知財判決速報/裁判例集知的財産に関する判決速報,判決データベース

ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 平成14(ワ)3052 民事訴訟 特許権

この記事をはてなブックマークに追加

平成14(ワ)3052民事訴訟 特許権

判決文PDF

▶ 最新の判決一覧に戻る

裁判所 東京地方裁判所
裁判年月日 平成14年9月10日
事件種別 民事
法令 特許権
キーワード 実施11回
特許権5回
損害賠償3回
侵害1回
差止1回
主文
事件の概要

▶ 特許権に関する裁判例

本サービスは判決文を自動処理して掲載しており、完全な正確性を保証するものではありません。正式な情報は裁判所公表の判決文(本ページ右上の[判決文PDF])を必ずご確認ください。

判決文

平成14年(ワ)第3052号 損害賠償等請求事件

口頭弁論終結日 平成14年6月21日

    判      決

原       告     A

訴訟代理人弁護士    萩  原  清  光

補佐人弁理士 富  田  幸  春

被      告    株式会社一典工業

   訴訟代理人弁護士 武  末  昌  秀

      主      文

    1 原告の請求をいずれも棄却する。

    2 訴訟費用は原告の負担とする。

    事実及び理由

第1 請求

1 被告は,別紙物件目録記載の物件を製造,販売,頒布してはならない。2 被告は原告に対し,金750万円及びこれに対する平成14年2月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

1 争いのない事実

(1) 原告の特許権  原告は,次の特許権(以下「本件特許権」といい,特許請求の範囲請求項の発明を「本件発明」という。また,本件特許に係る明細書を,「本件明細書」という。なお,本件特許公報を,本判決に添付する。)を有している。   ア 特許番号   第2115716号   イ 発明の名称 混合装置付バケット   ウ 出願日    平成3年1月22日   エ 出願公告   平成7年11月29日   オ 登録日 平成8年12月6日   カ 特許請求の範囲請求項1「掘削機械に取付けて使用するバケットにおいて,前記バケットは2枚の側板と前記各側板の底面に曲線を有して形成された底板とでバケット本体を形成し,前記両側板間にはシャフトを設けてモータにて駆動すると共に,前記シャフトには所定間隔をへだてた位置に夫々ヒネリ角を有して複数の混合羽根を固定し,かつ前記各混合羽根の取付位置に対応した底板側には長手方向に沿って複数のスリット状開口部を備えたことを特徴とする混合装置付バケット。」

(2) 構成要件の分説本件発明は,次のように分説される。ア 掘削機械に取り付けて使用するバケットにおいて,イ 前記バケットは2枚の側板とウ 前記各側板の底面に曲線を有して形成された底板とでバケット本体を形成し,エ 前記両側板間にはシャフトを設けてモーターにて駆動すると共に,オ 前記シャフトには所定間隔をへだてた位置に夫々ヒネリ角を有して複数の混合羽根を固定し,カ 前記各混合羽根の取付位置に対応した底板側には長手方向に沿って複数のスリット状開口部を備えたことを特徴とする混合装置付バケット

(3) 被告は,別紙物件目録の図面記載の混合装置付きバケット(以下「被告製品」という。)を製造し,使用した。2 本件は,本件特許権を有する原告が被告製品を製造し使用した被告の行為が本件特許権を侵害すると主張して,差止め及び損害賠償を請求している事案である。3 本件の争点

(1) 被告製品は構成要件ウの「底板」を備えているかどうか。

(2) 被告製品は構成要件カの「スリット状開口部」を備えているかどうか。

(3) 被告製品は構成要件カの「各混合羽根の取付位置に対応したスリット状開口部」を備えているかどうか。

(4) 争点(1)ないし(3)に関して原告が被告製品は構成要件を備えていると主張することは,禁反言の法理に反するかどうか。

(5) 損害の発生及び数額

第3 争点に対する当事者の主張

 1 争点(1)について【

(原告の主張)

】被告製品は,別紙物件目録記載のとおり「底板」を備えている。【

(被告の主張)

】

(1) 「底」とは,「凹んだものや容器の下のところ,物体の下面(広辞苑)」

であり,「板」とは「材木を薄く平たくひきわったもの,金属又は石などを平たくしたもの(広辞苑)」であるから,掘削機械に取り付けて使用するバケットにおける「底板」は,バケットの底面部を金属製の板で構成したものである。被告製品の底面部は,格子状の金属製の棒で構成されているから,「底板」があるとはいえない。

