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令和4(ワ)6582販売差止等請求事件

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裁判所 請求棄却 大阪地方裁判所大阪地方裁判所
裁判年月日 令和5年10月31日
事件種別 民事
当事者 原告株式会社hue
被告エディフォーメイション株式会社
法令 不正競争
キーワード 差止5回
損害賠償2回
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事件の概要 本件は、別紙原告商品目録記載1ないし7(枝番号を含む。)の婦人服(以下、5 総称して「原告各商品」といい、同目録記載の番号に応じて、「原告商品1の1」、 「原告商品1の2」、「原告商品2」などという。)を販売する原告が、別紙被告 商品目録記載1ないし7の婦人服(以下、総称して「被告各商品」といい、同目録 記載の番号に応じて、「被告商品1の1」、「被告商品1の2」、「被告商品2」 などという。)を販売する被告に対し、被告各商品は原告各商品の形態を模倣した10 商品であり、被告による被告各商品の販売は不正競争防止法(以下「法」という。) 2条1項3号の不正競争に該当すると主張して、法3条1項に基づき、被告各商品 の販売等の差止めを、法3条2項に基づき、被告各商品の廃棄を、法4条に基づき、 損害賠償金合計128万2974円及びうち被告各商品の商品ごとの損害賠償金に 対する原告主張の販売開始日(被告商品1(後記1(3))につき令和4年1月14日、15 被告商品2につき同月18日、被告商品3につき令和3年12月26日、被告商品 4(後記1(3))につき令和4年1月5日、被告商品5につき同年2月16日、被告 商品6につき同年5月19日、被告商品7につき同年6月22日)から各支払済み まで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

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判決文

令和5年10月31日判決言渡 同日原本受領 裁判所書記官

令和4年(ワ)第6582号 販売差止等請求事件

口頭弁論終結日 令和5年9月1日

判 決

原 告 株 式 会 社 h u e

同 代 表 者 代 表 取 締 役

同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 明 石 法 彦

同 近 藤 恭 子

同 川 崎 優 太

被 告 エディフォーメイション株式会社

同 代 表 者 代 表 取 締 役

同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 松 本 卓 也

主 文

1 原告の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

1 被告は、別紙被告商品目録記載1ないし7(枝番号を含む。以下同様。)の商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し又は輸入してはならない。2 被告は、前項記載の商品を廃棄せよ。3 被告は、原告に対し、128万2974円及びうち33万9570円に対する令和4年1月14日から、うち18万6340円に対する同月18日から、うち7万6230円に対する令和3年12月26日から、うち55万4400円に対する令和4年1月5日から、うち4万8664円に対する同年2月16日から、うち5万7750円に対する同年5月19日から、うち2万0020円に対する同年6月22日から、各支払済みまで年3分の割合の金員を支払え。

第2 事案の概要等

5 本件は、別紙原告商品目録記載1ないし7(枝番号を含む。)の婦人服(以下、総称して「原告各商品」といい、同目録記載の番号に応じて、「原告商品1の1」、「原告商品1の2」、「原告商品2」などという。)を販売する原告が、別紙被告商品目録記載1ないし7の婦人服(以下、総称して「被告各商品」といい、同目録記載の番号に応じて、「被告商品1の1」、「被告商品1の2」、「被告商品2」などという。)を販売する被告に対し、被告各商品は原告各商品の形態を模倣した商品であり、被告による被告各商品の販売は不正競争防止法(以下「法」という。)2条1項3号の不正競争に該当すると主張して、法3条1項に基づき、被告各商品の販売等の差止めを、法3条2項に基づき、被告各商品の廃棄を、法4条に基づき、損害賠償金合計128万2974円及びうち被告各商品の商品ごとの損害賠償金に対する原告主張の販売開始日(被告商品1(後記1(3))につき令和4年1月14日、被告商品2につき同月18日、被告商品3につき令和3年12月26日、被告商品4(後記1(3))につき令和4年1月5日、被告商品5につき同年2月16日、被告商品6につき同年5月19日、被告商品7につき同年6月22日)から各支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。1 前提事実(証拠〔枝番号のあるものは特に断らない限り、全ての枝番号を含む。以下同様。〕等を掲げていない事実は、争いのない事実又は弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

(1) 当事者等ア 原告は、令和3年5月19日に設立された、アパレル・ファッションブランド製品の企画、開発及び販売等を目的とする株式会社であり、百貨店や自社ウェブサイトにおいて、「hue DAY TO EVENING」とのブランド名で商品を販売している。なお、原告は、設立前に原告代表者が個人事業主(屋号「hue」)として行っていた事業を承継した(原告設立前に販売された商品についても原告の商品として扱う(争いなし)。)。(甲1、3、4、弁論の全趣旨)イ 被告は、昭和58年3月1日に設立された、婦人服、子供服、下着類の製造、

5 販売、輸出入等を目的とする株式会社であり、複数の直営店舗や自社ウェブサイトにおいて、「PICCIN」とのブランド名で商品を販売している。(甲2、6、7)

(2) 原告各商品の販売ア 原告商品1原告は、令和3年8月に原告商品1の1の販売を開始し、令和4年2月、同商品を一部改良した原告商品1の2の販売を開始した。原告は、これらの商品の形態的特徴が同一であるものとして主張することから、これらを総称して「原告商品1」という。(甲9、10、71ないし75、弁論の全趣旨)イ 原告商品2原告代表者は、令和2年8月、原告商品2の販売を開始し、原告の設立後は原告が同商品の販売を継続している。なお、原告は、令和3年8月に同商品を秋冬モデルに仕様変更した。(甲11、71ないし75、弁論の全趣旨)ウ 原告商品3原告は、令和3年8月、原告商品3の販売を開始した。(甲12、57、弁論の全趣旨)エ 原告商品4原告代表者は、令和2年8月、原告商品4の1及び4の2の販売を開始し、令和3年2月、原告商品4の3の販売を開始した。原告設立後は、原告がこれらの商品の販売を継続している。原告は、これらの商品の形態的特徴が同一であるものとして主張することから、これらを総称して「原告商品4」という。(甲13ないし15、弁論の全趣旨)オ 原告商品5原告は、令和3年8月、原告商品5の販売を開始した。(甲16、71ないし75、弁論の全趣旨)カ 原告商品6

5 原告は、令和3年8月、原告商品6の販売を開始した。(甲17、弁論の全趣旨)キ 原告商品7原告代表者は、令和2年2月、原告商品7の1及び7の2の販売を開始し、令和3年2月、これらの商品の仕様を変更した原告商品7の3の販売を開始した。原告設立後は、原告がこれらの商品の販売を継続している。原告は、これらの商品の形態的特徴が同一であるものとして主張することから、これらを総称して「原告商品7」という。(甲18ないし20、弁論の全趣旨)

(3) 被告各商品の販売被告は、次のとおり、被告各商品の販売を開始した(なお、かっこ内の年月日はウェブサイトでの予約販売の受付開始日である。)。被告商品1の1と1の2、被告商品4の1と4の2は、それぞれ、形態的特徴が同一であるものとして原告が主張することから、これらをそれぞれ「被告商品1」、「被告商品4」と総称する。ア 被告商品1被告商品1の1 令和4年1月12日(令和3年12月19日)被告商品1の2 令和4年5月10日イ 被告商品2 令和4年1月12日(令和3年12月21日)ウ 被告商品3 令和3年12月24日(同月21日)エ 被告商品4被告商品4の1 令和3年12月24日(同月21日)被告商品4の2 令和4年5月13日オ 被告商品5 令和3年12月24日(同年11月27日)カ 被告商品6 令和4年5月13日キ 被告商品7 令和4年5月24日

(4) 被告に対する警告及び被告による販売継続原告は、代理人弁護士を介して、被告に対し、令和4年4月21日付け「警告及び通知書」と題する書面(以下「本件警告書」という。)を送付し、被告の販売商

5 品7点が原告各商品の一部の品番を含む商品7点の模倣品であるから直ちに販売を中止するよう求め、本件警告書は同月22日に被告に到達した。(甲56)被告は、その後も被告各商品の販売を継続した。2 争点

(1) 被告各商品は原告各商品の形態を模倣した商品に該当するか(争点1)具体的には、次のとおりである。ア 被告商品1は原告商品1の形態を模倣した商品に該当するかイ 被告商品2は原告商品2の形態を模倣した商品に該当するかウ 被告商品3は原告商品3の形態を模倣した商品に該当するかエ 被告商品4は原告商品4の形態を模倣した商品に該当するかオ 被告商品5は原告商品5の形態を模倣した商品に該当するかカ 被告商品6は原告商品6の形態を模倣した商品に該当するかキ 被告商品7は原告商品7の形態を模倣した商品に該当するか

(2) 被告に故意・過失があるか(争点2)

(3) 原告の損害額(争点3)

(4) 差止め及び廃棄の必要性(争点4)

第3 争点に関する当事者の主張

1 争点1(被告各商品は原告各商品の形態を模倣した商品に該当するか)につ

いて

(原告の主張)

(1) 形態の特徴

原告各商品及び被告各商品の各形態の特徴は、別紙1ないし7の各「主張等一覧表」(以下、順に「一覧表1」ないし「一覧表7」という。)の各「形態の特徴」の「

(原告の主張)

」欄記載のとおりである。

(2) 実質的同一性があること

原告各商品及び被告各商品(対比する商品は、原告商品1と被告商品1、原告商

5 品2と被告商品2、原告商品3と被告商品3、原告商品4と被告商品4、原告商品

5と被告商品5、原告商品6と被告商品6、原告商品7と被告商品7。以下、特に断らない限りは同旨。)の形態の共通点及び相違点は、一覧表1ないし7の各「実質的同一性の有無(相違点の有無)」の「

(原告の主張)

」欄記載のとおりである。原告各商品と被告各商品を比較すると、上記各欄記載の相違点があるが、いずれも微細な差異である、又は、衣服のデザインの模倣を判断する上で問題となる差異ではないから、原告各商品と被告各商品はいずれも実質的に同一である。

(3) ありふれた形態ではないこと

被告は、原告各商品の形態がいずれもありふれた形態であると主張するが、一覧表1ないし7の「形態がありふれているか否か」の「

(原告の主張)

」欄記載のとおり、原告各商品は被告の指摘する商品の形態とは異なる独自のデザインであり、ありふれた形態ではない。

(4) 依拠性があること

被告各商品が原告各商品に依拠して制作されたことは、一覧表1ないし7の「依拠性の有無」の「

(原告の主張)

」欄記載のとおりである。

(被告の主張)

(1) 形態の特徴

原告各商品及び被告各商品の各形態の特徴は、一覧表1ないし7の各「形態の特徴」の「

(被告の主張)

」欄記載のとおりである。

(2) 実質的同一性がないこと

原告各商品及び被告各商品の形態の共通点及び相違点は、一覧表1ないし7の各「実質的同一性の有無(相違点の有無)」の「

(被告の主張)

」欄記載のとおりである。原告各商品と被告各商品を比較すると、上記各欄記載の相違点があり、各商品のデザインは全く異なるから、原告各商品と被告各商品はいずれも実質的に同一であるとはいえない。

(3) ありふれた形態であること

5 原告各商品の形態は、一覧表1ないし7の「形態がありふれているか否か」の「被

告の主張」欄記載のとおり、原告各商品の形態の特徴は、この世にいくらでもあるものや、販売開始時点で既に被告や第三者において販売されていた商品にも見られるようなもの、販売当時の流行から当業者であれば容易に商品化を検討するものである。したがって、原告各商品の形態はいずれもありふれた形態である。

(4) 依拠性がないこと

被告各商品が原告各商品に依拠していないことは、一覧表1ないし7の「依拠性の有無」の「

(被告の主張)

」欄記載のとおりである。被告は、原告から本件警告書の送付を受けるまで、原告のブランド名すら知らなかった。

2 争点2(被告に故意・過失があるか)について

(原告の主張)

原告各商品と被告各商品のデザインがほぼ同じであること、及び、被告が原告各商品を取得することは容易であったことに照らせば、少なくとも被告には、原告各商品の形態を模倣することについて過失があった。また、上記事情に加えて、被告各商品の販売価格が原告各商品より安価であり、被告には原告の顧客を誘引する意図があったことがうかがわれることや、被告が 本件警告書を受領した後も販売を継続していることをも併せ考慮すると、被告には、原告各商品の形態を模倣することについて故意があった。

(被告の主張)

いずれも否認ないし争う。

3 争点3(原告の損害額)について

(原告の主張)

被告各商品の販売価格が原告各商品より安価であることから、特段の事情がない限り、被告各商品の販売数は原告各商品の販売数(原告及び原告設立前の原告代表者による販売数の合計)を上回るといえる。また、被告の被告各商品の売上高に対する利益率は35%を下らない。そうすると、原告の損害額は、法5条2項に基づ

5 き、次の計算式により算出した合計128万2974円である。

(計算式)「提訴時点の被告の販売数」×「販売価格」×「利益率」

(1) 原告商品1に関する損害額(被告商品1の販売による算定)

33万9570円(=63着×1万5400円×0.35)

(2) 原告商品2に関する損害額(被告商品2の販売による算定)

18万6340円(=44着×1万2100円×0.35)

(3) 原告商品3に関する損害額(被告商品3の販売による算定)

7万6230円(=20着×1万0890円×0.35)

