類否を判断することは許されない。
2 本願商標と本件引用商標の類否
(1) 本願商標と引用商標1の類否
本願商標の外観は、前記1(2)のとおりであり、また、本願商標からは、「ぎん
ざくりあ」の称呼が生じ、銀座の地に関連があり、高級感のある事業であることが
想起される。
引用商標1は、「クリア」の片仮名を黒い太字の斜体で表記したものであり、引
用商標1からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」等の
観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標1と外観、称呼及び観念をいずれも異にする
ものであり、引用商標1と同一又は類似の商標ではない。
(2) 本願商標と引用商標2の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標2は、「Clear」の英文字を黒い文字で表記したものであり、引用
商標2からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」等の観
念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標2と外観、称呼及び観念をいずれも異にする
ものであり、引用商標2と同一又は類似の商標ではない。
(3) 本願商標と引用商標4の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標4は、黒い文字の「クリア」の片仮名及び「CLEAR」の英文字を2
段で表記したものであり、引用商標4からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明る
い」、「はっきりとした」等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標4と外観、称呼及び観念をいずれも異にする
ものであり、引用商標4と同一又は類似の商標ではない。
(4) 本願商標と引用商標6の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標6は、黒い文字の「クリヤー」の片仮名及び「CLEAR」の英文字を
2段で表記したものであり、引用商標6からは、「くりやー」の称呼が生じ、「明
るい」、「はっきりとした」等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標6と外観、称呼及び観念をいずれも異にする
ものであり、引用商標6と同一又は類似の商標ではない。
(5) 本願商標と引用商標7の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標7は、黒い文字の「クリアー」の片仮名及び「CLEAR」の英文字を
2段で表記したものであり、引用商標7からは、「くりあー」の称呼が生じ、「明
るい」、「はっきりとした」等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標7と外観、称呼及び観念をいずれも異にする
ものであり、引用商標7と同一又は類似の商標ではない。
(6) 本願商標と引用商標10の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標10は、「clear」の英文字を標準文字で表記したものであり、引
用商標10からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」等
の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標10と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標10と同一又は類似の商標ではない。
(7) 本願商標と引用商標11の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標11は、「clear」の英文字を標準文字で表記したものであり、引
用商標11からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」等
の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標11と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標11と同一又は類似の商標ではない。
(8) 本願商標と引用商標15の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標15は、「clear」の英文字を黒い丸文字で表記したものであり、
引用商標15からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」
等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標15と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標15と同一又は類似の商標ではない。
(9) 本願商標と引用商標17の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標17は、「clear」の英文字を黒い丸文字で表記したものであり、
引用商標17からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」
等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標17と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標17と同一又は類似の商標ではない。
(10) 本願商標と引用商標18の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標18は、「クリア」の片仮名を標準文字で表記したものであり、引用商
標18からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」等の観
念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標18と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標18と同一又は類似の商標ではない。
(11) 本願商標と引用商標19の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標19は、「CLEAR」の英文字を標準文字で表記したものであり、引
用商標19からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明るい」、「はっきりとした」等
の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標19と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標19と同一又は類似の商標ではない。
(12) 本願商標と引用商標22の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標22は、青色のハートマークが描かれ、その左下に「clear」の英
文字を付したものであり、引用商標22からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明る
い」及び「すっきりとした」の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標22と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標22と同一又は類似の商標ではない。
(13) 本願商標と引用商標28の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標28は、ショッキングピンクの背景に「CLEAR」の英文字を白い文
字で「C」のみをやや大きく表記したものであり、引用商標28からは、「くりあ」
の称呼が生じ、「はっきりさせる」、「すっきりする」等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標28と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標28と同一又は類似の商標ではない。
(14) 本願商標と引用商標29の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標29は、深緑の背景に「CLEAR」の英文字を白い文字で「C」のみ
をやや大きく表記したものであり、引用商標29からは、「くりあ」の称呼が生じ、
「はっきりさせる」、「すっきりする」等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標29と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標29と同一又は類似の商標ではない。
(15) 本願商標と引用商標30の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標30は、「CLEAR」の英文字を標準文字で表記したものであり、引
用商標30からは、「くりあ」の称呼が生じ、「はっきりさせる」、「すっきりす
る」等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標30と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標30と同一又は類似の商標ではない。