(2) 本件明細書には「側板(両側板)と底板3とで一定容量を有するバケット

を形成し」ている,「取込まれた固化剤と土はバケット内にて充分混合される。」,「土は底板3に穿たれた開口部17を介して・・・一部は後方に排出される。・・・全部が開口部17から排出されるものではなく」との各記載があることからすると,「底板」とは「一定容量の土を保持するべく平たい面を有するもの」を指すと解される。  被告製品のバケットの底面部は,底部で土が混合されつつその都度全部が底面から排出されるものであり,空間隙間を大きく有する格子状の金属製の棒で構成されているから,「底板」に当たらない。

(3) 原告が被告製品において「底板」であると主張する部分は,バケットのア

ームを支える「後部板」及び爪を支持する「前部板」であるから,「底板」には当たらない。 2 争点(2)について【

(原告の主張)

】被告製品は,別紙物件目録記載のとおり「スリット状開口部」を備えている。【

(被告の主張)

】

(1) 上記1【

(被告の主張)

】のとおり,被告製品には「底板」がなく,格子状の開口部が存在するのみであるので,これを基とする「スリット状開口部」は存在しない。

(2) 「スリット」とは,「光線または粒子線の幅を制限するための細い隙間,

細隙,衣服の長い切り込み(広辞苑)」を意味するから,「長手方向に沿ったスリット状開口部」とは一定方向に細長い開口部を指すと解される。 被告製品の底部の開口部である隙間は鉄棒の面積よりはるかに広いから「スリット状開口部」に当たらない。

(3) 本件明細書における「スリット状開口部」が設けられた「底板」の説明の

記載からすると,「底板」は,平面上で一定容量の土が混合され,一部の土はバケット前部の土砂取り入れ口から排出されるまで平面上で保持されるものであるから,底板に設けられるスリット状開口部は一部の土砂のみ排出し一部の土砂を保持する程度の隙間であることが要求される。 被告製品の開口部は,土砂取り入れ口から取り込まれて混合された土砂が底部に保持されることなくその都度底部から全土排出される広い空間で構成されているから,「スリット状開口部」を有しない。

3 争点(3)について

【

(原告の主張)

】被告製品は,別紙物件目録記載のとおり,シャフトに沿って所定間隔を経てヒネリ角を有して設けた複数の混合羽根に対応した位置にスリット状開口部を設けている。【

(被告の主張)

】 被告製品において,混合羽根は6個あるのに対し,原告がスリット開口部であると主張している開口部は8個あるから,各混合羽根の取り付け位置にスリット状開口部が対応しているとはいえない。

4 争点(4)について

【

(被告の主張)

】原告は,本件特許の出願経過において,特許庁から「底面部に開口部を構成する」ことは公知の技術であるとして示された実開平2-89041号(乙7)の底面部の開口部の構成について,その開口部が格子状の鉄棒で構成されているため,格子を構成している鉄棒の「横棒」の部分が改良土の排出を阻止して目詰まりを起こすことを主張して,「横棒」がないもの,「開口部」を「底板に設けるもの」で「長手方向に沿ったスリット状のもの」,スリット状の開口部を「混合羽根の取り付け位置に対して」設けるものに限定した。上記出願経過からすると,原告は,「底板」が存在しない構成,「横棒」が存在する構成,格子状の広い空間が存在する構成及びこの空間が「混合羽根の取り付け位置に対応」しない構成を有する被告製品が本件発明の構成要件を具備すると主張することは,禁反言の法理に反する。【

(原告の主張)

】争う。

5 争点(5)について

【

(原告の主張)

】原告が製造する混合装置付きバケットは1台820万円であるところ,被告は少なくとも被告製品を2台製造したので,損害額は1640万円である。原告は,そのうち,750万円を原告の損害として請求する。【

(被告の主張)

】争う。

第4 当裁判所の判断

1 本件特許の出願経過証拠(乙3ないし10)及び弁論の全趣旨によると,本件特許の出願経過について,以下の事実が認められる。

(1) 原告は,特許庁に対し,平成3年1月22日,本件特許の出願をしたが,その際の特許請求の範囲は,以下のとおりであった。【請求項1】「掘削作業に使用するバケットにおいて,前記バケット内にはモータによって回動する混合装置を設けると共に,噴射装置を設けて外部にある固化剤供給源に接続し,かつモータの回転数を調整可能としたことを特徴とする混合装置付バケット。」【請求項2】「バケット本体の底板には所定数の開口部を設けたことを特徴とする請求項項記載の混合装置付バケット。」