(4) 原告商品4に関する損害額(被告商品4の販売による算定)

55万4400円(=120着×1万3200円×0.35)

(5) 原告商品5に関する損害額(被告商品5の販売による算定)

4万8664円(=16着×8690円×0.35)

(6) 原告商品6に関する損害額(被告商品6の販売による算定)

5万7750円(=15着×1万1000円×0.35)

(7) 原告商品7に関する損害額(被告商品7の販売による算定)

2万0020円(=8着×7150円×0.35)

(被告の主張)

いずれも否認ないし争う。

4 争点4(差止め及び廃棄の必要性)

(原告の主張)

被告は本件警告書の到達後も模倣商品の販売を継続していることから、被告各商品の販売等の差止め及び廃棄を求める必要がある。

(被告の主張)

争う。

第4 当裁判所の判断

5 1 争点1(被告各商品は原告各商品の形態を模倣した商品に該当するか)について

(1) 被告商品1は原告商品1の形態を模倣した商品に該当するかア 認定事実後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。(ア) 原告商品1は、一覧表1の「当裁判所の認定」欄の(原告商品1)記載の形態の特徴を有するものと認められる。(甲9、37)

(イ) 被告商品1は、一覧表1の「当裁判所の認定」欄の(被告商品1)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲21、37)

(ウ) 原告商品1の販売開始以前に販売等された商品

a 被告は、遅くとも平成29年11月7日までに、肩からウエストにかけて正

面がVネックとなったオーバーオール(肩紐のあるつりスカート)の販売を開始し

た。(乙3)

b 婦人服のブランド「ヨーコチャン(YOKO CHAN)」(以下「本件ブ

ランド」という。)では、次のとおり、パール装飾を施した商品が販売された。(乙

)

(a) 平成30年

ジャケットの合わせ部分の一方(右側)の右胸下部からウエスト中心部にかけて

パール8個が連なって施されたジャケット

(b) 平成30年

両肩部分に複数のパールが連なって施されたノースリーブのワンピース

(c) 遅くとも平成30年1月30日まで(同年春夏商品として)

左肩下部付近から胸部中心部付近にかけてパール約8個が連なって施された正面

がVネックとなったノースリーブワンピース

(d) 遅くとも平成30年11月28日まで

ウエスト部分にパール8個が連なって施された袖付きワンピース

(e) 平成31年

左肩下部付近から胸部中心部付近にかけてパール10個が連なって施された正面

がVネックとなったノースリーブワンピース

c 上記b(c)の商品の取扱店の平成30年1月30日のブログには、 人気のパー

「

ルシリーズの商品を取り揃えている」との内容が投稿された。(乙4の4)

d Instagramにおいて、アカウント名「bibaboutique」

の令和元年10月14日の投稿では、左肩から胸中心部にかけて複数のパールが連

なって施されたVネックのカットソーの写真が掲載された。(甲59、乙5の17)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品1の形態と被告商品1の形態を比較すると、両者は、形態A、並び

に、形態CないしEの各一部(形態Cのうち大部分である肩紐の長さを除く構成、

形態Dのうち左肩とは反対のパール装飾の端部分を除く構成、形態Eのうちロング

スカート)において共通する。他方、両者は、①光沢や質感(形態B)、②肩紐の

長さ(約30センチメートルか約35センチメートルか。形態C)、③パール装飾

の端の位置(ウエストであるかウエスト付近であるか。形態D)、④スカートの型

(ややフレア型かフレア型か)において相違する。

(イ) 原告は、両商品の形態には需要者が目を引くパール装飾の同一性を含めて上

記共通点があるのに対し、上記③及び④の相違点は容易に想到できる程度の形態の

差異にすぎず、上記②ないし④の相違点はいずれも些細な相違点であり、上記①は

衣服の「デザイン」の模倣を判断するにあたって問題にならないから、両商品の形

態は実質的に同一であると主張する。

そこで検討すると、上記②ないし④の各相違点は、需要者において判別が容易と

はいえない程度の差異であり、商品全体の形態の実質的同一性の判断に強く影響す

るようなものではなく、商品全体からみると些細な相違にとどまる。しかし、上記

①の相違点については、衣服の形態模倣の検討にあたって商品の「光沢及び質感」

(法2条4項)も比較対象となると解されるところ、原告商品1の本体には、「ポ

リエステル100%」の二重織サテン生地が用いられ(甲9)、これにより光沢及

びつや感のある質感となっている(形態B)のに対し、被告商品1の本体には、上

記素材とは大きく異なる「ポリエステル63%、レーヨン32%、ポリウレタン5%」

のギャバジン生地が用いられ(甲21)、光沢及びつやのない質感となっており(形

態b)、この相違点は、商品全体に対して需要者の受ける印象に相当程度影響する

というべきである。

以上によれば、原告商品1と被告商品1の形態が実質的に同一であると認めるこ

とはできない。

ウ ありふれた形態であるかについて

仮に、原告商品1と被告商品1の形態が実質的に同一であるとしても、次の理由

から、上記イの両商品の共通点に係る形態は、いずれもありふれた形態であると認

められる。すなわち、まず、形態A及びEのオーバーオールのロングスカートであ

る点は、従前より多数存在する商品形態である(弁論の全趣旨)。次に、形態Cの

うち「肩からウエストにかけて正面と背面がVネックとなった」との形態について

は、上記ア(ウ)aのとおり、平成29年に「肩からウエストにかけて正面がVネック

となった」オーバーオールであって背面を除く形態の商品が販売されており、この

形態は原告商品1の上記形態と同一であり、また、これを前提に、更に背面をVネッ

クの形態とすることは容易に着想できるものと解される。さらに、形態Dの「ウエ

スト」付近から左肩にかけて施されたパールの装飾については、上記ア(ウ)bないし

dのとおり、原告商品1の販売開始前である平成30年頃から、本件ブランドにお

いてパール装飾を施した形態のワンピースが販売され、パール装飾が需要者におい

て人気となっており、遅くとも同年1月から令和元年10月14日までの間に、本

件ブランドや第三者において、左肩又は左肩下部付近から胸部中心部にかけて複数

のパールが連なって施されたワンピースやカットソーが販売され、又は、ブログに

掲載されていたことからすれば、パールの装飾を左肩からウエスト付近に配置する

形態は容易に着想し制作することができるものといえる。

エ 小括

以上によれば、被告商品1は原告商品1の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

(2) 被告商品2は原告商品2の形態を模倣した商品に該当するか

ア 認定事実

後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(ア) 原告商品2は、一覧表2の「当裁判所の認定」欄の(原告商品2)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲11、38)

(イ) 被告商品2は、一覧表2の「当裁判所の認定」欄の(被告商品2)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲22、38)

(ウ) 原告商品2の販売開始以前に販売等された商品

a 被告は、遅くとも平成29年2月7日、左右で丈の長さが異なるアシンメト

リーとなり、右腰部から左大腿部上部にかけて斜めに施された切替えがあり、

上下の生地間が同一であり、ウエスト部分より下部はペプラムデザインとなっ

た長袖Tシャツを販売した。(乙3)

b 本件ブランドにおいて、遅くとも平成30年3月までに、両肩部分に各3つ

のパールが連なって施されたノースリーブカットソーが販売された。(乙7)

c 当事者双方及び本件ブランド以外の第三者において、遅くとも平成31年3

月5日までに、ウエスト部分を境にゆるやかな水平方向の切替えがあり、ウエ

スト部分より下部はペプラムデザインとなった長袖Tシャツが販売された。 乙

(

)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品2の形態と被告商品2の形態を比較すると、両者は、形態A、B、

EないしG及び形態Hの一部(左肩にパールの装飾が施されている形態)において

共通する。他方、両者は、①光沢及び質感(形態C、D)、②パールの個数や配列、

両端のパールの大きさ(形態H)、③パールの止め方(形態I)において相違する。

(イ) 原告は、上記②及び③の相違点はいずれも些細な相違点であり、上記①は衣

服のデザインの模倣を判断するにあたって問題にならないから、両商品の形態は実

質的に同一であると主張する。

そこで検討すると、上記③の相違点は、需要者において判別が容易とはいえない

程度の差異であり、商品全体の形態の実質的同一性の判断に強く影響するようなも

のではなく、商品全体からみると些細な相違にとどまる。また、上記②の相違点に

ついても、肩部分の幅は広いものではないから、ここに施されたパールの個数(6

個であるか8個であるか)や配列、両端のパールの大きさが異なると、商品全体に

対する需要者の受ける印象に影響が生じることは否定できないが、強く影響するも

のとはいえない。

しかし、上記①の相違点については、上記(1)イのとおり、商品の「光沢及び質感」

も衣服の形態模倣が問題となる場合に比較対象となるところ、原告商品2は、切替

えより上部に薄手のコットン100%の生地が用いられ、下部にはナイロン100%

の光沢の生地が用いられて光沢がある(形態C)(甲11)のに対し、被告商品2

には、切替えより上部は「レーヨン73%、ポリエステル21%、ポリウレタン6%」

の厚地の生地が用いられ、下部には「コットン68%、ポリエステル24%」の生

地が用いられ、光沢がなく(甲22)、着用する季節を異にするほどの質感の相違

が認められる。そうすると、この相違点は、商品全体に対して需要者の受ける印象

に強く影響するというべきである。

以上によれば、原告商品2と被告商品2の形態が実質的に同一であると認めるこ

とはできない。

ウ ありふれた形態であるかについて

仮に、原告商品2と被告商品2の形態が実質的に同一であるとしても、次の理由

から、上記イの両商品の共通点に係る形態は、いずれもありふれた形態であると認

められる。すなわち、まず、形態A及びGは、従前より多数存在する商品形態であ

る(弁論の全趣旨)。また、形態Fのペプラムデザインとの形態については、上記

ア(ウ)a及びcのとおり、原告商品2の販売前から被告及び第三者の販売した商品に

見られる。これらの商品におけるペプラムの切替えの形状は、一方方向の斜め又は

ほぼ水平方向であるが、形態Eのようなペプラムの切替えとすることは容易に着想

して制作することができると解される。加えて、形態Hのうち、婦人服の左肩部分

にパール装飾が施されているとの形態についても、上記ア(ウ)bのとおり、原告商品

の販売前に本件ブランドから販売されたノースリーブカットソーの商品に見られ、

これを長袖のTシャツにも適用することもまた容易に着想して制作することができ

る。

エ 小括

以上によれば、被告商品2は原告商品2の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

(3) 被告商品3は原告商品3の形態を模倣した商品に該当するか

ア 認定事実

後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(ア) 原告商品3は、一覧表3の「当裁判所の認定」欄の(原告商品3)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲12、39)

(イ) 被告商品3は、一覧表3の「当裁判所の認定」欄の(被告商品3)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲23、40)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品3の形態と被告商品3の形態を比較すると、両者は、形態A、G、

H及び形態Bの一部(ウエスト部を絞ったとの形態)において共通する。他方、両

者は、①ウエストのゴムの有無(形態B)、②フロントのチャックの有無(形態C)、

③フロントのタックの有無、ウエストから臀部及び臀部からつま先までの各シルエッ

ト(形態D、E)、④臀部のポケットの個数(形態F)、⑤裾のスリットの有無(形

態I)、⑥裾背面のパールの装飾の有無(形態J)において相違する。

(イ) 原告は、上記②及び③の相違点があるが、ウエスト部は上着を着用すれば隠

れる部分であり、ポケットも目立たないことなどから、いずれの相違点も商品全体

の形態に大きく影響するものではなく、配置及び大きさにおいてパンツ全体に施さ

れたドットの配置及び大きさは同一であることなどに照らせば、両商品の形態は実

質的に同一であると主張する。

上記④の相違点については、両商品の臀部のポケットはポケット全体が外部から

識別できず入口部のみが識別可能なように縫製されている上、生地全体と同じ生地

が用いられている(甲12、23)ことから、商品全体から見ると上記相違点は些

細な相違点であるといえる。しかしながら、上記①及び②の相違点は、着用感や着

用の容易さに関わるものであり、また、上記③の相違点は、商品全体のシルエット

の相違であり、いずれも需要者が判別でき着目する点であるといえるから、これら

の相違点は商品全体に対して需要者の受ける印象に大きく影響するものといえる(な

お、原告は、原告商品3を「美脚ライン」であると紹介している。甲12)。加え

て、上記⑤の相違点は着用した際の可動性に関わるものであり、上記⑥の相違点は、

原告商品3の装飾の有無であり、商品全体に対する需要者の受ける印象に影響する

ことは否定できない(なお、原告は、スリットとパール装飾が原告商品3の特徴で

ある旨紹介している。甲12)。

以上によれば、原告商品3と被告商品3の形態が実質的に同一であると認めるこ

とはできない。

ウ 小括

以上によれば、被告商品3は原告商品3の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

(4) 被告商品4は原告商品4の形態を模倣した商品に該当するか

ア 認定事実

後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(ア) 原告商品4は、一覧表4の「当裁判所の認定」欄の(原告商品4)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲13ないし15、41)

(イ) 被告商品4は、一覧表4の「当裁判所の認定」欄の(被告商品4)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲24、25、41)

(ウ) 原告商品4の販売以前に販売された商品

他社ブランド「MUVEIL WORK」は、平成30年春夏商品として、両裾

の周囲に複数のパールが等間隔で連なって施されたガウチョパンツを販売した。 乙

(

)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品4の形態と被告商品4の形態を比較すると、両者は、形態A及びE、

