ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和6(行ケ)10052 審決取消請求事件
| 裁判所 | 請求棄却 知的財産高等裁判所知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和7年2月26日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 当事者 | 原告株式会社東名パワード 被告トーメイパワードユーエスエーインコーポレイテッド |
| 法令 |
商標権 商標法4条1項10号13回 商標法4条1項15号9回 商標法2条3項5回 商標法2条3項1号1回 |
| キーワード | 審決30回 無効8回 無効審判4回 刊行物3回 商標権2回 拒絶査定不服審判1回 実施1回 |
| 主文 | 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。25 |
| 事件の概要 | 1 特許庁における手続の経緯等5 ⑴ 被告は、次の商標(以下「本件商標」という。)について、令和3年8月3 |
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令和7年2月26日判決言渡
令和6年(行ケ)第10052号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 令和6年12月19日
判 決
原 告 株 式 会 社 東 名 パ ワ ー ド
同訴訟代理人弁護士 杉 村 光 嗣
同 岡 本 岳
同 深 津 拓 寛
同 田 邉 実
同 髙 橋 恵 美
同訴訟代理人弁理士 村 松 由 布 子
同 福 村 直 久
被 告 トーメイ パワード ユーエスエー
インコーポレイテッド
同訴訟代理人弁理士 潮 﨑 宗
同 渡 辺 貴 康
同 林 郁 夫
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
特許庁が無効2022-890027号事件について令和6年4月25日にした審決を取り消す。
第2 事案の概要
5 1 特許庁における手続の経緯等
⑴ 被告は、次の商標(以下「本件商標」という。)について、令和3年8月31日に商標登録を受けた(登録番号第6435983号)。なお、本件商標については、被告の登録出願に対し、拒絶査定がされたが、被告が拒絶査定不服審判を請求し、上記拒絶査定を取り消す、本件商標は登録すべきものとする旨の同年6月17日付け審決(以下「本件登録審決」ということがある。)がされた。(甲1、2、108、122)商標の構成指定商品 第12類「動力伝導装置(陸上の乗物用の機械要素)」登録出願日 平成31年3月8日設定登録日 令和3年8月31日
⑵ 原告は、令和4年4月20日、本件商標について商標登録無効審判を請求した(無効2022-890027号。以下「本件無効審判」という。 。)(甲119)
⑶ 特許庁は、令和6年4月25日、「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同年5月7日に原告に送達された。
⑷ 原告は、令和6年6月6日、本件審決の取消しを求めて、本件訴えを提起した。
⑸ 原告は、本件無効審判において、本件商標の登録は、商標法4条1項10号又は15号に違反してされたものであるから、同法46条1項1号により無効にすべきものであると主張した。原告が、本件商標をその指定商品について使用すると同法4条1項10号又は15号に該当すると主張して引用し
5 た商標は、以下のとおりであり、いずれも原告が「自動車チューニング用製品(自動車チューニングパーツ)(本件審決にいう「請求人商品」」 )について使用し、需要者間で広く知られていると主張するものである(以下、アの商標を「原告商標1」と、イの商標を「原告商標2」と、それぞれいい、原告商標1と原告商標2を併せて「原告商標」という。 は、) 以下のとおりである。ア 原告商標1イ 原告商標22 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙1審決書(写し)のとおりであり、その要旨は次のとおりである。
⑴ 商標法4条1項10号該当性について原告商標は、「自動車用チューニングパーツ」の分野において、本件商標の登録出願前から使用されていることがうかがえるとしても、原告商標を使用した原告の商品(請求人商品)が、自動車製造業者や自動車部品取引業者などを含む需要者の間においてどの程度認識されているかを把握することができない。その他、原告商標が我が国において広く知られていることを裏付ける証拠の提出はない。そうすると、原告商標は、本件商標の登録出願時及び登録審決時に、原告の商品(請求人商品)の需要者の間において、原告の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されるに至っていたと認めることはできない。本件商標と原告商標は類似する商標であるが、上記のとおり、原告商標は
5 需要者の間において広く知られるに至っているとは認められないものであるから、原告の商品(請求人商品)のうちに、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品と解する余地のあるものがあるとしても、本件商標は商標法4条1項10号に該当しない。
⑵ 商標法4条1項15号該当性について本件商標と原告商標の類似性の程度及び原告商標の独創性の程度がいずれも高く、本件商標の指定商品と原告の商品(請求人商品)とが関連性を有し、需要者を共通にする場合があるとしても、原告商標が需要者の間に広く認識されていると認められないことからすれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして原告商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(原告)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。その他、本件商標が他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であるというべき事情は見いだせない。したがって、本件商標は商標法4条1項15号に該当しない。3 取消事由
⑴ 取消事由1商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り
⑵ 取消事由2商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り
第3 当事者の主張
1 取消事由1(商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り)について
〔
(原告の主張)
〕本件審決は、原告商標の周知性を否定し、本件商標の商標法4条1項10号
5 該当性を否定した。しかし、以下のとおり、原告商標は、本件商標の登録出願
時及び登録審決時において、原告の商品(後記⑶のとおり、原告は、原告商標の周知性の判断においては「自動車のチューニングパーツに関する商品」を考慮すべきと主張する。以下、
(原告の主張)
する「自動車のチューニングパーツに関する商品」を「原告商品」という。)の需要者・取引者の間に広く認識されていたのであり、本件審決の判断は誤りである。
⑴ 原告は、レーシングドライバーであったAらが、自らのレーシングチーム
の運営や、レーシングカーの製作、レーシング用の自動車部品の製造等を行うために、昭和43年に「東名自動車株式会社」の商号で設立した会社であり、次第にレース用自動車の部品の業界で有名になった。その後、原告は業容を拡大し、平成6年には商号を現在の「株式会社東名パワード」に変更したが、この頃の原告の主たる事業は、自動車部品の企画、開発、製造、卸及び販売、レーシングカー・レーシングエンジンの販売及びメンテナンスであり、平成9年頃までには、自動車部品として、エンジン関係、シャーシ関係、パワートレーン関係、ボデー関係、エレクトリカル関係を取り扱っていた。平成11年頃には、カムカバーを取り外してカムシャフトを交換するだけで、純正のプーリーでも相当程度の性能向上を図ることができる「ポンカム」の販売を開始し、同商品はエンジンの性能向上を求めるユーザーの間に広く受け入れられるようになり、原告の製造、販売する自動車部品の主力に成長した。このように、原告は、日産自動車製の自動車を始めとする各社の自動車のユーザーに、エンジンのチューニング用の自動車部品を含む各種自動車部品のメーカーとして、長年にわたり広く受け入れられるに至っており、これに伴い、原告が製造、販売する商品に付して、又は自社の商品の広告、企業広告で使用する原告商標も、自動車の改造や性能向上に関心のある、チューニングを行う自動車愛好者たる需要者(ユーザー)及びチューナーやチューニ