(16) 本願商標と引用商標32の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標32は、「クリア」の片仮名を標準文字で表記したものであり、引用商
標32からは、「くりあ」の称呼が生じ、「はっきりさせる」、「すっきりする」
等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標32と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標32と同一又は類似の商標ではない。
(17) 本願商標と引用商標33の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標33は、「クリア」の片仮名を白抜き文字で表記したものであり、引用
商標33からは、「くりあ」の称呼が生じ、「はっきりさせる」、「すっきりする」
等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標33と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標33と同一又は類似の商標ではない。
(18) 本願商標と引用商標35の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標35は、「クリア」の片仮名を標準文字で表記したものであり、引用商
標35からは、「くりあ」の称呼が生じ、「はっきりさせる」、「すっきりする」
等の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標35と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標35と同一又は類似の商標ではない。
(19) 本願商標と引用商標36の類否
本願商標の外観、称呼及び観念は、前記(1)のとおりである。
引用商標36は、波状の背景に「Clear」の英文字を表記し、その下部に
「クリア」の片仮名を白抜き文字で黒色の背景に表記し、これらが四角の枠で囲ま
れているというものであり、引用商標36からは、「くりあ」の称呼が生じ、「明
るい」及び「すっきりとした」の観念が生じる。
したがって、本願商標は、引用商標36と外観、称呼及び観念をいずれも異にす
るものであり、引用商標36と同一又は類似の商標ではない。
3 本願商標の指定商品及び指定役務と本件引用商標の指定商品及び指定役務の
類否
前記1(2)のとおり、本願商標は、エステティックサロン及びセルフケアを目的
としたビューティー系コンテンツの配信並びに健康食品や健康グッズの小売等に関
するECサイトの運営事業のブランドとして使用されるものであって、需要者は、
美容と健康に興味のある老若男女(特に女性)であり、これらの需要者を対象に対
面での施術及びオンライン上でのコンテンツの配信や健康美容関連商品の販売が行
われるものであって、下記(1)ないし(19)のとおり、本願商標の指定商品及び指定
役務と本件引用商標の指定商品及び指定役務とは同一でなく、また、類似しない。
(1) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標1の指定商品の類否
本願商標は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ
販売のブランドであるのに対し、引用商標1は、ソックスを始めとした繊維製品の
企画販売を行う昌和莫大小株式会社を商標権者とするものであるから、取引の実情
及び需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれ
はない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標1の指定商品は、
同一でなく、また、類似しない。
(2) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定商品の類否
本願商標は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ
販売のブランドであるのに対し、引用商標2は、ソックスを始めとした繊維製品の
企画販売を行う昌和莫大小株式会社を商標権者とするものであるから、取引の実情
及び需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれ
はない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定商品は、
同一でなく、また、類似しない。
(3) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標4の指定商品の類否
本願商標は、指定商品を「香料及び薫料」とするものであるところ、原告は、対
面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ販売のブランドの
一環として、将来、関連商品として香料を使用した商品を販売することを予定して
いる。これに対し、引用商標4の商標権者は、虫よけスプレー等で有名なアース製
薬株式会社であり、同社の事業は、本願商標を付して行う事業とは異なるところ、
需用者(事業者)の注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずる
おそれはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標4の指定
商品は、同一でなく、また、類似しない。
(4) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標6の指定商品の類否
本願商標は、化粧用具を指定商品とするものであるところ、原告は、対面及びオ
ンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ販売のブランドの一環とし
て、将来、関連商品として化粧用具を販売することを予定している。これに対し、
引用商標6の商標権者は、オーラルケアで有名なサンスター株式会社であり、同社
の事業は、本願商標を付して行う事業とは異なるところ、商品の購入場所や価格帯
の違いに照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。した
がって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標6の指定商品は、同一でなく、
また、類似しない。
(5) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標7の指定商品の類否
本願商標が付される商品は、健康及び美容を第一の目的とするものであるのに対
し、引用商標7の商標権者は、菓子で有名な森永製菓株式会社であるから、需用者
の注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。し
たがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標7の指定商品は、同一でな
く、また、類似しない。
(6) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標10の指定商品の類否
本願商標は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ
販売のブランドであるのに対し、引用商標10の指定商品は、洋服、コート等の被
服に関する商品であるから、取引の実情及び需用者の注意力に照らすと、両商標に
係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品
及び指定役務と引用商標10の指定商品は、同一でなく、また、類似しない。
(7) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標11の指定商品の類否
本願商標は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ
販売のブランドであるのに対し、引用商標11の指定商品は、鞄類や袋物に関する
商品であるから、取引の実情及び需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及
び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役
務と引用商標11の指定商品は、同一でなく、また、類似しない。
(8) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標15の指定商品の類否
本願商標は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ
販売のブランドであるのに対し、引用商標15の指定商品は、眼鏡、貴金属、洋服、
コート等の被服やファッションに関する商品であるから、取引の実情及び需用者の
注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。した
がって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標15の指定商品は、同一でな
く、また、類似しない。
(9) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標17の指定役務の類否
本願商標は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ
販売のブランドであるのに対し、引用商標17の指定役務は、被服その他のファッ
ション関連製品の販売に関する役務であるから、取引の実情及び需用者の注意力に
照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、