並びに、形態B及びGの各一部(形態Bのうちウエスト部を絞ったとの形態、形態

Gのうちパンツのセンタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計6個のパー

ルの装飾が連なって施されている形態)において共通する。他方、両者は、①ウエ

ストのゴムの有無(形態B)、②フロントのチャックの有無(形態C)、③フロン

トのタックの有無及びウエストから臀部のシルエット(形態D)、④臀部のポケッ

トの個数(形態F)、⑤パールの大きさ(形態G)、⑥パールの止め方(形態H)

において相違する。

(イ) 原告は、両商品の全体的なシルエット及び裾のパール装飾があることにおい

て同一であり、パールの大きさの差異はわずかであり、両商品の形態は実質的に同

一であると主張する。

上記④の相違点については、上記(3)イ(イ)の検討と同様の理由から、上記⑥の相

違点については、上記(2)イ(イ)の検討と同様の理由から、いずれも商品全体から見

ると些細な相違点である。また、上記⑤の相違点については、上記(2)イ(イ)と同様

の理由から、商品全体に対する需要者の受ける印象に強く影響するものとはいえな

い。しかしながら、上記①及び②の相違点は、上記(3)イ(イ)と同様の理由から、ま

た、上記③の相違点は、腰回り全体のシルエットの相違であり、いずれも需要者が

判別でき着目する点であるといえるから、いずれも商品全体に対して需要者の受け

る印象に大きく影響するものといえる。

以上によれば、原告商品4と被告商品4の形態が実質的に同一であると認めるこ

とはできない。

ウ ありふれた形態であるかについて

仮に、原告商品4と被告商品4の形態が実質的に同一であるとしても、次の理由

から、上記イの両商品の共通点に係る形態は、いずれもありふれた形態であると認

められる。すなわち、形態A及びE、並びに、形態Bの一部(ウエスト部を絞った

との形態)については、従前から多数存在する商品形態である(弁論の全趣旨)。

また、形態G(裾のパールの装飾)については、上記ア(ウ)のとおり、原告商品4の

販売以前に裾にパール装飾を施したガウチョパンツが販売されていたところ、当該

商品と原告商品4とはパンツの形状やパールの配置、大きさが異なるが、上記(1)ア

(ウ)bないしdのとおり、平成30年から平成31年当時、パール装飾のある商品が

人気となって複数の商品が販売されていたことからすれば、ストレートパンツの裾

に形態Gのパールを施すことは容易に着想し制作することができる。

エ 小括

以上によれば、被告商品4は原告商品4の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

(5) 被告商品5は原告商品5の形態を模倣した商品に該当するか

ア 認定事実

後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(ア) 原告商品5は、一覧表5の「当裁判所の認定」欄の(原告商品5)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲16、42)

(イ) 被告商品5は、一覧表5の「当裁判所の認定」欄の(被告商品5)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲26、42)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品5の形態と被告商品5の形態を比較すると、両者は、形態A及びG、

並びに、形態C及びEの各一部(形態Cのうちウエスト部を絞ったとの形態、形態

Eのうちフレア型との形態)において共通する。他方、両者は、①光沢の有無(形

態B)、②ウエストのゴム及びチャックの有無(形態C)、③パール装飾の有無(形

態D)、④フレアの大きさ(形態E)において相違する。

(イ) 原告は、ドット柄は同一であり、両商品の形態は実質的に同一であると主張

する。

上記①の相違点については、上記(1)イ(イ)のとおり、「光沢及び質感」も衣服の

形態模倣が問題となる場合に比較対象となるところ、原告商品5及び被告商品5の

本体の素材はいずれも「ポリエステル100%」であり(甲16、26)、光沢や

質感の差異の程度は大きいものではない。しかしながら、上記④の相違点について

は、フレアの大きさの差異等により、着用時のスカートの全体的形状がかなり異な

り、商品全体に対する需要者の受ける印象に相当程度影響するものといえる。また、

上記②の相違点は、上記(3)イ(イ)と同様の理由から、いずれも需要者が判別でき着

目する点であり、商品全体に対して需要者の受ける印象に大きく影響するものとい

える。さらに、上記③の相違点は、上記(3)イ(イ)と同様、原告商品5の装飾の有無

の相違であり、商品全体に対する需要者の受ける印象に影響することは否定できな

い(なお、原告は、原告商品5を「ウエストパールがポイントに」と紹介している。

甲16)。

以上によれば、原告商品5と被告商品5の形態が実質的に同一であると認めるこ

とはできない。

ウ 小括

以上によれば、被告商品5は原告商品5の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

(6) 被告商品6は原告商品6の形態を模倣した商品に該当するか

ア 認定事実

後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(ア) 原告商品6は、一覧表6の「当裁判所の認定」欄の(原告商品6)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲17、43)

(イ) 被告商品6は、一覧表6の「当裁判所の認定」欄の(被告商品6)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲27、43)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品6の形態と被告商品6の形態を比較すると、両者は、形態A、B、

D及びG、並びに、形態C及びIの各一部(形態Cのうち横に大きなステッチのあ

る形態、形態Iのうち左肩にパールの装飾が施されているとの形態)において共通

する。他方、両者は、①横のステッチの配置(形態C)、②ペプラムの下部の裾の

垂れ下がりの有無(形態E)、③裾のフリルの有無(形態F)、④袖の長さ及び形

状(形態H)、⑤パールの個数、大きさ及び配置(形態I)、⑥パールの止め方(形

態J)において相違する。

(イ) 原告は、需要者が着目するのは形態B及びCの「横に大きくステッチが入っ

て」であるところ、両商品はこの点において共通しており、上記相違点はいずれも

些細な相違にすぎないから、両商品の形態は実質的に同一であると主張する。

上記⑥の相違点については、上記(2)イ(イ)の検討と同様の理由から、商品全体か

ら見ると些細な相違点である。しかしながら、上記④の相違点については、袖の形

状や長さは需要者が着目する点であり、両商品の相違の程度に照らせば、需要者に

おいて両商品が別個の類型の商品であると認識し得るほどの相違点である。また、

上記①の相違点については、ステッチの配置がウエストより上部であるか否かによっ

て、同ステッチより下のペプラム部分の面積が異なることとなり、加えて、上記②

及び③の相違点(ペプラムの形状やその裾部分の形状の相違点)が存在することを

考慮すると、上記①ないし③の各相違点は、商品全体に対して需要者の受ける印象

に大きく影響するといえる。さらに、上記⑤の相違点は、上記(3)イ(イ)のとおり、

原告商品6の装飾が両肩にあるか片肩にあるかとの点の相違であるから、商品全体

に対する需要者の受ける印象に影響が生じることは否定できない。

ウ 小括

以上によれば、被告商品6は原告商品6の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

(7) 被告商品7は原告商品7の形態を模倣した商品に該当するか

ア 認定事実

後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(ア) 原告商品7は、一覧表7の「当裁判所の認定」欄の(原告商品7)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲18ないし20、44)

(イ) 被告商品7は、一覧表7の「当裁判所の認定」欄の(被告商品7)記載の形

態の特徴を有するものと認められる。(甲28、44)

イ 実質的同一性について

(ア) 原告商品7の形態と被告商品7の形態を比較すると、両者は、形態A及びC、

並びに、形態Bの一部(左袖にフリルが施されているとの形態)において共通する。

他方、両者は、①フリルの個数及び重なり(形態B)、②フリルの大きさ(形態D)、

③フリルの配置(形態E)において相違する。

(イ) 原告は、被告商品7のフリルの縫い目の首元内側にもフリルがあるからフリ

ルは三重であることを前提に、フリルの縫付け方法が共通しており、上記③の相違

点は些細な相違であるから、両商品の形態は実質的に同一であると主張する。

しかしながら、両商品の形態は上記認定のとおりであり、本件記録上、被告商品

に原告主張のフリルが存在すると認めるに足りる証拠はないから、原告の主張は

前提において誤りがある。次に、相違点について検討すると、両商品はフリルの装

飾が施されているほかに装飾のない半袖Tシャツであることから、需要者の着目点

はフリルの形態にあると解される。上記①ないし③の相違点は、いずれもフリルの

形態に関する相違であり、相違の程度も大きくフリルのボリュームも異なることか

らすれば、各相違点は、商品全体に対して需要者の受ける印象に大きく影響すると

いえる。

ウ 小括

以上によれば、被告商品7は原告商品7の形態を模倣した商品に該当すると認め

ることはできない。

まとめ

したがって、被告による被告各商品の販売は法2条1項3号所定の不正競争に該

当すると認めることはできない(なお、原告各商品のうち、原告商品2、原告商品

及び原告商品7は、いずれも令和2年8月以前に日本国内において販売されてお

り、本件口頭弁論終結時点(令和5年9月1日時点)において、販売開始から3年

を経過しているものと解される。)。

第5 結論

以上によれば、その余の争点について検討するまでもなく、原告の請求はすべて

理由がないからいずれも棄却することとし、主文のとおり判決する。

大阪地方裁判所第21民事部

裁判長裁判官

武 宮 英 子

裁判官

阿 波 野 右 起

裁判官

島 田 美 喜 子

(別紙)

原告商品目録

1の1 商品名:ONESIDE PEARL OVERALL DRESS5 型番 :21W-001D商品色:BEIGE、BLACK、DOT BLACKDOT BLACK正面 背面 パールの装飾部拡大BLACK BEIGE1の2 商品名:ONESIDE PEARL OVERALL DRESS型番 :21W-001D-22S商品色:WHITE×BLACK、BLACK、BLACK×DOTBLACKWHITE×BLACK BLACKBLACK×DOTBLACK

2 商品名:PEARL PEPLUM LONGSLEEVE T-SHIRTS型番 :20U-40-21AT商品色:WHITE×NAVY、BLACK×NAVY、BLACK×BEIGEBLACK×NAVY5 正面 右側面 左側面パールの装飾部拡大BLACK×BEIGE WHITE×NAVY正面 背面 正面

3 商品名:SLIT PANTS(DOT)型番 :22S-022P-D商品色:DOTBLACK正面 側面 背面

4の1 商品名:BACK PEARL PANTS(LINEN LIKE)型番 :20U-91P-AS商品色:PINK、BLUE、BLACKPINK

5 正面 背面パールの装飾部拡大 BLUE BLACK4の2 商品名:BACK PEARL PANTS(SUEDE)型番 :20U-71-S商品色:LIGHT BLUE、BLACKLIGHT BLUE5 正面 右側面 左側面 背面BLACKパールの装飾部拡大 正面 背面 パールの装飾部拡大4の3 商品名:BACK PEARL PANTS(MELANGE)型番 :20U-91P-CA商品色:GRAY、BLACKGRAY5 正面 背面 パールの装飾部拡大BLACK正面 背面 パールの装飾部拡大5 商品名:PLEATS SKIRT(DOT)型番 :21W-003P-A商品色:DOTBLACK正面 左側面 パールの装飾部拡大

6 商品名:CUP-SLEEVE BACK FRILL BLOUSE型番 :20U-78B商品色:GRAY、BLACKGRAY正面 側面 背面BLACK

7の1 商品名:FRILL SLEEVE T-SHIRTS(SATIN)型番 :20U-35-S商品色:WHITE×BLUE、BLACK×PINK、BLACK×BLACKWHITE×BLUE正面 フリル拡大BLACK×PINK BLACK×BLACK7の2 商品名:FRILL SLEEVE T-SHIRTS(GABA)型番 :20U-35-G商品色:WHITE×WHITE、BLACK×BLACKWHITE×WHITE5 正面 フリル拡大BLACK×BLACK7の3 商品名:FRILL SLEEVE T-SHIRTS型番:20U-72T商品色:BLACK×WHITE、WHITE×PINK、WHITE×WHITEBLACK×WHITE5 正面 左側面 背面フリル拡大WHITE×PINK WHITE×WHITE

(別紙)

被告商品目録1の1 商品名 :ワンサイドパールジャンスカ5 商品番号:138810商品色 :ベージュ正面 背面パールの装飾部拡大1の2 商品名 :ワンサイドパールジャンスカ商品番号:139880商品色 :アイボリー、ブラックブラック5 正面 側面 背面パールの装飾部拡大 背面拡大アイボリー2 商品名 :肩パール裾アシメ切替プルオーバー商品番号:138750商品色 :ブラック、ライトグレーライトグレー5 正面 右側面 左側面背面 パールの装飾部拡大ブラック3 商品名 :フロッキードットパンツ商品番号:138840商品色 :ブラック、ネイビーネイビー5 正面 側面 背面正面拡大 背面拡大 生地拡大ブラック4の1 商品名 :裾パールパンツ商品番号:138770商品色 :ベージュ、ブラックブラック5 正面 側面 背面正面拡大 背面拡大 パールの装飾部拡大ベージュ4の2 商品名 :裾パールパンツ商品番号:139960商品色 :ネイビー、ブラックブラック5 正面 側面 背面正面拡大 背面拡大 パールの装飾部拡大ネイビー5 商品名 :フロッキードットタックスカート商品番号:138820商品色 :ブラック、ネイビー、ワイン、グリーンブラック5 正面 側面 背面正面拡大 背部ネイビー グリーン ワイン6 商品名 :袖パールペプラムブラウス商品番号:139700商品色 :ネイビー、ブラックブラック5 正面 右側面 左側面背面 正面裾部拡大 パールの装飾部拡大ネイビー7 商品名 :フリルショルダープルオーバー商品番号:139830商品色 :オフホワイト、ブラックオフホワイト5 正面 左側面 背面フリル拡大① フリル拡大② フリル拡大③ブラック