5 ング用の自動車部品を取り扱うショップの間で広く知られるに至っている。
そして、この事情は、本件商標の出願当時においても異なるものではない。
⑵ 原告は、その商号が「東名自動車株式会社」であった時から、
「TOMEI」の文字列をロゴ化したマークを、原告を表す商標として使用してきた。商号を「株式会社東名パワード」へと変更した平成7年以降は、原告商標2の左側に原告の登録商標である図形 (商標登録第5809678号。甲92、93)を配置したり、原告商標1の右側に「POWERED」の文字列を配置したりする方法で、原告商品自体の表面、商品のパッケージ、取扱説明書、商品の宣伝広告、販売促進資料等に原告商標を付してこれを使用してきたが、商号変更前には、需要者及び取引者の間で、「TOMEI」が原告を示す商標として確立していたこと、また、上記図形と原告商標2は分離して観察することが可能であり、「POWERED」の文字列も「東名パワード」という商号に変更されたことに伴い併記されるようになったものであることからすれば、「TOMEI」の表示が原告を示す商標であるとの事情が変わるものではない。
⑶ 原告は、原告の業務に係る商品として、自動車のチューニングパーツを幅
広く扱っており、それらについて原告を示す商標として原告商標が使用されている。自動車のチューニングは、これらの個々のパーツを組み合わせることにより自動車の性能を向上させる作業であるし、原告は幅広いパーツ(商品)に原告商標を付して販売しているから、指定商品との関連性・類似性や、需要者や取引者における原告商標の周知性を判断するに当たっては、 「自広く動車のチューニングパーツに関する商品」を考慮すべきである。
⑷ 以下のアないしキの事情によれば、原告商標は、原告商品の需要者・取引
者の間で広く認識されているものと認められるから、本件商標は商標法4条1項10号に該当する。ア 需要者・取引先
5 原告は、全国45都道府県の約400店舗のチューニング・ショップに
商品を販売している。例えば、カー用品総合専門店「オートバックス」の姉妹ブランドであり、広大な敷地や豊富な品揃えと嗜好性の高い用品をラインナップしている「スーパーオートバックス」については、全国の72店舗中55店舗と取引がある。また、「オートバックス」のネットショップでは、メインカテゴリー「カスタムパーツ」内のサブカテゴリ―「エンジン回り」に分類される商品2067個のうち、原告の商品は739個に上り、約35%を占める(甲129)。このように、原告は、取引先との間では、特にエンジン回りの部品に強い会社として有名であり、それらの取引先に対し、原告商標を付したパッケージに梱包された商品を卸している。また、「Option」等の雑誌やウェブサイトを編集する株式会社ディーズ・クラブが運営する「JDM OPTION」というウェブサイトでは、トータルチューニングパーツメーカーとして、他の有力なメーカーと並んで原告が取り上げられている(甲131)。雑誌「Option」は、自動車チューニングの愛好家の間で40年間広く親しまれている主要な自動車チューニング情報誌の一つであるから、その関連サイトである「JDM OPTION」も自動車チューニング愛好家の間で広く親しまれているサイトである。そのようなサイトで、原告がトータルチューニングパーツメーカーとして取り上げられていることは、原告が需要者たる自動車チューニングの愛好家の間で周知であることを裏付けている。以上のとおり、原告は需要者・取引者の間でチューニングパーツメーカーとして周知であり、当該需要者・取引者に対し原告商品に係る商標として原告商標を使用してきたのであるから、原告の需要者・取引者の間では、原告商標が原告商品に係る商標であることは周知といえる。イ 原告商品の販売高日本国内の自動車部品用品製造販売・輸出入事業者が取り扱う、主とし
5 て車両の「アップグレード」又は「カスタマイズ」を目的とするスポーテ
ィングパーツ109品目を調査対象とした、一般社団法人日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)発行の調査報告書と、同報告書の集計に際して原告が提出した回答票を基に、平成28年(2016年)から令和3年(2021年)における、原告商品の販売店における実勢総販売金額と市場全体の実勢総販売金額(甲132~137、145~150)を比較すると、原告商品の実勢総販売金額は、市場全体の実勢総販売金額の2.2~6.3%を占めるものであり、特にエンジンパーツに関しては30%以上を占めており、市場における原告のシェアは高い。ウ 広告宣伝費用原告は、平成25年から令和3年にかけて、商品の広告宣伝費用として年間約260万円から1500万円を費やしており、原告商標の周知のため多額の費用をかけてきた。エ 雑誌及び刊行物原告は、「Option」「GT-R、 Magazine」「ドリフト天、国」 「HYPER、 REV」といった自動車の主要なチューニング情報誌に特集記事として取り上げられたり、広告を掲載したりして、原告商品の出所表示として原告商標を使用している。証拠(甲16~80、187~233)を踏まえると、原告商標がこれらの雑誌に掲載された回数は、「Option」が48回、「GT-R Magazine」が13回、「ドリフト天国」が24回、「HYPER REV」が16回であり、平成24年から令和3年までの間に、原告はチューニングカー情報誌に100回以上掲載された実績がある。原告や原告の製造、販売する商品が繰り返し複数の特集記事で取り上げられている事実は、チューニングを行う自動車の愛好者にとって、原告が製造、販売する商品や原告商品の展開のあり方は興味、関心がある事柄であり、原告商標の付された原告商品が、需要者であ
5 る上記愛好者に広く知れ渡っていることを裏付けるものである。これらの
事情はチューニング用自動車部品の取引者についても同様である。また、雑誌には、特集記事のほか、原告の企業広告・商品広告、ユーザーの所有者紹介記事等で原告商品を使用している旨の記載があるもの、新製品紹介の欄に原告商品を紹介するものなどもあり、これらの態様で「TOMEI」の表示とともに原告及びその商品が取り上げられている。また、原告に係る記事は、雑誌「Option」のウェブサイトである「web option」においても特集され、これらの記事においても原告商標が使用されている(甲234~249) これらの記事は本件登録。審決時よりも後の記事であるが、最初に掲載された令和3年11月時点で、原告商標が既に周知であることから実現したものであり、本件商標の出願時及び本件登録審決時において、原告商標が周知であったことを強く推認させる。オ 販売促進用DVD原告は、平成9年1月頃から、カーツ株式会社からOEM供給を受ける形で「T-TRAX」という名称でLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル、差動制限装置)を販売しており、平成15年頃からはリニューアルして「T-TRAX ADVANCE」という名称で販売している。原告は、平成18年当時、エンジン関連のチューニングパーツのメーカーとしては既に有名であったが、いわゆる駆動系パーツであるLSDの拡販のためにはユーザーへの更なる宣伝が必要であると考え、販売促進用DVD(甲12の2)を400枚製作し、同年10月頃、原告と取引のあるチューニングパーツを取り扱っているショップやチューナーに対し、各店舗で上映することを依頼する形で配布した。これにより、原告はLSD等の駆動系パーツメーカーとしてもユーザーの間で周知となった。カ 自動車競技大会等のイベント
5 原告は、自動車競技大会等の多数のイベントで、原告のブースを出展し
て、「TOMEI」と記載されたのぼり、テント、垂れ幕とともに、原告のマフラー、エンジンキットなどを展示するなどしている(甲16、31、42,46、57、61、62、65、66、68、69、75、251~321) のぼり等に記載される原告のロゴは、。 原告商標2が主に用いられていた。イベントへの出典は、毎年少なくとも1件、平成28年から令和元年には年間13ないし18件と月に1回以上のペースで出展していた。キ その他平成29年8月22日、インターネットテレビであるABEMA TVにおいて、「機械の匠技『TOMEI POWERED』」として、1時間の特集番組が放送された。原告は、平成30年公開の映画「OVER DRIVE」の撮影において原告のエンジンベンチテスト場を提供し、映画のエンドロールにロケーション協力として「TOMEI」ロゴが表示され、令和4年公開の映画「ALIVEHOON」に登場する車両に原告商品を協賛し、映画内で走行する車両に「TOMEI」ロゴが付された。これらの映画は自動車の競技大会に関する映画であるが、このような映画の撮影協力の依頼が来るのは、原告がチューニングカー業界において周知な会社であるからにほかならない。そして、劇場で公開される映画内において「TOMEI」のロゴを表示させることにより、多くの需要者が原告商標を目にすることになった。
