令和6(ワ)70570民事訴訟 著作権
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| 裁判所 |
東京地方裁判所
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| 裁判年月日 |
令和8年2月20日 |
| 事件種別 |
民事 |
| 法令 |
著作権
著作権法2条1項9号2回 著作権法2条1項7号1回
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| キーワード |
侵害22回 損害賠償2回 実施1回 分割1回
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| 主文 |
1 東京地方裁判所令和5年(発チ)第10187号発信者情報開示
2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
| 事件の概要 |
1 事案の概要
被告は、原告が提供するインターネット接続サービスを介して、ファイル共有
ネットワークであるBitTorrent
(以下
「ビットトレント」
と表記する。
)
を使用して別紙動画目録記載の動画(以下「本件動画」という。
)の複製物である
電子データが送信され、これにより、被告の著作権(公衆送信権)が侵害された
ことが明らかであるとして、原告に対し、特定電気通信による情報の流通によっ
て発生する権利侵害等への対処に関する法律(以下「法」という。
)5条1項に基
づき、発信者情報の開示を求める申立てをした。 |
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判決文
令和8年2月20日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和6年(ワ)第70570号 発信者情報開示命令の申立てについての決定に対す
る異議の訴え
口頭弁論終結日 令和7年11月21日
5 判 決
原 告 K D D I 株 式 会 社
同 訴 訟代 理 人 弁 護 士 今 井 和 男
10 山 本 一 生
同訴訟復代理人弁護士 山 下 大 輝
被 告 有 限 会 社 プ レ ス テ ー ジ
15 同 訴 訟代 理 人 弁 護 士 戸 田 泉
大 塚 直
主 文
1 東京地方裁判所令和5年(発チ)第10187号発信者情報開示
命令申立事件について、同裁判所が令和6年10月29日にした
20 別紙決定を認可する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
1 東京地方裁判所令和5年(発チ)第10187号発信者情報開示命令申立事件
25 について、同裁判所が令和6年10月29日にした決定を取り消す。
2 被告の上記発信者情報開示命令の申立てを却下する。
第2 事案の概要等
1 事案の概要
被告は、原告が提供するインターネット接続サービスを介して、ファイル共有
ネットワークであるBitTorrent(以下「ビットトレント」と表記する。)
5 を使用して別紙動画目録記載の動画(以下「本件動画」という。)の複製物である
電子データが送信され、これにより、被告の著作権(公衆送信権)が侵害された
ことが明らかであるとして、原告に対し、特定電気通信による情報の流通によっ
て発生する権利侵害等への対処に関する法律(以下「法」という。)5条1項に基
づき、発信者情報の開示を求める申立てをした。
10 本件は、原告が、上記申立てを認容した決定に対し、法14条1項に基づき、
異議の訴えを提起した事案である。
2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易
に認められる事実。以下、枝番号のある証拠について枝番号を記載しない場合は、
全ての枝番号を含む。)
15 ⑴ 当事者
ア 原告は、電気通信事業等を目的とする株式会社である。
イ 被告は、アダルトビデオの制作等を業とする特例有限会社である。
⑵ 発信者情報の保有
原告は、別紙発信者情報目録記載の各情報(以下「本件各発信者情報」とい
20 う。また、本件各発信者情報に係る通信を「本件各通信」といい、本件各通信に
係る発信者を「本件各発信者」という。)を保有している。
⑶ ビットトレントの仕組み(乙2、3、13)
ビットトレントは、いわゆるP2P形式のファイル共有ネットワークである。
ビットトレントのユーザは、ビットトレントの「クライアントソフト」を自
25 己の端末にインストールした上で、
「トラッカーサイト」と呼ばれるウェブサイ
トにアクセスするなどして、目的のファイルの所在等についての情報が記載さ
れた「トレントファイル」を取得する。クライアントソフトにトレントファイ
ルを読み込むと、端末は、「トラッカー」と呼ばれる管理サーバと通信を行い、
ダウンロードしようとするファイルを細分化した「ピース」と呼ばれるデータ
を保有している他の端末のIPアドレスを取得して、同他の端末と接続し、当
5 該ピースのダウンロードを行う。クライアントソフトは、トレントファイルに
記録された各ピースのハッシュや再構築に必要なデータに基づき、ダウンロー
ドした各ピースを完全な状態のファイルに復元する。
目的のファイル(ピース)をダウンロードした端末は、自動的に「トラッカ