本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標17の指定役務は、同一でなく、また、
類似しない。
(10) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標18の指定商品の類否
本願商標が付される商品は、健康及び美容を第一の目的とするものであるのに対
し、引用商標18の商標権者は、インスタント食品を販売することで有名な明星食
品株式会社であり、同商標の指定商品は、調味料やこれを使用した食品であるから、
需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはな
い。したがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標18の指定商品は、
同一でなく、また、類似しない。
(11) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標19の指定役務の類否
本願商標を付して行う事業は、健康情報の提供やエステティック技術の伝授等で
あるのに対し、引用商標19の指定役務は、セミナーの開催等に関する役務である
から、需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそ
れはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標19の指定役
務は、同一でなく、また、類似しない。
(12) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標22の指定役務の類否
本願商標を付して行う事業は、医療情報の提供を含む健康情報の提供やエステテ
ィック技術の伝授等であるのに対し、引用商標22の指定役務は、歯科医を営む商
標権者による医療情報の提供であるから、需用者の注意力に照らすと、両商標に係
る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品及
び指定役務と引用商標22の指定役務は、同一でなく、また、類似しない。
(13) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標28の指定商品の類否
本願商標が付される商品は、健康及び美容を第一の目的とするものであるのに対
し、引用商標28の指定商品は、頭髪に関する商品であって、その商標権者の日本
法人が展開する頭皮ケアブランドである「CLEAR」は、日本において確立した
ものであるから、取引の実情及び需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及
び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役
務と引用商標28の指定商品は、同一でなく、また、類似しない。
(14) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標29の指定商品の類否
本願商標が付される商品は、健康及び美容を第一の目的とするものであるのに対
し、引用商標29の指定商品は、頭髪に関する商品であって、その商標権者の日本
法人が展開する頭皮ケアブランドである「CLEAR」は、日本において確立した
ものであるから、取引の実情及び需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及
び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役
務と引用商標29の指定商品は、同一でなく、また、類似しない。
(15) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標30の指定商品の類否
本願商標が付される商品は、健康及び美容を第一の目的とするものであるのに対
し、引用商標30の指定商品は、頭髪に関する商品であって、その商標権者の日本
法人が展開する頭皮ケアブランドである「CLEAR」は、日本において確立した
ものであるから、取引の実情及び需用者の注意力に照らすと、両商標に係る商品及
び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役
務と引用商標30の指定商品は、同一でなく、また、類似しない。
(16) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標32の指定商品の類否
本願商標は、エステティックサロンにおいて使用される枕等に付されることがあ
るものであるのに対し、医療機器メーカーである株式会社トップを商標権者とする
引用商標32は、「手術用まくらカバー」を指定商品とするものであるし、また、
同社の商品を購入する需用者(事業者)がその商品の出所を混同するはずがないか
ら、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商
標の指定商品及び指定役務と引用商標32の指定商品は、同一でなく、また、類似
しない。
(17) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標33の指定商品の類否
本願商標は、エステティックサロンにおいて使用される枕等に付されることがあ
るものであるのに対し、医療機器メーカーである株式会社トップを商標権者とする
引用商標33は、「手術用まくらカバー」を指定商品とするものであるし、また、
同社の商品を購入する需用者(事業者)がその商品の出所を混同するはずがないか
ら、両商標に係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商
標の指定商品及び指定役務と引用商標33の指定商品は、同一でなく、また、類似
しない。
(18) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標35の指定商品の類否
本願商標の指定商品は、「愛玩動物用ベッド、犬小屋、小鳥用巣箱」であるとこ
ろ、原告は、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ販
売のブランドの一環として、将来、関連商品としてペット関連商品を販売すること
を予定しており、その需用者は、原告が運営するエステティックサロンやECサイ
トを利用する一般消費者(女性)である。これに対し、引用商標35の指定商品は、
建材、鍵等の建設資材に関する商品であるから、取引の実情に鑑みると、両商標に
係る商品及び役務に混同を生ずるおそれはない。したがって、本願商標の指定商品
及び指定役務と引用商標35の指定商品は、同一でなく、また、類似しない。
(19) 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標36の指定商品の類否
本願商標の指定商品は、「屋内用ブラインド、すだれ、装飾用ビーズカーテン、
日よけ」であるところ、原告は、エステティックサロンにおいて使用するものとし
て、また、対面及びオンライン上で提供される健康美容に関する情報やグッズ販売
のブランドの一環として、将来、関連商品として屋内インテリア関連商品を販売す
ることを予定しており、前者の目的で販売される商品の需用者は、事業者であり、
後者の目的で販売される商品の需要者は、原告が運営するエステティックサロンや
ECサイトを利用する一般消費者(女性)であるから、取引の実情及び需用者の注
意力に照らすと、本願商標及び引用商標36(ブラインド、カーテン等の屋内イン
テリアに関する商品を指定商品とするもの)に係る商品及び役務に混同を生ずるお
それはない。したがって、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標36の指定
商品は、同一でなく、また、類似しない。
第4 被告の主張
以下のとおり、本願商標は、商標法4条1項11号に掲げる商標に該当するから、
これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。
1 商標の類否判断の手法
(1) 商標の類否は、対比される商標が同一又は類似の商品又は役務に使用され
た場合に、その商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かに
よって決すべきであるが、それには、使用された商標がその外観、観念、称呼等に
よって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、
その商品又は役務に係る取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況
に基づいて判断するのが相当である。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分が
それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合
していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だ
けを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その
場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し商品又は役務の
出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識
別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを
取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解さ
れる。
(2) 本願商標
ア 本願商標は、上段に円状枠内に曲線で構成された欧文字風のモノグラム図形
を表示するロゴ風の図形(以下「本件図形」という。)を表し、中段に「GINZ