⑸ 被告は、後記〔
(被告の主張)
〕⑸のとおり、「TOMEI」の表示は、「東名高速道路」や「東京と名古屋」の意味を表す略称としてありふれた「東名」の英語表記であるから、これのみではどの会社や標章などを指すか容易に判別できない状況にあると主張する。しかし、前記⑷ウ及びエのとおり、原告は市場規模を考慮すれば十分な金
5 額を宣伝広告に費やしており、かつ、チューニングカー情報誌に多数掲載さ
れている。さらに、「TOMEI」との表示について、原告商品の需要者等に対してヒアリングした結果、原告を想起させるとの回答が多数であった(甲334の1~45)。したがって、被告が指摘する事情を考慮しても、「自動車のチューニングパーツに関する商品」の需要者等の間では、「TOMEI」の表示は原告の出所表示として広く認識されている。〔
(被告の主張)
〕
⑴ 原告が提出した証拠によると、本件商標の登録出願時及び本件登録審決時
において、原告商品に使用された主な商標の構成及び態様は、記事中等に表示される「TOMEI POWERED」の欧文字からなる商標(若干のデザイン化が施されたものを含む。)又は「東名パワード」の漢字・カタカナからなる商標(若干のデザイン化がされたものを含む。 (以下、これらの商標)を総称して「原告使用商標」という。)であって、原告商標1又は原告商標2の構成及び態様とは異なるものであった。したがって、本件商標と対比されるべきは、原告商標ではなく、原告使用商標である。そして、本件商標と原告使用商標は非類似の商標である。原告が提出した証拠には、欧文字「TOMEI」からなる商標が表示されているものもあるが、原告により主に使用されていたのは原告使用商標であり、「TOMEI」からなる商標は、原告使用商標と同時に又はこれに付随して使用されていたものと評価されるべきである。また、原告商標2は、「O」を右に約45度傾斜させた態様の図形 とほぼ常に一体不可分に用いられる使用態様であったから、原告商標2が継続的に使用されていたものと評価されるべきではない。
⑵ 本件商標の指定商品は第12類「動力伝導装置(陸上の乗物用の機械要素)」
5 である。
「動力伝導装置」は「モーター、エンジン等の原動機の回転力を使用する産業機器に必要な回転数に変換して伝えるもの」である。他方、原告の製造、販売する商品の大半は、「エンジンの部品(陸上の乗物用の動力機械器具の部品)やこれに付随又は関連する商品」であり、第7類「動力機械器具(「水車・風車」を除く。)の部品」、第12類「陸上の乗物用の動力機械器具(その部品を除く。 」の範囲に該当するものである。) 「動力機械器具」とは、「動力を発生させる機械器具」である。本件商標の指定商品と原告商品を対比すると、「陸上の乗物用」の用途や「自動車部品・用品」に関わる需要者の一部が共通したとしても、「動力伝導装置」と「動力機械器具」の概念自体が全く異なることから、非類似の商品であって、原告商品のうちファイナルギアセットとLSDのみが本件商標の指定商品と同一又は類似すると解する余地があるにすぎない。したがって、原告商標が使用された商品と、本件商標の指定商品とがいかなる範囲で同一又は類似であるかを具体的に検討することなく、指定商品との関連性・類似性や、需要者や取引者における原告商標の周知性を判断するに際し、 「自広く動車のチューニングパーツに関する商品」を考慮すべきであるとする原告の主張(前記〔
(原告の主張)
〕⑶)は失当である。
⑶ 商標法4条1項10号該当性における需要者は、嗜好や関心などの主観的
な要素により画されるものではなく、特定の事業者が取り扱う商品の購入経験者や購入可能性のあるターゲット層を基準に画されるものでもなく、当事者の事業内容から一般に属するとされる業界や、当事者の商品と競合する主な商品が一般に取引される分野の取引者・ユーザーの全体を基準に、その範囲が画されるべきである。この点に関しては、例えば、大手自動車メーカーにおいて、自動車の改造や性能向上に関心のある自動車愛好者向けにチューニングカーを製造、販売する場合があり、また、アフターマーケット市場の業界において、「活況を呈
5 すカスタマイズ市場/ライフスタイル、スポーツ、輸入車の3軸でユーザー
層を形成し規模を拡大へ」 「アウトドア・輸入車需要増でユーザー層は拡大、し市場も活性化/カスタマイズパーツ」と採り上げられ、業界内のユーザー層が新たに形成される場合があることから、特定の事業者の事業内容や取扱商品を基準にして需要者の範囲が画されるべきではないとされており、このことは、競争や変化が激しい市場における取引の常態からみても明らかである(乙8)。したがって、本件商標の商標法4条1項10号該当性における「需要者」の範囲は、原告の事業内容や商品を基準にした「自動車の改造や性能向上に関心のある、チューニングを行う自動車愛好者たる需要者(ユーザー)及びチューナーやチューニング用の自動車部品を取り扱うショップ」などの特定の需要者層のみではなく、「自動車愛好者」「自動車部品・用品を取り扱う商、社、卸売業者、小売店」 「自動車部品・用品を取り扱う小売店で購入する消、費者」などを含む者と認定すべきである。
⑷ 原告は、一般社団法人日本自動車用品・部品マーケット振興会(NAPA
C)の会員企業約163社を対象とした調査報告書の内容をもって、自動車用品・部品を取り扱う事業者が属する市場全体の規模における原告商品の販売規模や市場シェアが高いと主張する。しかし、NAPACの会員企業は、自動車用品・部品を取り扱う企業の一部にすぎないため、市場全体の規模とはなり得ず、NAPACの会員企業だけを対象にした調査により市場全体の規模を推し量ることはできない。また、上記調査報告書は、「スポーティングパーツ市場調査アンケート」の記入用紙に企業の一担当者が記載した金額を基に作成されているところ、原告が主張する各金額が原告商品の販売実績として適切な数値であるのか疑義があり、かつ、甲132ないし137に記載された各金額を基に主張される規模が、市場全体の規模や原告商品の販売実績を適切に反映したものである
5 か不明であって、原告が代理店としてアフターマーケット市場に供給する他
ブランド品の販売実績や、国外への輸出実績が含まれていること等が疑われる。原告が属するアフターマーケット市場の総市場規模(乙8)と、株式会社帝国データバンクが提供する原告の総売上高(乙14)とを比較すると、令和元年から3年において、原告の市場シェアは0.01%に満たず、市場における原告のシェアが高いとはいえない。なお、仮に全ての金額が
(原告の主張)
どおりであるとしても、平成28年から令和3年にかけて、市場全体の規模が約97.2億円から約149.3億円に拡大傾向にある状況下で、原告の販売金額・市場シェアは、約5.9億円(約6.07%)から約3.3億円(約2.21%)に低下している。以上によれば、市場における原告のシェアが高いとはいえない。
⑸ 原告商標は、原告の商号のうち、
「東名」の漢字が「東名高速道路」の意味合いを理解させることにちなんで採択された商標であるとされるところ、 東「名」の漢字は、独創性のある造語ではなく、「東名高速道路」や「東京と名古屋」の意味を表す略称としてありふれたものである。また、我が国では、漢字の読みを片仮名や英文字で表記することが普通に行われており、「東名」の漢字についても、英文字「TOMEI」で表記することが行われている(乙16、17の1~4) そして、原告のように、会社名に片仮名「トーメイ。(トウメイ)」や英文字「TOMEI」を含む会社などが存在し、自動車関連の分野においても存在する(乙18の1・2、19の1~9)。そのため、ありふれた「東名」 「トーメイ」 「TOMEI」の文字のみではどの会社や標、 、章などを指すか容易に判別できない状況にあるといえる。このように、「東名」「トーメイ」「TOMEI」の文字のみではどの会社、 、や標章などを指すか容易に判別できない状況というのは、原告商標のように会社名に由来し、「東名」や「TOMEI」の文字を含む商標を、出所識別標
5 識として強く機能させることが本当に容易であったのか、原告商標と本件商
標が本当に容易に出所の混同をきたすのかといった判断の場面においても考慮されるべきである。
⑹ア 本件商標の出願時及び本件登録審決時における原告の広告宣伝費用は、
