令和6(行ケ)10099特許取消決定取消請求事件
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| 裁判所 |
請求棄却 知的財産高等裁判所
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| 裁判年月日 |
令和7年11月13日 |
| 事件種別 |
民事 |
| 当事者 |
原告ファミリーイナダ株式会社 被告特許庁長官
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| 対象物 |
マッサージ機を備えた情報ネットワークシステム |
| 法令 |
特許権
特許法29条2項1回
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| キーワード |
実施36回 進歩性17回 特許権1回
|
| 主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
| 事件の概要 |
1 事案の要旨
本件は、特許異議申立てにつき、訂正を認めた上で、特許を取り消すなどし
た異議の決定のうち、特許を取り消した部分の取消しを求める訴訟である。争
点は、異議の決定における進歩性欠如についての認定判断の誤りの有無である。 |
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判決文
令和7年11月13日判決言渡
令和6年(行ケ)第10099号 特許取消決定取消請求事件
口頭弁論終結日 令和7年9月19日
判 決
原 告 ファミリーイナダ株式会社
同訴訟代理人弁理士 坂 本 寛
同 小 松 悠 有 子
10 同 溝 口 希 望
被 告 特許庁長官
同指定代理人 三 森 雄 介
同 井 上 哲 男
15 同 土 田 嘉 一
同 田 邉 英 治
同 阿 曾 裕 樹
主 文
1 原告の請求を棄却する。
20 2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
注)この判決で用いている主な略語は、他に本文中で定義するもののほか、次のと
おりである。
本件特許 発明の名称を「マッサージ機を備えた情報ネットワークシステ
25 ム」とする特許(特許第7101394号。平成28年6月3日
出願、令和4年7月7日設定登録。請求項の数9。)
本件明細書 本件特許の願書に添付した明細書及び図面(甲11)
本件訂正 原告が令和6年5月31日付け訂正請求書(甲10)により行
った訂正の請求に係る訂正
本件訂正発明 本件訂正後の本件特許の特許請求の範囲に係る発明。請求項の
5 番号に応じ、それぞれ「本件訂正発明1」などという。
本件決定 本件特許に係る特許異議の申立てに対し、特許庁が令和6年1
0月17日付けで行った異議の決定
甲1文献 特開2016-30018号公報、公開日:平成28年3月7日
甲2の1文献 国際公開公報2014/196922号、公開日:2014
10 (平成26)年12月11日
甲2の1発明 別紙「引用発明等」1項記載の発明
甲2の2文献 特表2016-523111号公報、公表日:平成28年8月
8日
甲3文献 特開2003-79687号公報、公開日:平成15年3月18日
15 甲4文献 特開2002-16983号公報、公開日:平成14年 1 月18日
甲5文献 中国特許出願公開103812932号明細書、公開日:2014
(平成26)年5月21日
甲6文献 特開2004-160128号公報、公開日:平成16年6月10
日
20 甲7文献 米国特許出願公開2004/0004376号明細書、公開日:2
004(平成16)年1月8日
乙2文献 特開平11-16272号公報、公開日:平成11年1月22日
第1 請求
特許庁が異議2023-700017号事件について令和6年10月17日
25 にした異議の決定のうち「特許第7101394号の請求項1、4~9に係る
特許を取り消す」との部分を取り消す。
第2 事案の概要
1 事案の要旨
本件は、特許異議申立てにつき、訂正を認めた上で、特許を取り消すなどし
た異議の決定のうち、特許を取り消した部分の取消しを求める訴訟である。争
5 点は、異議の決定における進歩性欠如についての認定判断の誤りの有無である。
2 特許庁における手続の経緯等(争いがない。)
⑴ 原告は、発明の名称を「マッサージ機を備えた情報ネットワークシステム」
とする本件特許に係る特許権者である。
⑵ 本件特許については、令和5年1月10日に特許異議の申立てがされたと
10 ころ、特許庁は、これを異議2023-700017号事件として審理し、
原告は、令和6年5月31日付け訂正請求書(甲10)を提出し、請求項2
及び3を削除すること等を含む本件訂正をした。
⑶ 特許庁は、令和6年10月17日、本件特許の特許請求の範囲を本件訂正
による訂正後の請求項〔1-9〕に訂正することを認め、請求項1、4~9
15 に係る特許を取り消し、請求項2、3に係る特許についての特許異議の申立
てを却下する旨の本件決定をした。本件決定の謄本は、同月29日原告に送
達された。
⑷ 原告は、令和6年11月21日、本件決定のうち特許を取り消した部分の
取消しを求めて訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実)。
20 3 特許請求の範囲の記載等
本件訂正発明の内容(本件訂正後の本件特許の特許請求の範囲請求項1、4
~9)は、別紙「特許請求の範囲」のとおりである。
4 本件決定の理由の要旨
⑴ 各文献の記載事項
25 ア 甲2の1文献には、甲2の1発明が記載されている。
イ 甲1文献には別紙「引用発明等」2項⑵記載の、甲3文献には同別紙2
項⑶記載の、甲4文献には同別紙2項⑷記載の、甲5文献には同別紙2項
⑸記載の、甲6文献には同別紙2項⑹記載の、甲7文献には同別紙2項⑺
記載の、各技術的事項が記載されている(以下、それぞれ「甲1技術的事
項」、「甲3技術的事項」などという。)。
5 そして、これらによれば、以下の周知技術が認められる。
(ア) 周知技術1(サーバコンピュータとマッサージ装置に他の端末機を
介さずに通信を行わせること〔甲1技術的事項①、甲3技術的事項、甲
4技術的事項〕)。
(イ) 周知技術2(システムプログラムを通信サーバからダウンロードし
10 て導入すること〔甲5技術的事項〕)。
(ウ) 周知技術3(サーバが位置情報によらない緊急速報を送信すること
〔甲1技術的事項②〕、マッサージ装置等が緊急速報を報知すること
〔甲4技術的事項②〕)。
(エ) 周知技術4(マッサージ装置が緊急速報を受信すると、マッサージ
15 装置を停止し又は初期状態に戻すこと〔甲6技術的事項、甲7技術的事
項〕)。
⑵ 本件訂正発明1、4~9に係る特許は、甲2の1発明、周知技術1~4及
び周知の事項に基づき、当業者が容易に発明することができたから、進歩性
を欠き取り消されるべきものである(特許法29条2項、113条2号)。
20 判断の概要は、次のとおりである。
⑶ 本件訂正発明1の進歩性
ア 甲2の1文献は本件特許の出願前に頒布されていた。
イ 本件訂正発明1と甲2の1発明を対比すると、一致点、相違点は、次の
とおりである。
25 (一致点)
被施療者を施療する施療部と前記施療部を制御する制御部と前記制御部
を介して前記施療部を操作するために備え付けられた操作器とを有するマ
ッサージ機と
前記マッサージ機を管理する事業者により管理される通信サーバと、か
らなる情報ネットワークシステムであって、
5 通信ネットワークを介して通信サーバと接続可能に構成され、
前記通信サーバは、新しい施療コースに関する情報を発信し、
前記通信サーバから前記情報をダウンロードしてインストールすると新
着情報部で前記情報が新しく追加され前記情報を受信したことを報知する
ように構成され、
10 前記通信サーバは、前記通信サーバに前記情報がある場合、前記情報を
発信し、
前記通信サーバは、前記情報を、前記マッサージ機内に設けられた前記
制御部に発信するように構成され、
前記通信サーバから発信された前記情報を受信し、前記新しい施療コー
15 スに関する前記情報があることを、前記新しい施療コースのデータがダウ
ンロードされる前において、前記被施療者が前記マッサージ機に着座した
状態で操作できるように前記マッサージ機の外部に位置するよう前記マッ
サージ機に備え付けられた端末装置の前記新着報知部で報知し、前記端末
装置において前記新しい施療コースの導入が決定されると、該新しい施療
20 コースのデータを前記通信サーバからダウンロードして導入するよう構成
されている情報ネットワークシステム
(相違点1)
本件訂正発明1では、「新着情報部を有し」、「前記新しい施療コース
の導入が決定される」「前記操作器」を有するのに対して、甲2の1発明
25 では、画像フレーム F1 を有し、選択されたマッサージプログラムと関連
する購入取引を実施するのが、端末装置 104 であって、リモートコントロ
ーラ 150 でない点
(相違点2)
本件訂正発明1は、「前記制御部は、」通信ネットワークを介して通信
サーバと接続可能に構成され、「前記制御部は、」前記通信サーバから
5 「他の端末器を介することなく」前記情報を「直接」ダウンロードしてイ
ンストールすると新着情報部で前記情報が新しく追加され前記情報を受信
したことを報知するように構成され、前記新しい施療コースに関する前記
情報があることを、前記新しい施療コースのデータがダウンロードされる
前において、前記被施療者が前記マッサージ機に着座した状態で操作でき
10 るように前記マッサージ機の外部に位置するよう前記マッサージ機に備え
付けられた端末装置の前記新着報知部で報知し、前記端末装置において前
記新しい施療コースの導入が決定されると、該新しい施療コースのデータ
を前記通信サーバからダウンロードして導入するのに対して、甲2の1発
明は、ユーザがマッサージプログラムを購入したい場合、端末装置 104 で
15 実行されているアプリケーションプログラム 114 は、購入可能な複数のマ
ッサージプログラム 501 を列挙している、画像フレーム F1 を表示し、選
択されたマッサージプログラムと関連する購入取引を実施し、購入済みマ
ッサージプログラムをサーバコンピュータ 103 からダウンロードし、マッ
サージプログラムの端末装置 104 へのダウンロードが完了すると、アプリ
20 ケーションプログラム 114 は、ダウンロード済みマッサージプログラムを
マッサージ装置 106 に転送するかをユーザに尋ねる、クエリウィンドウ F6
を表示し、ユーザが確認すると、アプリケーションプログラム 114 は、マ
ッサージ装置 106 との接続を確立し、続けてダウンロード済みマッサージ
プログラムをマッサージ装置 106 に転送し得る点
25 (相違点3)
本件訂正発明1は、「新しい施療コースに関する情報」及び「新しい施
療コースのデータ」と同様に、「施療コースに関する更新情報」及び「前
記施療コースの更新データ」を用い、「前記操作器において前記施療コー
スの更新が決定されると、前記施療コースの更新データを前記通信サーバ
からダウンロードして導入するよう構成されている」のに対して、甲2の
5 1発明は、施療コースに関する更新情報について特定されていない点
ウ 相違点について
(ア) 相違点1及び相違点2について、甲2の1発明では、マッサージ装
置 106 に備えられたリモートコントローラ 150 とは別に端末装置 104 を
設け、当該端末装置 104 を介して、情報のダウンロード及び報知を行っ
10 ているが、端末装置 104 をマッサージ装置 106 の制御部のリモートコン
トローラ 150 に統合することは単なる機能及び構成の統合にすぎず、当
業者が容易になし得ることである。
そして、当該統合を行えば、リモートコントローラ 150 に画像フレー
ム F1 を設けることとなり、相違点1に係る構成を備えることになる。
15 また、当該統合を行えば、当該マッサージ装置 106 に備えられたリモ
ートコントローラ 150 により情報の受信を報知し、その操作により情報
をダウンロードすることになるから、操作端末 104(端末器)を介する
ことなく、当該リモートコントローラ 150 が備えられたマッサージ装置
106 のマイクロコントローラ 130(本件訂正発明の「制御部」に相当す
20 る。)に情報を直接ダウンロードする相違点2に係る構成を採用するこ
とは、サーバコンピュータとマッサージ装置に他の端末機を介さずに通
信を行わせる、甲1、3、4の各技術的事項に例示される周知技術1に
照らせば、当業者であれば容易に想到できることである。
(イ) 相違点3(更新情報の特定の有無)について、本件訂正発明1の
25 「新しい施療コースに関する情報」、「施療コースに関する更新情報」
は、施療コースに関する更新前の情報と異なる新しい情報の点で同じ技
術的意義を有する情報であり、「新しい施療コースのデータ」と「施療
コースの更新データ」は、データとしてみれば、施療コースの更新前の
データと異なる新しいデータの点で同じ技術的意義を有する。
そして、一般に、プログラムにより制御される装置に新たに導入され
5 るプログラムとして、新たなプログラム及び更新プログラムはいずれも
周知の手段である。
そうすると、甲2の1発明において、通信サーバから発信され、端末
装置の新着報知部で報知する情報を、新しい施療コースに関する情報に
加えて施療コースに関する更新情報も採用し、端末装置において導入決
10 定されると、ダウンロードして導入するデータを、新しい施療コースの
データに加えて施療コースの更新データも採用することは、当業者であ
れば容易に想到できることである。
(ウ) そして、本件訂正発明1の奏する効果は、甲2の1発明、周知技術
1及び周知の事項から、当業者が容易に想到できるものであり、格別で
15 はない。
⑷ 本件訂正発明4の進歩性
ア 本件訂正発明4と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~3及び相
違点4で相違し、その余の点で一致する。
(相違点4)
20 本件訂正発明4では、通信サーバが発信する更新情報及び制御部がダウ
ンロードする更新データが「システムプログラム」に関するものであるの
に対し、甲2の1発明は、そのような特定がない点
イ 相違点について
相違点1~3については、前記⑶と同じである。
25 相違点4について、甲2の1発明において、システムプログラムを通信
サーバからダウンロードすることは、単に周知技術2を付加したものにす
ぎないから、当業者であれば容易に想到し得る。
⑸ 本件訂正発明5の進歩性
甲2の1文献には、「商品の購入が決定されることで課金システムによっ
て費用請求するように構成されている」ことが記載されているから、本件訂
5 正発明5と甲2の1発明は、上記相違点1~4で相違し、その余の点で一致
する。
そして、相違点1~4については、上記⑶、⑷と同じであり、当業者であ
れば容易に想到し得る。
⑹ 本件訂正発明6の進歩性
10 ア 本件訂正発明6と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~4及び相
違点5で相違し、その余の点で一致する。
(相違点5)
本件訂正発明6は、「前記操作器は、前記制御部を介して前記通信サー
バと情報通信を行う情報機器としての機能と、情報を表示する画面を更に
15 有しており、前記通信サーバは、前記制御部に情報を発信し、前記操作器
は、前記情報から必要な情報を選択して前記画面に表示させる選択部を有
している」のに対し、甲2の1発明は、そのような特定がない点
イ 相違点について
相違点1~4については、前記⑶、⑷と同じである。
20 相違点5について、本件訂正発明6の構成は、端末装置が有している通
常の機能であり、甲2の1発明にそのような機能を持たせることは当業者
であれば容易になし得たことである。
⑺ 本件訂正発明7の進歩性
ア 本件訂正発明7と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~5及び相
25 違点6で相違し、その余の点で一致する。
(相違点6)
本件訂正発明7は、「前記マッサージ機は、位置情報を有し、前記制御
部は、前記位置情報を前記通信サーバに送信し、前記通信サーバは、前記
位置情報に対応する緊急速報又は位置情報によらない緊急速報を前記制御
部に送信し、前記制御部は、受信した前記緊急速報を緊急速報報知部で報
5 知するよう構成されている」のに対して、甲2の1発明は、そのように特
定されていない点
イ 相違点について
相違点1~5については、前記⑶、⑷、⑹と同じである。
相違点6について、本件訂正発明7の相違点の構成は、周知技術3等に
10 あるように端末装置やマッサージ機が有している通常の構成であり、甲2
の1発明にそのような構成を持たせることは当業者であれば容易になし得
たことである。
⑻ 本件訂正発明8の進歩性
ア 本件訂正発明8と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~6及び相
15 違点7で相違し、その余の点で一致する。
(相違点7)
本件訂正発明8は、「前記制御部は、前記緊急速報を受信すると前記施
療部を停止し、初期状態に復帰するよう構成」されるのに対して、甲2の
1発明は、そのように特定されていない点
20 イ 相違点について
相違点1~6については、前記⑶、⑷、⑹、⑺と同じである。
相違点7について、甲2の1発明において、緊急速報を受信するものと