(2) これに対し,特許庁審査官は,平成6年11月8日,①バケットに開口部を設けることは,乙7(実開平2-89041号)に開示されている,②地盤改良に用いられる装置に噴射装置を設けることは周知であるとの理由から拒絶理由通知を行った。

(3) 原告は,特許庁に対し,同年12月26日,特許請求の範囲を前記第2の(1)カのとおりとする手続補正書及び意見書を提出した。意見書の中で原告は以下のとおり述べている。ア 第2引例(乙7,以下同じ。)のものは,バケット裏面の中間部に格子部を設けているが,作用的にはなはだ疑問である。一般に土質改良するための改良対象土は,土質が軟弱である。更に詳しく言えば含水性があって粘性を有しているのが普通である。この種の改良対象土をバケット内に取り込んで攪拌体にて攪拌したとき,土壌改良剤と混合されたものが,格子部から後方に抜けなければならない。しかし引例の第1図に示されるように攪拌体19が回転し,これによって遠心力にて格子部に取り込んだ改良対象土は格子の横棒にてことごとく排出を阻止されて目詰りを起こし,排出不能になることは明らかである。なんとなれば排出力は,格子部の設けられた全周面長に均等に作用しており,これが格子を構成する各横棒で阻止されているからである。イ 本件発明は(イ)シャフトに対して混合羽根を所定間隔に複数個設けたこと,(ロ)混合羽根はヒネリ角を設けてシャフトに取り付けたこと,(ハ)底板側に設けた開口部は底板の長手方向に沿ってスリット状としたこと,(ニ)スリット状の開口の位置は混合羽根の取付位置に対応して設けたこと,を骨子とするところ,(イ),(ロ)があるからこそ,取り込まれた改良対象土は,所定量が充分に混合され,かつヒネリ角をもって移送されるため,混合羽根からの土類の剥離が容易となり,(ハ)があるからこそ遠心力による排出力を阻止する障害がなく,(ニ)があるからこそ混合羽根によって混合された改良対象土の移送先が確実になって排出の容易性を達成できるものである。

(4) 本件特許は,平成7年11月29日出願公告され,平成8年12月6日登録された。

2 上記1で認定した事実によると,原告は,本件特許の出願経過において,上記1認定のとおり特許請求の範囲を補正し,乙7のように複数の縦棒と複数の横棒とからなる格子状の開口部を設けると改良対象土は目詰まりを起こしてしまうが,長手方向に沿って複数のスリット状開口部とし,かつその取付位置を各混合羽根の取付位置に対応した底板側とすれば,改良対象土の排出についての障害がなくなり,移送先が確実になって容易に排出することができるようになると主張していたものと認められる。 3 争点(1)について(1) 本件特許請求の範囲には,「底板」に関して,「・・・前記バケットは2枚の側板と前記各側板の底面に曲線を有して形成された底板とでバケット本体を形成し・・・」との記載がある。 また,本件明細書中の【課題を解決するための手段及び作用】には,「一定量のバケット内にて所定量の固化剤が土と混合されるため,定量混合が可能であるばかりか,混合羽根によってヒネリが加えられた土は,底板に穿たれたスリット状開口部を介して,一部は後方に排出される。」との記載があり,【実施例】には,【0005】「・・・図1において,1はバケットを構成する側板であり,先端には爪2が設けてある。3は曲線を有して形成された底板であり,前記した側板(両側板)と底板3とで一定容量を有するバケットを形成している。」,【001】「前記したように破砕板14と混合羽根16によってヒネリが2段に加えられた土は,底板3に穿たれた開口部17を介して,混合された状態で一部は後方に排出される。この場合,全部が開口部17から排出されるものではなく,残りは図1の排土工程にて排出される。」との記載がある。 さらに,「底」とは「凹んだものや容器の下のところ」,「物体の下面」を意味し(広辞苑第5版1565頁),「板」とは「材木を薄く平たくひきわったもの」,「金属又は石などを平たくしたもの」(広辞苑第5版148頁)を意味する。したがって,本件発明における「底板」は,バケットのうち2枚の側板の間にある下の部分であって,平たい「板」によって構成されており,かつ,その底面が曲線で形成されており,一定量の土を底板から排出することなく保持することができる部分であるということができる。(2) 原告は,被告製品において,別紙物件目録の添付図面の③で示された部分が,「底板」であると主張するが,証拠(甲4の1ないし6,乙11の1ないし)によると,この③の部分は,ほぼ直線状であるうえ,一定量の土を保持することができるような形状にもなっていないと認められるから,この部分は,「底板」に当たらない。また,この③の部分と開口部⑨の部分を合わせたもので考えても,開口部⑨の部分は,格子状であって,平たい「板」によって構成されているということはできない(したがって,平たい板の底面が曲線で形成されているということもできない。)のみならず,後記4(4)認定のとおり,土を保持することもできないから,これらの部分が「底板」に当たると認めることはできない。そして,他に,被告製品に「底板」が存すると認めることはできない。