平成31年・令和元年が月額約26万円(年間約313万円)、令和2年が月額約31万円(年間約373万円)、令和3年が月額約22万円(年間約267万円)であって、低額であった。同時期における雑誌広告の内容は、原告使用商標が1頁未満の小さなスペースで掲載されるものであった。本件商標の出願時及び本件登録審決時以外の時期における広告宣伝費用も、ほとんどが月額100万円に満たない金額であって、原告の売上げ規模を基準にしても多額とはいえない。したがって、原告の広告宣伝費用は、原告商標の周知性の評価にどの程度の影響を与えるか不明である。イ 原告が雑誌に掲載された記事として証拠として提出するものは、本件商標の出願時(平成31年3月8日)から本件登録審決時(令和3年6月17日)までの範囲以外ものが大半であり、その範囲内の時期における雑誌の掲載はごくわずかであり、その内容も、1頁未満の小スペースにおける掲載であり、原告商標が表示されているものはほとんどなく、多くは「東名パワード」や「TOMEI POWERED」の表示である。また、自動車愛好者を読者ターゲットにした雑誌は、甲114(自動車チューニングパーツに関する情報雑誌一覧)に掲げられた12の出版社の発行に限っても100誌近くあるが、原告が取り上げられた雑誌は極めて限られており、多数の雑誌に原告商標が大々的に掲載されている事実は確認できない。ウ 平成18年10月頃に配布されたとされる販売促進用DVDについては、販売促進として効果があったのか不明であるし、配布がされた時期の約1
5 3ないし15年後である本件商標の出願時及び本件登録審決時まで継続
して上映されたとは考えられない。エ 原告商標2を構成中に有する商標が表示されたのぼり、テント、垂れ幕等がイベントにおいて展示されたとしても、原告商品との具体的関係において使用されたものではないから、原告使用商標を使用したと評価されるべきものではない。「東京オートサロン」は、チューニングカー、カスタムカーの祭典とも呼ばれるモーターショーであり、来場者数は約30万人以上であるところ、数多くの事業者が出展し、広大な会場の各出展ブース内で行われるイベントにおいて、宣伝広告が大々的に行われたと認められるためには、「東京オートサロン」のような代表的なイベントにおいて、来場者の注目を特に集めていたといえる必要がある。来場者が数千人から約2万人程度のイベントや、来場者数が不明なイベントに数多く出展しても、代表的なイベントで来場者の注目を集めたと評価することはできない。原告は、本件商標の出願時及び本件登録審決時に開催された「東京オートサロン」には出展しておらず、原告が出展したイベントの多くは、来場者数が少なく、売上げも小規模であったことが、原告自身の報告からも分かる。オ ABEMA TVのような動画配信サービスは、毎日数多くの番組(コンテンツ)を企画提供しており、会社を紹介する番組を企画することは普通に行われている。ABEMA TVの2017年人気番組ランキングに原告の番組がランクインされていないことからしても、原告の会社を紹介する番組が配信されたことによって原告の会社や原告商標が周知になったことはない。また、映画のエンドロールや、映画の作品内に登場する物に表示される商標は、数多くの商標の一部であることが多い。したがって、これらの事情は、原告商標が周知であることを意味せず、
5 業界における周知性に寄与することもない。
2 取消事由2(商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り)について
〔
(原告の主張)
〕本件審決は、原告商標が需要者の間に広く認識されていると認められないことから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用してもその商品の出所について混同を生じさせるおそれはないと判断した。しかし、前記1〔
(原告の主張)
〕のとおり、原告商標は、原告商品の需要者・取引者の間で広く認識されているものであるから、本件商標は、原告の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であって、商標法4条1項15号に該当する。〔
(被告の主張)
〕原告商標を構成する文字の独創性が高くないこと、原告が主に使用していたのは原告使用商標であること、本件商標と原告使用商標は非類似であり、本件商標の指定商品と原告商品の類似性は高くないこと、需要者の範囲は原告商品を基準とすべきものではないこと、本件商標の出願時及び本件登録審決時に原告商標及び原告使用商標は需要者の間で広く認識されたものではないことなどによれば、本件商標は商標法4条1項15号に該当しない。
第4 当裁判所の判断
1 取消事由1(商標法4条1項10号該当性に関する判断の誤り)について
⑴ 原告・被告の設立経緯、原告商標等について後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。ア 原告は、自動車の売買、整備及びその部品、用品の製作、販売、モータースポーツ用車両の売買、整備及びその部品、用品の製作販売、国内外におけるモータースポーツ競技会に関する企画、実施等を目的とする会社である。法人としての設立は昭和43年6月19日であり、設立当初の商号は「東名自動車株式会社」であり、設立当初は自動車レースに関連する業
5 務を行っていたが、その後自動車部品の製造、販売を行うようになり、平成6年に商号が現在のものに変更された。(甲4、5)イ 被告は、2006年(平成18年)に米国で設立された法人である。設立当初は原告が被告の発行済み株式の全てを所有しており、被告は原告の商品を米国内で販売する業務等を行っていたが、2014年(平成26年)、原告が被告の株式を有するという関係は解消された。(甲5、6、346)ウ 原告は、原告商標1について、指定商品を第7類「自動車用エンジンの部品、その他の動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。)及び動力機械器具の部品」として、商標登録を受けている(商標登録第5782437号)。また、原告は、原告商標2について、指定商品を第4類「自動車用燃料、その他の燃料、エンジンオイル、自動車用ギアオイル、自動車用潤滑油、自動車用グリース、工業用油、自動車用潤滑剤、潤滑剤・潤滑油及び潤滑グリース、燃料用・潤滑剤・潤滑油用及びグリース用添加剤(化学品を除く。 、工業用油脂、工業用ワックス、ろう、照明用のろうそく及び灯)芯、保革油、靴油」、第12類「自動車用エンジン、陸上の乗物用のエンジン、陸上の乗物用の動力機械器具(その部品を除く。 、陸上の乗物用のベ)アリング、 (陸上の乗物用の機械要素) 軸受軸 、 (陸上の乗物用の機械要素)、軸継ぎ手(陸上の乗物用の機械要素)、自動車用燃料タンク用キャップ、自動車並びにその部品及び附属品」として、商標登録を受けている(商標登録第6295822号) (甲83~86)。
⑵ 需要者原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑶及び⑷アのとおり、原告が取り扱っている商品は自動車のチューニングパーツであって、これに原告商標を使用しており、商標法4条1項10号の周知性の基準となる需要者は自動車チューニングの愛好家であるとし、需要者である自動車チューニングの愛好家の間において原告商標が原告の業務に係る商品又は役務を表示するものと
5 して広く認識されている旨主張する。これに対し、被告は、前記第3の1〔被告の主張〕⑶のとおり、原告商標の周知性を判断するに当たり、需要者として「自動車愛好者」、「自動車部品・用品を取り扱う商社、卸売業者、小売店」、「自動車部品・用品を取り扱う小売店で購入する消費者」などを含む者と把握すべきであり、需要者を原告の主張するように捉えることは相当でない旨主張する。そこで、商標法4条1項10号の周知性の基準となる需要者について検討する。原告が製造、販売しているのは自動車の部品であり、自動車をチューニングするために用いられるものである(甲7~10)。しかし、原告の製造、販売する自動車部品は、カー用品店である「スーパーオートバックス」の店頭、及びカー用品を取り扱う「オートバックス」の商品販売のウェブサイトでも販売されている(甲129、弁論の全趣旨) 「オートバックス」は国内最大。規模の売上高を有するカー用品総合専門店であり、「スーパーオートバックス」は、「オートバックス」を上回る広大な敷地や豊富な品揃えと嗜好性の高い用品の取り扱いがある店舗であり(甲128、弁論の全趣旨〔原告準備書面⑴15頁〕 、いずれも自動車のチューニング用品のみを取り扱う店舗では)なく、自動車に関連する商品を広く扱っており、自動車のチューニング愛好家以外にも、自動車の部品や、自動車の利用に伴って必要とされる物品など、自動車に関連する商品を購入する意向を有する一般の消費者がそれらの店舗を訪れ、希望する商品を購入していると認められる。また、オートバックス」「の商品販売のウェブサイトも、自動車のチューニング用品のみが扱われているものではなく(甲129)、自動車の部品や、自動車の利用に伴って必要とされる物品など自動車に関連する商品を広く扱っており、自動車に関連する商品を購入する意向を有する一般の消費者が同ウェブサイトを閲覧し、希望する商品を購入すると認められる。そうであるとすれば、原告が製造、販売する商品に触れる機会を有し、これを購入する機会がある者は、原告が製造、