(別紙1)  主張等一覧表

原告商品1と被告商品1原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(以下、特に断らない限り、符号に従い、「形態A」などという。)(原告商品1) (原告商品1) (原告商品1)a 肩からウエストにかけて、正面も背面もVネックとなっている。 ア オーバーオール(肩紐のあるつりスカート)であって、 A オーバーオール(肩紐のあるつりスカート)であって、b 左肩からウエストの中心部にかけて、生地の端部から直径約1センチメートルのパールの装飾が約2センチ イ 光沢があり、なめらかでつるつるとして触り心地が特徴の生地であるサテンを用いており、 B 光沢があり、なめらかでつるつるとした触り心地であり、メートル間隔で16個縫われている。 ウ 肩からウエストにかけて、正面と背面がVネックとなっており、肩紐の長さは約30センチ C 肩からウエストにかけて、正面と背面がVネックとなっており、肩紐の長さc ウエストから脚にかけてストレート型のデザインとなりながらも、緩やかに広がりのあるスカートとなって メートルとみられ、 は約30センチメートルとみられ、いる。 エ ウエストの中心部から端を発して左肩にかけて、生地の端部から直径約1センチメートルの D ウエストの中心部から端を発して左肩にかけて、生地の端部から直径約1セパールの装飾が約2センチメートル間隔で16個縫われており、 ンチメートルのパールの装飾が約2センチメートル間隔で16個縫われており、オ ウエストから脚にかけてはストレート型のスカートである。 E ウエストから脚にかけてはややフレア型のロングスカートである。(被告商品1) (被告商品1) (被告商品1)a’ 肩から胸元にかけて、正面も背面もVネックとなっており、 ア´ オーバーオール(肩紐のあるつりスカート)であって、 a オーバーオール(肩紐のあるつりスカート)であって、b’ 左肩から胸元の中心部にかけて、生地の端部から直径約1センチメートルのパールの装飾が約2センチ イ´ マットで光沢がなく、柔らかく温かみがあることが特徴の生地であるギャバジンを用いてお b マットで光沢がなく、柔らかく、メートル間隔で16個縫われており、 り、 c 肩からウエストにかけて、正面と背面がVネックとなっており、肩紐の長さc’ スカート部がストレート型でありながら緩やかに広がりを持っている。 ウ´ 肩からウエストにかけて、正面と背面がVネックとなっており、肩紐の長さは約35センチ は約35センチメートルであり、メートルであり、 d ウエストの中心部から数センチ離れた部分から端を発して左肩にかけて、生エ´ ウエストの中心部から数センチ離れた部分から端を発して左肩にかけて、生地の端部から直 地の端部から直径約1センチメートルのパールの装飾が約2センチメートル間隔径約1センチメートルのパールの装飾が約2センチメートル間隔で16個縫われており、 で16個縫われており、オ´ ウエストから脚にかけてはフレア型のスカートである。 e ウエストから脚にかけてはフレア型のロングスカートである。実質的同一性の有無(相違点の有無)肩紐部分の同一性(a・a’)  原告商品1と被告商品1はオーバーオールという商品群が共通するのみであり、以下の1~4の 肩紐部分の長さは、肩の最上部から胸元まで被告商品1が約37センチメートル、原告商品1が約30センチ とおり、スカートの形状、肩紐の長さ、パールの装飾の位置、生地の質感や肌触りも相違し、被告メートルと、わずか7センチメートルの差しかなく(上記の数値はマネキンに着せることなく平面的に測ったも 商品1のデザインは原告商品1のデザインと全く異なる。のであり、実際に着用するとさらに肩紐部分の長さの差は目立たなくなる)、両者の違いは皆無に等しい。 1 原告商品1が光沢があり、なめらかでつるつるとして触り心地が特徴の生地であるサテンを用パールの装飾の同一性(b・b’) いているのに対し(イ)、被告商品1はマットで光沢がなく、柔らかく温かみがあることが特徴の パールの装飾について、肩紐部分で目を引く部分であるところパールの装飾の大きさ、パールの間隔、パール 生地であるギャバジンを用いている点で異なる(イ´)。の個数が全く同一であるにとどまらず、パールの装飾を肩紐部分の左胸の端部から体の中心方向に向かって施す 2 原告商品1の肩紐が約30センチメートルであるとみられるのに対し(ウ)、被告商品1の肩ことでパールの装飾が衣服から飛び出ているように見えるデザインになっているという点まで同一になってい 紐が約35センチメートルである点で異なる(ウ´)。る。 3 原告商品1のパールの装飾がウエストの中心部から端を発しているのに対し(エ)、被告商品 被告は、原告商品1は胸元の中心部から施されているのに対し、被告商品1は胸元の中心部から数センチメー 2のパールの装飾はウエストの中心部から数センチ離れた部分から端を発している点で異なる(エトル離れた部分から施されている点を指摘するが、わずかにパールを付ける位置を変える改変は、容易に想到で ´)。きるものである。 4 原告商品1のスカートがストレート型であるのに対し(オ)、被告商品1のスカートはフレアスカートの形状の同一性(c・c’) 型である(オ´)。 スカート部分の形状について、原告商品1は、ストレートのデザインではあるもののわずかに広がりを持ったデザインとなっており、緩やかに波のような形状になっている。一方、被告商品1は、フレアデザインとはいうものの、その広がりはかなり緩やかでストレートに近いデザインとなっている。裾のなびきも緩やかである。原告商品1と被告商品1とを並べて比較しても、その差異はわずかである。また、スカートをフレアデザインにするという発想を着想することは容易である。質感・肌触りについて 衣服の「デザイン」の模倣を判断するにあたって、目で見て分からない質感や肌触りの差異は問題にならないというべきである。形態がありふれているか否か 原告商品1は、パールの装飾が肩紐部分の左胸の端部から身体の中心方向に向けて施されており、パールの装  原告が原告商品1の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品1の特飾が衣服から飛び出ているように見えるデザインになっているのに対し、乙5の1ないし乙5の16はすべて衣 徴ではなく、ありふれたものである。服の上にパールの装飾が施されており、衣服の内部にパールが見えるデザインとなっている。また、乙5の17 1 原告主張の原告商品1の特徴aについては、被告提出の書証ではわかりづらいが、Vネックではなく、胸元のパールの装飾がフロントボタンのような役  原告主張の特徴を有する洋服はこの世にいくらでもある(顕著な事実)。割を果たし、右側の生地が左側の生地の上に来るようなデザインとなっており、原告商品1とは大きく異なって 2 原告主張の原告商品1の特徴bについている。  原告商品1の販売開始前に被告自らがパールの装飾を施した商品(乙1の1ないし乙1の3)を 乙4の4及び乙4の5(甲60の4及び甲60の5)も、パールが隙間なく装飾されていることから原告商品 販売していること、「YOKO CHAN」が乙4の1ないし乙4の5(甲60)のようなパールとは全く異なったデザインとなっている。 ワンピースを販売していること、乙5の1ないし乙5の17(甲61)のようなフロントのVライ 乙1の1ないし乙1の3は、パールの装飾がついていること以外に共通点はない。 ンの左肩から胸元まで生地の端部からパールの装飾を施したオーバーオールが販売されていること 以上のように、原告商品1を販売した時点においても、現在においても、原告商品1は独自のデザインを保っ から、原告商品1販売開始時点において、bの形態がありふれたものであったといえる。ており、ありふれた形態とは評価できない。 3 原告主張の原告商品1の特徴cについて 原告主張の特徴を有する洋服はこの世にいくらでもある(顕著な事実)。被告が提出している証拠にもストレート型のデザインのものがある(乙5の2、乙5の3、乙5の7、乙5の8、乙5の15、乙5の16)。原告が挙げる相違点は大きなものではなく、パールの装飾はありふれたものであり、また、原告商品1のパールの装飾を想到するのは容易である。

(別紙1)  主張等一覧表

原告商品1と被告商品1原告の主張 被告の主張依拠性の有無 被告商品が原告商品に依拠して作られたものであることは、以下の事情から明らかである。  被告商品1は原告商品1に依拠していない。被告の本店所在地及びショップ所在地における原告商品の販売及び展示  被告商品1のデザインは原告商品1のデザインと全く異なる。また、被告商品1 原告は、被告の本店所在地である福岡やショップが所在する東京の他、大阪・名古屋などの主要都市の大手百貨店にて商品を販 は被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品で売しており、抽象的に被告が原告の商品を目にする可能性があったというだけにとどまらず、被告には、本件の訴訟の対象となっ あって、原告商品1の模倣ではない。ている原告商品に触れる機会があった。すなわち、原告は、令和2年、被告のショップが所在する東京の大手百貨店玉川高島屋に  原告は、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップて、原告が令和2年秋冬モデルとして販売を予定していた商品のポップアップストアを開催した(甲70)。令和2年秋冬モデル アップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったことを被告商品1が原には、原告商品2、4が含まれており、上記ポップアップストアにて展示されている。令和3年には、被告の本店所在地である福 告商品1に依拠したことの理由の一つとして挙げるが、原告に福岡市内の自己ブラ岡の大手百貨店岩田屋本店にて、同年の秋冬モデルとして販売を予定していた商品のポップアップストアを開催した(甲71)。 ンドでの常設店舗がなく、短期間のポップアップストアを開催しただけで、他社でさらに、東京の玉川高島屋、銀座三越を始め、全国の大手百貨店でも同様のポップアップストアを開催した。令和3年秋冬モデル 一部取扱いがされただけであれば、むしろ、被告が原告の商品を見る機会はほとんには、原告商品1、2(同年に仕様変更がされたもの)、5が含まれており、上記ポップアップストアにて展示されている(甲7 どなく、被告商品1が原告商品1に依拠していないことの根拠になるものである。ないし甲74)。また、原告はポップアップストアを開催した後に速やかに商品を販売する流れとなっており、たとえば、被告  また、原告はメディアによる発信をしていたことも被告商品1が原告商品1に依本店所在地である福岡の岩田屋本店でのポップアップストア開催(令和3年10月6日から同月11日まで)の後、1週間ほど後 拠したことの理由の一つとして挙げるが、原告ブランドはわが国で名を知られていの令和3年10月20日には岩田屋本店にて原告商品の取扱いを開始している(甲75、甲76)。原告のポップアップストア開 るわけではなく、原告のウェブサイトやインスタグラムが話題となったこともな催の情報は、原告のインスタグラムで、都度、発信している(甲77)。その他、原告は、ポップアップストアに限らず、甲3記 い。FASHIONSNAP.COMに掲載されといっても、わずか数頁掲載され載の各百貨店にて、常時原告商品1ないし7を含めた原告の商品を販売しており、被告を含め、誰でも原告商品1ないし7の購入 ただけであり、これをもって被告が原告商品をチェックしていたというのは無理のやデザインの視察をすることができた。 ある主張である。 以上より、被告には、全国各地の主要都市にて本件の訴訟の対象となっている原告商品を目にする機会が存在した。  被告は、原告及び「hue DAY TO EVENING」というブランドに原告商品のメディアによる発信 ついては、「警告及び通知書」(甲56)を受領するまで認識すらしておらず、そ 原告は、自社のオンラインショップ、全国各地の店舗で商品を販売しているほか、雑誌やファッションウェブサイト等で原告の れ以前に、原告のウェブサイトもインスタグラムも見たことはないし、オンライン商品を紹介記事が掲載されることもある(甲5の8、甲5の9)。それだけでなく、harumi showroomを通して、 ストアで原告商品を購入したこともない。多数テレビ番組の出演者に原告商品を衣装として貸し出しており、全国区の番組の出演者に衣装を貸し出すことも多い(甲7)。原告が衣装を貸し出した際、インスタグラムにて、原告はもちろん、出演者や出演番組が、原告のアカウントをタグ付け(投稿した文章や画像に原告のアカウントを付ける機能)した上で、出演者の衣装の情報を投稿している(甲5、甲79)。そのため、原告の商品の情報は広く一般に知れ渡っている。被告は、原告と同業種であり、積極的にインターネットにて情報発信を行っているのであるから、同業他社の情報を積極的に入手するはずであり、容易に原告の商品を知ることができた。甲5にあるインスタグラムの投稿には、原告商品1及び原告商品4が含まれており(原告商品1:甲5の2、甲5の3、甲5の5、甲5の6、甲5の10ないし甲5の12、原告商品4:甲5の7)、被告が原告の商品を入手できたという抽象的な可能性にとどまらず、本件訴訟の対象となっている原告商品1ないし7の情報を具体的に入手できる状況にあった。その他、原告の商品の新たなモデルが発表される度、FASHIONSNAP.COMというニュースサイトにて商品の紹介ページが作成されている。令和2年秋冬モデル、令和3年秋冬モデルも、紹介ページが作成された(甲80、81)。FASHIONSNAP.COMは、ファッション情報に特化したオンラインメディアとしては最大級の規模のニュースサイトであり、アパレル業に関わる者はこのサイトを頻繁にチェックしている。被告も、FASHIONSNAP.COMの紹介ページから容易に原告商品の情報を入手できた。原告商品のオンラインショップでの販売 原告は、自社のオンラインストアを通じて原告商品を販売している。上記サイトは、原告や原告商品を衣装として着用したテレビの出演者等のインスタグラムの投稿からもアクセスすることが可能であり、容易にアクセスが可能であるし、FASHIONSNAP.COMの紹介ページから、原告のオンラインストアにたどり着くことも容易である。被告は、上記のインスタグラムの投稿やFASIONSNAP.COMから、原告のオンラインストアにたどり着き、商品の情報の入手や商品の購入を容易に行うことができた。