ー」に登録され、他の端末からの要求に応じて当該ファイル(ピース)を送信
10 する。
⑷ 被告による調査(乙3ないし6、13、17ないし22、24、25)
株式会社HDR(以下「本件調査会社」という。)は、被告の依頼に基づき、
ビットトレントのクライアントソフトにおいて一般的に利用されているライブ
ラリであるLibtorrentを用い、ビットトレントを利用した著作権侵
15 害を検出するためのソフトウェアである「Bittorrent監視システム
ver2」
(以下「本件ソフトウェア」という。)を使用し、本件動画を対象とし
て、次の調査をした(以下「本件調査」という。)。
本件調査会社は、①インターネットを介して、本件動画の品番を含むファイ
ルをトラッカーサイトで検索し、当該ファイルについて、別紙動画目録記載の
20 「ハッシュ」欄記載のハッシュ値を取得し(以下、当該ハッシュ値を有するフ
ァイルを「本件ファイル」という。)、②トラッカーに接続し、本件ファイル又
はそのピースを保有しているピアの情報の提供を求め、トラッカーから別紙動
画目録記載のIPアドレス及びポート番号を含むリストを受信し、③本件ソフ
トウェアと当該ピアとの間で通信を行い、当該ピアから本件ファイル又はその
25 ピースをダウンロードすることが可能であることを通知する通信(UNCHO
KEの通信)を受け、④別紙動画目録記載の発信時刻に、それぞれ当該ピアか
ら本件ファイルのピースをダウンロードし、本件ソフトウェアが動作するコン
ピュータのメモリに格納し、⑤本件ソフトウェアが当該ピースをダウンロード
したピアのIPアドレス、ポート番号及び前記発信時刻に係るタイムスタンプ
を記録し、⑥メモリに格納された当該ピースを本件ソフトウェアが動作するコ
5 ンピュータのハードディスクに保存した。その後、⑦ダウンロードしたピース
について再生試験(以下「本件再生試験」といい、本件再生試験に係る報告書
(乙24、25)を「再生試験報告書」という。)を行った。
⑸ 本件動画に係る被告の著作権等(乙1、7)
被告は、本件動画(正規品)に係る著作権を有する。
10 ⑹ 発信者情報開示手続(甲1)
東京地方裁判所は、令和6年10月29日、本件各発信者情報の開示を命ず
る決定(令和5年(発チ)第10187号。以下「本件決定」という。)をし、
その後、原告は、本件決定の送達を受けた。
⑺ 異議の訴えの提起
15 原告は、令和6年11月29日、本件訴訟を提起した。(顕著な事実)
3 争点
⑴ 本件各通信は特定電気通信に当たるか(争点1)
⑵ 被告の著作権が侵害されたことが明らかであるか(争点2)
⑶ 本件各発信者情報は当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるか(争点3)
20 ⑷ 本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか(争点4)
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点1(本件各通信は特定電気通信に当たるか)について
(被告の主張)
ビットトレントは、不特定の他のピアからダウンロードの要求があれば、当該
25 ピアに対して自動的にピースをアップロードするから、ビットトレントを利用し
て行われた本件各通信は、不特定の者によって受信されることを目的とする通信
であり、「特定電気通信」(法2条1号)に当たる。
(原告の主張)
本件各通信は、本件各発信者と本件調査会社の二者間で行われる通信にすぎず、
不特定の者によって受信されることを目的とする通信とはいえないから、
「特定電
5 気通信」(法2条1号)に当たらない。
2 争点2(被告の著作権が侵害されたことが明らかであるか)について
(被告の主張)
本件各発信者は、①別紙動画目録記載のIPアドレスの割当てを受けてインタ
ーネットに接続し、ビットトレントを利用して、本件ファイルを送信することが
10 できる状態に置き、これを送信可能化(著作権法2条1項9号の5イ又はロ)し
た上で、②同目録記載の各発信時刻に、本件各通信によって本件調査会社に本件
ファイルの全部又は一部(ピース)を送信し、ほかのビットトレントのユーザと
共同して本件ファイルの全部を、又は単独で本件ファイルの一部(ピース)を、
自動公衆送信(同項7号の2、9号の4)した。
15 本件再生試験において、本件各通信によってダウンロードされたピースについ
て、これらを再生することができ、本件動画の表現上の本質的特徴を直接感得す
ることができる。
したがって、本件各通信によって、被告の本件動画に係る著作権(公衆送信権)
が侵害されたことは明らかである(法5条1項1号)。
20 (原告の主張)
本件各発信者が送信したピースが単体で再生可能であるとはいえず、また、再
生試験報告書によっても、当該ピースが本件動画の表現上の本質的特徴を直接感
得できるものであるとはいえない。
また、①原告が行った意見照会に対して、6件に係る契約者が発信者でないと
25 回答したこと、②一部の再生試験報告書の「日時」と別紙動画目録記載の「発信
時刻」が相違していること等からすれば、本件調査の結果に信用性はなく、権利
侵害に係る通信とは無関係の通信が検出された可能性を否定できない。
したがって、本件各通信によって、被告の著作権(公衆送信権)が侵害された