5 販売しているのが自動車の部品であることを考慮すると、少なくとも、自動車の部品を購入する一般の消費者であると認められ、自動車のチューニングの愛好家に限られるとはいえない。他方、本件商標の指定商品は、第12類「動力伝導装置(陸上の乗物用の機械要素)」であり、その需要者は、自動車の部品を購入する一般の消費者であると認められる。以上によれば、本件商標の商標法4条1項10号該当性の判断に際し、原告商標に周知性があると認められるか否かの基準となる需要者は、自動車の部品を購入する一般の消費者であると認められる。
⑶ 原告商標の周知性の有無原告は、前記第3の1〔原告の主張〕のとおり、原告商標が原告の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると主張するので、以下検討する。ア 原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑷アないしキの事情によれば、原告商標は、原告商品の需要者の間で広く認識されているものと認められると主張する。そして、原告は、上記主張を裏付けるものとして多数の証拠を提出するところ、別紙2原告商標関係証拠に挙げた甲号証が、上記各事情を裏付ける証拠であり、このうち、「商標法2条3項」 「1号」の 、「2号」及び「8号」の各欄に丸印を付けた証拠が、原告商標について商標としての使用がされたものであり、「周知性」の欄に丸印を付けた証拠が、原告商標の周知性の立証に該当する証拠であるとしている。これについて検討すると、別紙2原告商標関係証拠に挙げた各甲号証によれば、これらの証拠の内容の類型は「証拠に示された雑誌、写真の内容等」の欄に記載のとおりであり、これらの証拠のうち、「商標法2条3項」の「1号」「2号」及び「8号」の各欄のいずれかに丸印を付けた証拠は、、当該証拠に示された雑誌や写真等において、丸印の示すところにより、商
5 標法2条3項1号、2号又は8号に該当する態様によって、原告商標につき商標としての使用がされていると認められる。他方、上記甲号証のうち、「商標法2条3項」の「1号」 「2号」及び「8号」のいずれの欄にも丸、印が付けられていない証拠は、当該証拠に示された雑誌や写真等において、原告が取り上げられているとしても、原告商標につき商標としての使用がされているとは認められない。以上を前提に、以下、原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑷アないしキにおいて主張する各事情について検討する。(ア) 需要者・取引先(前記第3の1〔原告の主張〕⑷ア)原告は、全国45都道府県の約400店舗のチューニング・ショップに原告商品を販売しているとか、「スーパーオートバックス」の大半の店舗と取引があり、これらの取引先に原告商標を付したパッケージに梱包された商品を卸していると主張する。しかし、仮に原告が、その主張する程度の取引先を有するとしても、前記のとおり、原告商標に周知性があると認められるか否かの基準となる需要者は、自動車の部品を購入する一般の消費者とするのが相当であり、一般の消費者に自動車の部品を販売する全国の店舗の数が膨大に及ぶと推認されることからすれば、原告の取引先の数は多いとはいえない。また、取引先に商品を卸す際に原告商標を付したパッケージに梱包していると認めるに足りる証拠はない上、仮にこれが事実であるとしても、上記のとおり取引先の数が少ないことからすれば、その取引先の数は、原告商標が、需要者の間において、原告の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたことを示すとはいえない。さらに、JDM「 OPTION」という名称のウェブサイトにおいて、原告がトータルチューニングパーツメーカーとして取り上げられているとしても、需要者は自動車の部品を求める一般の消費者であるのに対し、
5 上記ウェブサイトはチューニング愛好家を対象とするものであるから、上記ウェブサイトで取り上げられたことをもって、原告商標が、需要者の間において、原告の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたことを示すとはいえない。原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑶のとおり、原告は自動車のチューニングパーツを幅広く取り扱っており、これらに原告商標を付して販売しているとも主張する。しかし、原告が、その製造、販売するどのような商品にどのように原告商標を使用して販売しているかは、証拠として提出された雑誌等を通して推認し得るにとどまるところ、商品自体に原告商標が付されたものはそれほど多くなく、後記のとおり、商品の売上高、広告宣伝費用、雑誌及び刊行物への掲載は、原告商標が需要者である自動車の部品を購入する一般の消費者に広く認識されていることを認めるに足りるものではない。したがって、原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑷ア及び同⑶において主張する事実は、原告商標が、原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを示す事実とはいえない。(イ) 原告商品の売上高(前記第3の1〔原告の主張〕⑷イ)原告は、原告商品の実勢総販売額が市場全体の実勢総販売額に占める割合が高く、市場における原告のシェアが高いと主張する。しかし、原告が、上記主張の証拠として挙げる、一般社団法人日本自動車用品・部品マーケット振興会(NAPAC)の会員企業約163社を対象とした調査報告書の内容(甲145~150)が、自動車部品に該当する各種商品の市場全体における販売総額を正確に示していると認めるに足りないし、この調査の回答として原告が記入した金額(甲132~137)が国内市場における売上高を正確に示していることの裏付けもない。
5 また、原告が、その実勢総販売額が市場全体の実勢総販売額に占める割合が高いとして挙げる商品の数は少なく、かつ、当該商品において原告商標がどのように用いられているかについて主張立証がない。したがって、原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑷イにおいて主張する事実は、その事実を認めるに足りる証拠がない上、原告商標が、原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを示す事実ということもできない。(ウ) 広告宣伝費用(前記第3の1〔原告の主張〕⑷ウ)原告は、平成25年から令和3年にかけて、商品の広告宣伝費用として年間約260万円から1500万円を費やしたと主張する。しかし、その内訳は明らかでなく、また、雑誌、イベント等、原告が周知性の裏付けとして主張する事実に鑑みても、それらの費用によって、需要者である自動車の部品を購入する一般の消費者に対して広く原告商標を知らしめるような規模の大きな宣伝広告が行われたと認めるに足りる証拠はない。したがって、原告の主張する宣伝広告費用から、原告商標が、原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。(エ) 雑誌及び刊行物(前記第3の1〔原告の主張〕⑷エ)別紙2原告商標関係証拠に挙げた甲号証によれば、同別紙の「証拠に示された雑誌、写真の内容等」に「雑誌」との記載及びその雑誌の名称を掲げ、「商標法2条3項」の「1号」「2号」及び「8号」の各欄のい、ずれかに丸印を付けた証拠は、商標としての使用がされている原告商標が掲載された雑誌に関するものであると認められる。これらの雑誌は、そのほとんどが「Option」 「ドリフト天国」、 、「GT-R Magazine」 「HYPER及び REV」であって、原告商標が掲載された雑誌の種類は少ない。雑誌「Option」は自