(別紙2)  主張等一覧表

原告商品2と被告商品2原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(原告商品2) (原告商品2) (原告商品2)a 左右で丈の長さが異なるアシンメトリーの長袖Tシャツである。 ア 左右で丈の長さが異なるアシンメトリーの長袖Tシャツであり、 A 左右で丈の長さが異なるアシンメトリーの長袖Tシャツであり、b ウエスト部分を境に上下で生地感が異なっている。 イ ウエスト部分を境に上下で生地感が異なっており、 B ウエスト部分を境に上下で生地感が異なっており、c ウエスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて斜めに施されている。 ウ 上部の生地はコットン100%であり、下部の生地はナイロン100%であって光沢があり、 C 下部の生地は光沢があり、d ウエスト部分より下部はペプラムデザインとなっており、ペプラムの長さは20~24セン エ 上下とも生地が薄く、 D 上下とも生地が薄く、チメートルである。 オ ウエスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて斜めが強調されて施されており、 E ウエスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて斜めに施されており、e 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっている。 カ ウエスト部分より下部はペプラムデザインとなっており、ペプラムの長さは20~24センチメートルであり、 F ウエスト部分より下部はペプラムデザインとなっており、ペプラムの長さは20~f 左肩にはパールの装飾が6個連なって施されている。両端のパールは直径約1.8センチ キ 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、 24センチメートルであり、メートル、内側の配置されている4つのパールは直径約1.3センチメートルである。 ク 左肩にはパールの装飾が6個連なって施されており、両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側の配置されて G 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、いる4つのパールは直径約1.3センチメートルであり、 H 左肩にはパールの装飾が6個連なって施されており、両端のパールは直径約1.8ケ 6個のパールは手縫いにより施されている。 センチメートル、内側の配置されている4つのパールは直径約1.3センチメートルであり、I 6個のパールは手縫いにより施されている。(被告商品2) (被告商品2) (被告商品2)a’ 左右で丈の長さが異なるアシンメトリーのプルオーバーで、 ア´ 左右で丈の長さが異なるアシンメトリーの長袖Tシャツであり、 a 左右で丈の長さが異なるアシンメトリーの長袖Tシャツであり、b’ ウエスト部の生地の切替え部を境に生地の質感を異にしており、 イ´ ウエスト部分を境に上下で生地感が異なっており、 b ウエスト部分を境に上下で生地感が異なっており、c’ b’の生地の切替えが右下から左上にかけて施されており、 ウ´ 上部の生地はレーヨン73%、ポリエステル21%、ポリウレタン6%であり、下部の生地はコットン68%、ポリエ c 上部及び下部には光沢がなく、d’ 生地の切替え部の下部が長さ20数センチメートルのペプラムデザインになっており、 ステル24%、ナイロン8%でありって光沢がなく、 d 上下とも生地が厚く、e’ 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、 エ´ 上下とも生地が厚く、 e ウエスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて斜めに施されており、f’  左肩に約1.3~1.8センチメートルのパールの装飾が連なっている。 オ´ ウエスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて緩やかに斜めに施されており、 f ウエスト部分より下部はペプラムデザインとなっており、ペプラムの長さは20~カ´ ウエスト部分より下部はペプラムデザインとなっており、ペプラムの長さは20~24センチメートルであり、 24センチメートルであり、キ´ 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、 g 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、ク´ 左肩にはパールの装飾が8個連なって施されており、8個のパールはいずれも同じ大きさで直径約1.3センチメー h 左肩にはパールの装飾が8個連なって施されており、8個のパールはいずれも同じトルであり、 大きさで直径約1.3センチメートルであり、ケ´ 8個のパールはビス止めされている。 ⅰ 8個のパールはビス止めされている。実質的同一性の有無(相違点の有無)ペプラムのデザインの同一性(a・a’~d・d’)  原告商品2と被告商品2は、以下の1~5のとおり、生地について光沢の有無、質感、肌触り、厚みが異なるし、ウエス 被告商品2も原告商品2も、両商品を左横から見たとき、右下から左上に上がった生地の切り ト部分の上下の切替えも原告商品2は斜めが強調されているのに対して、被告商品は緩やかな斜めとなっている。さらに替え部分が一度左下に落ち、その後また左上に向かうデザインになっている。このように、単に は、パールの数も、大きさも、取り付け方も異なるのであって、被告商品2のデザインは原告商品2のデザインと全く異な右下から左上に生地の切り替え部分が施されているというだけでなく、左横から見た切り替え部 る。分の細かなデザインにおいても、被告商品2は原告商品2とは酷似しており、たまたま同じよう 1 原告商品2が上部の生地はコットン100%であり、下部の生地はナイロン100%であって光沢があるのに対しなデザインとなっただけでは説明のできないほどである(a・a’~c・c’)。 (ウ)、被告商品2は上部の生地はレーヨン73%、ポリエステル21%、ポリウレタン6%あり、下部の生地はコットン6 下部のペプラム部分(生地の切り替え部分から裾まで)の長さも、両商品とも20~25セン 8%、ポリエステル24%、ナイロン8%であって光沢がない点で(ウ´)、光沢の有無、質感、肌触りが異なる。チメートルとほとんど同じ長さとなっている(d・d’)。 2 原告商品2の生地は薄いのに対し(エ)、被告商品2の生地は厚く(エ´)、想定している着用シーズンも異なる。パールの装飾の同一性(f・f‘) 3 原告商品2のウエスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて斜めが強調されて施されているのに対し(オ)、ウ 原告商品2の内側のパールの内側のパールの直径は、約1.3センチメートル、両端のパール エスト部分の生地の切替えは右下から左上にかけて緩やかに斜めに施されている点で異なる(オ´)。の直径は約1.8センチメートルと、直径の差はわずか0.5センチメートル、5ミリメートル 4 パールの装飾について見ても、原告商品2のパールの数が6個で、両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側しかない。 の配置されている4つのパールは直径約1.3センチメートルであるのに対し(ク)、被告商品2のパールの数は8個であ 原告商品2の内側4つのパールの大きさと被告商品④のパールの大きさはいずれも1.3セン り、8個のパールはいずれも同じ大きさで直径約1.3センチメートルである点で異なる(ク´)。チメートルと同一であり、両者を俯瞰してみたときの差異はわずかである。 5 また、原告商品2のパールは手縫いで施されているのに対し(ケ)、被告商品2のパールはビス止めされている(ケ また、被告は、パールの個数の違いを主張するが、被告商品2も原告商品2も、左肩の襟元か ´)(原告商品2のパールは原告商品2を動かすと揺れるが、被告商品2のパールは原告商品2を動かしても揺れない)。ら袖ぐりにかけて隙間なくパールを並べており、デザインが共通している。 その他、被告は、パールのつけ方の違いを主張するが、その違いは商品を裏返してみて初めて分かる違いであり、衣服を着用しているときにその違いが表れることはない。また、パールのつけ方の差異はコストダウンのために設けられたにすぎず、その着想は安易なものである。質感・肌触りについて 衣服の「デザイン」の模倣を判断するにあたって、質感や肌触りの差異は問題にならない。形態がありふれているか否か 乙3の2のブラウスの生地の切り替えは、右下から左上に直線的に施されており、緩やかに曲  原告が原告商品2の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品2の特徴ではなく、ありふれた線を描いている原告商品2とはデザインが異なる。生地の切り替えが曲線を描くように縫製する ものである。のは直線的な生地の切り替えより手間がかかるため、乙3の1ないし3を原告商品2とデザイン 1 原告主張の原告商品2の特徴aについてが同一であるとするのは無理がある。また、ペプラムの膨らみ方も、乙3の2のブラウスは腹部  原告主張の特徴を有する洋服はこの世にいくらでもある(顕著な事実)。から裾の部分まで緩やかな広がりを見せているのに対して、原告商品2は、腹部から裾の部分ま 2 原告主張の原告商品2の特徴bについてで、腹部の長さと裾の長さが約1:2になる程度に大きく広がりを見せており、この点において  上下質感の異なるペプラムは、平成31年に他社から販売されている(乙6)。も、形態が異なる。 3 原告主張の原告商品2の特徴c及びdについて 乙6(甲62)についても、切り替え部分が腰の部分に存在しており、また、切り替え部分が  ウエスト部分の生地の切替えが右下から左上に斜めに施され、ウエスト部分より下部がペプラムとなっている商品は、被横に直線的に施されており、切り替え部分が腹部にあり、斜めに緩やかな曲線を描いている原告 告が平成29年の春夏物として商品化している(乙3の1ないし乙3の3)。商品2とは形態が異なる。 4 原告主張の原告商品2の特徴eについて また、被告は、(左)肩にパールの装飾が施された商品が流通している点を主張しているが、  原告主張の特徴を有する洋服もこの世にいくらでもある(顕著な事実)。アシンメトリーに生地の切り替えが施されたトップスの左肩にパールの装飾を施すという組み合 5 原告主張の原告商品2の特徴fについてわせをした商品は被告提出の証拠を見ても存在しない。  パールの装飾については、被告は、原告が原告商品2を販売したという令和3年の遥か前の平成28年にパールの装飾を 以上のように、被告が提出している証拠にある商品は、いずれも、原告商品2と形態を全く異 施した商品を販売しているし(乙1の1ないし乙1の3)、著名ブランドである「YOKO CHAN」は、遅くとも平成にしているのであり、これらをもって、原告商品2がありふれた形態であるとはいえない。 30年にパールジャケット及び複数のパールワンピースを販売している(乙4の1ないし乙4の3)。また、同ブランドは同年春夏物として両肩にパールの装飾を施したブラウスとワンピースも販売している(乙7の1ないし乙7の3)。そして、被告がインターネットで調べただけでも左肩にパールの装飾を施した商品はいくつも世に出て流通しており(乙8の1ないし乙8の10)、左肩にパールの装飾を施すことは、現在のトレンドの一つとして当業者であれば誰でも商品化を考えるありふれたデザインであって、原告商品2の「形態」ではない。依拠性の有無「原告商品1と被告商品1」欄における原告の主張と同様である。  被告商品2は原告商品2に依拠したものでもない。 原告商品2と被告商品2は多くの点で異なるのであって、被告商品2のデザインは原告商品2のデザインと全く異なる。また、被告商品2は被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品であって、原告商品2の模倣ではない。 原告が、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップアップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったこと等は、被告商品2が原告商品2に依拠していることの理由とはならない。