する際に、施療部を停止し、初期状態に復帰させることは、単なる周知技
術4の付加にすぎないから、当業者であれば容易になし得る。
25 ⑼ 本件訂正発明9の進歩性
ア 本件訂正発明9と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~7及び相
違点8で相違し、その余の点で一致する。
(相違点8)
本件訂正発明9は、「前記マッサージ機は、少なくとも、前記被施療者
が着座する座部と、該座部に着座した前記被施療者の上半身を後方から支
5 持する背凭れ部と、を有し、前記制御部は、前記緊急速報を受信すると、
少なくとも前記背凭れ部を起こすよう構成」されているのに対して、甲2
の1発明は、そのように特定されていない点
イ 相違点について
相違点1~7については、前記⑶、⑷、⑹~⑻と同じである。
10 相違点8について、甲2の1発明を、緊急速報を受信したときに、施療
部を停止し、初期状態に復帰させることは、周知技術4に基づき、当業者
であれば容易になし得たことであり、その初期状態として、背凭れ部を起
こすようにすることも、初期状態のひとつの態様に特定したにすぎず(甲
6技術的事項)、技術の具体的適用に伴う設計変更である。
15 第3 取消事由等に係る当事者の主張
1 取消事由1(一致点の看過〔本件訂正発明1の「他の端末器」〕)
⑴ 原告の主張
本件決定は、甲2の1発明の「端末装置 104」は、本件訂正発明1の「他
の端末器」に相当するという一致点を看過している。
20 ⑵ 被告の主張
本件訂正発明1の「他の端末器」は、「他の端末器を介することなく」と
して、通信サーバから発信された情報等を直接受信することを明確にするた
めに用いられているにすぎず、本件訂正発明1に係る情報ネットワークシス
テムの構成要素ではない。よって、本件訂正発明1の「他の端末器」は甲2
25 の1発明との一致点には当たらず、本件決定に一致点の看過はない。
仮に、相違点2の認定誤りを指摘するものと解しても、相違点2において、
本件訂正発明1は、制御部が「他の端末器を介することなく」情報を直接ダ
ウンロードして報知する構成とするのに対し、甲2の1発明は、「端末装置
104 を介して」マッサージプログラムをダウンロードして転送し得るものと
しているから、相違点2の認定に誤りはない。
5 2 取消事由2(一致点の誤認及び相違点の看過〔本件訂正発明1の「マッサー
ジ機に備え付けられた」〕)
⑴ 原告の主張
本件決定は、甲2の1発明の「端末装置 104」がマッサージ機に備え付け
られたものであるとして、「マッサージ機に備え付けられた」ものであるこ
10 とを一致点として認定している。しかし、「端末装置 104」は、マッサージ
装置 106 の「外部装置」であり、本件訂正発明1の「マッサージ機に備え付
けられた」に相当しない。「備え付けられた」の「付け」とは「二つのもの
を離れない状態にする」(広辞苑)意味であるが、甲2の1発明の「端末装
置 104」は、マッサージ装置 106 から離れている。よって、本件決定には一
15 致点の誤認及び相違点の認定の誤りがある。
⑵ 被告の主張
「備え付ける」とは「ある場所に置いて使えるようにしておく、設けてお
く」(広辞苑)意味であるから、本件訂正発明1の「マッサージ機に備え付
けられた」とはマッサージ機のある場所に置いて使えるようにしておく意味
20 と解される。本件明細書の記載(段落【0034】)からしても、本件訂正
発明1の「マッサージ機に備え付けられた」「操作器」は、タブレット端末
を含むから、離れない状態にするという限定的な意味に解する理由はない。
一方、甲2の1文献の記載からすると、甲2の1発明の「端末装置 104」
は、タブレット型端末を含み得る。そうすると、甲2の1発明の「端末装置
25 104」と本件訂正発明1の「操作器」は、「被施療者がマッサージ機に着座
した状態で操作できるようにマッサージ機の外部に位置するようマッサージ
機に備え付けられた端末装置」である限りで一致するから、本件決定に認定
誤りはない。
3 取消事由3(相違点の看過〔本件訂正発明1の「制御部」の報知とダウンロ
ードへの関与〕)
5 ⑴ 原告の主張
本件訂正発明1の制御部はダウンロード動作を行うが、甲2の1発明のマ
ッサージ装置 106 のマイクロコントローラ 130(本件訂正発明1の制御部に
相当)は、画像フレーム F1 等の表示に関与せず、端末装置 104 からマッサ
ージプログラムの転送を受けること以外は、外部装置である端末装置 104 の
10 アプリケーションプログラム 114 におけるダウンロード動作に関与していな
い。本件決定は、このことを相違点2に係る甲2の1発明の構成に含めてお
らず、相違点を看過している。
⑵ 被告の主張
相違点2では、端末装置 104 が画像フレーム F1 を有し、購入済みマッサ
15 ージプログラムをサーバコンピュータ 103 からダウンロードすることが認定
されているから、相違点の認定に誤りはない。
4 取消事由4(相違点の看過〔甲2の1発明の「端末装置 104」と「マイクロ
コントローラ 130」の関係〕)
⑴ 原告の主張
20 本件訂正発明1では、制御部がダウンロードに関与しているが、甲2の1
発明では、マッサージ装置 106 のマイクロコントローラ 130 は、ダウンロー
ドに関与していない。サーバコンピュータ 103 は、端末装置 104 に接続して
いるのであり、マッサージ装置 106 内のマイクロコントローラ 130 に接続、
発信する機能はない。本件決定は、このことを相違点2に係る甲2の1発明
25 の構成に含めておらず、相違点を看過している。
⑵ 被告の主張
相違点2では、端末装置 104 からみると、マッサージ装置 106 のマイクロ
コントローラ 130 の制御を受けずにサーバコンピュータ 103 からダウンロー
ドすることが認定されている。また、サーバコンピュータ 103 からの情報は、
端末装置 104 を介して最終的にマッサージ装置 106 に発信していることが認
5 定されている。よって、相違点の認定に誤りはない。
5 取消事由5(一致点の誤認及び相違点の看過〔新着報知部〕)
⑴ 原告の主張
本件決定は、新着報知部を一致点として認定している。しかし、本件訂正
発明1の「新着報知部」は、「新たに到着したこと又は着いたばかりである
10 ことを、人に告げて、その人が知るようにする」機能を有するのに対し、甲
2の1発明の端末装置 104 は、新しいマッサージプログラムのリリースにつ
いて通知され、当該通知を受けるものの、その画像フレーム F1 は、利用可
能なマッサージプログラム 501 のリストを列挙するにすぎず、リスト中に新
しいマッサージプログラムが含まれていても、リスト中のどれが「新しいマ
15 ッサージプログラム」であるかを知ることはできない。よって、甲2の1発
明の画像フレーム F1 は、新着報知部の前記機能を有していない。したがっ
て、一致点の誤認及び相違点の看過がある。
⑵ 被告の主張
甲2の1文献の明細書の記載(段落[0029][0030][0032]
20 [0033])によれば、ステップ 304 でサーバコンピュータ 103 から送信
された新しいマッサージプログラムのリリースについて通知された端末装置
104 において、ステップ 402 で表示される購入可能な複数のマッサージプロ
グラム 501 を列挙している画像フレーム F1 に新しくリリースしたマッサー
ジプログラムが表示されることは明らかである。
25 原告が主張する「リスト中に新しいマッサージプログラムが含まれた場合
に、どれが新しいマッサージプログラムであるのかを知るように表示するこ
と」は、本件訂正発明1においても、特定されていない。
よって、甲2の1発明の「画像フレーム F1」は、本件訂正発明1の「新
着報知部」に相当する。
6 取消事由6(相違点についての認定判断の誤り1〔統合の容易性の誤り〕)
5 ⑴ 原告の主張
甲2の1発明において端末装置 104 は「外部装置」であり、本件訂正発明
1の「マッサージ機に備え付けられた」ものではないから、その端末装置
104 をマッサージ装置 106 のリモートコントローラ 150 に統合することは、
「外部装置」を本質的な特徴的部分とする甲2の1発明における当該本質的
10 な特徴的部分を失わせ、甲2の1発明の技術的意義を無にするものである。
よって、甲2の1文献に接した当業者にとって、「外部装置」である端末装
置 104 を、マッサージ装置 106 のリモートコントローラ 150 に統合すること
は容易になし得るものとはいえず、甲2の1文献にその動機付けとなる記載
もない。
15 ⑵ 被告の主張
甲2の1文献の明細書の記載(段落[0004]~[0006])によれ
ば、甲2の1発明の解決課題は、既存のマッサージ装置の一連の所定のマッ
サージプログラムが変更できず、マッサージ効果が限定されてしまうことで
あり、この課題を解決するための手段は、マッサージ装置のマイクロコント
20 ローラが、外部装置からマッサージプログラムを受信し、メモリに保存し、
実行することである。そして、外部装置は、既存のマッサージ装置に対して、
新たなマッサージプログラムを提供する装置であればよく、端末装置 104 を
介することが課題解決手段として必須の構成ではない。よって、甲2の1発
明の本質的特徴は、マッサージ装置がサーバ等の外部装置から新たなマッサ
25 ージプログラムを受信し保存し実行することであるから、このような本質的
特徴は、端末装置 104 をマッサージ装置 106 のリモートコントローラ 150 に
統合することで失われることはない。原告の主張は前提に誤りがある。
また、サーバコンピュータとマッサージ装置に他の端末機を介さずに通信
を行わせることは周知技術1であり、サーバコンピュータ 103 から情報の受
信及びダウンロードの機能を端末装置 104 に代えてマッサージ装置 106 が直
5 接行うようにすることは、当業者であれば容易に想到する。マッサージ装置
106 が接続された外部装置から情報を受信及びダウンロードすることは甲2
の1文献にも記載されている。
リモートコントローラ 150 と端末装置 104 という2つの端末が存在し、操
作が煩雑になっているところ、これらを統合して操作対象となる端末の数を
10 減らすことは、乙2文献(段落【0008】【0015】【0029】図1)
にも記載されている。
したがって、端末装置 104 をマッサージ装置 106 の制御部のリモートコン
トローラ 150 に統合することは単なる機能及び構成の統合に過ぎず、当業者
が容易になし得ることである。
15 7 取消事由7(相違点についての認定判断の誤り2〔統合した構成の認定判断
の誤り・その1〕)
⑴ 原告の主張
仮に、甲2の1発明の端末装置 104 をマッサージ装置 106 のリモートコン
トローラ 150 に統合し、リモートコントローラ 150 に画像フレーム F1 を設
20 けるとしても、端末装置 104 は「新着報知部」を有さず、利用可能なマッサ
ージプログラムのリストを列挙するにすぎないから、統合しても「新たに到
着したこと又は着いたばかりであることを、人に告げて、その人が知るよう
にする」という意義をもつ「新着報知部」を有するリモートコントローラ
150 は得られない。よって、統合しても相違点1に係る構成を備えることに
25 ならない。このことは、相違点3についての認定判断の誤り、本件訂正発明
1の奏する効果の認定判断の誤りにも帰結している。
⑵ 被告の主張
甲2の1発明の画像フレーム F1 が、本件訂正発明1の「新着報知部」に
相当することに誤りはないから、原告の主張は前提に誤りがある。
また、甲2の1発明のリモートコントローラ 150 は、マッサージ機の利用
5 時に操作可能であり、端末装置 104 をマッサージ装置 106 のリモートコント
ローラ 150 に統合することで、サーバコンピュータ 103 から通知された新し
くリリースされたマッサージプログラムを表示し、それに基づき購入依頼す
ることができる。したがって、マッサージ機利用時に報知を確実に知り、必
要に応じて操作器において新しい施療コースの導入を決定してダウンロード
10 させるとともに、施療コースの更新を決定してダウンロードをさせることが
でき非常に利便性が高いという作用効果は、甲2の1発明の上記統合により
当業者が予測する範囲のものである。
8 取消事由8(相違点についての認定判断の誤り3〔統合した構成の認定判断
の誤り・その2〕)
15 ⑴ 原告の主張
前記の統合をすると、端末装置 104 が有していた情報の報知とダウンロー
ドの機能をリモートコントローラ 150 が備える構成が得られるが、これは、
「端末装置 104 の機能が統合されたリモートコントローラ 150」(マッサー
ジ装置 106 のマイクロコントローラ 130 から見ると「他の端末器」に該当す
20 る。)が、ダウンロードして、マッサージ装置 106 のマイクロコントローラ
130(本件訂正発明1の「制御部」に相当)に転送する構成となり、「制御
部に情報を直接ダウンロードする」構成は得られない。
したがって、統合を行っても、マッサージ装置 106 のマイクロコントロー
ラ 130 は、マッサージプログラムの転送を受けること以外はダウンロードに
25 関与しない。周知技術1の文献には、甲2の1発明の構成を本件訂正発明1
の構成に置換することの開示も示唆もない。また、統合して、置換するとい
う2段階の過程が必要となるのは、いわゆる「容易の容易」の判断となり、
容易とはいえない。
本件決定の「制御部のリモートコントローラ 150」との表現も誤認である。
甲2の1発明において、リモートコントローラ 150 は、マイクロコントロー
5 ラ 130 とは別のマイクロコントローラ 154(画面表示を制御する。)を有し
ており、マイクロコントローラ 130 が表示画面の制御をしているわけではな
い。当業者が「マイクロコントローラ 130 のリモートコントローラ 150」等
と把握する理由はない。よって、「制御部のリモートコントローラ 150」と
することは本件訂正発明1に近づけた理解をしようとするものであり、容易
10 想到性の判断として失当である。
⑵ 被告の主張
甲2の1文献の記載(段落[0020][0023][0024][00
27]図2)によれば、甲2の1発明のマイクロコントローラ 130 は、リモ
ートコントローラ 150 を含むマッサージ装置 106 を制御、監視するものであ
15 り、外部装置との間の無線によるデータ交換を可能にする無線通信インター
フェース 126 とのデータ交換のための送受信機 140 を有する。
そして、周知技術1に照らし、端末装置 104 をリモートコントローラ 150
に統合し、マッサージ装置 106 と一体とすれば、端末装置 104 が行っていた
情報の報知は、マッサージ装置 106 の中で表示画面を有するリモートコント
20 ローラ 150 にて行われ、端末装置 104 が行っていた情報のダウンロードはマ
ッサージ装置 106 の中で外部装置から情報を受信、ダウンロードする無線通
信インターフェース 126 及び送受信機 140 を通じて行われることとなり、マ
イクロコントローラ 130 は、サーバコンピュータ 103 から情報を無線インタ
ーフェース 126 及び送受信機 140 を用いて直接ダウンロードする構成になる。
25 また、甲2の1発明のマイクロコントローラ 130 は、リモートコントロー
ラ 150 を含むマッサージ装置 106 の制御、監視を行っており、甲2の1文献
の図2のようにマイクロコントローラが有する送受信機 140 は、リモートコ
ントローラ 150 のマイクロコントローラ 154 とも接続されている。
そうすると、甲2の1発明において、端末装置 104 をリモートコントロー
ラ 150 に統合し、マッサージ装置と一体として、サーバコンピュータ 103 か
5 らの情報をマッサージ装置 106 が直接ダウンロードする構成においては、マ
イクロコントローラ 130 がマッサージ装置 106 の制御、監視を行っており、
表示画面を駆動する表示制御部 152 を有するリモートコントローラ 150 とも
接続されているから、マッサージ装置 106 がダウンロードする情報を選択す
るために必要な表示に係る情報は、マッサージ装置 106 のマイクロコントロ
10 ーラ 130 に接続されたリモートコントローラ 150 の表示画面に表示されるこ
ととなる。したがって、マイクロコントローラ 130 が、情報の報知に関与せ
ず、マッサージプログラムの転送を受ける以外はダウンロードに関与しない
との原告の主張は失当である。
上述のように、甲2の1発明のマイクロコントローラ 130 は、リモートコ
15 ントローラ 150 を含むマッサージ装置 106 の制御、監視を行っており、マッ
サージ装置 106 の制御部はマイクロコントローラ 130 を示すから、マッサー
ジ装置 106 に制御部が存在しないとの原告の主張は失当である。
第4 当裁判所の判断
1 当裁判所は、本件決定における本件訂正発明と甲2の1発明の一致点及び相
20 違点の認定に誤りはなく、各相違点に係る容易想到性を認めた結論にも誤りは
ないから、原告の請求は理由がないものと判断する。
その理由は、以下のとおりである。
2 本件訂正発明
⑴ 本件訂正発明1及び4~9の内容は、別紙「特許請求の範囲」記載のとお
25 りであり、本件明細書には、別紙「本件明細書の記載(抜粋)」の各記載が
ある(甲11)。
⑵ 本件訂正発明の概要
ア 技術分野
本件訂正発明は、マッサージ機を備えた情報ネットワークシステムに関