5 動車のチューニングの情報誌、「ドリフト天国」は自動車のドリフト走行に関する情報誌、「GT-R Magazine」は日産自動車のスポーツカーである「GT-R」に特化した情報誌、「HYPER REV」は対象としてとり上げた車種に関するチューニング及びドレスアップ情報誌であり(これらの雑誌に関する甲号証、甲182~186(枝番含む)、弁論の全趣旨〔原告準備書面⑴25、26頁〕 、いずれもその内容に照)らし、自動車の部品を購入する一般の消費者が広く閲読するものとは認められない。また、別紙2原告商標関係証拠において、「証拠に示された雑誌、写真の内容等」の欄に雑誌名が掲げられているが、「周知性」の欄にのみ丸印が付けられ、「商標法2条3項」の「1号」「2号」及び「8号」の各欄、のいずれにも丸印が付けられていない証拠は、当該雑誌の記事等において原告が取り扱われているものの、原告商標が掲載されていないものであると認められる。これらの雑誌の記事等は、原告が取り扱われているとしても、原告商標が掲載されていない以上、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものであることを読者に認識させるものとは認められない。したがって、原告が主張立証する雑誌への掲載の事実をもって、本件商標の登録出願時及び登録審決時において、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認められることにはならない。雑誌以外の書籍や、ウェブページで、原告商標が掲載されているもの(書籍について甲39、45、49、66、198、ウェブページについて甲234~239)も、掲載された書籍及びウェブページの数及び種類は少なく、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを示すとはいえない。
5 (オ) 販売促進用DVD(前記第3の1〔原告の主張〕⑷オ)原告が主張するのは、平成18年に、駆動系パーツであるLSDの販売促進のため、販売促進用DVDを400枚製作し、これを取引先等に対し、店舗での上映を依頼するとともに配布したというものであるが、他の認定事実と併せても、これによって原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されたと認めることはできない。(カ) 自動車競技大会等のイベント(前記第3の1〔原告の主張〕⑷カ)別紙2原告商標関係証拠に挙げた甲号証のうち甲251の1から甲321の2までの証拠は、「証拠に示された雑誌、写真の内容等」に記載のとおり、原告がイベントに出展した際の写真であると認められる。上記各証拠によれば、原告は、平成27年から令和元年にかけて、年間で10件前後のイベントに出展したこと、これらの出展に際し、原告のブースを設け、原告商標2が表示されたテント、垂れ幕及びのぼりを設置したこと、ブースにおいて原告商標2が表示されたステッカーその他の商品を販売したこともあることが認められる。しかし、原告は、原告が出展したこれらのイベントの内容や規模について、具体的に主張立証をしていない。これらの書証に記載されたイベントの名称、原告準備書面⑴及び証拠説明書に記載されたイベントの名称からすれば、これらのイベントは、自動車のレースや、自動車のチューニングに関連する展示会等が中心であると推測されるところ、このような展示会等のイベントは、自動車の部品を購入する一般の消費者の関心が広く向けられるものであるとは認められず、かつ、いずれのイベントも原告以外の複数の企業が出展しており、原告はそれらのうちの一つとして出展していたものと推認され、原告が特に中心的な企業として取り扱われたとは認められない。
5 上記事情を考慮すれば、原告が、平成27年から令和元年にかけて年間10件前後のイベントに出展したことをもって、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。(キ) その他(前記第3の1〔原告の主張〕⑷キ)原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑷キで主張する事実、すなわち、原告が一つのテレビ番組で取り上げられた事実、映画のエンドロールにロケーション協力として「TOMEI」のロゴが用いられた事実、及び映画に登場する車両に「TOMEI」のロゴが付された事実については、上記「『TOMEI』のロゴ」が原告商標2を含むものであるとしても、上記のテレビ番組や映画は、特にそれらが広く注目を集めたと認められるようなものでないから、これらの事実によって、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。(ク) 上記(ア)ないし(キ)によれば、原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑷アないしキにおいて主張する事実を総合しても、これらの事実をもって、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。イ 上記アのとおり、原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑷アないしキにおいて主張する事実をもって、原告商標が原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認定することはできず、原告の設立以来の経緯に関する主張(前記第3の1〔原告の主張〕⑴)を考慮しても、上記判断は左右されない。ウ 原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑸のとおり、「自動車のチューニングパーツに関する商品」の需要者等に対してヒアリングした結果(甲334の1~45) 「TOMEI」の表示が原告を想起させるとの回答が多数、
5 であったから、需要者等の間では「TOMEI」の表示が原告の出所表示として広く認識されていると主張する。そこで検討すると、甲334の1ないし45は、「商標『TOMEI』に関するヒアリング」と題する書面であり、「あなたが経営又は務めている会社名を教えてください。 (質問1) 「あなたはいつ頃から自動車のチュー」 、ニング業界で仕事をしていますか。(質問2)「」 、『TOMEI』という表示を見て思い浮かぶメーカーをお答えください。複数ある場合には複数お答えください。 (質問3)及び「質問3のように思い浮かぶようになった具」体的なきっかけ・エピソード(例えば、あなたの取引先やユーザーとのやり取り、広告、雑誌での特集、イベントなど)があればお答えください。」(質問4)との質問が記載され、各質問の下にある空白部分に回答者が回答を記入する様式となっている。上記質問2の内容からすると、アンケートの対象者は、自動車のチューニングに関連する事業を行う企業であると認められる。そして、弁論の全趣旨(原告準備書面⑵9頁)によれば、上記書面は、原告が、取引会社にこれを送付したか、又は、原告が出展したチューニングカーのイベントで取引会社に配布したものであると認められる。そうすると、甲334の1ないし45の書面は、原告が取引先の企業に配布し、当該取引先の企業の従業員が回答を記入したものであると認められるから、このような書面において、回答者である原告の取引先の企業の従業員が、上記質問3に対する回答として、「TOMEI」という表示を見て思い浮かぶメーカーは東名パワード(原告)である旨記載するのは当然であり、質問4に対する回答としても何らかのエピソード等を記載するのが当然といえる。そして、原告の取引先の企業の認識が、需要者、すなわち自動車の部品を購入する一般の消費者の認識を示すものとはいえない。したがって、上記書面の記載内容をもって、原告商標が原告の業務に係
5 る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認められることにはならない。エ 上記アないしウで述べたところによれば、原告商標は、原告の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして、需要者である自動車の部品を購入する一般の消費者において広く認識されていたとは認められず、商標法4条1項10号の「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」に当たるとは認められないから、同号のその余の要件の充足性について検討するまでもなく、本件商標が同号に該当するとは認められない。
⑷ 取消事由1に関する結論以上によれば、本件商標が商標法4条1項10号に該当するとは認められないとの本件審決の判断に誤りはなく、取消事由1には理由がない。
2 取消事由2(商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り)について⑴ 一般的な判断の枠組み商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに、当該指定商品又は指定役務が他人の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該指定商品又は指定役務が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。そして、上記の「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者及び需要者の共通性
5 その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきものである(最高裁平成10年(行ヒ)第85号同12年7月11日