A」の欧文字をサンセリフ体の書体で小さく表し、下段に「CLEAR」の欧文字
をセリフ体の書体でひときわ大きく表してなるところ、これらの構成部分は、段を
異にして、一定の間隔を空けて配置されており、各構成要素の差異(図形と文字の
違い、書体や大きさの差違)にも鑑みると、それぞれが視覚上分離、独立した印象
を与えるものである。そして、本願商標の構成中の「GINZA」の文字部分は、
後記エのとおり、商品の産地及び販売地、役務の提供場所、会社の所在地等の表示
に相当するとの印象を与えるにすぎず、商品又は役務の出所識別標識として機能す
るものではない。これらを踏まえると、本願商標は、「GINZA」の文字部分の
上下に分離して配置され、大きく顕著に表された本件図形の部分(以下「本件図形
部分」という。)及び「CLEAR」の文字部分に着目される態様からなる。そう
すると、本願商標は、上中下段の構成部分を分離して観察することが取引上不自然
であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、特に上段の本件図形
部分と下段の「CLEAR」の文字部分は、看者をして、それぞれが分離、独立し
た構成部分であると認識させる。
イ 本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部分は、「明快な。明晰な。澄ん
だ。」の意味を有する外来語であり、比較的平易で我が国で親しまれたものである
ところ、当該文字部分は、本願商標の指定商品及び指定役務との関係において、商
品の具体的な品質、役務の具体的な質等を表示する語からなるものではなく、出所
識別標識として本来的に強い訴求力を有するものであるし、本願商標の各構成部分
が視覚上分離、独立したものと認識される中で、大きく目立つように表示されてい
ることともあいまって、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与
えるものである。そうすると、本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部分は、
商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部であるというこ
とができ、当該文字部分からは、その構成文字に相応して、「くりあ」又は「くり
あー」の称呼が生じ、「明快な。明晰な。澄んだ。」の観念が生じる。
原告は、本願商標を付して行っている現在の事業(エステティックサロン)及び
本願商標を付して行う予定である将来の事業(セルフケアを目的としたビューティ
ー系コンテンツの配信及び健康食品や健康グッズの小売等に関するECサイトの運
営事業)に係る商品又は役務の需用者は当該商品又は役務の出所を注意深く確認し
て取引関係に入るのが一般的であるから、本願商標の構成中の「CLEAR」の文
字部分は出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではないと主張するが、
原告が主張する現在の事業に係る役務(美容)は、本願商標の指定商品及び指定役
務に含まれているものの、これは、本件引用商標の指定商品又は指定役務と抵触す
るものではないから、原告が主張する需用者の属性は、本願商標が商標法4条1項
11号に掲げる商標に該当するか否かの判断(本願商標と本件引用商標との比較を
前提とするもの)と関連するものではない。また、原告が主張する需用者の属性は、
漠然とした将来の事業を前提とする仮定に基づくものにすぎず、実際に当該主張に
係るようなものであるとは限らない。
ウ 本願商標の構成中の本件図形部分は、曲線を主体とした何らかのモノグラム
図形を表してなると理解することはできるが、その図案化の程度は顕著であり、い
かなる文字を図案化したものであるかを一見して認識することができない。そうす
ると、本願商標の構成中の本件図形部分からは、直ちに商品又は役務の出所識別標
識としての称呼及び観念が生じない。
エ 本願商標の構成中の「GINZA」の文字部分は、東京都中央区南西部にあ
る日本の代表的繁華街である「銀座」のローマ字表記であるところ、当該繁華街に
所在し、又は拠点を有する店舗やブランドは極めて多数存在し、それらブランドの
ロゴ、店舗の看板等においては、「GINZA」の文字が商品の産地及び販売地、
役務の提供場所、ブランドの発祥地等に相当する表示として、取引上普通に使用さ
れている実情がある。また、当該文字部分は、本願商標の構成態様において大きく
目立つように表示されている本件図形部分と「CLEAR」の文字部分との間に、
小さく付記的に表示されているにすぎない。そうすると、本願商標の構成中の「G
INZA」の文字部分は、特に本願商標のような構成態様においては、商品の産地
及び販売地、役務の提供場所、会社の所在地等の表示に相当するとの印象を与える
にすぎないもので、当該文字部分からは、独立した出所識別標識として機能するよ
うな称呼及び観念は生じない。
原告は、本願商標を原告が運営するエステティックサロンにおいて使用する際に
「CLEAR」の文字部分のみを使用することは決してなく、必ず本件図形部分を
含む本願商標の全体又は「GINZA CLEAR」の文字部分を使用していると
主張するが、原告が主張する事情は、原告の経営方針や事業方針に大きく依存する
商品又は役務についてのみ妥当する特殊的・限定的な事情にすぎず、取引の実情と
して考慮し得る本願商標の指定商品及び指定役務の全般についての一般的・恒常的
な事情ではない。
オ 以上のとおり、本願商標は、上中下段の構成部分を分離して観察することが
取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない中で、そ
の構成中の「CLEAR」の文字部分は、大きく目立つ態様で表示されており、出
所識別標識として本来的に強い訴求力を有するから、商品又は役務の出所識別標識
として強く支配的な印象を与える要部といえるものであるのに対し、本願商標の構
成中のその余の部分(本件図形部分及び「GINZA」の文字部分)からは、出所
識別標識としての称呼及び観念は生じない。そうすると、本件における商標の類否
判断に当たっては、本願商標の要部である「CLEAR」の文字部分だけを取り出
して、比較の対象となる商標と比較し、判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、その要部である「CLEAR」の文字部分に相応し
て、「くりあ」又は「くりあー」の称呼が生じ、「明快な。明晰な。澄んだ。」の
観念が生じる。
2 本願商標と本件引用商標の類否
(1) 本願商標と「クリア」の文字からなる引用商標1、18、32、33又は
35の類否
本願商標の要部である「CLEAR」の文字部分と引用商標1、18、32、3
3又は35とを比較すると、両者は、外観においては、構成文字の文字種(欧文字
と片仮名)に差異があるとしても、ともに我が国で親しまれた外来語である「CL
EAR」又は「クリア」の語を表してなる点において共通するから、看者により記
憶される単語としては共通したものとなり、相紛らわしい。また、両者からは、共
通する称呼が生じ、共通する観念が生じる。
そうすると、両商標は、外観において相紛らわしく、また、称呼及び観念を共通
にし、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の
出所について誤認混同が生じるおそれがあるというべきであるから、互いに類似す
る。
(2) 本願商標と「CLEAR」、「Clear」又は「clear」の文字か
らなる引用商標2、10、11、15、17、19、22、28、29又は30の
類否
本願商標の要部である「CLEAR」の文字部分と引用商標2、10、11、1
5、17、19、22、28、29又は30の各「CLEAR」、「Clear」
又は「clear」の文字部分とを比較すると、両者は、外観においては、いずれ
も我が国で親しまれた外来語である「CLEAR」、「Clear」又は「cle
ar」の語を構成中に含む点において共通するから、相紛らわしい。また、両者か
らは、共通する称呼が生じ、共通する観念が生じる。
そうすると、両商標は、外観において相紛らわしく、また、称呼及び観念を共通
にし、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の
出所について誤認混同が生じるおそれがあるというべきであるから、互いに類似す
る。
(3) 本願商標と「クリア/CLEAR」(なお、「/」は改行を示す。以下同
じ。)の文字からなる引用商標4又は「Clear/クリア」の文字部分を含む引
用商標36の類否
本願商標の要部である「CLEAR」の文字部分と引用商標4又は引用商標36
の「クリア/CLEAR」又は「Clear/クリア」の文字部分とを比較すると、
両者は、外観においては、いずれも我が国で親しまれた外来語である「CLEAR」
又は「Clear」の欧文字を構成中に含む点において共通し、これらの文字に通
じる片仮名を含む点において、看者により記憶される単語としては共通したものと
なるから、相紛らわしい。また、両者からは、共通する称呼が生じ、共通する観念
が生じる。
そうすると、両商標は、外観において相紛らわしく、また、称呼及び観念を共通
にし、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の
出所について誤認混同が生じるおそれがあるというべきであるから、互いに類似す
る。
(4) 本願商標と「クリアー/CLEAR」の文字からなる引用商標7の類否
本願商標の要部である「CLEAR」の文字部分と引用商標7とを比較すると、
両者は、外観においては、いずれも我が国で親しまれた外来語である「CLEAR」
の欧文字を構成中に含む点において共通し、当該文字に通じる片仮名を含む点にお
いて、看者により記憶される単語としては共通したものとなるから、相紛らわしい。
また、両者からは、共通する称呼が生じ、共通する観念が生じる。
そうすると、両商標は、外観において相紛らわしく、また、称呼及び観念を共通