する技術分野に属する(【0001】。以下、特に断らない限り、【 】
5 内の数字は、本件明細書の段落番号を指す。)。
イ 背景技術
マッサージ機には、通常、複数の施療コースが予め設定されており、被
施療者が選択することができるようになっているところ、被施療者によっ
ては、予め設定された施療コースではリラックスを損なうことがあり、施
10 療コースを更新できるようにしたマッサージ機が提案されている(【00
02】【0003】)。例えば、この種の先行技術として、施療内容に係
る情報を携帯通信端末で取得後、携帯通信端末でデータをダウンロードし
てからマッサージ機の操作部に移行させるものがある(【0004】)。
ウ 発明が解決しようとする課題
15 しかし、先行技術では、携帯通信端末において施療内容に係る情報を入
手する必要があるため、携帯通信端末でのデータのダウンロードと、その
データを携帯通信端末からマッサージ機に移行させる必要があり、煩雑な
操作が必要となる。その上、施療コースは、マッサージ機の製造時におけ
る内容から修正される場合があるが、通常、家庭に設置される全てのマッ
20 サージ機に対してデータの更新があることを知らせるのは難しい(【00
07】【0009】)。
そこで、本件訂正発明は、被施療者がマッサージ機の利用時に、マッサ
ージ機に関する新着情報があることを知ることができ、被施療者が確認し
て決定できる情報ネットワークシステムを提供することを目的とする
25 (【0010】)。
エ 課題を解決するための手段
(ア) 本件訂正発明に係る情報ネットワークシステムは、被施療者を施療
する施療部と前記施療部を制御する制御部と前記制御部を介して前記施
療部を操作するための操作器とを有するマッサージ機と、前記制御部と
通信ネットワークを介して接続された通信サーバと、を備え、前記通信
5 サーバは、前記マッサージ機に関する新着情報を発信し、前記制御部は、
前記新着情報を受信すると新着報知部で前記新着情報を受信したことを
報知するように構成されている。「新着報知部」は、操作器の他、独立
した新着報知部、マッサージ機の一部、などとすることができる。独立
した新着報知部には、スマートフォン、タブレット端末などを含む
10 (【0011】)。
(イ) この構成により、通信サーバからマッサージ機に関する新しい情報
が送信されると、マッサージ機は受信した新しい情報を新着報知部に表
示して、被施療者に新しい情報があることを知らせることができる。被
施療者は、マッサージ機の使用時に新着表示部(ママ)によって新しい情
15 報が届いたことを確認することができる(【0012】)。
(ウ) また、前記通信サーバは、前記制御部に前記マッサージ機の施療コ
ースに関する更新情報又は新しい施療コースに関する情報を発信し、前
記制御部は、前記更新情報又は新しい施療コースに関する情報を情報報
知部に報知し、前記更新情報又は新しい施療コースの導入が決定される
20 と、前記施療コースの更新データ又は新しい施療コースのデータを前記
通信サーバからダウンロードして導入するよう構成されていてもよい。
「情報報知部」は、操作器の他、独立した情報報知部(例えば、スマー
トフォン、タブレット端末など)を含む(【0013】【0015】)。
(エ) このように構成すれば、新しい施療コースに関して被施療者に情報
25 報知部で知らせることができ、被施療者が新しい施療コースの導入を決
定すると、新しい施療コースのデータがネットワークを介してダウンロ
ードされて導入され、被施療者はすぐに新しい施療コースを利用するこ
とができる(【0016】)。
(オ) 前記操作器は、前記制御部を介して前記通信サーバと情報通信を行
う情報機器としての機能と、情報を表示する画面を更に有しており、前
5 記通信サーバは、前記制御部に情報を発信し、前記操作器は、前記情報
から必要な情報を選択して前記画面に表示する選択部を有していてもよ
い(【0021】)。
オ 発明の効果
本件訂正発明によれば、被施療者がマッサージ機の利用時にマッサージ
10 機に関する新着情報があることを知ることができる。そして、被施療者は
マッサージ機に関する施療コースの更新などの情報を確認し、被施療者の
判断で対応を決定することが可能となる(【0029】)。
カ 発明を実施するための形態(新着報知及びデータの導入)
(ア) 実施形態のマッサージ機10を備えた情報ネットワークシステム1
15 は(【0032】)、マッサージ機10の座部11の左右位置にはアー
ムレスト13を有し(【0033】)、アームレスト13の部分には、
このマッサージ機10を操作する操作器20が備えられ、操作器20の
画面21は、マッサージ機10に関する新着情報を被施療者に報知する
新着報知部22としての機能を有している(【0034】)。
20 (イ) 通信サーバ41から発信された情報をマッサージ機10の制御部1
7が受信すると、制御部17は、操作器20の画面21の一部に設定さ
れた新着報知部22において受信したことを報知する。報知としては、
画面表示による報知の他、スピーカからの音声による報知、LEDなど
の光による報知、などを含む(【0035】)。
25 (ウ) 通信サーバ41は、制御部17にマッサージ機10の施療コースに
関する更新情報又はマッサージ機10に関する新しい施療コースに関す
る情報を発信する。制御部17は、新着情報があることを操作器20の
新着報知部22で報知する。被施療者が新着報知部22を選択するよう
にし、新着報知部22が選択されると、情報報知部23に更新情報又は
新しい施療コースに関する情報があることが報知されるが、被施療者が
5 選択することなく、情報報知部23に更新情報の内容が報知されるよう
にすることもできる(【0041】【0043】)。
(エ) 被施療者は、施療コースを更新するか否か、新しい施療コースを導
入するか否かを判断できる。被施療者によって更新又は導入する新しい
施療コースが決定されると、施療コースの更新データ又は新しい施療コ
10 ースのデータが通信ネットワーク3を介して通信サーバ41からダウン
ロードされ、更新データ又は新しい施療コースのデータは、制御部17
によってインストールされ、これにより、マッサージ機10の施療コー
スを最新の状態にすることができ、又は被施療者はすぐに新しい施療コ
ースを利用することができる(【0041】【0043】)。
15 (オ) 新着報知部22を有する端末器30を備えている場合、端末機30
に情報報知部23を備えさせて、端末機30に更新情報、新しい施療コ
ースに関する情報などを報知するようにしてもよい(【0048】)。
キ 以上のように、上記マッサージ機10を備えた情報ネットワークシステ
ム1によれば、被施療者がマッサージ機10の利用時にマッサージ機10
20 に関する新着情報があることを知ることが可能となる。そして、被施療者
はマッサージ機10に関する施療コースの更新、新しい施療コースの情報
などを確認し、被施療者の判断で対応を決定することが可能となる。これ
により、マッサージ機10の機能を、通信ネットワーク3を介して適切に
保つことが可能となる(【0063】)。
【図1】
【図2】
【図3】 【図4】 【図5】
3 甲2の1発明
⑴ 甲2の1文献は、2014(平成26)年12月11日に公開された発明
の名称を「マッサージ関連サービスを提供するシステム及び方法」とする国
際特許出願の国際公開公報(2014/196922号)であり、別紙「甲
5 2の1文献の記載」の各記載がある(翻訳につき、本件決定、第1回原告準
備書面別紙1、甲2の2)。その記載事項の概要は、次のとおりである。
ア 既存のマッサージ装置においては、一連の所定のマッサージプログラム
を変更することができないために、マッサージ装置を柔軟に使用すること
ができず、マッサージの効果を限定してしまうという課題があった(甲2
10 の1文献[0004]。以下、特に断らない限り、[ ]内の数字は甲2の
1文献の段落番号を、[図〇]は甲2の2文献の図を指す。)。
甲2の1発明は、課題解決手段となるマッサージ装置を使用したユーザ
体験を強化し得るマッサージ関連サービスを提供するシステム及び方法と
して、マッサージ装置のマイクロコントローラが、外部装置と接続し、外
15 部装置からマッサージプログラムのプログラムコードを受信してマッサー
ジプログラムをメモリに保存し、実行するように構成するものである
([0004][0006])。
イ マッサージ装置 106 に新しいマッサージプログラムを提供する方法は、
次のとおりである。
20 (ア) [図1]はマッサージ関連サービスを提供するシステムの実施形態
を描写する概略図、[図2]はマッサージ装置の一実施形態を描写する
簡略化されたブロック図、[図3]はサーバレベルでのマッサージプロ
グラムを提供するための方法のステップを描写するフローチャート、
[図4]はマッサージプログラムを購入するために端末装置レベルで適
25 用される方法のステップを描写するフローチャートである。
(イ) [図3]の第 1 のステップ 302 で、新しいマッサージプログラムは
サーバコンピュータ 103 にアップロードされ得る([0028])。
ステップ 304 で、サーバコンピュータ 103 は、新しいマッサージプロ
グラムのリリースについての通知を送信し得る。この通知は、サーバコ
ンピュータ 102 を介して端末装置 104 に中継され得る。端末装置 104 は、
5 アプリケーションプログラム 114 を介して新しいマッサージプログラム
のリリースについて通知され得る([0029])。
ステップ 306 で、サーバコンピュータ 102 は、端末装置 104 から購入
依頼を受信し、支払手続きを開始し、サーバコンピュータ 103 に購入済
みマッサージプログラムのダウンロードの要求を送信し得る([003
10 0])。
サーバコンピュータ 102 からのダウンロード要求に応じて、サーバコ
ンピュータ 103 はステップ 308 で、購入済みマッサージプログラムの 1
つまたは複数のファイルを端末装置 104 に送信し得る。購入済みマッサ
ージプログラムは、例として、インターネット接続を介してサーバコン
15 ピュータ 103 から端末装置 104 にダウンロードされ得る([003
1])。
(ウ) [図4]のステップ 402 で、端末装置 104 で実行されているアプリ
ケーションプログラム 114 は、購入可能な複数のマッサージプログラム
501 を列挙している[図 5A]に示されているように、画像フレーム F1
20 を表示し得る。利用可能なマッサージプログラム 501 のリストは、サー
バコンピュータ 102 または 103 により提供され更新され得る。ユーザが
関心のあるマッサージプログラムをプレビューしたい場合、アプリケー
ションプログラム 114 は、選択されたマッサージプログラムを紹介する
画像フレーム F2 を表示し得る。[図 5B]によく示されているように、
25 画像フレーム F2 は、マッサージプログラムの名称を特定するフィール
ド 502、マッサージプログラムの特性と特徴を描写する部分 504、ユー
ザが購入取引を開始または取り消しするためにそれぞれ選択可能な購入
アイコン 506 とキャンセルアイコン 508 を含み得る([0032])。
ユーザがマッサージプログラムを購入したい場合、アプリケーション
プログラム 114 はステップ 404 で、選択されたマッサージプログラムと
5 関連する購入取引を実施し得る。たとえば、アプリケーションプログラ
ム 114 は、[図 5C]に示されているように、選択されたマッサージプロ
グラムを表示されている価格で購入することを確認するようユーザに要
求する確認ウィンドウ F3 を表示し、次いで[図 5D]に示されているよ
うに、クエリポップアップウィンドウ F4 を介して特定の識別情報を問
10 い合わせ得る。([0033])
次のステップ 406 で、アプリケーションプログラム 114 は続けて購入
済みマッサージプログラムをサーバコンピュータ 103 からダウンロード
し得る。([0034])
マッサージプログラムの端末装置 104 へのダウンロードが完了する
15 と、アプリケーションプログラム 114 は、ダウンロード済みマッサージ
プログラムをマッサージ装置 106 に転送するかをユーザに尋ねる、クエ
リウィンドウ F6 を表示し得る。ユーザが確認すると、アプリケーショ
ンプログラム 114 はステップ 408 で、マッサージ装置 106 との接続を確
立し、続けてダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置
20 106 に転送し得る。([0035])
マッサージプログラムのマッサージ装置 106 への転送が完了した後、
アプリケーションプログラム 114 は、マッサージ装置 106 にマッサージ
プログラムの実行を開始させるかをユーザに尋ねる、[図 5H]に示さ
れているクエリウィンドウ F8 を表示し得る。起動要求に応じて、アプ
25 リケーションプログラム 114 はステップ 410 で、マッサージ装置 106 で
マッサージプログラムの実行を開始するためにマッサージ装置 106 に信
号を送信し得る。([0036])
なお、以下の図は、甲2の2文献によるものである。
[図1]
15 [図2]
[図3] [図4]
[図5A]
15 ⑵ 以上の甲2の1文献の記載事項によれば、甲2の1文献には、別紙「引用
発明等」1項記載の甲2の1発明が記載されているものと認められる。
4 本件訂正発明1と甲2の1発明の対比
⑴ 本件訂正発明1と甲2の1発明を対比すると、前記第2の4⑶イで本件決
定が認定したとおりの一致点と相違点があるものと認めるのが相当である。
⑵ 取消事由1(一致点の看過〔本件訂正発明1の「他の端末器」〕)につい
て
原告は、甲2の1発明の「端末装置 104」は、本件訂正発明1の「他の端
5 末器」に相当するから、一致点を看過していると主張する。
しかしながら、「端末装置 104」が本件訂正発明1の「他の端末器」に相
当するものと認めることは、本件訂正発明1においては、甲2の1発明のよ
うに「他の端末器」を介して情報をダウンロードするものではないという発
明特定事項を確認するために意味があるだけである。そして、マッサージ機
10 が通信サーバから情報を直接ダウンロードするのか、端末装置を介してダウ
ンロードするのかという点について両者が相違することは、本件決定が相違
点2として認定したとおりである。したがって、「端末装置 104」が本件訂
正発明1の「他の端末器」に相当するとしても、それが「他の端末器」を介
することなく通信サーバから情報を「直接」ダウンロードするものである本
15 件訂正発明1と甲2の1発明との間の相違点となることに変わりはなく、一
致点となるわけではないから、原告の主張は、失当である。
よって、原告の取消事由1に係る主張を採用することはできない。
⑶ 取消事由2(一致点の誤認及び相違点の看過〔本件訂正発明1の「マッサ
ージ機に備え付けられた」〕)について
20 本件決定は、「端末装置 104」と、本件訂正発明1の「操作器」は、「被
施療者がマッサージ機に着座した状態で操作できるようにマッサージ機の外
部に位置するようマッサージ機に備え付けられた端末装置」である点で一致
するとしている(本件決定24頁)ところ、原告は、甲2の1発明の「端末
装置 104」は、マッサージ装置 106 の「外部装置」であり、本件訂正発明1
25 の「マッサージ機に備え付けられた」に相当しないから、一致点の誤認と相
違点の看過があるなどと主張する。
しかしながら、「備え付ける」とは「ある場所に置いて使えるようにして
おく。設けておく。」(乙1・広辞苑第6版)ことを意味しており、必ずし
も物理的に離れていない状態であることを意味するものとは解されない。本
件訂正発明1のマッサージ機も「操作器20は、被施療者が着座した状態で
5 操作できるように備えられている。操作器20としては、タブレット端末の
ような操作器20とすることができる。」(【0034】)とされるから、
本件訂正発明1における「備え付けられている」ことが、必ずしもマッサー
ジ機と物理的に離れていない状態を限定するものとも解されない。
他方、甲2の1発明の「端末装置 104」はマッサージ装置からみれば「外
10 部装置」であるが([0004]、Claim1)、マッサージ装置と接続し、マ
ッサージ装置とともにマッサージ関連サービスを提供するシステムを構成し
ており([0008]、Claim12)、スマートフォン、タブレット型コンピ
ュータ…などを含み得るとされている([0018])。すなわち、甲2の
1発明の「端末装置 104」は、物理的にマッサージ機と離れている状態(外
15 部装置)であっても、機能的にみて、マッサージ装置のために「備え付けら
れた」ということができる端末装置であると解される。
これらの点に照らすと、甲2の1発明の「端末装置 104」と本件訂正発明
1の「操作器」は、いずれも「マッサージ機に備え付けられた端末装置」で
ある点において一致する旨の本件決定の判断に誤りはない。したがって、こ
20 の点に関する一致点の誤認と相違点の看過はないから、原告の取消事由2に
係る主張を採用することはできない。
⑷ 取消事由3(相違点の看過〔本件訂正発明1の「制御部」の報知とダウン
ロードへの関与〕)について
原告は、甲2の1発明のマッサージ装置 106 のマイクロコントローラ 130
25 (本件訂正発明1の制御部に相当)は、画像フレーム F1 等の表示に関与せ
ず、端末装置 104 からマッサージプログラムの転送を受けること以外は、外