4 争点(2)について(1) 「スリット」とは,「光線または粒子線の幅を制限するための細い隙間,細隙,衣服の長い切り込み」を意味する(広辞苑第5版1453頁)から,「スリット状開口部」とは開口部が細長い隙間となっているものを指すと解される。(2) また,「スリット状開口部」に関して,本件明細書の【課題を解決するための手段及び作用】には,「・・・混合羽根によってヒネリが加えられた土は,底板に穿たれたスリット状開口部を介して,一部は後方に排出される。」との記載があり,【実施例】には,【0012】「前記したように破砕板14と混合羽根16によってヒネリが2段に加えられた土は,底板3に穿たれた開口部17を介して,混合された状態で一部は後方に排出される。この場合,全部が開口部17から排出されるものではなく,残りは図11の排土工程にて排出される。」との記載があることが認められる。上記各記載からすると,「スリット状開口部」は,混合羽根によってヒネリが加えられた土の全部ではなくその一部を排出するものであり,残りの土を排出するためには本件明細書添付の図11の排土工程を要するものと解される。(3) さらに,前記1認定のとおり,原告は,本件特許の出願過程において,本件発明は,複数の縦棒と複数の横棒とからなる格子状の開口部を有する引例(乙)記載のものとは異なる旨主張している。(4) 証拠(甲4の1ないし6,乙11の1ないし6)によると,被告製品のバケットの開口部⑨は,複数の縦棒と複数の横棒とからなる格子状となっており,空間部の面積が広いことが認められるから,細長い隙間とは言い難いものである。  また,証拠(甲3の1,2,検甲1)及び弁論の全趣旨によると,埼玉八栄工業株式会社が製造する混合装置付きバケットの開口部は,複数の縦棒と複数の横棒とからなる格子状となっており,被告製品とほぼ同様の構造であること,埼玉八栄工業株式会社が製造する混合装置付きバケットは,本件明細書添付の図10に記載されている混合工程において混合された土のほぼすべてが格子状の開口部から排出され,図11の排土工程において残りの土を排出することを要しないこと,以上の事実が認められるから,被告製品においても,本件明細書添付の図10に記載されている混合工程において混合された土のほぼすべてが格子状の開口部から排出され,図11の排土工程において残りの土を排出することを要しないものと考えられる。  さらに,被告製品は,複数の縦棒と複数の横棒とからなる格子状の開口部を有する点において,原告が本件特許の出願過程において,本件発明とは異なるものとして除外した構成を有している。そうすると,被告製品の開口部⑨は,「スリット状開口部」に当たるということはできない。

