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平成16(行ケ)94行政訴訟 特許権

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裁判所 東京高等裁判所
裁判年月日 平成17年3月28日
事件種別 民事
対象物 室温硬化性組成物
法令 特許権
特許法41条1回
キーワード 審決2回
訂正審判1回
優先権1回
主文
事件の概要    本件は,原告が有する特許第3335523号(以下「本件特許」とい う。)につきAより特許異議の申立てがされ,特許庁が平成16年2月2日に同異 議の申立てに基づき本件特許を取り消す旨の決定をしたことから,原告がこれを不 服としてその取消しを求めた訴訟である。

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判決文

平成16年(行ケ)第94号 特許取消決定取消請求事件
口頭弁論終結日 平成17年3月23日
判決
原      告  積水化学工業株式会社
訴訟代理人弁理士 宮 崎 主 税
同 目 次   誠
被告        特許庁長官 小川 洋
指定代理人   佐 野 整 博
同 宮 坂 初 男
同 一 色 由美子
同 涌 井 幸 一
同 宮 下 正 之
主文
     1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
   特許庁が異議2003―70978号事件について平成16年2月2日にし
た決定を取り消す。
第2 事案の概要
   本件は,原告が有する特許第3335523号(以下「本件特許」とい
う。)につきAより特許異議の申立てがされ,特許庁が平成16年2月2日に同異
議の申立てに基づき本件特許を取り消す旨の決定をしたことから,原告がこれを不
服としてその取消しを求めた訴訟である。
なお,原告は本件訴訟の提起後,平成16年5月14日に本件特許につき訂
正審判を請求したが,特許庁が同年8月20日に不成立の審決をしたことから,そ
の審決の取消しを求めて訴訟を提起し,同訴訟は当庁平成16年(行ケ)第427
号事件として当裁判所に係属しているが,平成17年3月28日請求棄却の判決が
なされた。
第3 当事者の主張
1 請求の原因
 (1) 特許庁における手続の経緯は,次のとおりである。
 ア 原告は,平成8年3月1日,名称を「室温硬化性組成物」とする発明に
つき特許出願(特許法41条に基づく優先権主張・平成7年3月2日及び平成7年
8月2日)をした。特許庁は,同出願につき,特許すべき旨の査定をし,平成14
年8月2日,特許第3335523号(本件特許)として設定登録をした。
   イ その後,Aより本件特許について特許異議の申立てがされ,同申立ては
異議2003-70978号事件として特許庁に係属した。原告は,同事件の審理
の過程において,本件特許出願の願書に添付されたき明細書の訂正を請求した。
   ウ 特許庁は,上記事件について審理を遂げ,平成16年2月2日,上記訂
正の請求は認められないとした上で,「特許第3335523号の請求項1,2に
係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし,同年2月1
6日,その謄本は原告に送達された。
(2) 発明の内容
ア 訂正前
【請求項1】 数平均分子量が6千~3万の,架橋可能である加水分解性
シリル基を末端に有する主鎖がプロピレンオキシドの重合体100重量部,及び,
ステアリルアミン0.1~20重量部からなることを特徴とする室温硬化性組成
物。
   【請求項2】 更に,平均粒径10~80μmの充填剤を2~30重量部
含有することを特徴とする請求項1記載の室温硬化性組成物。
イ 訂正後 
     訂正前の請求項2を削除した上,請求項1を次のとおり訂正する(下線
部分は訂正箇所)。
【請求項1】 数平均分子量が6千~3万の,架橋可能である加水分解性
シリル基を末端に有する主鎖がプロピレンオキシドの重合体100重量部,艶消し
剤としてのステアリルアミン0.1~20重量部及びシラノール縮合触媒からなる
ことを特徴とする室温硬化性組成物。
  (3) 本件決定の内容
詳細は,別紙のとおりであるが,その要点は,次のとおりである。
   ア 原告のした上記訂正の請求は,願書に添付した明細書に記載された事項
を逸脱するものであるから認められない,
   イ 本件特許の請求項1に係る発明は,特開平6-322251号公報に記
載された発明といわざるを得ず,また,本件特許の請求項2に係る発明は,特開平
6-322251号公報,特開平5-1225号公報,特開平2-129262号
公報及び特開平7-113073号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易
に発明をすることができたものであるから,本件特許は取り消されるべきある,と
いうものである。
2 請求原因に対する認否
請求原因(1)ないし(3)の各事実は認める。本件取消決定に違法はない。
第4 当裁判所の判断
 1 請求原因(1)ないし(3)の各事実は当事者間に争いがない。
 2 原告は,平成16年11月11日の本件2第回弁論準備手続期日におい
て,本件決定を取り消すべき旨の主張をすべて撤回し,本件決定の取消事由の主張
はしない旨述べた。
   上記のとおり,原告は本件決定の取消事由の主張を全くしないから,原告
の本件請求が理由がないことは明らかである。
 3 よって,原告の本件請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
  東京高等裁判所知的財産第1部
       裁判長裁判官   中  野  哲  弘
    裁判官   青  栁     馨
           裁判官 沖  中  康  人

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