部装置である端末装置 104 のアプリケーションプログラム 114 におけるダウ
ンロード動作に関与していないが、このことが相違点2に係る甲2の1発明
の構成に含まれておらず、相違点が看過されているなどと主張する。
しかしながら、相違点2は、本件訂正発明1においては、マッサージ機の
5 制御部が、新しい施療コースに関する情報等を報知し、新しい施療コースの
データを通信サーバからダウンロードするものとしているのに対し、甲2の
1発明においては、端末装置 104 のアプリケーションプログラム 114 が、画
像フレーム F1 を表示し、マッサージプログラムをサーバコンピュータ 103
からダウンロードする点を相違点としている。したがって、相違点2は、マ
10 ッサージ機の制御部(マイクロコントローラ 130)が報知及びダウンロード
動作を行う否かを本件訂正発明1と甲2の1発明との相違点の内容として掲
げており、原告の主張と齟齬するものではなく、相違点の認定に特段の誤り
は認められないというべきである。
よって、原告の取消事由3に係る主張を採用することはできない。
15 ⑸ 取消事由4(相違点の看過〔甲2の1発明の「端末装置 104」と「マイク
ロコントローラ 130」の関係〕)について
原告は、甲2の1発明では、マッサージ装置 106 のマイクロコントローラ
130 は、ダウンロードに関与しておらず、サーバコンピュータ 103 は、マッ
サージ装置 106 内のマイクロコントローラ 130 に接続、発信する機能はない
20 が、このことが相違点2に係る甲2の1発明の構成に含まれておらず、相違
点が看過されているなどと主張する。
しかしながら、甲2の1発明のマイクロコントローラ 130 がダウンロード
動作を行わない点が相違点2の内容に含まれていることは、既に取消事由3
で述べたとおりである。サーバコンピュータ 103 がマイクロコントローラ
25 130 に接続、発信することがないのは、甲2の1発明においてマイクロコン
トローラ 130 がダウンロード動作を行わないことの結果にすぎない。相違点
2は、原告の主張と齟齬するものではなく、相違点の認定に特段の誤りは認
められないから、原告の取消事由4に係る主張を採用することはできない。
⑹ 取消事由5(一致点の誤認及び相違点の看過〔新着報知部〕)について
ア 原告は、甲2の1発明では、甲2の1発明の画像フレーム F1 は、「新
5 たに到着したこと又は着いたばかりであることを、人に告げて、その人が
知るようにする機能」を有していないから、新着報知部とはいえず、一致
点の誤認及び相違点の看過があると主張する。
イ そこで、検討すると、本件訂正発明に係る本件明細書によれば、被施療
者は、マッサージ機の使用時に新着表示部(ママ)によって新しい情報が届
10 いたことを確認することができ(【0012】)、操作器20の画面21
は、マッサージ機10に関する新着情報を被施療者に報知する新着報知部
22としての機能を有しており(【0034】)、通信サーバ41からマ
ッサージ機10に関する新しい情報が送信されると、マッサージ機10は
受信した新しい情報を新着報知部22に表示して、被施療者に新しい情報
15 があることを知らせ、被施療者は、マッサージ機10の使用時に新着報知
部22によって新しい情報が届いたことを確認することができる(【00
38】)。この場合において、被施療者が新着報知部22を選択すること
なく、情報報知部23に更新情報の内容が報知されるようにすることもで
きる(【0041】【0043】)。情報報知部23に表示された新着報
20 知例を示す【図5】においては、新着情報の画面に複数の「新着施療コー
ス」に関する情報が表示されている。このような本件訂正発明1の新着報
知部による新着情報の報知とは、必ずしも「着いたばかりであること」を
人に告げるものとはいえず、マッサージ機に導入されていない新しい施療
コースがあることを知らせることを含むものである。
25 他方、前記第4の3のとおり、甲2の1発明では、サーバコンピュータ
の動作において、ステップ 302 で、新しいマッサージプログラムがサーバ
コンピュータ 103 にアップロードされると([0028])、ステップ
304 で、サーバコンピュータ 103 は、新しいマッサージプログラムのリリ
ースについての通知を送信し、サーバコンピュータ 102 がこれを中継し、
端末装置 104 は、アプリケーションプログラム 114 を通じ、新しいマッサ
5 ージプログラムのリリースについて通知を受ける([0029])。端末
装置の動作においても、ステップ 402 で、購入可能な複数のマッサージプ
ログラム 501 を列挙している画像フレーム F1 を表示し、利用可能なマッ
サージプログラム 501 のリストは、サーバコンピュータ 102 又は 103 によ
り提供され更新されるものとされている([0032])。
10 すなわち、甲2の1発明においては、サーバコンピュータ 103 から送信
された新しいマッサージプログラムのリリースについての通知が端末装置
104 に通知され、通知を受けた端末装置 104 の画像フレーム F1 は、購入可
能な複数のマッサージプログラム 501 のリストを表示するのであるから
(当該リストは、サーバコンピュータにより提供され更新される。)、甲
15 2の1発明の画像フレーム F1 に列挙されたプログラムは、マッサージ機
に導入されていない新しい施療コースのプログラムであり、該画像フレー
ム F1 は、これがあることを知らせる新着報知部に相当するというべきで
ある。
そうすると、本件訂正発明1の新着報知部に係る原告の主張する相違点
20 を認めることはできない。
よって、相違点の認定に特段の誤りは認められず、原告の取消事由5に
係る主張を採用することはできない。
5 本件訂正発明1の進歩性(甲2の1発明との相違点の容易想到性)
⑴ 相違点1及び2について
25 ア 周知技術1
前記第2の4、別紙「引用発明等」2のとおり、甲1文献(特開201
6-30018号公報)には、マッサージシステムにおいて、携帯端末装
置80に代えて、マッサージ機の操作部(リモコン)を用いて、操作部が
マッサージ機に対し外付けとなっている構造やマッサージ機表面に一体化
されている構造とし、外見的には、マッサージ機を直接ネットワークに接
5 続すること(甲1文献【0144】、甲1技術的事項①)が記載され、甲
3文献(特開2003-79687号公報)には、空気マッサージ機にモ
デム93を内蔵させ、携帯電話機92等を用意することなく、通信ネット
ワークNTW上に公開されているデータベース90にアクセスすること
(甲3文献【0175】【図33】、甲3技術的事項)が記載され、甲4
10 文献(特開2002-16983号公報)には、インターネットLなどの
通信ネットワークを介して、サービスサーバ1と、マッサージ機3a(通
信装置を内蔵したもの)とを接続すること(甲4技術的事項①)が記載さ
れている(甲4文献【0026】【0032】)。
したがって、これらの技術的事項によれば、周知技術1(サーバコンピ
15 ュータとマッサージ装置に他の端末機を介さずに通信を行わせること〔甲
1技術的事項①、甲3技術的事項、甲4技術的事項〕)が認められる。
イ 乙2文献の記載事項
乙2文献(特開平11-16272号公報)には、マルチメディアシス
テムは、多数の機器が ATV に接続されている場合には、各々の装置に対
20 する遠隔制御器を用いて動作命令を入力しなければならないため不便であ
ったことから、乙2文献記載の発明により、遠隔制御器の数を減らし、一
つの遠隔制御器を用いること(【0008】【0009】【0015】
【0029】【図1】【図2】)が記載されている。
【図1】 【図2】
ウ 以上を踏まえ、相違点1及び2について検討する。
10 前記アのとおり、サーバコンピュータとマッサージ装置に他の端末機を
介さずに通信を行わせることは、周知技術(周知技術1)であり、また、
前記イのとおり、煩雑なシステムを簡素化することはありふれた課題であ
る。
そして、甲2の1文献によれば、甲2の1発明のマッサージ装置 106 は、
15 無線通信インターフェース 126、マイクロコントローラ 130 などを含むも
のであり、このうち、無線通信インターフェース 126 は、マイクロコント
ローラ 130 と「他の外部装置」との間の無線によるデータ交換を可能にす
る Wi-Fi インターフェース等を含み得る([0020][0023])。
他方、サーバコンピュータ 103 は、マッサージ装置 106 の外部に位置し、
20 新しいマッサージプログラムを供給する「他の外部装置」に該当するから、
マッサージ装置が直接サーバコンピュータと無線によるデータ交換を行う
ことは、甲2の1文献にも示唆がある。甲2の1発明の課題は、既存のマ
ッサージ装置は、通常、変更することができないマッサージプログラムの
所定の組み合わせしか利用することができないため、マッサージの効果が
25 限定されてしまうことであり([0004][0005])、その解決手
段は、マッサージ装置のマイクロコントローラが外部装置と接続し、マッ
サージプログラムを受信してメモリに保存した上、これを実行することで
ある([0006])。この観点からは、マイクロコントローラ 130 と無
線によるデータ交換をする外部装置を端末装置に限る必要は全くない(マ
イクロコントローラ 130 が直接通信する相手方を端末装置 104 以外の装置
5 とすることにつき阻害要因はない。)。そうすると、上記示唆の有無にか
かわらず、甲2の1発明のマッサージ装置 106 及びマイクロコントローラ
130 に上記の周知技術を適用することにより、端末装置 104 を介するので
はなく、サーバコンピュータ 103 とマッサージ装置 106 が直接通信を行う
ものとすることは、そもそも当業者がシステムを簡素化し、改良する場合
10 に、周知技術を利用し、通常の創作能力を発揮することにより行うことが
できる範囲のものということができる。この場合において、新しい施療コ
ースに関する情報を表示するため、端末装置 104 をそのまま維持すると、
簡素化の目的を達成することができないことは自明である。新しい施療コ
ースに関する情報を表示するための端末装置 104 に代わる選択肢を検討す
15 ると、甲2の1発明においては、マイクロコントローラ 130 と繋がり、表
示画面にグラフィカルコンテンツを表示し、ユーザの入力を受信するリモ
ートコントローラ 150([0027])に、端末装置 104 の画像フレーム
F1 における「新着報知部」としての表示機能や、「購入するマッサージ
プログラム」の入力機能を行わせる構成以外に合理的な選択肢は見当たら
20 ない。
以上によれば、甲2の1発明において、相違点1及び2に係る本件訂正
発明1の構成とすることは、甲2の 1 発明のシステムを簡素化し、改良し
ようとする当業者において、周知技術1を利用することにより容易に想到
し得たものというべきである。
25 ⑵ 相違点3について
本件訂正発明1の「新しい施療コースに関する情報」と「施療コースに関
する更新情報」は、これまでに導入されていない施療コースの情報であるか、
既に導入済みの施療コースを改める情報であるかの相違はあるが、いずれも
マッサージ機を動作させるプログラムの内容・種別に係る情報であり、当該
プログラムが通信サーバからダウンロードされてマッサージ機に導入される
5 ものであるという点において、情報ネットワークシステムにおける技術的意
義の相違はない。
そして、装置に導入されるプログラムの内容・種別として、新たなプログ
ラムも更新プログラムも周知のものであるから、甲2の1発明において、新
しい施療コースに関する情報と同様に、施療コースに関する更新情報を扱う
10 こととし、相違点3に係る本件訂正発明1の構成とすることは、当業者が容
易に想到し得たものというべきである。
⑶ 取消事由6(相違点についての認定判断の誤り1〔統合の容易性の誤り〕)
について
原告は、甲2の1発明において端末装置 104 は「外部装置」であり、本件
15 訂正発明1の「マッサージ機に備え付けられた」ものではないから、端末装
置 104 をマッサージ装置 106 のリモートコントローラ 150 に統合すること
は、甲2の1発明における当該本質的な特徴的部分を失わせ、甲2の1発明
の技術的意義を無にするものであって、統合は容易想到ではないなどと主張
する。
20 しかしながら、甲2の1発明の課題の解決手段は、前記のとおり、マッサ
ージ装置のマイクロコントローラが、外部装置と接続し、マッサージプログ
ラムを受信してメモリに保存し、これを実行するようにすることであり、こ
の場合の外部装置は、既存のマッサージ装置に対して、新たなマッサージプ
ログラムを提供する装置であれば足りるというべきであるから、端末装置
25 104 が甲2の1発明における本質的な特徴的部分に該当するものとはいえな
い。
したがって、甲2の1発明を簡素化し、改良するにあたり、端末装置 104
をなくすことに阻害要因はなく、前記のとおり、サーバコンピュータ 103 と
マッサージ装置 106 のマイクロコントローラ 130 が直接通信を行うものとす
るとともに、端末装置 104 の表示機能をマッサージ装置 106 のリモートコン
5 トローラ 150 に行わせる構成を採用することにより、両者を統合することは
当業者が容易に想到し得たものというべきである。
⑷ 取消事由7(相違点についての認定判断の誤り2〔統合した構成の認定判
断の誤り・その1〕)について
原告は、仮に、甲2の1発明の端末装置 104 をマッサージ装置 106 のリモ
10 ートコントローラ 150 に統合し、リモートコントローラ 150 に画像フレーム
F1 を設けるとしても、端末装置 104 は「新着報知部」を有さず、利用可能な
マッサージプログラムのリストを列挙するにすぎないから、統合しても「新
たに到着したこと又は着いたばかりであることを、人に告げて、その人が知
るようにする」という意義をもつ「新着報知部」を有するリモートコントロ
15 ーラ 150 は得られないなどと主張する。
しかしながら、前記4⑹のとおり、甲2の1発明の画像フレーム F1 は本
件訂正発明1の「新着報知部」に相当するというべきであるから、原告の主
張は前提を欠くものである。よって、同主張を採用することはできない。
⑸ 取消事由8(相違点についての認定判断の誤り3〔統合した構成の認定判
20 断の誤り・その2〕)について
原告は、甲2の1発明の端末装置 104 とリモートコントローラ 150 を統合
しても、リモートコントローラ 150 が、ダウンロードして、マッサージ装置
106 のマイクロコントローラ 130 に転送する構成となるから、「マイクロコ
ントローラ 130 に情報を直接ダウンロードする」構成は得られないのであり、
25 周知技術1の文献には、甲2の1発明の構成を本件訂正発明1の構成に置換
することの開示も示唆もないなどと主張する。
しかしながら、前記のとおり、甲2の1発明のマッサージ装置 106 のマイ
クロコントローラ 130 は、無線通信インターフェース 126 等を有し、外部装
置との間での無線によるデータ交換が可能なのであるから、当業者において、
周知技術1を適用し、「サーバコンピュータ 103 からの情報をマッサージ装
5 置 106 が直接ダウンロードする構成」において、マイクロコントローラ 130
が、無線インターフェース 126 及び送受信機 140 を用いて情報を直接ダウン
ロードすることを担う構成とすることは、システムを簡素化し、改良する場
合における通常の創作能力の発揮であり、このような構成をとった場合にリ
モートコントローラ 150 に「新着報知部」としての表示機能や、「購入する
10 マッサージプログラム」の入力機能を担わせることは、他に合理的な選択肢
が認められない以上、当業者が容易に想到し得たものというべきである。
原告は、統合して、置換するという2段階の過程が必要となるのは、いわ
ゆる「容易の容易」の判断となり、容易とはいえない旨主張する。しかし、
当業者が、システムを簡素化し、改良するため、通常の創作能力を発揮する
15 ことにより前記構成(端末機を介さない直接ダウンロード構成)に到達した
場合において、表示機能等を担わせるための置換を行う必要があることは自
明のことであり、そのための合理的な選択肢が限られているときは、当然、
当該選択肢を選択することになるはずである。このように考えることは、い
わゆる「容易の容易」の判断をするものではないから、同主張は採用するこ
20 とができない。
よって、原告の取消事由8に係る主張を採用することはできない。
6 本件訂正発明4~9の進歩性(甲2の1発明との相違点の容易想到性)
⑴ 原告は、本件訂正発明1に発明特定事項を追加した本件訂正発明4~9に
ついて、固有の取消事由の主張をしていないところ、以下のとおり、本件決
25 定と同様、本件訂正発明4~9と甲2の1発明の相違点(その余の構成は一
致する。)については、周知技術により容易に想到し得たものというべきで
ある。
ア 本件訂正発明4の進歩性
本件訂正発明4と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~3及び相
違点4(本件訂正発明4では、通信サーバが発信する更新情報及び制御部
5 がダウンロードする更新データが「システムプログラム」に関するもので
あるのに対し、甲2の1発明は、そのような特定がない点)が認められる。
そして、相違点1~3は、前記のとおり容易に想到し得たものであり、
相違点4は、周知技術2(システムプログラムを通信サーバからダウンロ
