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Myリストに登録 第3章 実用新案登録に基づく特許出願

最終更新 2005.3

特許法第46条の2参照ウィンドウに表示

実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。この場合においては、その実用新案権を放棄しなければならない。
その実用新案登録に係る実用新案登録出願の日から三年を経過したとき。
その実用新案登録に係る実用新案登録出願又はその実用新案登録について、実用新案登録出願人又は実用新案権者から実用新案法第十二条第一項に規定する実用新案技術評価(次号において単に「実用新案技術評価」という。)の請求があつたとき。
その実用新案登録に係る実用新案登録出願又はその実用新案登録について、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者がした実用新案技術評価の請求に係る実用新案法第十三条第二項の規定による最初の通知を受けた日から三十日を経過したとき。
その実用新案登録について請求された実用新案法第三十七条第一項の実用新案登録無効審判について、同法第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。
2
前項の規定による特許出願は、その願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が当該特許出願の基礎とされた実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にあるものに限り、その実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなす。ただし、その特許出願が第二十九条の二参照ウィンドウに表示に規定する他の特許出願又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用並びに第三十条第四項参照ウィンドウに表示第三十六条の二第二項参照ウィンドウに表示第四十一条第四項参照ウィンドウに表示第四十三条第一項参照ウィンドウに表示第四十三条の二第三項参照ウィンドウに表示において準用する場合を含む。)及び第四十八条の三第二項参照ウィンドウに表示の規定の適用については、この限りでない。
3
第一項参照ウィンドウに表示の規定による特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第三号に規定する期間を経過するまでにその特許出願をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその特許出願をすることができる。
4
実用新案権者は、専用実施権者、質権者又は実用新案法第十一条第三項において準用するこの法律第三十五条第一項参照ウィンドウに表示、実用新案法第十八条第三項において準用するこの法律第七十七条第四項参照ウィンドウに表示若しくは実用新案法第十九条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、第一項の規定による特許出願をすることができる。
5
第四十四条第三項参照ウィンドウに表示及び第四項参照ウィンドウに表示の規定は、第一項参照ウィンドウに表示の規定による特許出願をする場合に準用する。

Myリストに登録1. 実用新案登録に基づく特許出願の規定の趣旨

実用新案登録出願は特許出願へ出願の変更をすることが認められているが、実用新案登録出願は実体審査を経ることなく登録されるので、実際に出願の変更をすることができる期間は非常に短い。技術動向の変化等により特許への変更を行いたいときであっても、変更の機会が制限されているため、実用新案登録後にも所定の要件の下で、その登録に基づいて特許出願を行うことができることとしたものである。

Myリストに登録2. 実用新案登録に基づく特許出願の要件

Myリストに登録2.1 形式的要件

Myリストに登録2.1.1 実用新案登録に基づく特許出願ができる者

実用新案登録に基づく特許出願ができる者は、実用新案権者である(第46条の2第1項参照ウィンドウに表示)。

ただし、実用新案権者は、専用実施権者、質権者又は通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得ることが必要である(第46条の2第4項参照ウィンドウに表示)。

Myリストに登録2.1.2 時期的制限

次の場合を除き、実用新案登録に基づく特許出願をすることができる。

(1)

実用新案登録に係る実用新案登録出願の日から3年を経過したとき(第46条の2第1項第1号参照ウィンドウに表示

(2)

実用新案登録出願人又は実用新案権者から実用新案技術評価の請求があったとき(同第2号参照ウィンドウに表示

(3)

実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者がした実用新案技術評価の請求があった旨の最初の通知を受けた日から30日を経過したとき(同第3号参照ウィンドウに表示

(4)

実用新案登録について請求された無効審判について、最初に指定された答弁書提出期間を経過したとき(同第4号参照ウィンドウに表示

Myリストに登録2.1.3 実用新案権の放棄

実用新案登録に基づいて特許出願をするときは、その実用新案権を放棄しなければならない(第46条の2第1項参照ウィンドウに表示、施行規則第27条の6)。

Myリストに登録2.2 実体的要件

実用新案登録に基づく特許出願が、その登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなされるためには、次の二つの実体的要件を満たしていなければならない。

(1)

特許出願に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が、当該特許出願の基礎とされた実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にあること(第46条の2第2項参照ウィンドウに表示

(2)

特許出願に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が、当該特許出願の基礎とされた実用新案登録に係る実用新案登録出願の出願当初の明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内にあること

特許出願に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が「実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面」又は「実用新案登録出願の出願当初の明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面」に記載した事項の範囲内のものであるか否かの判断は、新規事項の判断と同様に行う(新規事項の判断については、「第Ⅲ部第Ⅰ節 新規事項」を参照。)。

(1)の要件において、実用新案登録後に明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正があったときは、「訂正後の」明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面が、実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面となる。

(説明) 実用新案登録に基づく特許出願がその実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなされるという第46条の2第2項参照ウィンドウに表示に規定する効果を考慮すると、上記(1)の要件に加えて(2)の要件も満たす必要がある。

Myリストに登録3. その他の留意事項

Myリストに登録3.1 第46条の2第2項ただし書参照ウィンドウに表示の規定について

上記「2. 実用新案登録に基づく特許出願の要件」を満たす実用新案登録に基づく特許出願は、実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなされる(第46条の2第2項参照ウィンドウに表示)が、次の場合については現実に出願手続をした時に出願したものとして扱う(第46条の2第2項ただし書参照ウィンドウに表示)。

(1)

特許法第29条の2参照ウィンドウに表示に規定する「他の特許出願」又は実用新案法第3条の2に規定する「特許出願」としての適用

(2)

第30条第4項参照ウィンドウに表示第36条の2第2項参照ウィンドウに表示第41条第4項参照ウィンドウに表示第43条第1項参照ウィンドウに表示第48条の3第2項参照ウィンドウに表示の規定の適用

Myリストに登録3.2 実用新案登録に基づく特許出願に係る発明と基礎とした実用新案登録に係る考案との関係

実用新案登録に基づく特許出願に係る発明と、基礎とした実用新案登録に係る考案とが同一であっても、実用新案登録に基づく特許出願は特許法第39条第4項参照ウィンドウに表示の拒絶理由には該当しない(同項かっこ書)。

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