にし、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の
出所について誤認混同が生じるおそれがあるというべきであるから、互いに類似す
る。
(5) 本願商標と「クリヤー/CLEAR」の文字からなる引用商標6の類否
本願商標の要部である「CLEAR」の文字部分と引用商標6とを比較すると、
両者は、外観においては、いずれも構成中に「CLEAR」の欧文字を含む点にお
いて共通し、当該文字に相当する片仮名を含む点において、看者により記憶される
単語としては共通したものとなるから、相紛らわしい。また、両者から生じる「く
りあー」と「くりやー」の称呼は、全4音中3音が共通し、3音目の「あ」と「や」
において相違があるにすぎない(もっとも、これらは、母音「a」を共通にする。)
から、全体の語調及び語感が似通ったものとなり、相紛らわしい。さらに、両者か
らは、共通する観念が生じる。
そうすると、両商標は、外観及び称呼において相紛らわしく、また、観念を共通
にし、同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その出所について誤
認混同が生じるおそれがあるというべきであるから、互いに類似する。
3 本願商標の指定商品及び指定役務と本件引用商標の指定商品及び指定役務の
類否
(1) 引用商標1及び引用商標2の各指定商品中の第25類「エプロン、えり巻
き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、
手袋、ネクタイ、ネッカチーフ、バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い」
は、本願商標の指定商品及び指定役務中の第25類「被服」に含まれ、同一である。
(2) 引用商標4の指定商品中の第3類「植物性天然香料、動物性天然香料、合
成香料、調合香料、精油からなる食品香料、薫料」は、本願商標の指定商品及び指
定役務中の第3類「香料及び薫料」に含まれ、同一である。
(3) 引用商標10の指定商品である第25類「洋服、コート、セーター類、ワ
イシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、仮装用衣服」は、本願商標の指定
商品及び指定役務中の第25類「被服、仮装用衣服」に含まれ、同一である。
(4) 引用商標11の指定商品である第18類「かばん類、袋物、かばん金具、
がま口口金、傘」は、本願商標の指定商品及び指定役務中の第18類「かばん金具、
がま口口金、かばん類、袋物、傘」と同一である。
(5) 引用商標15の指定商品中の第25類「洋服、コート、セーター類、ワイ
シャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、
ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類
(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、げ
た、草履類、仮装用衣服」は、本願商標の指定商品及び指定役務中の第25類「被
服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮装用衣服」に含
まれ、同一である。
(6) 引用商標19の指定役務である第41類「研修会の手配及び管理、研修会
の開催、研修・セミナーの企画・運営又は開催、人材開発に関する研修会の手配及
び管理、人材開発に関する研修会・セミナーの企画・運営又は開催」は、本願商標
の指定商品及び指定役務中の第41類「エステティシャンに関する講習会の企画・
運営又は開催」と類似する。
(7) 引用商標22の指定役務である第44類「歯科医業、医療情報の提供」は、
本願商標の指定商品及び指定役務中の第44類「医療情報の提供、健康診断」と同
一又は類似の役務を含む。
(8) 引用商標28ないし30の各指定商品である第3類「頭髪用化粧品、シャ
ンプー、コンディショナー、ヘアートニック、ヘアローション、髪用トリートメン
ト、ヘアマスク」は、本願商標の指定商品及び指定役務中の第3類「せっけん類、
化粧品」に含まれ、同一である。
(9) 引用商標35の指定商品中の第20類「愛玩動物用ベッド、犬小屋、愛玩
動物用小屋、愛玩動物用小屋付き収納家具、愛玩動物用小屋に組み込むための愛玩
動物専用出入用くぐり戸、滑り止めを裏面に有する薄板状の愛玩動物用木製敷物、
小鳥用巣箱」は、本願商標の指定商品及び指定役務中の第20類「愛玩動物用ベッ
ド、犬小屋、小鳥用巣箱」と同一又は類似の商品を含む。
(10) 引用商標36の指定商品中の第20類「屋内用ブラインド(シェード)、
すだれ、装飾用ビーズカーテン、日よけ」は、本願商標の指定商品及び指定役務中
の第20類「屋内用ブラインド、すだれ、装飾用ビーズカーテン、日よけ」に含ま
れ、同一である。
(11) なお、本件引用商標の指定商品及び指定役務のうち上記(1)ないし(10)に
おいて主張したもの以外のものについても、本願商標の指定商品及び指定役務と類
似する商品又は役務が含まれている。
(12) 原告は、原告の事業内容と本件引用商標の商標権者の事業内容との相違等
について主張するが、これは、原告や本件引用商標の商標権者の経営方針や事業方
針に大きく依存する特殊的・限定的な事情にすぎず、取引の実情として考慮し得る
本願商標の指定商品及び指定役務の全般についての一般的・恒常的な事情ではない。
第5 当裁判所の判断
1 商標の類否判断について
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場
合に、その商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによっ
て決すべきであるが、それには、そのような商品又は役務に使用された商標がその
外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的
に考察すべきであり、しかも、その商品又は役務に係る取引の実情を明らかにし得
る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和3
9年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号39
9頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の構成部分の一
部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を
与えると認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念
が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察すること
が取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合
には、その構成部分の一部を抽出し、当該部分だけを他人の商標と比較して商標の
類否を判断することも許されると解すべきである(最高裁昭和37年(オ)第95
3号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平
成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号50
09頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・
裁判集民事228号561頁参照)。
2 分離観察の可否について
(1) 本願商標
別紙商標目録記載1のとおり、本願商標は、上段に、楕円形の二重線の枠の中に
曲線で構成された欧文字風の2つのモノグラム図形を配するロゴ風の図形(本件図
形)を表し、中段に、「GINZA」の欧文字をサンセリフ体様の書体で小さく表
し、下段に、「CLEAR」の欧文字をセリフ体様の書体で大きく表してなるもの
であり、本件図形及び上記各文字は、いずれも薄い茶色で表されている。
(2) 本件図形部分
本願商標の構成中の本件図形部分は、そのうちの欧文字風の2つのモノグラム図
形を含め、図案化の程度が顕著であり、それ自体、出所識別標識としての称呼及び
観念を生じないものである。
この点に関し、原告は、本願商標の構成中の本件図形部分はカメオを彷彿とさせ
るものであり、トレードマークとして極めて強い印象を与え、また、面積にして本
願商標全体の70%以上を占めるから、本願商標が全体として与える影響のうち本
件図形部分によるそれが占める割合は大きいと主張する。確かに、別紙商標目録記
載1のとおり、本願商標のうち本件図形部分は、面積にして全体の大きな部分を占
めており、また、ロゴ風の図形として取引者及び需要者の注意を引く面があること
は否めない(この点は、被告も争うものではない。)。しかしながら、上記のとお
り、本件図形部分は、その図案化の程度が顕著であり、そのうちの2つのモノグラ
ム図形についても、取引者及び需要者においてこれが何の文字を図案化したもので
あるかを一見して理解することはできないものといわざるを得ないから、本願商標
の構成中の本件図形部分が取引者及び需要者の注意を引く面があるとの点は、本件
図形部分が出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものであるとの判断を左
右しない。
(3) 「GINZA」の文字部分
ア 本願商標の構成中の「GINZA」の文字部分が東京都中央区南西部にある
地名である「銀座」をローマ字で表記したものであることは、当事者間に争いがな
い。
イ 証拠(乙24)及び公知の事実によると、「銀座」は、日本を代表する繁華
街であると認められるところ、掲記の証拠及び弁論の全趣旨によると、「銀座」に
所在する店舗等については、以下のとおり、「GINZA」の文字が商品の販売地、
役務の提供場所、ブランドの発祥地等に相当する表示として使用されている例が多