ードして導入すること〔甲5技術的事項〕)の適用により容易に想到し得
10 たものというべきである。
イ 本件訂正発明5の進歩性
甲2の1文献には「商品の購入が決定されることで課金システムによっ
て費用請求するよう構成されている」ことが記載されているから([00
30][0033])、本件訂正発明5と甲2の1発明を対比すると、前
15 記相違点1~4が認められる。
そして、相違点1~4は、前記のとおり容易に想到し得たものというこ
とができる。
ウ 本件訂正発明6の進歩性
本件訂正発明6と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~4及び相
20 違点5(本件訂正発明6は、「前記操作器は、前記制御部を介して前記通
信サーバと情報通信を行う情報機器としての機能と、情報を表示する画面
を更に有しており、前記通信サーバは、前記制御部に情報を発信し、前記
操作器は、前記情報から必要な情報を選択して前記画面に表示させる選択
部を有している」のに対し、甲2の1発明は、そのような特定がない点)
25 が認められる。
そして、相違点1~4は、前記のとおり容易に想到し得たものであり、
相違点5は、「操作器」が有している通常の機能であるから、周知技術の
適用により容易に想到し得たものということができる。
エ 本件訂正発明7の進歩性
本件訂正発明7と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~5及び相
5 違点6(本件訂正発明7は、「前記マッサージ機は、位置情報を有し、前
記制御部は、前記位置情報を前記通信サーバに送信し、前記通信サーバは、
前記位置情報に対応する緊急速報又は位置情報によらない緊急速報を前記
制御部に送信し、前記制御部は、受信した前記緊急速報を緊急速報報知部
で報知するよう構成されている」のに対して、甲2の1発明は、そのよう
10 に特定されていない点)が認められる。
そして、相違点1~5は、前記のとおり容易に想到し得たものであり、
サーバが位置情報によらない緊急速報を送信し、マッサージ装置等が緊急
速報を報知することは周知技術3であり、通信サーバが位置情報に対応す
る緊急速報を送信し、位置情報を有する受信装置がこれに対応する緊急速
15 報を受信し、報知することも周知技術であると考えられるから、相違点6
は、これらの周知技術の適用により容易に想到し得たものであるというこ
とができる。
オ 本件訂正発明8の進歩性
本件訂正発明8と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~6及び相
20 違点7(本件訂正発明8は、「前記制御部は、前記緊急速報を受信すると
前記施療部を停止し、初期状態に復帰するよう構成」されるのに対して、
甲2の1発明は、そのように特定されていない点)が認められる。
そして、相違点1~6は、前記のとおり容易に想到し得たものであり、
相違点7は、周知技術4(マッサージ装置が緊急速報を受信すると、マッ
25 サージ装置を停止し又は初期状態に戻すこと〔甲6技術的事項、甲7技術
的事項〕)の適用により容易に想到し得たものということができる。
カ 本件訂正発明9の進歩性
本件訂正発明9と甲2の1発明を対比すると、前記相違点1~7及び相
違点8(本件訂正発明9は、「前記マッサージ機は、少なくとも、前記被
施療者が着座する座部と、該座部に着座した前記被施療者の上半身を後方
5 から支持する背凭れ部と、を有し、前記制御部は、前記緊急速報を受信す
ると、少なくとも前記背凭れ部を起こすよう構成」されているのに対して、
甲2の1発明は、そのように特定されていない点)が認められる。
そして、相違点1~7は、前記のとおり容易に想到し得たものであり、
相違点8は、周知技術4及び初期状態についての設計事項(甲6技術的事
10 項。緊急事態に陥った場合に、マッサージ用モータの駆動を停止させ、背
もたれ2をホームポジションに戻すこと)の適用により容易に想到し得た
ものということができる。
⑵ よって、本件訂正発明4~9は、いずれも甲2の1発明及び周知技術に基
づいて当業者が容易に想到し得たものである。
15 7 小括
以上のとおり、本件訂正発明1及びこれに発明特定事項を追加した本件訂正
発明4~9は、いずれも甲2の1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に
想到し得たものである。なお、本件訂正発明が、予見不可能であった顕著な効
果をもたらすものである旨の主張立証はない。
20 そして、その他、当事者の主張に鑑み、本件記録を検討しても、上記認定判
断を左右するような事由は認められない。
したがって、これと同旨の本件決定に判断の誤りはない。
第5 結論
以上の次第であり、原告の請求は理由がないから棄却することとして、主文
25 のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
5 裁判官
菊 池 絵 理
10 裁判官
頼 晋 一
裁判長裁判官清水響は、退官のため署名押印することができない。
裁判官
菊 池 絵 理
(別紙)
特許請求の範囲
【請求項1】
被施療者を施療する施療部と前記施療部を制御する制御部と前記制御部を介して前記施
5 療部を操作するために備え付けられた操作器とを有するマッサージ機と、
前記マッサージ機を管理する事業者により管理される通信サーバと、からなる情報ネッ
トワークシステムであって、
前記操作器は新着報知部を有し、
前記制御部は、通信ネットワークを介して通信サーバと接続可能に構成され、
10 前記通信サーバは、新しい施療コースに関する情報を発信し、
前記制御部は、前記通信サーバから他の端末器を介することなく前記情報を直接ダウン
ロードしてインストールすると前記新着報知部で前記情報が新しく追加され前記情報を受
信したことを報知するように構成されており、
前記通信サーバは、前記通信サーバに前記情報がある場合、前記情報を前記マッサージ
15 機に発信し、
前記通信サーバは、前記情報及び施療コースに関する更新情報を、前記マッサージ機内
に設けられた前記制御部に発信するよう構成され、
前記通信サーバから発信された前記情報及び前記更新情報を他の端末器を介することな
く直接受信した前記制御部は、前記新しい施療コースに関する前記情報及び前記施療コー
20 スに関する前記更新情報があることを、前記新しい施療コースのデータ及び前記施療コー
スの更新データがダウンロードされる前において、前記被施療者が前記マッサージ機に着
座した状態で操作できるように前記マッサージ機の外部に位置するよう前記マッサージ機
に備え付けられた前記操作器の前記新着報知部で報知し、前記操作器において前記新しい
施療コースの導入が決定されると、該新しい施療コースのデータを前記通信サーバからダ
25 ウンロードして導入するよう構成されているとともに、前記操作器において前記施療コー
スの更新が決定されると、前記施療コースの更新データを前記通信サーバからダウンロー
ドして導入するよう構成されていることを特徴とする情報ネットワークシステム。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
30 【請求項4】
前記通信サーバは、前記制御部に前記マッサージ機のシステムプログラムに関する更新
情報を発信し、
前記制御部は、前記システムプログラムの更新データを前記通信サーバからダウンロー
ドして導入するよう構成されている、請求項1に記載の情報ネットワークシステム。
35 【請求項5】
前記更新の決定、前記新しい施療コースの導入の決定、前記システムプログラムに関す
る更新、及び前記新着報知部で報知された商品の購入の少なくとも一つが決定されること
で課金システムによって費用請求するよう構成されている、請求項4に記載の情報ネット
ワークシステム。
40 【請求項6】
前記操作器は、前記制御部を介して前記通信サーバと情報通信を行う情報機器としての
機能と、情報を表示する画面を更に有しており、
前記通信サーバは、前記制御部に情報を発信し、
前記操作器は、前記情報から必要な情報を選択して前記画面に表示させる選択部を有し
5 ている、請求項4又は請求項5に記載の情報ネットワークシステム。
【請求項7】
前記マッサージ機は、位置情報を有し、
前記制御部は、前記位置情報を前記通信サーバに送信し、
前記通信サーバは、前記位置情報に対応する緊急速報又は位置情報によらない緊急速報
10 を前記制御部に送信し、
前記制御部は、受信した前記緊急速報を緊急速報報知部で報知するよう構成されてい
る、請求項4~6のいずれか1項に記載の情報ネットワークシステム。
【請求項8】
前記制御部は、前記緊急速報を受信すると前記施療部を停止し、初期状態に復帰するよ
15 う構成されている、請求項7に記載の情報ネットワークシステム。
【請求項9】
前記マッサージ機は、少なくとも、前記被施療者が着座する座部と、該座部に着座した
前記被施療者の上半身を後方から支持する背凭れ部と、を有し、
前記制御部は、前記緊急速報を受信すると、少なくとも前記背凭れ部を起こすよう構成
20 されている、請求項7又は8に記載の情報ネットワークシステム。
以上
(別紙)
本件明細書の記載(抜粋)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
5 【0001】
本発明は、マッサージ機を備えた情報ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被施療者は、マッサージ機を用いて身体の各部を施療している。マッサージ機に
10 は、通常、複数の施療コースが予め設定されており、被施療者が選択できるようになって
いる。予め設定された施療コースは、もみ、たたきなどを組み合わせた施療動作が固定さ
れたものとなっている。
【0003】
被施療者は、身体の状態などに応じて、上記複数の施療コースから好ましい施療コース
15 を選択して施療することが多い。しかし、被施療者によっては、予め設定された施療コー
スではリラックスを損なうことがあり、マッサージ機を利用する機会が減る場合がある。
そのため、施療コースを更新できるようにしたマッサージ機が提案されている。
【0004】
例えば、この種の先行技術として、施療内容に係る情報を携帯通信端末で取得後、携帯
20 通信端末でデータをダウンロードしてからマッサージ機の操作部に移行させて記憶手段の
データを置き換えて、被施療者の施療状態を適切なものにするものがある(例えば、特許
文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
25 【0007】
しかし、上記特許文献1では、携帯通信端末において施療内容に係る情報を入手する必
要がある。そのため、携帯通信端末でのデータのダウンロードと、そのデータを携帯通信
端末からマッサージ機に移行させる必要があり、煩雑な操作を必要とする。
【0009】
30 その上、施療コースは、マッサージ機の製造時における内容から修正される場合があ
る。しかし、マッサージ機は、通常、家庭に設置される場合が多く、全てのマッサージ機
に対してデータの更新があることを知らせるのは難しい。
【0010】
そこで、本発明は、被施療者がマッサージ機の利用時に、マッサージ機に関する新着情
35 報があることを知ることができ、被施療者が確認して決定できる情報ネットワークシステ
ムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報ネットワークシステムは、被施療者を施
40 療する施療部と前記施療部を制御する制御部と前記制御部を介して前記施療部を操作する
ための操作器とを有するマッサージ機と、前記制御部と通信ネットワークを介して接続さ
れた通信サーバと、を備え、前記通信サーバは、前記マッサージ機に関する新着情報を発
信し、前記制御部は、前記新着情報を受信すると新着報知部で前記新着情報を受信したこ
とを報知するように構成されている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における
5 「新着情報」は、マッサージ機の施療コースなどに関する情報、マッサージ機のプログラ
ムに関する情報、音楽などに関する情報、などを含む。また、「新着報知部」は、操作器
の他、独立した新着報知部、マッサージ機の一部、などとすることができる。独立した新
着報知部には、スマートフォン、タブレット端末などを含む。「報知」は、画面表示によ
る報知の他、音声による報知、光による報知、などを含む。
10 【0012】
この構成により、通信サーバからマッサージ機に関する新しい情報が送信されると、マ
ッサージ機は受信した新しい情報を新着表示部に表示して、被施療者に新しい情報がある
ことを知らせることができる。被施療者は、マッサージ機の使用時に新着表示部によって
新しい情報が届いたことを確認できる。
15 【0013】
また、前記通信サーバは、前記制御部に前記マッサージ機の施療コースに関する更新情
報を発信し、前記制御部は、前記更新情報を情報報知部に報知し、前記更新情報が決定さ
れると、前記施療コースの更新データを前記通信サーバからダウンロードして導入するよ
う構成されていてもよい。「情報報知部」は、操作器の他、独立した情報報知部(例え
20 ば、スマートフォン、タブレット端末など)を含む。「更新情報が決定」は、画面に表示
される「決定」の選択、決定ボタンを押す操作、音声認識による操作などを含む。「導
入」は、更新データのインストールなどを含む。
【0014】
このように構成すれば、マッサージ機に備えられている施療コースに関し、更新の必要
25 があれば被施療者に対して情報報知部に報知することができる。被施療者が更新を決定す
ると、更新された施療コースに関するデータがネットワークを介してダウンロードされて
更新される。よって、被施療者が自ら選択して、マッサージ機の施療コースを常に最新の
状態にすることができる。また、施療コースに関する機能追加などの更新情報もネットワ
ークを介して知ることができる。
30 【0015】
また、前記通信サーバは、前記制御部に前記マッサージ機に関する新しい施療コースに
関する情報を発信し、前記制御部は、前記新しい施療コースに関する情報を情報報知部に
報知し、前記新しい施療コースの導入が決定されると、該新しい施療コースのデータを前
記通信サーバからダウンロードして導入するよう構成されていてもよい。「導入が決定」
35 は、画面に表示される「決定」の選択、決定ボタンを押す操作、音声認識による操作など
を含む。
【0016】
このように構成すれば、新しい施療コースに関して被施療者に情報報知部で知らせるこ
とができる。被施療者が新しい施療コースの導入を決定すると、新しい施療コースのデー
40 タがネットワークを介してダウンロードされて導入される。例えば、被施療者が新しい施
療コースの導入を決定することで、ネットワークを介して新しい施療コースのデータがマ
ッサージ機の制御部に送られ、制御部によってインストールすることができる。よって、
被施療者はすぐに新しい施療コースを利用することができる。また、新しい施療コースに
関する情報もネットワークを介して知ることができる。
5 【0021】
また、前記操作器は、前記制御部を介して前記通信サーバと情報通信を行う情報機器と
しての機能と、情報を表示する画面を更に有しており、前記通信サーバは、前記制御部に
情報を発信し、前記操作器は、前記情報から必要な情報を選択して前記画面に表示させる
選択部を有していてもよい。
10 【0022】
このように構成すれば、被施療者は、マッサージ機の使用中に通信サーバから発信され
る情報を見ながら施療することができる。情報としては、新しい音楽、健康に関するアド
バイス、健康器具の紹介、健康食品の紹介、などを含めることができる。被施療者は、こ
れらの情報を選択することで、マッサージ機の使用中に操作器の画面に表示させて見るこ
15 とができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、被施療者がマッサージ機の利用時にマッサージ機に関する新着情報が
あることを知ることができる。そして、被施療者はマッサージ機に関する施療コースの更
20 新などの情報を確認し、被施療者の判断で対応を決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る情報ネットワークシステムを示す全体構成図
である。
25 【図2】図2は、図1に示すマッサージ機の斜視図である。
【図3】図3は、図2に示すマッサージ機の機能ブロック図である。
【図4】図4は、図2に示す操作器の画面の例を示す正面図である。
【図5】図5は、図4に示す操作器の画面における新着報知例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
30 【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この明細書及び特許請求の範囲の
書類中における前後左右方向の概念は、図2に示すマッサージ機10の座部11に被施療
者が着座したときに被施療者から見た方向の概念と一致するものとする。
【0032】
35 (情報ネットワークシステムの構成)
図1に示すように、この実施形態のマッサージ機10を備えた情報ネットワークシステ
ム1は、通信ネットワーク3に、被施療者を施療するマッサージ機10と、事業者40
と、通信サーバ41と、が含まれている。事業者40は、例えば、マッサージ機10を貸