(別紙3)  主張等一覧表

原告商品3と被告商品3原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(原告商品3) (原告商品3) (原告商品3)a ウエスト部が絞られており、ウエスト部から臀部までは広がり、臀部からつま先まで ア パンツであって、 A パンツであって、は真っすぐ落ちるシルエットになったパンツである。 イ ウエスト部が絞られており、ウエストにゴムがなく、 B ウエスト部が絞られており、ウエストにゴムがなく、b パンツ全体にはフロッキー加工のドットが施されている。 ウ フロントにはチャックを設け、 C フロントにはチャックを設け、c ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部からつま先にかけて約6 エ フロントにタックを入れずに、ウエスト部から臀部までの広がりを抑え、 D フロントにタックを入れずに、ウエスト部から臀部までの広がりを抑え、センチメートルごとの縦の列となっており、列となったドットは一列ごとに互い違いに オ 臀部からつま先までは真っすぐ落ちる細身のシルエットになっており、 E 臀部からつま先までは真っすぐ落ちる細身のシルエットになっており、なっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし形を形作るよう カ 臀部のポケットは1つであり、 F 臀部のポケットは1つであり、に施されている。 キ パンツ全体にはフロッキー加工のドットが施されており、 G パンツ全体にはフロッキー加工のドットが施されており、ク ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部からつま先にかけて約6センチメートルごとの縦の H ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部からつま先にかけて約列となっており、列となったドットは一列ごとに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め4 6センチメートルごとの縦の列となっており、列となったドットは一列ごとに互い違い5度に傾けたひし型を形作るように施されており、 になっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし型を形作るケ 裾にスリットがある。 ように施されており、I 裾にスリットがあり、J 裾背面側にパールの装飾が6個連なって施されている。パールの大きさは、両端の2個が中央部の4個よりも大きい。(被告商品3) (被告商品3) (被告商品3)a’ パンツの形状がウエスト部が絞られており、ウエスト部から臀部までは広がった、 ア´ パンツであって、 a パンツであって、臀部からつま先までは真っすぐ落ちるシルエットになっており、 イ´ ウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けて伸縮可能とし、 b ウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けて伸縮可能とし、b’ 画像で見る限り、パンツの全体に直径約1センチメートルのフロッキー加工がされ ウ´ フロントにチャックがなく、 c フロントにチャックがなく、たドットが施されており、 エ´ フロントにタックを入れ、ウエスト部から臀部までを広げ、 d フロントにタックを入れ、ウエスト部から臀部までを広げ、c’ ドットの配置が原告商品3のcと同様である。 オ´ 臀部からつま先までは余裕のあるシルエットになっており、 e 臀部からつま先までは余裕のあるシルエットになっており、カ´ 臀部のポケットは2つであり、 f 臀部のポケットは2つであり、キ´ パンツ全体にはフロッキー加工のドットが施されており、 g パンツ全体にはフロッキー加工のドットが施されており、ク´ ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部からつま先にかけて約6センチメートルごとの縦 h ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部からつま先にかけて約の列となっており、列となったドットは一列ごとに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め 6センチメートルごとの縦の列となっており、列となったドットは一列ごとに互い違い45度に傾けたひし型を形作るように施されており、 になっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし型を形作るケ´ 裾にスリットがない。 ように施されており、ⅰ 裾にスリットがなく、j 裾背面側にはパールの装飾は施されていない。実質的同一性の有無(相違点の有無)1 全体的なシルエットの同一性(a・a’)  原告商品3と被告商品3は、以下の1~4のとおり、ウエスト部分のゴムの有無(伸縮可能か否か)、チャックの  被告商品3のウエスト部分を正面から見ると、原告商品3と同様に折り目がついてい 有無、タックの有無及びタックの有無によるウエスト部から臀部までの広がり、細身のシルエットか余裕のあるシルないデザインとなっている。確かに後ろはゴムが入っておりデザインを異にするが、ジャ エットか、臀部のポケットの数、裾のスリットの有無が異なるのであって、被告商品3のデザインは原告商品3のデケットやカーディガン等を着てしまえばウエスト後部の部分は隠れてしまうため、その違 ザインと全く異なる。いはわずかである。 1 原告商品3が上ウエスト部を絞りつつもウエストにゴムを設けていないのに対し(イ)、被告商品3はウエスト また、臀部のポケットの数についても、両商品ともポケットが目立たないデザインに 部を絞りつつウエストにゴムを設けて伸縮可能としている点で異なる(イ´)。なっていることから、パンツ全体に及ぼす形態の変化はほとんどない。 2 原告商品3のフロントにはチャックがあるのに対し(ウ)、被告商品3にはフロントにチャックがない(ウ 正面のデザインについても、被告は、被告商品3が余裕のあるデザインである一方、原 ´)。告商品3が絞られたデザインになっていると主張するが、両商品とも、ウエスト部が絞ら 3 原告商品3はフロントにタックを入れずに、ウエスト部から臀部までの広がりを抑え(エ)、臀部からつま先まれていて、骨盤の部分まで広がりがあり、そこからつま先にかけてストンと落ちたデザイ では真っすぐ落ちる細身のシルエットになっているのに対し(オ)、被告商品3はフロントにタックを入れ、ウエスンとなっており、共通している。 ト部から臀部までを広げ(エ´)、臀部からつま先までは余裕のあるシルエットになっている(オ´)。2 ドットの同一性(b・c、b’・c’) 4 原告商品3の臀部のポケットは1つであるのに対し(カ)、被告商品3の臀部ポケットは2つである(カ´)。  ドットの大きさ、配置において、原告商品3と同様である。 さらに、(v)原告商品3には裾にスリットがあるのに対し(ケ)、被告商品3にはスリットがない(ケ´)。形態がありふれているか否か 乙2記載の被告の商品は、原告商品3と形態を全く異にしており、原告商品3の先行商  原告が原告商品3の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品3の特徴ではなく、あり品とはならない。 ふれたものである。 原告商品3に施されている一つ一つのドットの直径は約1.2センチメートルであり、 1 原告主張の原告商品3の特徴aについてウエスト部からつま先にかけて、約6センチメートルごとの縦の列となっている。列と  原告主張の特徴を有するパンツはこの世にいくらでもある(顕著な事実)。ただし、原告商品3のデザインが、ウなったドットは、一列ごとに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を エスト部から臀部までは広がっているとの点は誤りである。斜め45度に傾けたひし形を形作るように施されている。 2 原告主張の原告商品3の特徴bについて 一方、乙2記載の商品は、印刷時の色のバランスが崩れておりデザインがはっきりと読  被告は、原告において原告商品3が販売開始されたとする令和3年の3年前である平成30年の春夏物としてドッみ取れないものの、明らかに一つ一つのドットのサイズは原告商品3のものより大きく、 トにフロッキー加工を施した商品を販売しており(乙2)、フロッキー加工のドットは原告商品3の特徴ではない。またドットの間隔も広い。 3 原告主張の原告商品3の特徴cについて このように、乙2記載の商品は、原告商品3とは形態を異にしており、原告商品3の先  被告は、原告において原告商品3が販売開始されたとする令和3年の3年前である平成30年の春夏物としてドッ行商品とはならない。 トにフロッキー加工を施した商品を販売しており(乙2)、フロッキー加工のドットは原告商品3の特徴ではない。 したがって、原告商品3は、被告の主張をもってしてもなお、ありふれた形態とはなら この点について、原告は乙2のドットは、原告商品3のものよりもサイズがより大きく、間隔も広いなどと述べるないというべきである。 が、ドットのサイズや間隔を変えることは、デザイン上の制約があるわけではなく、当業者であれば容易に想到できることである。依拠性の有無「原告商品1と被告商品1」欄における原告の主張と同様である。  被告商品3と原告商品3は、フロッキー加工のドットが共通しているが、フロッキー加工のドットは被告が先行しており、被告商品3は原告商品3に依拠したものではない。 また、原告商品3と被告商品3は多くの点で異なるのであって、被告商品3のデザインは原告商品3のデザインと全く異なる。被告商品3もまた、被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品であって、原告商品3の模倣ではない。 なお、原告が、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップアップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったこと等は、被告商品3が原告商品3に依拠していることの理由とはならない。

(別紙4)  主張等一覧表

原告商品4と被告商品4原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(原告商品4) ア パンツであって、 (原告商品4)a ウエスト部が絞られており、ウエスト部から臀部までは広がり、臀部からつま先までは真っすぐ落ちるシル イ ウエスト部が絞られており、ウエストにゴムがなく、 A パンツであって、エットになったパンツである。 ウ フロントにはチャックを設け、 B ウエスト部が絞られており、ウエストにゴムがなく、b パンツのセンタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計6個のパールの装飾が連なって施されてい エ フロントにタックを入れずに、ウエスト部から臀部までの広がりを抑え、 C フロントにはチャックを設け、る。両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側に配置されている4つのパールは直径約1.3センチ オ 臀部からつま先までは真っすぐ落ちる細身のシルエットになっており、 D フロントにタックを入れずに、ウエスト部から臀部までの広がりメートルである。 カ 臀部のポケットは1つであり、 を抑え、キ パンツのセンタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計6個のパールの装飾が連なって施されて E 臀部からつま先まではストレートのシルエットになっており、おり、両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側に配置されている4つのパールは直径約1.3セン F 臀部のポケットは1つであり、チメートルであり、 G パンツのセンタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計ク 6個のパールは手縫いにより施されている。 6個のパールの装飾が各裾に連なって施されており、両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側に配置されている4つのパールは直径約1.3センチメートルであり、H 6個のパールは手縫いにより施されている。(被告商品4) ア´ パンツであって、 (被告商品4)a’ ウエスト部が絞られており、ウエスト部から臀部までは広がり、臀部からつま先までは真っすぐ落ちるシル イ´ ウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けて伸縮可能とし、 a パンツであって、エットになったパンツであり、 ウ´ フロントにチャックがなく、 b ウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けて伸縮可能とし、b’  センタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計6個のパールの装飾が連なって施されており、こ エ´ フロントにタックを入れ、ウエスト部から臀部までを広げ、 c フロントにチャックがなく、れらのパールの装飾が約1.3~1.8センチメートルになっている。 オ´ 臀部からつま先までは余裕のあるシルエットになっており、 d フロントにタックを入れ、ウエスト部から臀部までを広げ、カ´ 臀部のポケットは2つであり、 e 臀部からつま先まではストレートのシルエットになっており、キ´ パンツのセンタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計6個のパールの装飾が連なって施され f 臀部のポケットは2つであり、ており、6個のパールはいずれも同じ大きさで直径約1.3センチメートルであり、 g パンツのセンタープレスの折り目を中心に、左右に3個ずつ、計ク´ 6個のパールはビス止めされている。 6個のパールの装飾が各裾に連なって施されており、6個のパールはいずれも同じ大きさで直径約1.3センチメートルであり、h 6個のパールはビス止めされている。実質的同一性の有無(相違点の有無)全体的なシルエットの同一性(a・a’)  原告商品4と被告商品4は、以下の1~6のとおり、ウエスト部分のゴムの有無(伸縮可能か否か)、 被告商品4のウエスト部分を正面から見ると、原告商品4と同様に折り目がついていないデザインとなってい チャックの有無、タックの有無及びタックの有無によるウエスト部から臀部までの広がり、細身のシルエットる。確かに後ろはゴムが入っておりデザインを異にするが、ジャケットやカーディガン等を着てしまえばウエス か余裕のあるシルエットか、臀部のポケットの数、パールの大きさ、パールの止め方が異なるのであって、被ト後部の部分は隠れてしまうため、その差異は目に見えないものになる。 告商品4のデザインは原告商品4のデザインと全く異なる。 また、臀部のポケットの数についても、両商品ともポケットが目立たないデザインになっていることから、パ 1 原告商品4がウエスト部を絞りつつもウエストにゴムを設けていないのに対し(イ)、被告商品4はウエンツ全体に及ぼす形態の変化はほとんどない。 スト部を絞りつつウエストにゴムを設けて伸縮可能としている点で異なる(イ´)。 正面のデザインについても、被告は、被告商品4が余裕のあるデザインである一方、原告商品4が絞られたデ 2 原告商品4のフロントにはチャックがあるのに対し(ウ)、被告商品4にはフロントにチャックがないザインになっていると主張するが、両商品とも、ウエスト部が絞られていて、骨盤の部分まで広がりがあり、そ (ウ´)。こからつま先にかけてストンと落ちたデザインとなっており、共通している。 3 原告商品4はフロントにタックを入れずに、ウエスト部から臀部までの広がりを抑え(エ)、臀部からつパールの装飾の同一性(b・b’) ま先までは真っすぐ落ちる細身のシルエットになっているのに対し(オ)、被告商品4はフロントにタックを 原告商品4の内側のパールの内側4つのパールの直径は、約1.3センチメートル、両端のパールの直径は約 入れ、ウエスト部から臀部までを広げ(エ´)、臀部からつま先までは余裕のあるシルエットになっている.8センチメートルと、直径の差はわずか0.5センチメートル、5ミリメートルしかない。 (オ´)。 原告商品4の内側4つのパールの大きさと被告商品4のパールの大きさはいずれも1.3センチメートルと同 4 原告商品4の臀部のポケットは1つであるのに対し(カ)、被告商品4の臀部ポケットは2つである(カ一である。両者を俯瞰したときに両端のパールの大きさの差異はわずかである。 ´)。  パールのつけ方について、その違いは商品を裏返してみて初めて分かる違いであり、衣服を着用していると 5 原告商品4の6個のパールのうち、両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側の配置されているきにその違いが表れることはない。また、パールのつけ方の差異はコストダウンのために設けられたにすぎず、 4つのパールは直径約1.3センチメートルであるのに対し(キ)、被告商品4の6個のパールはいずれも同その着想は安易なものである。 じ大きさで直径約1.3センチメートルである点で異なる(キ´)。6 原告商品4のパールは手縫いで施されているのに対し(ク)、被告商品4のパールはビス止めされている(ク´)(原告商品4のパールは原告商品4を動かすと揺れるが、被告商品②のパールは原告商品4を動かしても揺れない)。形態がありふれているか否か 乙10(甲65)は、パールも裾の端部から足元に向けて、裾を一周する形で施されており、原告商品4の装  原告が原告商品4の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品4の特徴ではな飾と形態が異なる。そもそも乙10(甲65)はガウチョパンツであって、原告商品4と全く形態を異にしてお く、ありふれたものである。り、裾にパールがあること以外に共通点はない。 1 原告主張の原告商品4の特徴aについて 乙11の1(甲66の1)は、裾を一周する形で一定の間隔を空けてパールが施されており、デザインを異に  原告主張の特徴を有するパンツはこの世にいくらでもある(顕著な事実)。ただし、原告商品4のデザインする。パールの位置も原告商品4とは全く異なる。乙11の3(甲66の3)も裾を一周する形でパールの装飾 が、ウエスト部から臀部までは広がっているとの点は誤りである。が施されている。そもそも、この商品はスカートであって、原告商品4とは全く異なる商品である。 2 原告主張の原告商品4の特徴bについて 乙11の4ないし乙11の6(甲66の4(乙11の6に対応))は、書面内の日付から、原告商品4の販売  パールの装飾については、被告は、原告が原告商品4を販売したという令和3年の遥か前の平成28年に開始時点では販売されていなかった商品であると思料され、原告商品4の販売開始時点においてありふれた形態 パールの装飾を施した商品を販売しているし(乙1の1ないし乙1の3)、著名ブランドである「YOKOであることを推認させるものではない。 CHAN」は、遅くとも原告が設立される以前の平成30年にパールジャケット及び複数のパールワンピース原告商品4のような、裾の後部にワンポイントでパールの装飾が施されたような商品は、原告商品4の販売時点 を販売している(乙4の1ないし乙4の3)。また、平成30年には春夏物として他社からパンツの裾にパーでは、被告提出の証拠を見ても存在せず、原告商品4の形態はありふれたものではない。 ルを施した商品が販売されている(乙10)。そして、被告がインターネットで調べただけでもパンツの裾にパールの装飾を施した商品はいくつも世に出て流通しており(乙11の1ないし乙11の6)、パンツの裾にパールの装飾を施すことは現在のトレンドの一つとして当業者であれば誰でも商品化を考えるありふれたデザインであって、原告商品4の「形態」ではない。依拠性の有無「原告商品1と被告商品1」欄における原告の主張と同様である。  被告商品4は原告商品4に依拠したものでもない。 原告商品4と被告商品4は多くの点で異なるのであって、被告商品4のデザインは原告商品4のデザインと全く異なる。また、被告商品4は被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品であって、原告商品4の模倣ではない。 なお、原告が、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップアップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったこと等は、被告商品4が原告商品4に依拠していることの理由とはならない。

