平成11(行ケ)177行政訴訟 実用新案権
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裁判所 |
却下 東京高等裁判所
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裁判年月日 |
平成12年3月21日 |
事件種別 |
民事 |
法令 |
実用新案権
実用新案法3条2項1回 民事訴訟法61条1回
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キーワード |
審決12回 無効4回 無効審判2回 進歩性1回 実用新案権1回
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主文 |
本件訴えを却下する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事件の概要 |
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判決文
平成11年(行ケ)第177号審決取消請求事件
判 決
原 告 アイリスオーヤマ株式会社
代表者代表取締役 A
訴訟代理人弁護士 吉 武 賢 次
同弁理士 B
同弁理士 C
被 告 株式会社グリーンライフ
代表者代表取締役 D
訴訟代理人弁護士 吉 井 剛
同 吉 井 雅 栄
被 告 破産者金沢樹脂工業株式会社破産管財人 E
主 文
本件訴えを却下する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 原告の請求
特許庁が平成9年審判第8448号事件について平成11年4月16日にした審
決を取り消す。
訴訟費用は被告らの負担とする。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯
原告は、考案の名称を「ホースリール」とする登録第1984515号実用新案
(昭和61年1月14日出願、平成2年7月16日公告、同5年9月24日設定登
録。以下「本件考案」という。)の実用新案権者である。
被告らは、平成9年5月14日、本件考案の実用新案登録について無効審判の請
求をした。特許庁は、これを平成9年審判第8448号事件とし、平成8年審判第
862号事件と併合して審理した。原告は、この審理の過程において、平成10年
7月10日、本件考案について、訂正請求をした(以下「本件訂正請求」とい
う。)。審決は、上記審理の結果、平成11年4月16日、「登録第198451
5号実用新案の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審
決をし、平成11年5月19日、その謄本を原告に送達した。
2 本件考案の実用新案登録請求の範囲
(1) 本件訂正請求前の実用新案登録請求の範囲
「ホースを巻き取るリール1が互に結合された左右フレーム2,3の間に回転自在
に支持されているホースリールにおいて、左右フレームの各々が内側に向って一体
に延びる複数の中空の杆体7,8を有しており、対応する杆体の一方の先端にソケ
ット14が形成されており、ソケットに他方の杆体の先端部を差し込んで、杆体の
中心軸に沿ったねじ15で結合したことを特徴とするホースリール。」
(2) 本件訂正請求に係る実用新案登録請求の範囲
「ホースを巻き取るリール(1)が互に結合された左右フレーム(2、3)の間に回転自
在に支持されているホースリールにおいて、左右フレームの各々が内側に向って一
体に延びる複数の中空の杆体(7,8)を有しており、対応する杆体の一方の先端
に、他方の杆体の先端部を差し込んで両杆体を結合可能なソケット(14)が形成され
ており、ソケットに他方の杆体の先端部を差し込んで結合するとともに、ソケット
と該ソケットに差し込まれた他方の杆体の先端部とを杆体の中心軸に沿ったタップ
ねじ(15)で結合したことを特徴とするホースリール。」
3 審決の理由
別紙審決書の理由の写しのとおり
第3 原告主張の審決取消理由の要旨
審決は、本件訂正請求は認められるべきであるのにこれを認めず、また、仮に本
件訂正請求が認められないとしても、本件考案には進歩性があるのにこれを認めな
かった結果、本件考案に係る実用新案登録は実用新案法3条2項に違反してされた
ものであると誤った判断をしたものであり、違法であるから取り消されるべきであ
る。
第4 当裁判所の判断
1 特許庁が、本件考案の実用新案登録に関する二つの無効審判事件(被告株式会
社グリーンライフを請求人、原告を被請求人とする平成8年審判第862号事件、
及び、同被告及び金沢樹脂工業株式会社を請求人、原告を被請求人とする平成9年
審判第8448号事件)を併合して審理したうえ、平成11年4月16日付けで、
事件番号を「平成8年審判第862号、平成9年審判第8448号」、及び、「平
成9年審判第8448号、平成8年審判第862号」とする二つの審決を、いずれ
もその主文を「登録第1984515号実用新案の登録を無効とする。審判費用
は、被請求人の負担とする。」としてなし、原告は、上記両審決の取消しを求めて
当裁判所に二つの訴えを提起し、これらが平成11年(行ケ)第177号(本件)、
同年(行ケ)第178号各審決取消請求事件として係属していることは、当裁判所に
顕著である。
2 乙第6号証によれば、被告らは、平成11年12月24日付けの原告の承諾を
得たうえで、平成12年2月22日付けで、上記平成9年審判第8448号審判請
求を取り下げたことが認められる。
3 そうすると、平成9年審判第8448号事件は、上記取下げによって、初めか
ら係属していなかったものとみなされるから、同事件に係る審決の効力は遡及的に
消滅するに至り、本件訴えは、取り消すべき対象を欠いて不適法であり、その不備
は補正することができないことが明らかである。
よって、原告の本件訴えを却下することにし、訴訟費用の負担について行政事件
訴訟法7条、民事訴訟法61条の各規定を適用して、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第6民事部
裁判長裁判官 山 下 和 明
裁判官 山 田 知 司
裁判官 宍 戸 充
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