し出す事業者40、販売したマッサージ機10を管理する事業者40、などを含む。通信
40 サーバ41は、通信ネットワーク3を介してマッサージ機10と通信できるように構成さ
れている。通信ネットワーク3としては、例えば、インターネット網、ビル内の通信ネッ
トワーク網、地域内のネットワーク網など、を含む。この実施形態では、事業者40がク
ラウド型の通信サーバ41を有する例を説明する。通信サーバ41は、事業者40が管理
する通信サーバ41であっても、他の事業者40が管理する通信サーバ41であってもよ
5 い。通信サーバ41は、上記マッサージ機10に関する情報を発信する。
【0033】
(マッサージ機の構成)
図2は、上記マッサージ機10の斜視図であり、図3は、上記マッサージ機10の機能
ブロック図である。図4は、図2に示す操作器の画面の例を示す正面図である。図示する
10 ように、マッサージ機10としては、被施療者が着座する座部11と、この座部11に着
座した被施療者の上半身を後方から支持する背凭れ部12とを有している。座部11の左
右位置にはアームレスト13を有し、座部11の前部にはフットレスト14を有してい
る。この例では、背凭れ部12の施療部(もみ玉ユニット)15を示している。他の部分
にも、空気袋などの施療部が備えられている。施療部15は、制御部17によって制御さ
15 れている。施療部15の組み合わせにより、後述するような複数の施療コースが設定さ
れ、記憶部16に記憶されている。
【0034】
上記アームレスト13の部分には、このマッサージ機10を操作する操作器20が備え
られている。この操作器20は、画面21を有している。操作器20で、上記施療部15
20 などによる施療動作を操作する。操作器20は、被施療者が着座した状態で操作できるよ
うに備えられている。操作器20としては、タブレット端末のような操作器20とするこ
とができる。制御部17は、上記操作器20に接続されている。操作器20の画面21
は、マッサージ機10に関する新着情報を被施療者に報知する新着報知部22としての機
能を有している。
25 【0035】
そして、上記通信サーバ41から発信された情報をマッサージ機10の制御部17が受
信すると、制御部17は、この情報を、例えば、操作器20の画面21の一部に設定され
た新着報知部22において受信したことを報知する。報知としては、画面表示による報知
の他、スピーカからの音声による報知、LEDなどの光による報知、などを含む。
30 【0037】
上記マッサージ機10は、上記施療部15の動作、後述する施療コースに応じた背凭れ
部12の起倒角度などを制御する制御部17と、上記施療部15による施療内容が異なる
複数の施療コースを記憶する記憶部16とが備えられている。制御部17は、例えば、C
PU、ROM、RAMなどを有している。記憶部16は、例えば、フラッシュメモリ、ハ
35 ードディスクドライブなどを用いることができる。
【0038】
このように、通信サーバ41からマッサージ機10に関する新しい情報が送信される
と、マッサージ機10は受信した新しい情報を新着報知部22に表示して、被施療者に新
しい情報があることを知らせる。被施療者は、マッサージ機10の使用時に新着報知部2
40 2によって新しい情報が届いたことを確認できる。
【0041】
(施療コースに関する更新情報)
通信サーバ41は、制御部17にマッサージ機10の施療コースに関する更新情報を発
信する。制御部17は、新着情報があることを操作器20の新着報知部22で報知する。
5 なお、新着報知部22での報知は、この例のように被施療者が新着報知部22を選択する
ようにしてもよいが、被施療者が選択することなく、情報報知部23に更新情報の内容が
報知されるようにできる。この例では、被施療者によって新着報知部22が選択される
と、操作器20の画面21の情報報知部23に更新情報があることが報知される。この報
知には、画面表示、音声案内、光の点灯などによる報知を含む。また、施療コースに関す
10 る機能追加などの更新情報も通信ネットワーク3を介して知ることができる。被施療者
は、施療コースを更新するか否かを判断できる。そして、被施療者によって更新が決定さ
れると、施療コースの更新データが通信ネットワーク3を介して通信サーバ41からダウ
ンロードされる。そして、更新データは制御部17によってインストールされて、施療コ
ースが更新される。これにより、マッサージ機10の施療コースを最新の状態にすること
15 ができる。
【0042】
このように、マッサージ機10に備えられている施療コースに関し、更新の必要があれ
ば被施療者に対して情報報知部23に報知することができる。そして、被施療者は、更新
するか否かを自らの判断で決定できる。
20 【0043】
(新しい施療コースに関する情報)
図5は、上記操作器20の画面21における新着報知例を示す正面図である。通信サー
バ41は、制御部17にマッサージ機10に関する新しい施療コースに関する情報を発信
する。制御部17は、新着情報があることを操作器20の新着報知部22で報知する。な
25 お、この場合も、新着報知部22での報知は、この例のように被施療者が新着報知部22
を選択するようにしてもよいが、被施療者が選択することなく、情報報知部23に新しい
施療コースの内容が報知されるようにできる。この例では、被施療者によって新着報知部
22が選択されると、操作器20の画面21の情報報知部23に新しい施療コースに関す
る情報があることが報知される。また、新しい施療コースに関する情報も通信ネットワー
30 ク3を介して知ることができる。この例では、「新着施療コースA」と「新着施療コース
B」とがあることを知ることができる。また、それぞれの新着施療コースに関する内容と
導入費用を確認することができる。被施療者は、この情報を確認し、新しい施療コースを
導入するか否かを判断できる。そして、被施療者によって導入する新しい施療コースを選
択して[決定]ボタン26が押されると、新しい施療コースのデータが通信ネットワーク
35 3を介して通信サーバ41からダウンロードされる。そして、新しい施療コースのデータ
は、制御部17によってインストールされる。これにより、被施療者はすぐに新しい施療
コースを利用することができる。
【0044】
このように、マッサージ機10の新しい施療コースに関し、被施療者に対して新着報知
40 部22に報知して知らせることができる。そして、被施療者は、新着情報の新しい施療コ
ースに関して情報報知部23に表示して確認し、新しい施療コースを導入するか否かを自
らの判断で決定できる。
【0048】
この実施形態では、操作器20の情報報知部23に更新情報、新しい施療コースに関す
5 る情報、などを報知する例を説明したが、新着報知部22を有する端末器30を備えてい
る場合、端末器30に情報報知部23を備えさせて、端末器30に更新情報、新しい施療
コースに関する情報などを報知するようにしてもよい。
【0063】
(総括)
10 以上のように、上記マッサージ機10を備えた情報ネットワークシステム1によれば、
被施療者がマッサージ機10の利用時にマッサージ機10に関する新着情報があることを
知ることが可能となる。そして、被施療者はマッサージ機10に関する施療コースの更
新、新しい施療コースの情報などを確認し、被施療者の判断で対応を決定することが可能
となる。これにより、マッサージ機10の機能を、通信ネットワーク3を介して適切に保
15 つことが可能となる。
【0064】
しかも、被施療者の判断でマッサージ機10の機能向上などを図ることができるので、
被施療者が望む状態のマッサージ機10とすることが可能となる。
【0068】
20 さらに、上記した実施形態は一例を示しており、通信サーバ41は事業者40と一体で
あっても、他の事業者が管理するサーバであってもよく、本発明の要旨を損なわない範囲
での種々の変更は可能であり、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
25 1 情報ネットワークシステム、2 無線通信(ブルートゥース(登録商標) )、
3 通信ネットワーク、10 マッサージ機、11 座部、12 背凭れ部、15 施療
部(もみ玉ユニット)、16 記憶部、17 制御部、18 位置情報部、20 操作器、
21 画面、22 新着報知部、23 情報報知部、24 選択部、25 緊急速報報知
部、30 端末器、40 事業者、41 通信サーバ、50 課金システム、51 通信
30 事業者
【図1】
【図2】
【図3】 【図4】 【図5】
以上
(別紙)
引用発明等
1 甲2の1発明
マッサージ装置 106 は、マッサージ部 120、マイクロコントローラ 130 およびリモー
5 トコントローラ 150 を含み、マイクロコントローラ 130 が出力する制御信号に従ってマ
ッサージ部 120 の部品の動作を駆動し、リモートコントローラ 150 は、ユーザが選択す
るためのマッサージプログラムのリストを表示可能なディスプレイを含み、
サーバコンピュータ 103 は、マッサージプログラムの販売元により維持され運用され、
システム 100 は、サーバコンピュータ 103 と、マッサージ装置 106 を含み、
10 端末装置 104 は、サーバコンピュータ 103 から、新しいマッサージプログラムのリリ
ースについて通知され、購入可能な複数のマッサージプログラム 501 を列挙している、
画像フレーム F1 を表示し、
サーバコンピュータ 103 は、端末装置 104 を介してマッサージ装置 106 に1つまたは
複数のマッサージプログラムを転送するために端末装置 104 に接続し、
15 ユーザがマッサージプログラムを購入したい場合、端末装置 104 で実行されているア
プリケーションプログラム 114 は、購入可能な複数のマッサージプログラム 501 を列挙
している、画像フレーム F1 を表示し、選択されたマッサージプログラムと関連する購
入取引を実施し、購入済みマッサージプログラムをサーバコンピュータ 103 からダウン
ロードし、マッサージプログラムの端末装置 104 へのダウンロードが完了すると、アプ
20 リケーションプログラム 114 は、ダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ
装置 106 に転送するかをユーザに尋ねる、クエリウィンドウ F6 を表示し、ユーザが確
認すると、アプリケーションプログラム 114 は、マッサージ装置 106 との接続を確立し、
続けてダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置 106 に転送し得る
システム 100
2 技術的事項
⑴ 甲2の1文献記載の技術的事項
サーバコンピュータ 102 は、端末装置 104 の Apple App Store をホストし、マッサ
ージプログラムを表示されている価格で購入することを確認するようユーザに要求す
30 る確認ウィンドウ F3 を表示し、端末装置 104 から購入依頼を受信すると、サーバコ
ンピュータ 103 から端末装置 104 に購入済みマッサージプログラムのダウンロードを
送信すること。
⑵ 甲1文献記載の技術的事項
ア 甲1文献記載の技術的事項①
35 マッサージシステムにおいて、携帯端末装置80に代えてマッサージ機の操作部
(リモコン)を用いて、マッサージ機を直接ネットワークに接続すること。
イ 甲1文献記載の技術的事項②
管理サーバ90が、マッサージ機の各機構部位、具体的には、モータやベアリン
グ、歯車、カムなど、の作動回数をそれぞれ集計して、危険状態である旨を通知す
40 るメッセージのデータを携帯通信端末80に送信すると共に、これを受信した携帯
通信端末80が、データに基づいて表示デバイス81で使用者に対する上記のメッ
セージを表示する構成とすること。
⑶ 甲3文献記載の技術的事項
空気マッサージ機にモデム93を内蔵させ携帯電話機92を用意することなく、通
5 信ネットワークNTW上に公開されているデータベース90にアクセスすること。
⑷ 甲4文献記載の技術的事項
ア 甲4文献記載の技術的事項①
インターネットLを介してサービスサーバ1とマッサージ機3aを接続すること。
イ 甲4文献記載の技術的事項②
10 サービスジョブをマッサージ機3aや介護ベッド3bに提供すること、その一例
として、センサ等で危険状態を監視し、ベッドに、振動を加えたり、音声で報知し
たりすることが記載されていることから以下の技術的事項が示唆されている。セン
サ等で危険状態を監視し、マッサージ機3aに、振動を加えたり、音声で報知した
りすること。
15 ⑸ 甲5文献記載の技術的事項
マッサージ機能を有する理学療法椅子において、遠隔サーバーからシステム更新プ
ログラムをダウンロードすること。
⑹ 甲6文献記載の技術的事項
緊急事態に陥った場合に、マッサージ用モータの駆動を停止させ、背もたれ2をホ
20 ームポジションに戻すこと。
⑺ 甲7文献記載の技術的事項
緊急時にマッサージチェアを停止させること。
25 以上
(別紙)
甲2の1文献の記載
甲2の1文献の翻訳部分は、本件決定及び令和7年 1 月17日付け第1回原告準備書面
5 の別紙1(以下「原告別紙1」という。)に依るか、甲2の1のファミリー出願である公
表特許公報(特表 2016-523111 号、甲2の2)を参照した。なお、それぞれの項の末尾に、
本件決定の翻訳部分に依っている項につき「本件決定」と、原告別紙1が引用する甲2の
2の記載部分に依っている項につき「原告別紙1・甲2の2【段落番号】」などと記載し、
甲2の2の記載部分のみに依っている項につき「甲2の2」などと記載した。図は、図2
10 以下において、甲2の1と甲2の2のものを併記した。
SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING MASSAGE RELATED SERCICES
発明の名称 マッサージ関連サービスを提供するシステム及び方法(甲2の2)
15 BACKGROUND
[0001] 1.Field of the Invention
技術分野(甲2の2)
[0002] The present invention relate to systems and methods for providing
20 massage related services using a massage apparatus.
本発明は、マッサージ装置を使用したマッサージ関連サービスを提供するシステムおよ
び方法に関する(甲2の2【0001】)
[0003] 2. Description of the Related Art
25 背景技術(甲2の2)
[0004] Massage apparatuses currently available on the market include massage
chairs equipped with a massage member capable of applying diverse types of massage
actions on a user's body. According to the needs, a user may select a massage
30 program corresponding to a predetermined combination of movement and pressure
actions of the massage member for producing certain desirable relaxing effects.
Unfortunately, the existing massage apparatuses usually include a fixed set of
predetermined massage programs, which may not permit a flexible usage of the
massage apparatus and limit the effectiveness of the massages.
35 現在市場で利用可能なマッサージ装置には、ユーザの身体に様々な形態のマッサージを
施し得るマッサージ部材を備えたマッサージチェアが含まれる。必要に応じてユーザは、
ある種の好ましいリラックス効果を生み出す、マッサージ部材の動きや圧力を加える動作
の所定の組み合わせに対応したマッサージプログラムを選択し得る。しかし、既存のマッ
サージ装置は通常、変更できない一連の所定のマッサージプログラムを含み、そのためマ
ッサージ装置を柔軟に使用することができず、マッサージの効果を限定してしまうことが
ある。(原告別紙1・甲2の2【0002】)
[0005] Therefore, there is a need for massage apparatuses that can address
5 at least the foregoing issues and provide enhanced massage experience.
したがって、少なくとも前述の問題を解決し、改善されたマッサージ体験を提供できる
マッサージ装置が求められている。(原告別紙1・甲2の2【0003】)
SUMMARY
10 発明の概要(甲2の2)
[0006] The present application describes systems and methods of providing
massage related services that can enrich the user's experience in using a massage