ことは明らかであるとはいえない。
3 争点3(本件各発信者情報は当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるか)に
5 ついて
(被告の主張)
送信可能化に該当する行為がされ、その後も自動公衆送信し得る状態が継続し
ている以上、送信可能化に該当する行為が継続していると解すべきであるから、
本件各通信は送信可能化に係る通信といえる。
10 また、本件各通信は、公衆によって直接受信されることを目的とした通信の送
信に係るものであり、自動公衆送信に係る通信といえる。
したがって、本件各通信は権利侵害に係るものといえるから、本件各発信者情
報は、「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法5条1項柱書)に当たる。
(原告の主張)
15 著作権法2条1項9号の5は、文言上、特定の時点の行為のみを対象とし、継
続的な行為を想定していないことは明らかであるから、本件各通信は送信可能化
に係る通信とはいえない。
また、前記1(原告の主張)と同様の理由から、本件各通信は、公衆によって直
接受信されることを目的とする通信の送信(著作権法2条1項7号の2)といえ
20 ず、自動公衆送信に係る通信とはいえない。
したがって、本件各発信者情報は、「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法5
条1項柱書)に当たらない。
4 争点4(本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか)について
(被告の主張)
25 被告は、本件各発信者に対し、損害賠償を請求する準備をしているが、そのた
めには、本件各発信者情報の開示を受ける必要があるから、本件各発信者情報の
「開示を受けるべき正当な理由がある」(法5条1項2号)といえる。
(原告の主張)
被告は、本件各発信者の故意又は過失を基礎づける事実について立証していな
いから、本件各発信者情報の「開示を受けるべき正当な理由がある」
(法5条1項
5 2号)とはいえない。
第4 当裁判所の判断
1 争点1(本件各通信は特定電気通信に当たるか)について
⑴ 前記前提事実⑶のとおり、ビットトレントのネットワークにピアとして参加
した端末は、目的のファイル又はピースを保有する他のピアとの間で通信を行
10 い、当該ファイル又はピースのダウンロードを行うとともに、他のピアからの
要求に応じて、自身が保有する当該ファイル又はピースをアップロードするこ
ととなり、また、ファイルの全部ではなくピースをダウンロードした場合にお
いても、クライアントソフトが、トレントファイルに記録されたデータに基づ
き、完全な状態のファイルに復元するものとされている。
15 このようなビットトレントの仕組みに鑑みれば、本件各発信者は、本件各通
信によって、本件ファイル又はそのピースを、ビットトレントのネットワーク
においてそのダウンロードを要求するピアのユーザという不特定の者の求めに
応じて、これらの者に直接受信されることを目的として送信したというべきで
ある。
20 したがって、本件各通信は、不特定の者によって受信されることを目的とす
る電気通信の送信であり、「特定電気通信」(法2条1号)に該当する。
⑵ これに対し、原告は、本件各通信は、本件各発信者と本件調査会社の二者間
で行われる通信にすぎず、
「特定電気通信」に該当しない旨主張するが、前記⑴
のとおり、本件各通信は不特定の者によって受信されることを目的とする通信
25 であると認められるから、採用することはできない。
2 争点2(被告の著作権が侵害されたことが明らかであるか)について
⑴ア 前記前提事実⑷並びに証拠(乙5、7、8、17、24、25、29、3
0、33ないし35)及び弁論の全趣旨によれば、本件ファイルは、本件動
画を複製し、又は翻案したものであると認められるところ、本件各通信によ
って、本件ファイルを分割したデータであるピースが送信されているという
5 ことができる。そして、本件再生試験により、本件ファイルを複製し、その
バイナリデータを加工して、対象となるピース及び動画の再生に必要なデー
タ(ftyp、mооv)のみを残し、その余の情報を削除した上で、本件各
通信によって送信されたピースを再生することができたと認められる。以上
に加え、前記前提事実⑶のとおり、ビットトレントにおいては、ピースをダ
10 ウンロードした場合においても、クライアントソフトが、トレントファイル
に記録されたデータに基づき、完全な状態のファイルに復元するものとされ
ていることに照らせば、本件再生試験の結果により、ビットトレントのネッ
トワークにおいて本件各通信によって送信されたピースから、本件動画の表
現上の本質的な特徴を直接感得することができたものと認めることができる。
15 イ そして、前記1⑴及び弁論の全趣旨によれば、本件各発信者は、ビットト
レントのネットワークにおいて、本件ファイル又はそのピースを保有する他
のピアのユーザと共同して、本件ファイル又はそのピースを、そのダウンロ
ードを要求するピアのユーザという不特定の者によって直接受信されること
を目的として、当該ユーザからの求めに応じ自動的に送信しており、現に、
20 本件各通信によって、本件調査会社に本件ファイルのピースを送信したもの
と認められる。