数あるものと認められる。
(ア) 「東急プラザ銀座」(銀座にある店舗であると認められる。)のウェブサ
イトにおいて、次のロゴが使用されている(乙25)。
(イ) 「ムーミン公式サイト」において、銀座にある店舗等を表すものとして、
次のロゴが使用されている(乙26)。
(ウ) 「CA4LA(カシラ)オフィシャルサイト」において、銀座にある店舗
等を表すものとして、次のロゴが使用されている(乙27)。
(エ) 「Original Beauty Clinic GINZA」のウェ
ブサイトにおいて、銀座にあるクリニック等を表すものとして、次のロゴが使用さ
れている(乙28)。
(オ) 「株式会社ミルボン」のウェブサイトにおいて、銀座にある店舗等を表す
ものとして、次のロゴが使用されている(乙29)。
(カ) 「プレリーギンザ公式通販WEBサイト」において、ブランド等を表すも
のとして、次のロゴが使用されている(乙30)。
(キ) 「isamiya」のウェブサイトにおいて、銀座にある店舗等を表すも
のとして、次のロゴが使用されている(乙31)。
(ク) 「Sohbi公式通販」のウェブサイトにおいて、銀座にある店舗等を表
すものとして、次のロゴが使用されている(乙32)。
(ケ) 「銀座ワシントン公式サイト」において、ブランド等を表すものとして、
次のロゴが使用されている(乙33)。
(コ) 「資生堂ワタシプラスブランド「SHISEIDO」オンラインショッ
プ」のウェブサイトにおいて、ブランド等を表すものとして、次のロゴが使用され
ている(乙34)。
ウ 以上によると、本願商標の構成中の「GINZA」の文字部分は、商品の販
売地、役務の提供場所、ブランドの発祥地等に相当するとの印象を与えるものにす
ぎず、当該文字部分からは、出所識別標識としての称呼及び観念が生じないという
べきである。
エ この点に関し、原告は、本願商標の構成中の「GINZA」の文字部分から
は「銀座の地に関連があり、高級感のある事業」の観念が生じると主張する。しか
しながら、仮に当該文字部分から「銀座の地に関連がある事業」の観念が生じると
しても、それは、商品の販売地、役務の提供場所、ブランドの発祥地等をいうもの
にすぎず、出所識別標識としての観念であるということはできない。また、当該文
字部分から「高級感のある事業」の観念が生じるものと認めるに足りる証拠はない。
なお、原告は、その運営するエステティックサロンにおいて本願商標を使用する
際には「CLEAR」の文字部分のみを使用することは決してなく、必ず本件図形
部分を含む本願商標の全体又は「GINZA CLEAR」の文字部分を使用して
いると主張するが、仮に、本願商標について原告が主張するような使用実態がある
としても、上記ア及びイにおいて認定説示したところに照らすと、そのような使用
実態は、本願商標の構成中の「GINZA」の文字部分から出所識別標識としての
称呼及び観念が生じないとの判断を左右するものではない。
(4) 「CLEAR」の文字部分
ア 証拠(乙22、23)及び弁論の全趣旨によると、本願商標の構成中の「C
LEAR」の文字部分を構成する「CLEAR」の語は、「明快な」、「明晰な」、
「澄んだ」などを意味する形容詞等であり、我が国においてよく親しまれた平易な
英単語であると認められる。そして、「CLEAR」の語は、本願商標の指定商品
又は指定役務との関係で、商品の産地、販売地、品質等や役務の提供の場所、質等
を具体的に表示するものではないから、本願商標の構成中の「CLEAR」の文字
部分は、取引者及び需要者に対して強い訴求力を有するということができる。以上
に加え、前記(1)のとおり当該文字部分が「GINZA」の文字部分より大きく表
されていることも併せ考慮すると、「CLEAR」の文字部分は、商品又は役務の
出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであると認められる。
イ この点に関し、原告は、「CLEAR」の語は造語でなく、特別印象的な意
味を有する語でもなく、特徴的な振る舞いをする文字からなる語でもなく、また、
本願商標の指定商品及び指定役務と親和性のある形容詞であるから、本願商標の構
成中の「CLEAR」の文字部分は商品又は役務の出所識別標識として強く支配的
な印象を与えるものではないと主張する。しかしながら、商標において商品又は役
務の出所識別標識として機能する文字部分は、必ずしも造語、特別印象的な意味を
有する語、特徴的な振る舞いをする文字からなる語等でなければならないというこ
とはない。また、仮に本願商標の指定商品及び指定役務の中に「明快な」、「明晰
な」、「澄んだ」などを意味する「CLEAR」の語によって抽象的に形容され得
るものがあるとしても、そのことは、本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部
分が商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとの判断を左右
するものではない。
なお、原告は、本願商標を付して行っている現在の事業(エステティックサロン)
及び本願商標を付して行う予定である将来の事業(セルフケアを目的としたビュー
ティー系コンテンツの配信及び健康食品や健康グッズの小売等に関するECサイト
の運営事業)に係る商品又は役務の需用者は当該商品又は役務の出所を注意深く確
認して取引関係に入るのが一般的であるから、本願商標の構成中の「CLEAR」
の文字部分は出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではないと主張す
るが、原告の現在及び将来の事業に係る商品又は役務の需用者が原告の主張するよ
うな者であると認めるに足りる証拠はないし、仮に、当該商品又は役務の需用者が
原告の主張するような者であるとしても、前記(2)及び(3)並びに上記アにおいて認
定説示したところに照らすと、当該商品又は役務の需用者に係るそのような属性も、
本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部分が商品又は役務の出所識別標識とし
て強く支配的な印象を与えるとの判断を左右するものではない。
(5) 小括
以上のとおり、本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部分は、商品又は役務
の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであると認められる一方、本
願商標の構成中の本件図形部分及び「GINZA」の文字部分からは、出所識別標
識としての称呼及び観念が生じず、また、本願商標の構成中の本件図形部分は、欧
文字風の2つのモノグラム図形を含めて図案化の程度が顕著であり、その余の部分
(「GINZA」の欧文字をサンセリフ体様の書体で表してなる「GINZA」の
文字部分及び「CLEAR」の欧文字をセリフ体様の書体で表してなる「CLEA
R」の文字部分)と形態を異にするものであって、本件図形部分と上記その余の部
分は、それぞれが視覚上分離、独立した印象を与えるところ、両者を不可分一体に
観察すべきとする取引の実情があるものと認めるに足りる証拠はないから、本願商
標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然で
あると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。したがって、
本願商標については、その構成中の「CLEAR」の文字部分を抽出し、当該文字
部分だけを他の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきで
ある。
3 本願商標と引用商標30の類否
前記2(1)のとおり、本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部分は、「CL
EAR」の欧文字を薄い茶色のセリフ体様の書体で表してなるものであり、当該文
字部分からは、「くりあ」の称呼及び「明快な」、「明晰な」、「澄んだ」などの
観念が生じるものと認められる。
これに対し、引用商標30は、別紙引用商標目録記載15のとおり、「CLEA
R」の欧文字(標準文字)からなるものであり、引用商標30からは、「くりあ」
の称呼及び「明快な」、「明晰な」、「澄んだ」などの観念が生じるものと認めら
れる。
そうすると、本願商標の構成中の「CLEAR」の文字部分と引用商標30は、
その外観において紛らわしく、また、その称呼及び観念において共通し、これらを
同一又は類似の商品又は役務に使用するときは、その商品又は役務の出所について
誤認混同を生ずるおそれがあるといえるから、両者は、互いに類似すると認めるの
が相当である。
したがって、本願商標は、商標法4条1項11号にいう「商標登録出願の日前の
商標登録出願に係る他人の登録商標に類似する商標」に該当する。
4 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標30の指定商品の類否
(1) 本願商標の指定商品及び指定役務は、別紙商標目録記載2のとおりであり、
引用商標30の指定商品は、別紙引用商標目録記載15のとおりである。
本願商標の指定商品及び指定役務のうち「化粧品」(第3類)は、引用商標30
の指定商品である「頭髪用化粧品」(第3類)を含むものであると認められ、この
点において、両商標の指定商品は同一である。また、本願商標の指定商品及び指定
役務のうち「せっけん類」(第3類)と引用商標30の指定商品である「シャンプ
ー」(第3類)とは、少なくとも類似するものであると認められる。
以上によると、本願商標は、商標法4条1項11号にいう「商標登録出願の日前
の商標登録出願に係る他人の登録商標に係る指定商品又はこれらに類似する商品に
ついて使用をする商標」に該当する。
(2) この点に関し、原告は、本願商標が付される商品は健康及び美容を第一の
目的とするものであるのに対し、引用商標30の指定商品(頭髪に係る商品)は頭