apparatus. In one embodiment, the massage apparatus includes a massage unit, a
driver operable to drive motion of the massage unit, and a microcontroller
15 connected with the driver, wherein the microcontroller is configured to connect
with an external device, receive a program code of a massage program from the
external device and store the massage program in a memory, and execute the massage
program through the massage unit to apply a sequence of massage actions on a body.
本出願は、マッサージ装置を使用したユーザ体験を強化し得る、マッサージ関連サービ
20 スを提供するシステムと方法を説明する。一実施形態において、マッサージ装置は、マッ
サージ部と、マッサージ部の運動を駆動するように機能する駆動部と、駆動部と接続され
たマイクロコントローラとを含む。マイクロコントローラは、外部装置と接続し、外部装
置からマッサージプログラムのプログラムコードを受信してマッサージプログラムをメモ
リに保存し、一連のマッサージの動作を身体に施すためにマッサージ部を介してマッサー
25 ジプログラムを実行するように構成される。(原告別紙1・甲2の2【0004】)
[0007] In certain embodiments, the massage apparatus further includes a
remote controller operable to show one or more icons associated with massage
programs available in the massage apparatus. Once a new massage program is
30 downloaded, a graphical interface displayed by the remote controller is also
updated with a new graphical icon selectable by a user to execute the newly
downloaded massage program.
特定の実施形態において、マッサージ装置はさらに、マッサージ装置で利用可能なマッ
サージプログラムと関連付けられた 1 つまたは複数のアイコンを表示するように機能する
35 リモートコントローラを含む。新しいマッサージプログラムがダウンロードされると、リ
モートコントローラに表示されるグラフィカルインターフェースも、新しくダウンロード
されたマッサージプログラムを実行するためにユーザが選択可能なグラフィカルアイコン
により更新される。(原告別紙1・甲2の2【0005】)
[0008] In other embodiments, a method of dispensing massage related services
is described. The method comprises providing a massage apparatus, establishing a
connection between a terminal device and a server computer, transferring a massage
program executable on the massage apparatus from the server computer to the
5 terminal device, establishing a connection between the terminal device and the
massage apparatus, and transferring the massage program from the terminal device
to the massage apparatus.
他の実施形態において、マッサージ関連サービスを施行する方法が説明される。方法は、
マッサージ装置を提供するステップと、端末装置とサーバコンピュータとの間の接続を確
10 立するステップと、マッサージ装置で実行可能なマッサージプログラムをサーバコンピュ
ータから端末装置に転送するステップと、端末装置とマッサージ装置との間の接続を確立
するステップと、マッサージプログラムを端末装置からマッサージ装置に転送するステッ
プとを含む。(原告別紙1・甲2の2【0006】)
15 BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS
図面の簡単な説明(甲2の2【0007】)
[0009] FIG. 1 is a schematic view illustrating an embodiment of a system
of providing massage related services;
【図1】マッサージ関連サービスを提供するシステムの実施形態を描写する概略図である。
[0010] FIG. 2 is a simplified block diagram illustrating an embodiment of
a massage apparatus;
【図2】マッサージ装置の一実施形態を描写する簡略化されたブロック図である。
25 [0011] FIG. 3 is a flowchart illustrating method steps for providing massage
programs at a server level;
【図3】サーバレベルでのマッサージプログラムを提供するための方法のステップを描写
するフローチャートである。
30 [0012]FIG. 4 is a flowchart illustrating method steps applied at a terminal
device level for purchasing a massage program;
【図4】マッサージプログラムを購入するために端末装置レベルで適用される方法のステ
ップを描写するフローチャートである。
35 [0013]FIGS. 5A-5H are schematic views illustrating examples of displays on
the terminal device occurring in an online transaction for buying a massage
program
【図5A】~【図5H】マッサージプログラムを購入するためのオンライン取引の際の、
端末装置での表示の例を描写する概略図である。
[0014] FIG. 6 is a flowchart illustrating method steps executed on the
massage apparatus; and
【図6】マッサージ装置で実行される方法のステップを描写するフローチャートである。
5 [0015] FIGS. 7A and 7B are schematic views illustrating examples of display
on a remote controller of a massage apparatus with no downloaded programs and
after downloading a new massage program.
【図7A】【図7B】ダウンロード済みプログラムがない状態と、新しいマッサージプロ
グラムをダウンロードした後の状態の、マッサージ装置のリモートコントローラの表示の
10 例を描写する概略図である。
DETAILED DESCRIPTION OF THE EMBODIMENTS
発明を実施するための形態(甲2の2)
[0016]・・・The system 100 can include two server computers 102 and 103, a
15 terminal device 104 and a massage apparatus 106. The server computer 102 can host
a digital application distribution platform 112 that allows the terminal device
104 to browse and download diverse application programs, and conduct various
transactions. Examples of the digital application distribution platform 112 hosted
by the server computer 102 can include the Apple App Store for terminal devices
20 running with the iOS operating system developed by Apple Inc., and the Google
Play Store for terminal devices running with the Android operating system
developed by Google Inc.」
・・・システム 100 は、2 台のサーバコンピュータ 102 と 103、端末装置 104、およびマ
ッサージ装置 106 を含み得る。サーバコンピュータ 102 は、端末装置 104 が多様なアプリ
25 ケーションプログラムを閲覧してダウンロードし、様々な取引を実施できるようにする、
デジタルアプリケーション配信プラットフォーム 112 をホストし得る。サーバコンピュー
タ 102 にホストされるデジタルアプリケーション配信プラットフォーム 112 の例は、Apple
Inc.が開発した iOS オペレーティングシステムが実行されている端末装置向けの Apple
App Store や、Google Inc.が開発した Android オペレーティングシステムが実行されてい
30 る端末装置向けの Google Play Store を含み得る。(本件決定)
[0017] The server computer 103 can store a plurality of massage programs
that are executable on the massage apparatus 106, and connect with the terminal
device 104 to transfer one or more of the massage programs via the terminal device
35 104 to the massage apparatus 106. In one embodiment, the server computer 103 can
be maintained and operated by a selling entity of the massage programs, whereas
the server computer 102 may serve as a transaction platform.
サーバコンピュータ 103 は、マッサージ装置 106 で実行可能な複数のマッサージプログ
ラムを保存し、端末装置 104 を介してマッサージ装置 106 に 1 つまたは複数のマッサージ
40 プログラムを転送するために端末装置 104 に接続し得る。一実施形態において、サーバコ
ンピュータ 103 は、マッサージプログラムの販売元により維持され運用され得る一方、サ
ーバコンピュータ 102 が取引プラットフォームとして供給される。(本件決定)
[0018] The terminal device 104 can include a smart phone, a tablet computer,
5 a laptop computer, a personal computer, and the like. The terminal device 104 can
execute an application program 114 that allows the terminal device 104 to interact
with the server computers 102 and 103 and the massage apparatus 106 for providing
massage related services. More specifically, the application program 1 14 executed
on the terminal device 104 can connect with the server computers 102 and 103 to
10 conduct various transactions including, for example, receiving notifications about
the release of new massage programs, conducting a purchase transaction for
acquiring a new massage program, and downloading the massage program from the
server computer 103. The application program 1 14 can also connect with the
massage apparatus 106 to conduct various tasks including, for example, displaying
15 current settings of the massage apparatus 106, transferring a purchased massage
program to the massage apparatus 106, and controlling certain functionality of
the massage apparatus 106.
端末装置 104 は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピ
ュータ、パーソナルコンピュータなどを含み得る。端末装置 104 は、マッサージ関連サー
20 ビスを提供するために端末装置 104 にサーバコンピュータ 102 および 103、ならびにマッ
サージ装置 106 と交信させ得るアプリケーションプログラム 114 を実行し得る。より具体
的には、端末装置 104 で実行されたアプリケーションプログラム 114 は、新しいマッサー
ジプログラムのリリースに関する通知の受信、新しいマッサージプログラムを取得するた
めの購入取引の実施、マッサージプログラムのサーバコンピュータ 103 からのダウンロー
25 ドなどを含む、様々な取引を実施するために、サーバコンピュータ 102 および 103 と接続
し得る。アプリケーションプログラム 114 はまた、マッサージ装置 106 の現在の設定の表
示、購入済みマッサージプログラムのマッサージ装置 106 への転送、マッサージ装置 106
の特定の機能の制御など、様々な役割を実施するためにマッサージ装置 106 と接続し得
る。(本件決定、原告別紙1・甲2の2【0010】)
[0019] The massage apparatus 106 can include any type of devices capable
of applying massage to a body. In one embodiment, the massage apparatus 106 can
be a massage chair. In other embodiments, the massage apparatus 106 may also be
a massage belt, a foot massage apparatus, and the like. The massage apparatus 106
35 may be operable to apply massage, play music, provide interactive content, and
receive updates of new massage programs from an external device, such as the
terminal device 104. In one embodiment, the massage apparatus 106 can be provided
with a remote controller 150 to facilitate its operation. In particular, the
remote controller 150 can have a display capable of showing a list of massage
40 programs for a user's selection.