第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁)。
⑵ 混同の有無商標登録の無効の理由として商標法4条1項15号の混同の有無を判断するに当たっては、無効審判請求された本件商標の指定商品の需要者を基準とすべきであり、本件では、自動車の部品を購入する一般の消費者を基準とすべきである。前記1のとおり、原告商標は、自動車の部品を購入する一般の消費者において広く認識されていたものとは認められない。また、前記1で検討した証拠によれば、原告は、複数ある自動車のチューニングパーツの製造、販売者のうちの一つというにとどまり、他の製造、販売者よりも広く知られていたことを認めるに足りる証拠もない。そうすると、原告商標と本件商標の間に類似性が認められる余地のあることや、原告の製造、販売する商品と本件商標の指定商品との間に何らかの関連性が存する場合があり得ることを考慮しても、需要者である自動車の部品を購入する一般の消費者において、本件商標に接することにより、その出所について原告を想起する者が相当数いるとは認められない。そうであるとすれば、需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すると、本件商標を付したその指定商品は、原告又は原告と緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品と誤信されるものとは認められず、本件商標は、原告の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標に該当するとは認められない。原告・被告の設立経緯(前記1⑴ア、イ)を考慮しても、原告と被告の従前の関係が需要者に知られているとは認められないから、上記の判断は、左右されるものではない。
5 したがって、本件商標は、商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するとは認められない。⑶ 取消事由2に関する結論以上によれば、本件商標が商標法4条1項15号に該当するとは認められないとの本件審決の判断に誤りはなく、取消事由2には理由がない。
3 結論以上のとおり、取消事由1及び2は、いずれも理由がなく、本件審決に、これを取り消すべき違法はない。よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官
中 平 健
裁判官
今 井 弘 晃
裁判官
水 野 正 則
(別紙1 審決書写し省略)
(別紙2)
原告商標関係証拠商標法2条3項甲号証 周知性 証拠に示された雑誌、写真の内容等
1号 2号 8号甲4 〇 〇 原告ホームページ甲5 ○ ○ 原告ホームページ甲6 〇 〇 原告ホームページ甲7 〇 製品カタログ甲8 〇 〇 製品カタログ甲9 ○ 製品カタログ甲10 ○ ○ 原告ホームページ、製品の写真甲11 ○ 製品の取扱説明書甲12の1 ○ 販売促進用動画のDVD甲12の2 ○ 販売促進用動画のDVD甲12の3 ○ 販売促進用動画のDVD甲13 ○ ○ 原告ホームページ甲14 ○ 製品の取扱説明書甲16 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲17 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲18 ○ ○ 雑誌「Option」甲19 ○ ○ 雑誌「Option」甲20 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲21 ○ ○ 雑誌「Option」甲22 ○ ○ 雑誌「Option」甲23 ○ ○ 雑誌「Option」甲24 ○ ○ 雑誌「Option」甲26の3 ○ ○ DVD「SILVIA/180SX SR20」甲27 ○ 雑誌「Option」甲28 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲29 ○ ○ 雑誌「Option」甲30 ○ ○ 雑誌「Option」甲31 ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲32 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲33 ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲34 ○ ○ ○ 雑誌「Option」書籍「RBエンジンテクニカルハンドブック&甲35 ○ ○ ○DVD」甲36の3 ○ ○ ○ 甲35のDVD甲37 ○ ○ 雑誌「Option」甲38 ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」書籍「EJ20エンジンテクニカルハンドブッ甲39 ○ ○ ○ク&DVD」甲40の3 ○ ○ ○ 甲39のDVD甲41 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲42 ○ ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲43 ○ ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲44 ○ ○ 雑誌「HYPER REV」書籍「伝説のドリ車シリーズ Vol.3『JZX100 伝甲45 ○ ○ ○説』」甲46 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲47 ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲48 ○ ○ 雑誌「Option」書籍「1&2JZ テクニカルハンドブック&DVD甲49 ○ ○ ○Vol.2」甲50の1 ○ 甲49のDVDのパッケージ甲50の3 ○ ○ ○ 甲49のDVDの映像甲51 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲52 ○ ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲53 ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲54 ○ ○ ○ 雑誌「Option」甲55 ○ ○ ○ 雑誌「Option」甲56 ○ ○ 雑誌「Option」甲57 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲58 ○ 雑誌「Option」甲59 ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲60 ○ ○ ○ 雑誌「Option」甲61 ○ ○ 雑誌「Option」甲62 ○ ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲63 ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲64 ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲65 ○ 雑誌「Option」書籍「ストリートヒーローシリーズ Vol.2甲66 ○ ○JZX90/100/110 TOURER」甲67 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲68 ○ ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲69 ○ ○ 雑誌「Option」甲70 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲71 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲72 ○ ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲73 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲74 ○ ○ 雑誌「Option」甲75 ○ ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲76 ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲77 ○ ○ 雑誌「ノスタルジックスピード」甲78 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲79 ○ ○ ○ 雑誌「GT-R Magazine」甲80 ○ 雑誌「ドリフト天国」SNS のインスタグラムにおける原告のトップペー甲98 ○ ○ジSNS のフェイスブックにおける原告のトップペー甲99 ○ ○ジ甲100 ○ ○ SNS のツイッターにおける原告のトップページ甲123 ○ ○ ○ ウェブサイト「GAZOO.com」雑誌「別冊 AUTO SPORT オプション」No.3(昭甲124 ○和55年発行)甲126 ○ 原告製品を発送する際に使用する段ボールウェブページ「TOMEI ディーラーショップ検甲127 ○索」甲129 ○ オートバックス公式通販サイト甲131 ○ ウェブサイト「J.D.M OPTION INTERNATIONAL」○ NAPAC2016 暦年「スポーティングパーツ市場調査甲132アンケート」記入用紙○ NAPAC2017 暦年「スポーティングパーツ市場調査甲133アンケート」記入用紙○ NAPAC2018 暦年「スポーティングパーツ市場調査甲134アンケート」記入用紙○ NAPAC2019 暦年「スポーティングパーツ市場調査甲135アンケート」記入用紙○ NAPAC2020 暦年「スポーティングパーツ市場調査甲136アンケート」記入用紙○ NAPAC2021 暦年「スポーティングパーツ市場調査甲137アンケート」記入用紙株式会社富士山マガジンサービスのウェブペー甲182の1 ○ジ甲182の2 ○ 株式会社三栄のウェブページ甲183 ○ 株式会社三栄のウェブページ甲184 ○ 株式会社交通タイムズ社のウェブページ甲185 ○ 株式会社HRKSのウェブページ甲186の1 ○ 株式会社三栄のウェブページ甲186の2 ○ 株式会社三栄のウェブページ甲187 ○ 雑誌「HYPER REV」甲188 ○ ○ 雑誌「Option」甲189 ○ 雑誌「Option」甲190 ○ ○ 雑誌「Option」甲191 ○ 雑誌「Option」甲192 ○ ○ 雑誌「Option」甲193 ○ ○ 雑誌「Option」甲194 ○ 雑誌「Option」甲195 ○ ○ 雑誌「Option」甲196 ○ ○ 雑誌「Option」甲197 ○ 雑誌「HYPER REV」甲198 ○ ○ 書籍「サンエイムック 旧車改シリーズ」Vol.9甲199 ○ 雑誌「Option」甲200 ○ 雑誌「Option」甲201 ○ 雑誌「Option」甲202 ○ 雑誌「Option」甲203 ○ ○ ○ 雑誌「Option」甲204 ○ 雑誌「HYPER REV」甲205 ○ ○ 雑誌「Option」甲206 ○ 雑誌「Option」甲207 ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲208 ○ ○ 雑誌「Option」甲209 ○ 雑誌「Option」甲210 ○ ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲211 ○ ○ 雑誌「Option」甲212 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲213 ○ 雑誌「Option」甲214 ○ ○ 雑誌「Option」甲215 ○ 雑誌「Option」甲216 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲217 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲218 ○ 雑誌「Option」甲219 ○ ○ 雑誌「HYPER REV」甲220 ○ 雑誌「Option」甲221 ○ ○ ○ 雑誌「Option」甲222 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲223 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲224 ○ ○ 雑誌「Option」甲225 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲226 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲227 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲228 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲229 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲230 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲231 ○ 雑誌「ドリフト天国」甲232 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲233 ○ ○ 雑誌「ドリフト天国」甲234 ○ ○ ウェブページ「web option」甲235 ○ ○ ウェブページ「web option」甲236 ○ ○ ウェブページ「web option」甲237 ○ ○ ○ ウェブページ「web option」甲238 ○ ○ ウェブページ「web option」甲239 ○ ○ ○ ウェブページ「web option」甲240 ○ ○ ○ ウェブページ「web option」甲241 ○ ○ ウェブページ「web option」甲242 ○ ○ ○ ウェブページ「web option」甲243 ○ ○ ○ ウェブページ「web option」甲244 ○ ウェブページ「web option」甲245 ○ ○ ウェブページ「web option」甲246 ○ ○ ウェブページ「web option」甲247 ○ ウェブページ「web option」甲248 ○ ○ ウェブページ「web option」甲249 ○ ○ ウェブページ「web option」イベントへの出展(以下、甲321の2まで同甲251の1 ○ ○ ○ ○じ。)甲252 ○ ○ ○甲253 ○ ○ ○甲254の1 ○ ○ ○ ○甲255 ○ ○ ○ ○甲256の2 ○ ○ ○ ○甲257の2 ○ ○ ○ ○甲258 ○ ○ ○甲259の3 ○ ○ ○ ○甲260 ○ ○ ○甲261 ○ ○ ○甲262 ○ ○ ○甲263の2 ○ ○ ○ ○甲264 ○ ○ ○甲265の2 ○ ○ ○甲266 ○ ○ ○ ○甲267の2 ○ ○ ○ ○甲268の2 ○ ○ ○ ○甲269 ○ ○ ○甲270 ○ ○ ○ ○甲271 ○ ○ ○甲272 ○ ○ ○ ○甲273 ○ ○ ○甲274の1 ○ ○ ○甲275の2 ○ ○ ○ ○甲276の2 ○ ○ ○甲277の2 ○ ○ ○甲278の2 ○ ○甲278の3 ○ ○ ○ ○甲279 ○ ○ ○ ○甲280の2 ○ ○ ○ ○甲281の2 ○ ○ ○ ○甲282の2 ○ ○ ○ ○甲283 ○ ○ ○甲284の2 ○ ○ ○ ○甲285 ○ ○ ○甲286 ○ ○ ○ ○甲287 ○ ○ ○ ○甲288の2 ○ ○ ○甲289 ○ ○ ○甲290の2 ○ ○ ○ ○甲291 ○ ○ ○ ○甲292の2 ○ ○ ○甲293 ○ ○ ○甲294の1 ○甲294の2 ○ ○甲295の2 ○ ○ ○ ○甲296の1 ○甲296の2 ○ ○ ○甲297の1 ○ ○甲297の2 ○ ○ ○ ○甲298の1 ○ ○甲298の2 ○ ○ ○ ○甲299 ○ ○ ○ ○甲300の1 ○ ○甲300の2 ○ ○ ○甲301の1 ○ ○甲301の2 ○ ○ ○ ○甲302の1 ○ ○甲302の2 ○ ○ ○ ○甲303 ○ ○ ○ ○甲304 ○ ○甲305の1 ○ ○甲305の2 ○ ○ ○ ○甲306の2 ○ ○ ○ ○甲307の2 ○ ○ ○ ○甲308の2 ○ ○甲309の2 ○ ○甲310の1 ○ ○甲310の2 ○ ○ ○ ○甲311の1 ○ ○甲311の2 ○ ○ ○甲312の2 ○ ○甲313 ○ ○甲314の2 ○ ○甲315の2 ○ ○甲316の2 ○ ○甲317の2 ○ ○甲318の1 ○ ○甲318の2 ○ ○ ○ ○甲319の2 ○ ○甲320の2 ○ ○甲320の3 ○ ○ ○甲321の1 ○ ○甲321の2 ○ ○ ○ ○原告取締役の陳述書(甲12の2のDVDにつ甲326 ○いて)甲328 ○ 映画の一場面甲329 ○ 映画の予告・メイキングビデオクリップ甲334の1 ヒアリングシートの回答○~45甲340 ○ 株式会社 Abema TV のウェブページ甲341 ○ NGM株式会社のウェブページ
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