平成16(行ケ)321行政訴訟 特許権
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裁判所 |
東京高等裁判所
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裁判年月日 |
平成17年3月2日 |
事件種別 |
民事 |
法令 |
特許権
特許法178条2項1回 民事訴訟法61条1回 意匠法53条1回 特許法171条1回
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キーワード |
審決15回 無効1回
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主文 |
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事件の概要 |
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判決文
平成16年(行ケ)第321号 審決取消等請求事件
判 決
原 告 X
原告補助参加人 全国リボーン側溝工業会
被 告 特許庁長官 小川洋
指定代理人 宮下正之
同 高橋泰史
同 伊藤三男
主 文
1 本件訴えをいずれも却下する。
2 訴訟費用のうち,補助参加に関する費用は補助参加人の負担とし,そ
の余は原告の負担とする。
事実及び理由
1 原告は,「1 平成14年4月3日付,平成10年審判第35242号審決を
破棄する。2 平成16年3月8日付,訂正2002-39132号審決を破棄す
る。3 平成14年3月26日付,無効2000-35055号審決を破棄する。
4 訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求めるものであり,その理由とし
て主張するところは,要するに,「特許庁が,一部の者のために利益供与を謀り,
憲法15条及び刑法193条並びに国家公務員法82条等に違反して,再三にわた
り不当な審決を行い,その結果,原告が訴外株式会社ウチコンとの間で係争中の訴
訟事件に極めて影響を与え,原告に不利益を被らせている。このように不当な確定
審決により権利を害された原告は,自己の責めに帰すことができない理由及び公務
員らの妨害により訴訟に参加することができなかったため審決に影響を及ぼすべき
攻撃及び防御の方法を提出することができなかったものであり,行政事件訴訟法3
4条及び特許法178条2項に基づき,請求の趣旨記載の各審決の破棄を求め
る。」というものである。
2 原告の本件訴えは,確定審決の取消を求める趣旨であると解されるところ,既
に確定した審決に対しては,一定の事由がある場合に,特許法の定めるところに従
い再審の請求の方法によってその是正を求めることができるだけで(特許法171
条ないし174条。なお,意匠法53条ないし58条),裁判所に対し,直接,確
定審決の取消を求めることは許されないものである(なお,特許法178条は,確
定する前の審決等に対する訴えについて定めたものであることは明らかであ
る。)。したがって,本件訴えは,不適法であり,その不備を補正することができ
ないものである。
また,原告は,行政事件訴訟法34条に基づいて請求の趣旨記載の各審決の取
消を求めるとも主張しているが,行政事件訴訟法34条は,確定した終局判決に対
する第三者の再審の訴えについて規定したものであって,行政庁のした確定した裁
決等の再審(取消)を求めることができることを定めたものではないから,同条
は,確定審決の再審(取消)を求める根拠とはなり得ない。なお,仮に,本件訴え
が,請求の趣旨記載の各確定審決に至る過程においてされた確定した終局判決に対
する再審の訴えを含む趣旨であるとしても,行政事件訴訟法34条に基づく第三者
の再審の訴えは,再審の対象となる確定判決に係る事件の当事者双方(原告及び被
告)を被告として提起すべきものであるから,特許庁長官のみを被告とする本件訴
えは,この点において不適法である。したがって,行政事件訴訟法34条に基づく
訴えとしても,本件訴えは,不適法であり,その不備を補正することができないこ
とは明らかである。
3 よって,本件訴えをいずれも却下することとし,訴訟費用の負担について,行
政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条及び66条を適用して,主文のとおり判決す
る。
東京高等裁判所知的財産第3部
裁判長裁判官 佐 藤 久 夫
裁判官 設 樂 隆 一
裁判官 高 瀬 順 久
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