皮ケアブランドである「CLEAR」に係る商品として日本において確立したもの
であるから、取引の実情及び需用者の注意力に照らすと、本願商標の指定商品及び
指定役務は引用商標30の指定商品と同一又は類似の商品又は役務でないと主張す
る。しかしながら、指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定めな
ければならないところ(商標法27条2項)、本願商標の指定商品及び指定役務並
びに引用商標30の指定商品を上記のとおりに限定して解する原告の主張は、願書
の記載に基づくものとはいえない。
5 結論
以上の次第であるから、原告が主張する審決取消事由は失当であり、原告の請求
は理由がない。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官
本 多 知 成
裁判官
浅 井 憲
裁判官
勝 又 来 未 子
(別紙)
商 標 目 録
1 商標登録を受けようとする商標
2 指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品及び指定役務
第3類「せっけん類、歯磨き、化粧品、香料及び薫料、つけづめ、つけまつ毛」
第18類「かばん金具、がま口口金、皮革、皮革製包装用容器、かばん類、袋物、
携帯用化粧道具入れ、傘」
第20類「クッション、座布団、まくら、木製・竹製又はプラスチック製の包装
用容器、ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。)、うちわ、扇子、愛玩
動物用ベッド、犬小屋、小鳥用巣箱、帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。)、ハ
ンガーボード、タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。)、家具、屋内用
ブラインド、すだれ、装飾用ビーズカーテン、日よけ、ベンチ、照明額縁」
第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮
装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」
第27類「畳類、敷物、壁掛け(織物製のものを除く。)、人工芝、体操用マッ
ト」
第35類「広告業、被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便
益の提供、履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、
かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、
身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、飲食
料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、酒類の小売
又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、家具の小売又は卸売の
業務において行われる顧客に対する便益の提供、敷物の小売又は卸売の業務におい
て行われる顧客に対する便益の提供、食肉の小売又は卸売の業務において行われる
顧客に対する便益の提供、食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客
に対する便益の提供、野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に
対する便益の提供、菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対
する便益の提供、米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益
の提供、牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、清
涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提
供、加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、
自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、運動具の
小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、楽器及びレコード
の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、時計及び眼鏡の
小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、愛玩動物の小売又
は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、健康増進のための運動用
機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、穀物を
主原料とする液状・粒状・カプセル状の加工食品の小売又は卸売の業務において行
われる顧客に対する便益の提供、サプリメントの小売又は卸売の業務において行わ
れる顧客に対する便益の提供、インストラクターのあっせん」
第41類「運動施設の提供、技芸・スポーツ又は知識の教授、音楽の演奏の興行
の企画又は運営、音楽の演奏、教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画
・放送番組・広告用のものを除く。)、スポーツの興行の企画・運営又は開催、興
行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競
馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)、音響用又は映像
用のスタジオの提供、運動施設の提供、娯楽施設の提供、運動用具の貸与、レコー
ド又は録音済み磁気テープの貸与、録画済み磁気テープの貸与、写真の撮影、イン
ターネットによる動画の提供、フィットネスに関する動画の制作、ヨガに関する動
画の制作、フィットネスの興行の企画・運営又は開催、ヨガの興行の企画・運営又
は開催、電子出版物の提供、書籍の制作、インストラクターの資格認定、インスト
ラクターの養成教育、美容の教授、エステティシャンに関する講習会の企画・運営
又は開催、エステティシャンに関する資格の付与のための資格試験の実施及び資格
の認定・資格の付与」
第44類「エステティック美容、その他の美容、理容、入浴施設の提供、あん摩
・マッサージ及び指圧、カイロプラクティック、きゅう、柔道整復、はり、リフレ
クソロジー、整体、アロマテラピーの提供、医療情報の提供、健康診断、栄養の指
導、美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与、医療用機械器具の貸与」
以 上
(別紙)
引 用 商 標 目 録
1 登録第638919号の2商標(甲5。以下「引用商標1」という。)
商標の構成:クリア
登録出願日:昭和37年6月9日
設定登録日:昭和39年3月18日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第25類「エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、
スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、
バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い」
2 登録第706598号の2商標(甲6。以下「引用商標2」という。)
商標の構成:Clear
登録出願日:昭和39年9月9日
設定登録日:昭和41年5月12日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第25類「エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、
スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、
バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い」
3 登録第1739862号商標(甲8。以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「クリア」の片仮名と「CLEAR」の欧文字を二段に横書きして
なる商標
登録出願日:昭和56年8月7日
設定登録日:昭和60年1月23日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第3類「植物性天然香料、動物性天然香料、合成香料、調合香料、精油からなる
食品香料、薫料」
第30類「食品香料(精油のものを除く。)」
4 登録第3300552号商標(甲10。以下「引用商標6」という。)
商標の構成:「クリヤー」の片仮名と「CLEAR」の欧文字を二段に横書きし
てなる商標
登録出願日:平成6年4月19日
設定登録日:平成9年5月2日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第21類「化粧用具」
5 登録第3349657号商標(甲11。以下「引用商標7」という。)
商標の構成:「クリアー」の片仮名と「CLEAR」の欧文字を二段に横書きし
てなる商標
登録出願日:平成5年6月22日
設定登録日:平成9年10月3日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第30類「茶、コーヒー及びココア、氷、菓子及びパン、角砂糖、果糖、氷砂糖、
砂糖、麦芽糖、はちみつ、ぶどう糖、粉末あめ、水あめ、化学調味料、香辛料但し、