(別紙5)  主張等一覧表

原告商品5と被告商品5原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(原告商品5) (原告商品5) (原告商品5)a ウエスト部から足元にかけて、緩やかに広がっていくシルエットとなっており、裾の部分 ア ロングスカートであって、 A ロングスカートであって、がひざ下とくるぶしの中間の位置に来るロングスカートである(ウエストから裾までの長さは イ 光沢がある生地を用い、 B 光沢があり、86センチメートル)。 ウ ウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けず、ウエストの左側にチャックを設け、 C ウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けず、ウエストの左側にb スカート全体にフロッキー加工のドットが施されている。 エ ウエストの左側に6個のパールを施し、 チャックを設け、c ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部からつま先にかけて約6セン オ ウエスト部から足元にかけて、大きく広がっていくシルエットとなっており、裾の部分がひざ下とくるぶしの中間の位置 D ウエストの左側に6個のパールを施し、チメートルごとの縦の列となっている。列となったドットは一列ごとに互い違いになってお し、 E ウエスト部から足元にかけて、大きなフレア型となり、り、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし形を形作るように施されてい カ スカート全体にはフロッキー加工のドットが施されており、 F スカート全体にはフロッキー加工のドットが施されており、る。 キ ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部から裾にかけて約6センチメートルごとの縦の列となってお G ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部から裾にかけり、列となったドットは一列ごとに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし型を て約6センチメートルごとの縦の列となっており、列となったドットは一列ご形作るように施されている。 とに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし型を形作るように施されている。(被告商品5) (被告商品5) (被告商品5)a’ ウエスト部から足元にかけて、緩やかに広がっていくシルエットとなっており、裾の部分 ア´ ロングスカートであって、 a ロングスカートであって、がひざ下とくるぶしの中間の位置に来るロングスカートであり、 イ´ 光沢のない生地を用い、 b 光沢がなく、b’ スカートの全体に直径約1センチメートルのフロッキー加工のドットが施されており、 ウ´ ウエスト部を絞りつつ、ウエストに背部にゴムを設けて伸縮可能とし、ウエスト部にチャックを設けず、 c ウエスト部を絞りつつ、ウエスト背部にゴムを設けて、ウエスト部にc’ ドットの配置が原告商品5のcのようになっている。 エ´ ウエスト部にパールを施さず、 チャックを設けず、オ´ ウエスト部から足元にかけて、緩やかに広がっていくシルエットとなっており、裾の部分がひざ下とくるぶしの中間の d ウエスト部にパールを施さず、位置し、 e ウエスト部から足元にかけて、ややフレア型となりカ´ スカート全体にはフロッキー加工のドットが施されており、 f スカート全体にはフロッキー加工のドットが施されており、キ´ ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部から裾にかけて約6センチメートルごとの縦の列となって g ドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエスト部から裾にかけおり、列となったドットは一列ごとに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし型 て約6センチメートルごとの縦の列となっており、列となったドットは一列ごを形作るように施されている。 とに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし型を形作るように施されている。実質的同一性の有無(相違点の有無) ドットの柄の同一性(b・b’、c・c’)  原告商品5と被告商品5は、以下の1~4のとおり、生地の光沢の有無、ウエスト部分のゴムの有無(伸縮可能か否か)、 被告商品5のドットの柄について、一つ一つのドットの直径は約1.1センチメートルであ チャックの有無、パールの有無、シルエットの違いという点で異なるのであって、被告商品5のデザインは原告商品5のデザる。ドットは、ウエスト部から足元にかけて、約4センチメートルごとの縦の列となってい インと全く異なる。る。列となったドットは、一列ごとに互い違いになっており、縦(ウエストから足元)の対角 1 原告商品5が光沢のある生地を用いているのに対し(イ)、被告商品5は光沢のない生地を用いている(イ´)。線約4センチメートル、横(左脚から右脚)の対角線約5センチメートルのひし形を形作るよ 2 原告商品5がウエスト部を絞りつつ、ウエストにゴムを設けず、ウエストの左側にチャックを設けているのに対しうに施されている。 (ウ)、被告商品5はウエスト部を絞りつつもウエストの背部にゴムを設けて伸縮可能とし、ウエスト部にチャックを設けて 一方、原告商品5のドットの柄は、一つ一つのドットの直径は約1.2センチメートルであ いない(ウ´)。り、ウエスト部からつま先にかけて、約6センチメートルごとの縦の列となり、一列ごとに互 3 原告商品5はウエストの左側に6個のパールを施しているのに対し(エ)、被告商品5にはウエスト部を含めてパールはい違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾けたひし形を形作る 施されていない(エ´)。ように施されている。 4 シルエットについても、原告商品5はウエスト部から足元にかけて、大きく広がっていくシルエットとなっているのに対し(オ)、被告商品5はウエスト部から足元にかけて、緩やかに広がっていくシルエットとなっている(オ´)。形態がありふれているか否か 乙2記載の被告の商品は、原告商品5と形態を全く異にしており、原告商品5の先行商品と  原告が原告商品5の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品5の特徴ではなく、ありふれたもはならない。 のである。 原告商品5に施されている一つ一つのドットの直径は約1.2センチメートルであり、ウエ 1 原告主張の原告商品5の特徴aについてスト部からつま先にかけて、約6センチメートルごとの縦の列となっている。列となったドッ  原告主張の特徴を有するロングスカートはこの世にいくらでもある(顕著な事実)。トは、一列ごとに互い違いになっており、一辺約4センチメートルの正方形を斜め45度に傾 2 原告主張の原告商品5の特徴bについてけたひし形を形作るように施されている。  被告は、原告において原告商品5が販売開始されたとする令和3年の3年前である平成30年の春夏物としてドットにフ 一方、乙2記載の商品は、印刷時の色のバランスが崩れておりデザインがはっきりと読み取 ロッキー加工を施した商品を販売しており(乙2)、フロッキー加工のドットは原告商品5の特徴ではない。れないものの、明らかに一つ一つのドットのサイズは原告商品5のものより大きく、またドッ 3 原告主張の原告商品5の特徴cについてトの間隔も広い。  被告は、原告において原告商品5が販売開始されたとする令和3年の3年前である平成30年の春夏物としてドットにフ このように、乙2記載の商品は、原告商品5とは形態を異にしており、原告商品5の先行商 ロッキー加工を施した商品を販売しており(乙2)、フロッキー加工のドットは原告商品5の特徴ではない。この点につい品とはならない。 て、原告は乙2のドットは、原告商品5のものよりもサイズがより大きく、間隔も広いなどと述べるが、ドットのサイズや間 したがって、原告商品5は、被告の主張をもってしてもなお、ありふれた形態とはならない 隔を変えることは、デザイン上の制約があるわけではなく、当業者であれば容易に想到できることである。というべきである。依拠性の有無 被告商品5と原告商品5は、フロッキー加工のドットが共通しているが、フロッキー加工のドットは被告が先行しており、被告商品5は原告商品5に依拠したものではない。また、原告商品5と被告商品5は多くの点で異なるのであって、被告商品5のデザインは原告商品5のデザインと全く異なる。被告商品5もまた、被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品であって、原告商品5の模倣ではない。 なお、原告が、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップアップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったこと等は、被告商品5が原告商品5に依拠していることの理由とはならない。

(別紙6) 主張等一覧表

原告商品6と被告商品6原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(原告商品6) (原告商品6) (原告商品6)a 前身頃の脇の部分からウエスト部分に至るまで、左右に縦 ア ブラウスであって、 A ブラウスであって、のタックが施されているブラウスである。 イ 前身頃のわきの部分からウエストの部分に至るまで左右に縦のタックが施されており、 B 前身頃のわきの部分からウエストの部分に至るまで左右に縦のタックが施さb ウエスト部分には横に大きくステッチが入っている。 ウ ウエスト部分には横に大きくステッチが入っており、 れており、c bのステッチを境に下部はペプラムとなっている。 エ ウのステッチを境に下部はペプラムとなっており、 C ウエストより上部に横に大きくステッチが入っており、d 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなって オ ペプラムの上部の丈が短く、面積も小さく、 D Cのステッチを境に下部はペプラムとなっており、いる。 カ ペプラムの下部の裾は左右が垂れ下がり、 E ペプラムの下部の裾は左右が垂れ下がり、e 左袖にはパールの装飾が6個連なって施されている。両端 キ 背面のペプラムの下部の裾にはフリルが施されており、 F 背面のペプラムの下部の裾にはフリルが施されており、のパールは直径約1.8センチメートル、内側の配置されてい ク 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、 G 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、る4つのパールは直径約1.3センチメートルである。 ケ 袖は短く、 H 袖は約2分丈であり、下方の袖先と脇部が一致しており、コ 両袖にパールの装飾が12個、各袖に6個ずつ連なって施されている。各袖の両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側の配置されて I 両袖にパールの装飾が12個、各袖に6個ずつ連なって施されている。各袖いる4つのパールは直径約1.3センチメートルであり、 の両端のパールは直径約1.8センチメートル、内側の配置されている4つのサ 12個のパールは手縫いにより施されている。 パールは直径約1.3センチメートルであり、J 12個のパールは手縫いにより施されている。(被告商品6) (被告商品6) (被告商品6)a’ 左右に縦のタック、 ア´ ブラウスであって、 a ブラウスであって、b’ ウエスト部分には横に大きくステッチが入っており、 イ´ 前身頃のわきの部分からウエストの部分に至るまで左右に縦のタックが施されており、 b 前身頃のわきの部分からウエストの部分に至るまで左右に縦のタックが施さc’ b’のステッチを境に下部がペプラムとなっており、 ウ´ ウエスト部分には横に大きくステッチが入っており、 れており、d’ 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっ エ´ ウのステッチを境に下部はペプラムとなっており、 c ウエスト部分には横に大きくステッチが入っており、ており、 オ´ ペプラムの上部の丈が長く、面積が大きく、 d cのステッチを境に下部はペプラムとなっており、e’ 袖に直径約1.3~1.8センチメートルの6つのパー カ´ ペプラムの下部の裾の左右は垂れ下がっておらず、 e ペプラムの下部の裾の左右は垂れ下がっておらず、ルの装飾が施されている。 キ´ 背面のペプラムの下部の裾にはフリルが施されず、 f 背面のペプラムの下部の裾にはフリルが施されず、ク´ 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、 g 正面より背面の丈が長く、臀部が隠れるデザインとなっており、ケ´ 袖は長く、 h 袖は半袖であり、下方の袖先から脇部まで生地部分があり、コ´ 左肩のみにパールの装飾が6個連なって施されており、6個のパールはいずれも同じ大きさで直径約1.3センチメートルであり、 i 左肩のみにパールの装飾が6個連なって施されており、6個のパールはいずサ´ 6個のパールはビス止めされている。 れも同じ大きさで直径約1.3センチメートルであり、j 6個のパールはビス止めされている。実質的同一性の有無(相違点の有無)正面部のデザインの同一性(a・a’~ c・c’)  原告商品6と被告商品6は、以下の1~4のとおり、袖の長さ、ペプラムの上部の丈・面積、ペプラムの下部の裾の垂れ下がりの有無、フリルの 被告は、ペプラムの上部の丈の長さを裾の形状を捉えて被告 有無が異なるし、さらにはパールの数も、場所も、大きさも、さらには取り付け方も異なるのであって、被告商品6のデザインは原告商品6のデザ商品6の形状が原告商品6の形状と異なると主張する。両商品 インと全く異なる。を全体的に見たときにまず目に入るのは脇の部分の左右に入っ 1 原告商品6は袖が短く(ケ)、ペプラムの上部の丈が短く、面積も小さいのに対し(オ)、被告商品6の袖は長く(ケ´)、ペプラムの上部のた縦のタック、ウエスト部分のステッチである。被告はウエス 丈は長く、面積も大きい(オ´)。ト部分のステッチの位置が異なると主張するが、商品を全体的 2 原告商品6は、ペプラムの下部の裾の左右は垂れ下がり、裾にタックが施されているのに対し(カ、キ)、被告商品6はペプラムの下部の裾のにみれば上記の差異は些末なもので、商品全体に与える変化は 左右は垂れ下がっておらず、裾にフリルが施されていない(カ´、キ´)。ほとんどない。 3 パールの装飾について見ても、原告商品6においてはパールが合計12個、各袖に6個ずつパールが施され、各袖の両端のパールが直径約1.パールの装飾の同一性(e・e’) 8センチメートル、内側の配置されている4つのパールが直径約1.3センチメートルであるのに対し(コ)、被告商品6のパールは合計6個であ 被告商品6が、原告商品6と違い、両袖にパールの装飾が施 り、左袖にその全部が施され、かつ、6個のパールはいずれも同じ大きさで直径約1.3センチメートルである点で、パールの数も、場所も、大きされているが、原告が販売する商品に両袖にパールの装飾があ さも異なる(コ´)。るものがあることも考慮すると、このような差異は容易に想到 4 原告商品6のパールは手縫いで施されているのに対し(サ)、被告商品6のパールはビス止めされている(サ´)(原告商品6のパールは原告できるものである。 商品6を動かすと揺れるが、被告商品6のパールは原告商品6を動かしても揺れない)。形態がありふれているか否か 商品の形態が「ありふれた形態」であるかどうかは、当該商  原告が原告商品6の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品6の特徴ではなく、ありふれたものである。品の全体がありふれたものであるかをもって判断すべきであ 1 原告主張の原告商品6の特徴aついてり、個々の要素がありふれたものであったり、個々の要素の組  縦のタックも横のステッチも、いずれもありふれたデザインである(顕著な事実)。合せが容易であっても、「ありふれた」形態とはならない。 2 原告主張の原告商品6の特徴cついて 前身頃の脇の部分から裾部分に至るまで左右に縦のタックが  ペプラムがありふれたデザインであることは原告商品2の箇所で述べたとおりである。施されており、ウエスト部分に横方向の大きなステッチが入 3 原告主張の原告商品6の特徴dについてり、ステッチを境に下部がペプラムとなり、ステッチの形状が  原告主張の特徴を有する洋服はこの世にいくらでもある(顕著な事実)。両端から中心にかけて緩やかに弧を描いているという組合せは 4 原告主張の原告商品6の特徴eついて被告が提出した証拠からも見いだせない。  パールの装飾については、被告は、原告が原告商品6を販売したという令和3年8月の遥か前の平成28年にパールの装飾を施した商品を販売ししたがって、原告商品6は、被告の主張をもってしてもなお、 ているし(乙1の1ないし乙1の3)、著名ブランドである「YOKO CHAN」は、遅くとも平成30年にパールジャケット及び複数のパールありふれた形態とはならないというべきである。 ワンピースを販売している(乙4の1ないし乙4の3)。また、原告が設立された令和3年には春夏物として他社から両袖にパールの装飾が施された商品が販売されて流通している(令和3年の春夏物は原告設立前の令和2年から製造準備が始まっている)(乙12)。さらには、両袖にパールの装飾が施された商品や左肩のみにパールの装飾が施された商品はいくつも世に出て流通している(乙13の1ないし乙13の4)。加えて、原告商品1及び原告商品2で述べたとおり、洋服の左側のみにパールの装飾を施すことは現在のトレンドの一つとしてありふれたデザインである(乙4の4、乙5の1ないし乙5の17、乙8の1ないし乙8の10)。なお、原告商品6においてパールは両袖に施されている。依拠性の有無 被告商品6は原告商品6に依拠したものでもない。る。  原告商品6と被告商品6は多くの点で異なるのであって、被告商品6のデザインは原告商品6のデザインと全く異なる。また、被告商品6は被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品であって、原告商品6の模倣ではない。 なお、原告が、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップアップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったこと等は、被告商品6が原告商品6に依拠していることの理由とはならない。