そうすると、本件各通信は、公衆によって直接受信されることを目的とし
て無線通信又は有線電気通信の送信を行うものであり、かつ、これを公衆か
らの求めに応じ自動的に行ったものであるから、自動公衆送信に該当すると
25 いうことができる。
ウ 以上によれば、本件各通信によって、被告の本件動画に係る著作権(公衆
送信権)が侵害されたことが明らかである(法5条1項1号)。
⑵ア これに対し、原告は、本件各発信者が送信したピースが単体で再生可能で
あるとはいえず、再生試験報告書によっても、当該ピースが本件動画の表現
上の本質的特徴を直接感得できるものであるとはいえないから、公衆送信権
5 が侵害されたことが明らかであるとはいえない旨を主張する。
しかし、仮にピース単体で再生可能でなかったとしても、前記のとおりダ
ウンロードされたピースが本件動画の一部を複製したものであることは動か
ない上、前記⑴ア及びイで説示したところに照らせば、当該ピースの送信を
もって、公衆送信権が侵害されたと評価することを妨げないものというべき
10 である。
イ また、原告は、①原告が行った意見照会に対して、6件に係る契約者が発
信者でないと回答したこと、②一部の再生試験報告書の「日時」と別紙動画
目録記載の「発信時刻」が相違していること等を理由として、本件調査の結
果に信用性はなく、権利侵害に係る通信とは無関係の通信が検出された可能
15 性を否定できない旨を主張する。
しかし、上記①について、証拠(甲2)を踏まえても、上記の回答内容は客
観的な証拠によって裏付けられているものはなく、本件調査の結果の信用性
を否定する根拠として十分とはいえない。
また、上記②について、証拠(乙27、31)によれば、再生試験報告書に
20 記載されている日時は飽くまで本件調査会社のハードディスクにピースファ
イルが書き込まれた日時であり、データをハードディスクに保存するには一
定の時間を要する場合があることは否定できないところ、本件調査会社が別
途実施した再現実験においてもデータを保存するために分単位の時間を要し
たとされていることに照らせば、再生試験報告書に記載されている日時が本
25 件各通信に係るタイムスタンプから遅れることについても合理的に説明が可
能である。以上に加え、証拠(乙5、24、25、33ないし35)によれ
ば、本件再生試験の対象とされたピースのハッシュ値(トレントファイルに
含まれるメタデータであり、他のピアから受け取るピースの正当性を確認す
るデータであるインフォハッシュ)は本件各通信に係るピースのハッシュ値
と合致しており、このハッシュ値で特定されるピースが本件ファイルの一部
5 を構成していることは前記前提事実⑷のとおりであり、このことは、本件調
査会社が行った検証において、ダウンロードしたピースのうち上記の日時の
相違が生じているものと本件ファイルのバイナリデータが一致したこと(乙
37ないし39)によっても裏付けられているというべきである。
その他本件全証拠によっても、ほかに本件調査の結果の信用性や通信の同
10 一性を疑うべき事情は認められない。
ウ したがって、原告の前記各主張は採用することができない。
3 争点3(本件各発信者情報は当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるか)に
ついて
前記2で認定、説示したとおり、本件各通信によって、本件ファイルのピース
15 が自動公衆送信され、被告の本件動画に係る著作権(公衆送信権)が侵害された
ことは明らかであるところ、本件各発信者情報は、本件各通信に係る発信時刻及
びIPアドレス等を特定したものである(前記前提事実⑷)から、
「当該権利侵害
に係る発信者情報」(法5条1項柱書)に該当するものと認められる。
原告は、本件各通信は、本件各発信者と本件調査会社の二者間で行われる通信
20 にすぎず、公衆によって直接受信されることを目的とするものではないから、自
動公衆送信に係る通信とはいえない旨主張するが、前記1のとおり、本件各通信
は、不特定の者に直接受信されることを目的として送信する行為であるから、採
用することはできない。
4 争点4(本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか)について
25 弁論の全趣旨によれば、被告は、本件各発信者に対し、本件動画に係る被告の
著作権が侵害されたことを理由として、不法行為に基づく損害賠償請求をする予
定であることが認められ、そのために、本件各発信者情報の開示を受ける必要が
あるといえるから、被告には、本件各発信者情報の「開示を受けるべき正当な理
由がある」(法5条1項2号)と認められる。
原告は、本件各発信者の故意又は過失について立証されていないことを主張す
5 るが、法5条1項に基づく発信者情報の開示は、発信者に故意又は過失があるこ
とを要件とするものではないから、採用することはできない。
第5 結論
よって、原告に本件各発信者情報の開示を命じた本件決定は相当であるから、
これを認可することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 髙 橋 彩
裁判官 西 山 芳 樹
20 裁判官 瀧 澤 惟 子
(別紙)
省略
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