茶、コーヒー及びココア、氷を除く」
6 登録第4711921号商標(甲14。以下「引用商標10」という。)
商標の構成:clear(標準文字)
登録出願日:平成15年1月20日
設定登録日:平成15年9月19日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、
水泳帽、仮装用衣服」
7 登録第4755882号商標(甲15。以下「引用商標11」という。)
商標の構成:clear(標準文字)
登録出願日:平成15年6月5日
設定登録日:平成16年3月12日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第18類「かばん類、袋物、かばん金具、がま口口金、傘」
8 登録第5101830号商標(甲19。以下「引用商標15」という。)
商標の構成:clear
登録出願日:平成18年10月3日
設定登録日:平成19年12月28日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第9類「眼鏡」
第14類「貴金属、貴金属製食器類、貴金属製針箱、貴金属製のろうそく消し及
びろうそく立て、貴金属製の花瓶及び水盤、記念カップ、記念たて、身飾品、貴金
属製のがま口及び財布、宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品、時計」
第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、
水泳帽、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下
止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手
・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、げた、草履類、仮装用衣服」
9 登録第5294336号商標(甲21。以下「引用商標17」という。)
商標の構成:clear
登録出願日:平成19年4月1日
設定登録日:平成22年1月15日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定役務:
第35類「被服(「和服、アイマスク、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、
毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おし
め、ネクタイ、ネッカチーフ、バンダナ、保温用サポーター、マフラー、耳覆い」
を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、履物
(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具を除く。」)の小
売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、かばん類及び袋物の
小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、身の回り品(「布
製身の回り品・つけづめ・つけまつ毛・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・
まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧道具入れ・化粧用具
(「電気式歯ブラシ」を除く。)・つけあごひげ・つけ口ひげ・ヘアカーラー(電
気式のものを除く。)」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に
対する便益の提供、時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対
する便益の提供」
10 登録第5326086号商標(甲22。以下「引用商標18」という。)
商標の構成:クリア(標準文字)
登録出願日:平成21年7月23日
設定登録日:平成22年5月28日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第30類「みそ、ウースターソース、グレービーソース、ケチャップソース、し
ょうゆ、食酢、酢の素、そばつゆ、ドレッシング、ホワイトソース、マヨネーズソ
ース、焼肉のたれ、ごま塩、食塩、すりごま、セロリーソルト、穀物の加工品、調
理済み中華そば、調理済みうどん、調理済みそば、調理済みパスタ、ぎょうざ、サ
ンドイッチ、しゅうまい、すし、たこ焼き、肉まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、
べんとう、ホットドッグ、ミートパイ、ラビオリ、即席菓子のもと、米、脱穀済み
のえん麦、脱穀済みの大麦、食用粉類」
11 登録第5345377号商標(甲23。以下「引用商標19」という。)
商標の構成:CLEAR(標準文字)
登録出願日:平成22年2月4日
設定登録日:平成22年8月13日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定役務:
第41類「研修会の手配及び管理、研修会の開催、研修・セミナーの企画・運営
又は開催、人材開発に関する研修会の手配及び管理、人材開発に関する研修会・セ
ミナーの企画・運営又は開催」
12 登録第5768867号商標(甲26。以下「引用商標22」という。)
商標の構成:
登録出願日:平成27年1月6日
設定登録日:平成27年6月5日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定役務:
第44類「歯科医業、医療情報の提供」
13 登録第6104182号商標(甲32。以下「引用商標28」という。)
商標の構成:
登録出願日:平成27年10月14日
設定登録日:平成30年12月7日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第3類「頭髪用化粧品、シャンプー、コンディショナー、ヘアートニック、ヘア
ローション、髪用トリートメント、ヘアマスク」
14 登録第6104183号商標(甲33。以下「引用商標29」という。)
商標の構成:
登録出願日:平成27年10月14日
設定登録日:平成30年12月7日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第3類「頭髪用化粧品、シャンプー、コンディショナー、ヘアートニック、ヘア
ローション、髪用トリートメント、ヘアマスク」
15 登録第6104184号商標(甲34。以下「引用商標30」という。)
商標の構成:CLEAR(標準文字)
登録出願日:平成27年10月16日
設定登録日:平成30年12月7日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第3類「頭髪用化粧品、シャンプー、コンディショナー、ヘアートニック、ヘア
ローション、髪用トリートメント、ヘアマスク」
16 登録第6187667号商標(甲36。以下「引用商標32」という。)
商標の構成:クリア(標準文字)
登録出願日:平成30年9月21日
設定登録日:令和元年10月11日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第10類「医療用機械器具、手術用ベッドシーツ、手術用まくらカバー、医療用
手袋、手術用マスク、手術用覆い」
17 登録第6187668号商標(甲37。以下「引用商標33」という。)
商標の構成:
登録出願日:平成30年9月21日
設定登録日:令和元年10月11日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第10類「医療用機械器具、手術用ベッドシーツ、手術用まくらカバー、医療用
手袋、手術用マスク、手術用覆い」
18 登録第6233483号商標(甲39。以下「引用商標35」という。)
商標の構成:クリア(標準文字)
登録出願日:平成31年4月5日
設定登録日:令和2年3月6日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第19類「建築材料(金属製及び非金属鉱物製のものを除く。)、陶磁製建築専
用材料・れんが及び耐火物、リノリューム製建築専用材料、プラスチック製建築専
用材料、合成建築専用材料、アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用
の専用材料、ゴム製の建築用又は構築用の専用材料、しっくい、石灰製の建築用又
は構築用の専用材料、石こう製の建築用又は構築用の専用材料、繊維製の落石防止
網、建造物組立セット(金属製のものを除く。)、セメント及びその製品、木材、
石材、建具(金属製のものを除く。)、鉱物性基礎材料、建築用ガラス」
第20類「錠(電気式又は金属製のものを除く。)、愛玩動物用ベッド、犬小屋、
愛玩動物用小屋、愛玩動物用小屋付き収納家具、愛玩動物用小屋に組み込むための
愛玩動物専用出入用くぐり戸、滑り止めを裏面に有する薄板状の愛玩動物用木製敷
物、小鳥用巣箱、きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。)、ハンガーボード、
家具、ついたて、びょうぶ、ベンチ」
19 登録第6265022号商標(甲40。以下「引用商標36」という。)
商標の構成:
登録出願日:令和元年7月17日
設定登録日:令和2年7月1日
指定商品及び指定役務の区分並びに指定商品:
第20類「屋内用ブラインド(シェード)、すだれ、装飾用ビーズカーテン、日
よけ」
第24類「織物、メリヤス生地、カーテン、ベッドスプレッド、テーブルセンタ
ー、テーブルクロス、テーブル掛け、織物製椅子カバー、緞帳」
以 上
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