(別紙7)  主張等一覧表

原告商品7と被告商品7原告の主張 被告の主張 当裁判所の認定形態の特徴 形態の特徴(原告商品7) (原告商品7) (原告商品7)a 左袖に三重になったフリルが施された半袖のTシャツである。 ア 半袖のTシャツであって、 A 半袖のTシャツであって、b 最も袖口側に施されたフリルは、前身頃と袖部分を縫い合わせるときに一緒にフリルを縫い込んでいるため、Tシャツ イ 左袖に三重になったフリルが施されており、 B 左袖に三重になったフリルが施されており、の袖部分と前身頃の縫合部上にフリルの縫合部がある。その他のフリルは、Tシャツの胴体側と袖口側に広がるように、T ウ 最も袖口側に施されたフリルは、前身頃と袖部分を縫い合わせるときに一緒にフリルを縫い C 最も袖口側に施されたフリルは、Tシャツの袖部分と前身頃のシャツの前身頃の生地に直接縫い合わせている。 込んでいるため、Tシャツの袖部分と前身頃の縫合部上にフリルの縫合部がある。その他のフリ 縫合部上にフリルの縫合部がある。その他のフリルはTシャツの前c フリルの大きさ(フリル先端からTシャツとの縫合部までの距離)は、最も外側(袖口側)から、それぞれ、約6セン ルは、Tシャツの胴体側と袖口側に広がるように、Tシャツの前身頃の生地に直接縫い合わせて 身頃の生地に直接縫い合わせている、チメートル、約4.5センチメートル、約4センチメートルである。 いる、 D フリルの大きさ(フリル先端からTシャツとの縫合部までの距d アームホールを一周するようにフリルが施されている。 エ フリルの大きさ(フリル先端からTシャツとの縫合部までの距離)は、もっとも外側(袖口 離)は、最も外側(袖口側)から、それぞれ、約6センチメート側)から、それぞれ、約6センチメートル、約4.5センチメートル、約4センチメートルであ ル、約4.5センチメートル、約4センチメートルであり、る、 E アームホールを一周するようにフリルが施されている。オ アームホールを一周するようにフリルが施されている。(被告商品7) (被告商品7) (被告商品7)a 左袖に三重になったフリルが施された半袖のTシャツであり、 ア´ 半袖のTシャツであって、 a 半袖のTシャツであって、b 最も袖口側に施されたフリルは外側に向き、それ以外のフリルは内側に向いており、最も袖口側にあるフリルはTシャツ イ´ 左袖に二重になったフリルが施されており、 b 左袖に二重になったフリルが施されており、の袖部分と前身頃の縫合部上にフリルの縫合部があり、その他のフリルは、Tシャツの胴体側と袖口側に広がるように、T ウ´ 最も袖口側に施されたフリルは、前身頃と袖部分を縫い合わせるときに一緒にフリルを縫 c 最も袖口側に施されたフリルは、Tシャツの袖部分と前身頃のシャツの前身頃の生地に直接縫い合わせている。 い込んでいるため、Tシャツの袖部分と前身頃の縫合部上にフリルの縫合部がある。その他のフ 縫合部上にフリルの縫合部がある。その他のフリルは、Tシャツのc フリルの大きさ(フリル先端からTシャツとの縫合部までの距離)は、最も外側(袖口側)から、それぞれ、約7センチ リルは、Tシャツの胴体側と袖口側に広がるように、Tシャツの前身頃の生地に直接縫い合わせ 前身頃の生地に直接縫い合わせている、メートル、約5センチメートル、約2.5センチメートルである。 ている、 d フリルの大きさ(フリル先端からTシャツとの縫合部までの距d 脇の下を除き、アームホールを囲うようにフリルが施されている。 エ´ フリルの大きさ(フリル先端からTシャツとの縫合部までの距離)は、もっとも外側(袖 離)は、最も外側(袖口側)から、それぞれ、約7センチメート口側)から、それぞれ、約7センチメートル、約4.5センチメートルであり、 ル、約4.5センチメートルであり、オ´ わきの下にフリルがなく、フリルはアームホールを一周していない。 e フリルはアームホールを一周しておらず、袖の縫付部け部の上部を約半周している。実質的同一性の有無(相違点の有無) 原告商品7と被告商品7は、以下の1~3のとおり、フリルの数、大きさ、アームホールを1フリルの枚数(二重か三重か)について(a、a’) 周するか否かで異なるのであって、被告商品7のデザインは原告商品7のデザインと全く異な 被告は、被告商品7のフリルが二重であると主張するが、Tシャツの外側に縫われているフリルの縫い目の内側(首元 る。側)もフリルのデザインとなっており、明らかに被告商品7のフリルは三重である。 1 原告商品7のフリルは「三重」であるのに対し(イ)、被告商品7のフリルは「二重」であフリルの縫製方法の同一性(b・b’、d・d’) る(イ´)。 被告商品7のフリルは、原告商品7と同様の縫い付け方をしており、袖側2つのフリルは外側に向き、最も肩側のフリル 2 原告商品7のフリルは、もっとも外側から約6センチメートル、約4.5センチメートル、は内側に向くデザインになっている。 約4センチメートルであるのに対し(エ)、被告商品7のフリルはもっとも外側から約7.5セ また、被告商品7のフリルは、脇の下には施されていないが、実際に着用すれば一周しているかのように見え、衣服のデ ンチメートル、約4センチメートルであり、フリルの大きさも異なる(エ´)。ザインとして与える変化はわずかである。また、このような差異はコストカットのために容易に想到できる差異に過ぎな 3 原告商品7のフリルはアームホールを一周しているのに対し(オ)、被告商品7はわきの下い。 にフリルがなく、フリルはアームホールを一周していない(オ´)。フリルの大きさの同一性(c・c’) 最も外側、真ん中のフリルの大きさはほとんど同じである。形態がありふれているか否か 原告商品7の左袖のフリルは単に三重になっているという点だけが特徴的なのではない。訴状にも記載しているが、原告  原告が原告商品7の特徴であると主張するデザインは、以下のとおり、いずれも原告商品7の商品7の左袖にあるフリルのうち、最も袖口側に施されたフリルは、前身頃と袖部分を縫い合わるときに一緒にフリルを縫 特徴ではなく、ありふれたものである。い込んでいるため、Tシャツの袖部分と前身頃の縫合部上にフリルの縫合部がある。そのほかのフリルは、Tシャツの胴体 1 原告主張の原告商品7の特徴aについて側と袖口側に広がるように、Tシャツの前身頃の生地に直接縫い合わせている。これによって、最も袖口側にあるフリルを  被告は、原告が原告商品7を販売したという令和3年の遥か前の平成28年にフリルの装飾を目立たせることができる。 施した商品を販売しているし(乙1の1ないし乙1の3)、平成29年の春夏物には袖にフリル 被告は、乙1の1ないし乙1の3、乙3の1ないし乙3の3、乙14の1ないし乙14の14(甲69)を原告商品7の を施した商品を販売している(乙3の1ないし乙3の3)。さらに、被告がインターネットで調先行商品として主張する。しかし、乙1の1ないし乙1の3は、裾の部分にフリルが施されており、左腕にフリルを施して べただけでも左袖にフリルが施された商品はいくつも世に出て流通しており、二重のもの、三重いる原告商品7とは形態を全く異にしている。また、乙3の1ないし乙3の3は、確かに両袖にフリルがあるが、このフリ のもの、四重のものなどがある(乙14の1ないし乙14の14)。左袖に三重のフリルを施すルは二重であって三重のフリルとなっている原告商品7とは形態が異なる。最も袖口側に施されたフリルが前身頃と袖部分 ことは現在のトレンドの一つとして当業者であれば誰でも商品化を考えるありふれたデザインでを縫い合わるときに一緒にフリルを縫い込んでおり、この加工をするには工夫を要するため、乙3の2のような二重のフリ あって、原告商品7の「形態」ではない。ルから原告商品7のような加工をすることは当業者であっても容易には商品化できない。 2 原告主張の原告商品7の特徴bについて 乙14の1ないし乙14の14(甲69)については、デザインが全く読み取れないので反論のしようがないが、単に三  アパレル業界では一般的な縫合方法であり、このような縫合方法の結果によるデザインはあり重のフリルであることをもって、原告商品7と同一の形態であると断じることはできない。原告商品7の左袖のフリルの特 ふれたデザインである。徴は、最も袖口側に施されたフリルが前身頃と袖部分を縫い合わるときに一緒にフリルを縫い込んでいる点であり、乙14 3 原告主張の原告商品7の特徴cについての1ないし乙14の14(甲69)のフリルがそのようなデザインとなっているかは不明である。したがって、原告商品7  フリルの大きさとして一般的であり、ありふれたものである。と乙14の1ないし乙14の14の商品が同一の形態とはいえない。 4 原告主張の原告商品7の特徴dについて そもそも、乙14の1ないし乙14の14(甲69)は、証拠上の日付けから推察するに、原告商品7より後に販売され  ありふれた縫合方法である。たものと思料されるため、原告商品7の先行商品とはならない。以上のように、原告商品7はありふれた形態ではない。依拠性の有無 被告商品7は原告商品7に依拠したものでもない。 原告商品7と被告商品7は多くの点で異なるのであって、被告商品7のデザインは原告商品7のデザインと全く異なる。また、被告商品7は被告の過去のアーカイブを現在のトレンドに沿って今風にアレンジした商品であって、原告商品7の模倣ではない。 なお、原告が、被告の本店所在地である福岡市の大手百貨店岩田屋本店などでポップアップストアを開催したことや他社での取り扱いが始まったこと等は、被告商品7が原告商品7に依拠していることの理由とはならない。

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