5 争点(3)について(1) 構成要件カの「混合羽根の取付位置に対応したスリット状開口部」は,文字通り理解すると,混合羽根の取付位置にスリット状開口部が1:1で対応していることを意味するものと認められる。(2) また,本件明細書添付の図7には,実施例として,シャフト11に設けられた混合羽根16と底板3に設けられたスリット状開口部17とが1:1に対応した構造が記載されており,本件明細書の【実施例】には,【0012】「・・・上記実施例によれば開口部17は,混合羽根に対応して1:1に設けるものとして説明したが,これに限定されるものではない。むしろ1:1に設けることなく,その開口部位置及び大きさを変えることにより,より混合効率を向上させることが可能である。」との記載がある。 前記1認定の事実に証拠(乙4,9)を総合すると,本件特許の出願当初の特許請求の範囲は,前記1(1)認定のとおりであり,混合羽根の取付位置とスリット状開口部との関係を限定しないものであったところ,後に補正をして,「混合羽根の取付位置に対応したスリット状開口部」と,混合羽根の取付位置とスリット状開口部との関係を限定したこと,上記の本件明細書の【実施例】の記載は,出願当初から存した記載であること,本件明細書は,上記補正においても,【特許請求の範囲】と【課題を解決するための手段及び作用】を補正したのみで,実施例については,補正されなかったこと(そのため,上記の本件明細書の【実施例】の記載以外にも,明らかに本件発明の実施例とはいえない記載がある。),上記(1)のとおり「混合羽根の取付位置に対応したスリット状開口部」は,文字通り理解すると,混合羽根の取付位置にスリット状開口部が1:1で対応していることを意味するものと認められることを総合すると,上記の本件明細書の【実施例】の記載,すなわち,「これに限定されるものではない。むしろ1:1に設けることなく,その開口部位置及び大きさを変えることにより,より混合効率を向上させることなく,その開口部位置及び大きさを変えることにより,より混合効率を向上させることが可能である。」との記載は,本件発明の実施例についての記載であるとは認められない。(3) さらに,前記1で認定したとおり,原告は,本件特許の出願過程において,スリット状の開口の位置を混合羽根の取付位置に対応して設けることによって,混合羽根によって混合された改良対象土の移送先が確実になって,容易に改良対象土を排出することができると補正の理由を述べている。(4) 以上を総合すると,「混合羽根の取付位置に対応したスリット状開口部」は,混合羽根の取付位置にスリット状開口部が1:1で対応していることを意味するものと認められる。

(5) 証拠(甲4の1ないし6,乙11の1ないし6)及び弁論の全趣旨によると,被告製品の混合羽根は6個であるのに対し,開口部は,横方向に8個に分かれており,被告製品においては,開口部は混合羽根の取付位置に対応して1:1に設けられていないものと認められる。

6 原告は,原告製品と被告製品とを比較して,これらが同一であることを理由に被告製品は本件発明の技術的範囲に属するとも主張しているが,被告製品が本件発明の技術的範囲に属するということができるためには,被告製品が本件発明の構成要件を充足していなければならず,原告製品と同一であるかどうかは関係がないから,原告の上記主張は失当である。

7 なお,原告は本件口頭弁論終結後,口頭弁論再開の申立てをし,被告による原告製品と類似する被告製品の販売は,原告に対する営業妨害であるとして不法行為に基づく損害賠償請求を追加しているが,被告製品が原告製品と類似しているということのみで被告製品の販売が原告に対する営業妨害であり不法行為となるということはできないから,原告の上記請求は理由がなく,口頭弁論の再開はしないこととする。

8 よって,その余の争点について判断するまでもなく,原告の各請求はいずれも理由がない。

  東京地方裁判所民事第47部

   裁判長裁判官   森   義 之

   裁判官   内 藤 裕 之

    裁判官   上 田 洋 幸

(別紙)

物件目録正面図側面図後面図

最新の判決一覧に戻る

法域

特許裁判例 実用新案裁判例
意匠裁判例 商標裁判例
不正競争裁判例 著作権裁判例

最高裁判例

特許判例 実用新案判例
意匠判例 商標判例
不正競争判例 著作権判例

今週の知財セミナー (11月2日~11月8日)

11月5日(木) - オンライン

第69回東北大学知財セミナー

11月5日(木) - 東京 港

研究開発戦略と知的財産

来週の知財セミナー (11月9日~11月15日)

11月11日(水) - 大阪 大阪市

実務におけるノウハウ管理基礎

11月12日(木) - 大阪 大阪

特許侵害予防調査の基礎

11月12日(木) - オンライン

営業秘密管理セミナー

11月13日(金) - オンライン

米国での特許権利化(機械)

特許事務所紹介 IP Force 特許事務所紹介

新名古屋特許商標事務所

〒453-0012 愛知県名古屋市中村区井深町1番1号 新名古屋センタービル・本陣街2階 243-1号室 特許・実用新案 意匠 商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

康信国際特許事務所(北京康信知識産権代理有限責任公司)

Floor 16, Tower A, InDo Building, A48 Zhichun Road, Haidian District, Beijing 100098, P.R. China 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 訴訟 鑑定 コンサルティング 

富士国際特許事務所

【名古屋オフィス】 〒462-0002愛知県名古屋市中区丸の内2-10-30インテリジェント林ビル2階 【可児オフィス】 〒509-0203岐阜県可児市下恵土 特許・実用新案 意匠 商標 外国特許 外国意匠 外国商標 鑑定 コンサルティング