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令和8(ネ)10017商標権侵害行為差止請求控訴事件

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裁判所 控訴棄却 知的財産高等裁判所
裁判年月日 令和8年9月9日
事件種別 民事
法令 商標権
商標法36条1項1回
キーワード 商標権15回
差止2回
侵害2回
無効審判1回
無効1回
損害賠償1回
審決1回
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事件の概要 )

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判決文

令和8年9月9日判決言渡

令和8年(ネ)第10017号 商標権侵害行為差止請求控訴事件

(原審・東京地方裁判所令和5年(ワ)第70505号)

口頭弁論終結日 令和8年6月24日

判 決

控 訴 人 株式会社エイ・アイ・シー

同訴訟代理人弁護士 錦 織 淳

新 阜 直 茂

被 控 訴 人 エスキー工機株式会社

同訴訟代理人弁護士 河 部 康 弘

藤 沼 光 太

同補佐人弁理士 齋 藤 昭 彦

齋 藤 博 子

主 文

1 本件控訴を棄却する。

2 控訴費用は控訴人の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 控訴の趣旨

1 原判決を取り消す。2 被控訴人は、業務用生ごみ処理機に原判決別紙被告標章目録記載の標章を付してはならない。3 被控訴人は、業務用生ごみ処理機に原判決別紙被告標章目録記載の標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、又は電気通信回線を通じて提供してはならない。4 被控訴人は、業務用生ごみ処理機に関する広告、価格表若しくは取引書類に原判決別紙被告標章目録記載の標章を付して展示し、若しくは頒布し、又

5 はこれらを内容とする情報に同標章を付して電磁的方法により提供してはならない。5 被控訴人は、原判決別紙被告標章目録記載の標章を付した業務用生ごみ処理機並びに同標章を付した業務用生ごみ処理機に関する広告、価格表及び取引書類を廃棄せよ。6 被控訴人は、控訴人に対し、4億1742万2688円及びこれに対する令和7年3月29日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要(以下、略語は、原判決の例による。)

1 本件は、原告商標権を有する控訴人が、被控訴人に対し、被控訴人が業務用生ごみ処理機に被告標章を付して販売すること等により原告商標権が侵害されているとして、商標法36条1項及び2項に基づき差止め及び廃棄を求めるとともに、民法709条に基づき損害賠償金4億1742万2688円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。2 原審は、控訴人の被控訴人に対する原告商標権に基づく権利行使は権利の濫用として許されないとして、控訴人の請求をいずれも棄却した。控訴人は、これを不服として本件控訴を提起した。3 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、後記第3の2のとおり当審における控訴人の主張を付加するほか、原判決「事実及び理由」欄の第2の1~3(2~8頁)に記載のとおりであるから、これを引用する。

第3 当裁判所の判断

1 当裁判所も、控訴人の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、

原判決14頁24行目から15頁2行目までを削除し、後記2において当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほか、原判決「事実及び理由」欄の第3(8~16頁)に記載のとおりであるから、これを引用する。すなわち、「ゴミサー」という標章は、被控訴人が自身の開発した被告商品

5 の名称として発案し、その使用を続けているものであり、控訴人は被告商品の

販売代理店としてこれを使用してきたこと、控訴人は、被告旧商標権の消滅を知ると、被控訴人に無断で本件出願をし、原告商標権を取得したことといった本件の事実経過(原判決を引用)に照らすと、控訴人と被控訴人の間においては、被告旧商標権が消滅し、原告商標権の設定登録がされた後も、控訴人は被控訴人による「ゴミサー」という商品名の使用を尊重すべきものであり、被控訴人はその使用を控訴人に妨げられない正当な利益を有していると解される。したがって、被控訴人による被告標章の使用に対する原告商標権の行使を否定した原審の判断は、これを是認することができる。

2 これに対し、控訴人は、当審において、①控訴人は本件出願に当たって被

控訴人の承諾を得ているし、被控訴人に被告標章を使わせないために本件出願をしたものでもないから、控訴人による原告商標権の取得に背信性はない、

②被控訴人による商標登録無効審判請求につき請求不成立の審決が確定する

など、控訴人による原告商標権の取得は適法なものであることが確認されている、③被控訴人は、自らのずさんな知的財産管理により被告旧商標権を失ったものであって、被控訴人が権利濫用を主張することは不誠実である旨主張する。そこで判断すると、①につき、本件出願につき被控訴人の承諾があったと認められないことは原判決を引用して説示したとおりである。控訴人は、原告商標の登録以降も控訴人が被告商品の販売を続けたこと、被控訴人が作成した本件提案書に原告商標の登録に対する抗議がないことを指摘するが、これらはいずれも原告商標権の取得について被控訴人の承諾を得ていなかったことと矛盾する事情ということはできない。また、控訴人が本件出願をして原告商標権を取得したことに背信性がないとしても、被控訴人に対する権利行使が認められるかはこれとは別問題である。

②につき、商標登録が有効であるからといって、本件の事実関係の下で被控

5 訴人に対する権利行使が否定されると解することの妨げとなるものでない。

③につき、被控訴人による商標権の管理が不適切であったことは確かであり、

本件の紛争はこれに起因するものである。そして、その結果、被控訴人は「ゴミサー」という商品名を独占できないという不利益を負うものであるが、控訴人との関係でその使用を妨げられないと解すべきことは前記のとおりである。したがって、控訴人の上記主張は採用することができない。

第4 結論

以上によれば、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。知的財産高等裁判所第4部裁判長裁判官長 谷 川 浩 二裁判官伊 藤 清 隆裁判官諸 岡 慎 介

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