マッサージ装置 106 は、身体にマッサージを施し得るあらゆる種類の装置であり得る。
一実施形態において、マッサージ装置 106 はマッサージチェアであり得る。他の実施形態
において、マッサージ装置 106 はまた、マッサージベルト、フットマッサージ装置などで
あり得る。マッサージ装置 106 は、マッサージを施し、音楽を再生し、対話型コンテンツ
5 を提供し、端末装置 104 などの外部装置から新しいマッサージプログラムの更新を受信し
得る。一実施形態において、マッサージ装置 106 は、操作を容易にするためにリモートコ
ントローラ 150 を備え得る。特に、リモートコントローラ 150 は、ユーザが選択するため
のマッサージプログラムのリストを表示可能なディスプレイを含み得る。(本件決定)
10 [0020]・・・The massage apparatus 106 can include a massage unit120, a
driver 122 associated with the massage unit 120, a control interface 124, a
wireless communication interface 126, a microcontroller 130 and a remote
controller 150.
マッサージ装置 106 は、マッサージ部 120、マッサージ部 120 と関連付けられた駆動部
15 122、制御インターフェース 124、無線通信インターフェース 126、マイクロコントローラ
130 およびリモートコントローラ 150 を含み得る。(本件決定)
[0021] The driver 122 can be a circuit that provides the interface between
the microcontroller 130 and the massage unit 120, and can be operable to drive
20 operation of the component of the massage unit 120 according to control signals
outputted by the microcontroller 130.
駆動部 122 は、マイクロコントローラ 130 とマッサージ部 120 との間のインターフェー
スを提供する電気回路であることができ、マイクロコントローラ 130 が出力する制御信号
に従ってマッサージ部 120 の部品の動作を駆動するように機能し得る。(本件決定)
[0023] The wireless communication interface 126 can include a Bluetooth
interface and/or Wi-Fi interface that enables data exchange between the
microcontroller 130 of the massage apparatus 106 and other external devices in a
wireless manner.
30 無線通信インターフェース 126 は、マッサージ装置 106 のマイクロコントローラ 130 と
他の外部装置との間の無線によるデータ交換を可能にする、ブルートゥースインターフェ
ースおよび/または Wi-Fi インターフェースを含み得る。(原告別紙1・甲2の2【00
15】)
35 [0024] The microcontroller 130 can control and supervise the operation of
the massage apparatus 106. In one embodiment, the microcontroller 130 can
exemplary be a 32-bit Reduced Instruction Set Computing (RISC) microcontroller.
The microcontroller 130 can select one of a plurality of massage programs stored
internally, execute the massage program through the massage unit 120 to apply a
40 sequence of massage actions on a user's body, and interact with the terminal
device 104 via the wireless communication interface 126. In one embodiment, the
microcontroller 130 can include a processing unit 132, a first and a second memory
134 and 136 for storing massage program codes, input/output (I/O) ports 138
through which the processing unit 132 can exchange signals with the driver 122 of
5 the massage unit 120 and the control interface 124, a transceiver 140 for data
exchange with the communication interface 130, and a Universal Serial Bus (USB)
interface 142.
マイクロコントローラ 130 は、マッサージ装置 106 の動作を制御し監視し得る。一実施
形態において、マイクロコントローラ 130 は典型的な例として、32 ビットの縮小命令セ
10 ットコンピューティング(RISC)マイクロコントローラであり得る。マイクロコントローラ
130 は、内部に保存された複数のマッサージプログラムのうち 1 つを選択し、ユーザの身
体に一連のマッサージ動作を施すためにマッサージ部 120 を介してマッサージプログラム
を実行し、無線通信インターフェース 126 を介して端末装置 104 と交信し得る。一実施形
態において、マイクロコントローラ 130 は、処理装置 132、マッサージプログラムコード
15 を保存するための第 1 のメモリ 134 と第 2 のメモリ 136、処理装置 132 がマッサージ部 120
の駆動部 122 および制御インターフェース 124 と信号を交換する際に経由する入力/出力
(I/O)ポート 138、通信インターフェース 130 とのデータ交換のための送受信機 140、およ
びユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース 142 を含み得る。(原告別紙1・甲
2の2【0016】)
[0025] The memory 134 can store preset programming codes of massage programs
IMP initially available in the massage apparatus 106. The separate memory 136 can
store the programming codes of massage programs DMP that are loaded into the
massage apparatus 106 by a user from an external device. In one embodiment, the
25 memory 134 can exemplary be flash read-only memory (ROM), and the memory 136 can
exemplary be electrically-erasable programmable read-only memory (EEPROM).
The massage programs DMP may be downloaded from a server computer (e.g., the
server computer 103) into the terminal device 104, and then transferred from the
terminal device 104 to the massage apparatus 106 for storage in the memory 136.
30 The massage programs DMP may be transferred from the external device to the
massage apparatus 106 via the wireless communication interface 128 or the USB
interface 142.
メモリ 134 は、マッサージ装置 106 で最初から利用可能なマッサージプログラム IMP の
プリセットプログラミングコードを保存し得る。別のメモリ 136 は、ユーザにより外部装
35 置からマッサージ装置 106 に読み込まれるマッサージプログラム DMP のプログラミングコ
ードを保存し得る。一実施形態において、メモリ 134 は典型的な例として、フラッシュ読
み取り専用メモリ(ROM)であることができ、メモリ 136 は典型的な例として、電気的消去
可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)であり得る。マッサージプログラム DMP
は、サーバコンピュータ(例、サーバコンピュータ 103)から端末装置 104 にダウンロード
40 され、次いでメモリ 136 に保存するために端末装置 104 からマッサージ装置 106 に転送さ
れ得る。マッサージプログラム DMP は、無線通信インターフェース 128 または USB インタ
ーフェース 142 を介して、マッサージ装置 106 に外部装置から転送され得る。(原告別紙
1・甲2の2【0017】)
5 [0026] The transceiver 140 can be a Universal Asynchronous Receiver and
Transmitter through which data can be received by the processing unit 132 of
microcontroller 130 and transmitted to a component outside the microcontroller
130.
送受信機 140 は、データがマイクロコントローラ 130 の処理装置 132 に受信され、マイ
10 クロコントローラ 130 外の構成要素に送信される際に経由する汎用非同期送受信機であり
得る。(原告別紙1・甲2の2【0018】)
[0027]・・・The remote controller 150 can include a display screen driven
by a display controller 152, and a microcontroller 154 operable to receive user's
15 inputs on the remote controller 150, to control graphical content shown on the
display screen of the remote controller 150, and to interact with the
microcontroller 130.
リモートコントローラ 150 は、表示制御部 152 に駆動される表示画面と、リモートコン
トローラ 150 へのユーザの入力を受信し、リモートコントローラ 150 の表示画面に表示さ
20 れるグラフィカルコンテンツを制御し、マイクロコントローラ 130 と交信するように機能
し得るマイクロコントローラ 154 を含み得る。(本件決定)
[0028]・・・In initial step 302, a new massage program may be uploaded to
the server computer 103.
25 第 1 のステップ 302 で、新しいマッサージプログラムはサーバコンピュータ 103 にアッ
プロードされ得る。(本件決定)
[0029] In step 304, the server computer 103 may send out a notification
about the release of the new massage program, which may be relayed via the
30 server computer 102 to the terminal device 104. The terminal device 104 can be
informed about the release of new massage programs via the application program
114.
ステップ 304 で、サーバコンピュータ 103 は、新しいマッサージプログラムのリリース
についての通知を送信し得る。この通知は、サーバコンピュータ 102 を介して端末装置
35 104 に中継され得る。端末装置 104 は、アプリケーションプログラム 114 を介して新しい
マッサージプログラムのリリースについて通知され得る。(本件決定)
[0030] In step 306, the server computer 102 can receive a purchase
request from the terminal device 104, initiate a payment procedure, and send a
request to the server computer 103 for downloading the purchased massage
program.
ステップ 306 で、サーバコンピュータ 102 は、端末装置 104 から購入依頼を受信し、支
払手続きを開始し、サーバコンピュータ 103 に購入済みマッサージプログラムのダウンロ
5 ードの要求を送信し得る。(本件決定)
[0031] In response to the download request from the server computer 102,
the server computer 103 in step 308 can deliver one or more file of the purchased
massage program to the terminal device 104. The purchased massage program may be
10 downloaded from the server computer 103 to the terminal device 104 via Internet
connection, for example.
サーバコンピュータ 102 からのダウンロード要求に応じて、サーバコンピュータ 103 は
ステップ 308 で、購入済みマッサージプログラムの 1 つまたは複数のファイルを端末装置
104 に送信し得る。購入済みマッサージプログラムは、例として、インターネット接続を
15 介してサーバコンピュータ 103 から端末装置 104 にダウンロードされ得る。(本件決定)
[0032] ・・・In step 402, the application program 114 running on the
terminal device 104 can display an image frame Fl as shown in FIG.5A listing a
plurality of massage programs 501 available for purchase. The list of available
20 massage programs 501 can be provided and updated by the server computer 102 or
103. When the user wants to preview one massage program of interest, the
application program 114 can display an image frame F2 introducing the selected
massage program. As better shown in FIG.5B, the image frame F2 can include a field
502 identifying the name of the massage program, a portion 504 that describes the
25 characteristics and features of the massage program, and a BUY icon 506 and a
CANCEL icon 508 that can be selected by the user to respectively initiate or
cancel the purchase transaction.
ステップ 402 で、端末装置 104 で実行されているアプリケーションプログラム 114 は、
購入可能な複数のマッサージプログラム 501 を列挙している図 5A に示されているよう
30 に、画像フレーム F1 を表示し得る。利用可能なマッサージプログラム 501 のリストは、
サーバコンピュータ 102 または 103 により提供され更新され得る。ユーザが関心のあるマ
ッサージプログラムをプレビューしたい場合、アプリケーションプログラム 114 は、選択
されたマッサージプログラムを紹介する画像フレーム F2 を表示し得る。図 5B によく示さ
れているように、画像フレーム F2 は、マッサージプログラムの名称を特定するフィール
35 ド 502、マッサージプログラムの特性と特徴を描写する部分 504、ユーザが購入取引を開
始または取り消しするためにそれぞれ選択可能な購入アイコン 506 とキャンセルアイコン
508 を含み得る。(本件決定)
[0033] If the user wants to purchase the massage program, the application
40 program 114 in step 404 can conduct a purchase transaction with respect to the
selected massage program. For example, the application program 114 can display a
confirmation window F3 as shown in FIG.5C requesting the user to confirm the
purchase of the selected massage program at the displayed price, and then query
certain identification information via the query popup window F4 as shown in
5 FIG.5D.
ユーザがマッサージプログラムを購入したい場合、アプリケーションプログラム 114 は
ステップ 404 で、選択されたマッサージプログラムと関連する購入取引を実施し得る。た
とえば、アプリケーションプログラム 114 は、図 5C に示されているように、選択された
マッサージプログラムを表示されている価格で購入することを確認するようユーザに要求
10 する確認ウィンドウ F3 を表示し、次いで図 5D に示されているように、クエリポップアッ
プウィンドウ F4 を介して特定の識別情報を問い合わせ得る。(本件決定)
[0034] In next step 406, the application program 114 then can proceed to
download the purchased massage program from the server computer 103.
15 次のステップ 406 で、アプリケーションプログラム 114 は続けて購入済みマッサージプ
ログラムをサーバコンピュータ 103 からダウンロードし得る。(本件決定)
[0035] Once the download of the massage program to the terminal device 104
is completed, the application program 114 may display a query window F6 asking
20 the user whether the downloaded massage program is to be transferred to the
massage apparatus 106. Upon confirmation by the user, the application program 114
in step 408 can establish a connection with the massage apparatus 106 and proceed
to transfer the downloaded massage program to the massage apparatus 106.
マッサージプログラムの端末装置 104 へのダウンロードが完了すると、アプリケーショ
25 ンプログラム 114 は、ダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置 106 に転
送するかをユーザに尋ねる、クエリウィンドウ F6 を表示し得る。ユーザが確認すると、
アプリケーションプログラム 114 はステップ 408 で、マッサージ装置 106 との接続を確立
し、続けてダウンロード済みマッサージプログラムをマッサージ装置 106 に転送し得る。
30 [0036] After the transfer of the massage program to the massage apparatus
106 is completed, the application program 1 14 can display a query window F8 as
shown in FIG. 5H asking the user whether the massage apparatus 106 should start
to run the massage program. In response to an activate request, the application
program 114 in step 410 can send a signal to the massage apparatus 106 to trigger
35 the execution of the massage program on the massage apparatus 106.
マッサージプログラムのマッサージ装置 106 への転送が完了した後、アプリケーション
プログラム 114 は、マッサージ装置 106 にマッサージプログラムの実行を開始させるかを
ユーザに尋ねる、図 5H に示されているクエリウィンドウ F8 を表示し得る。起動要求に応
じて、アプリケーションプログラム 114 はステップ 410 で、マッサージ装置 106 でマッサ
ージプログラムの実行を開始するためにマッサージ装置 106 に信号を送信し得る。(原告
別紙1・甲2の2【0028】)
[0037] In conjunction with FIGS. 1 and 2, FIG. 6 is a flowchart illustrating
5 method steps performed by the massage apparatus 106. In step 602, the
microcontroller 130 in the massage apparatus 106 can turn on the wireless
communication interface 128 in response to a request received from the terminal
device 104 for establishing a connection between the terminal device 104 and the
massage apparatus 106. The switch of the wireless communication interface 128 can
10 be performed automatically by the system, or manually by using the remote
controller 150.
図 1 および図 2 と関連して、図 6 は、マッサージ装置 106 が実行する方法のステップを
描写するフローチャートである。ステップ 602 で、マッサージ装置 106 のマイクロコント
ローラ 130 は、端末装置 104 から受信した、端末装置 104 とマッサージ装置 106 との間の
15 接続を確立する要求に応じて、無線通信インターフェース 128 を起動し得る。無線通信イ
ンターフェース 128 の切換えはシステムにより自動で実行することもできるし、リモート
コントローラ 150 を使用して手動で実行することもできる。(原告別紙1・甲2の2【0
029】)
20 [0038] In step 604, the massage apparatus 106 can receive one or more
encrypted file containing the program code of one massage program and graphical
data of icons associated therewith. The transfer of the file(s) can be conducted
via the wireless communication interface 128, e.g., through Bluetooth connection.
ステップ 604 で、マッサージ装置 106 は、1 つのマッサージプログラムのプログラムコ
25 ードとそれに関連付けられたアイコンのグラフィカルデータを含む、1 つまたは複数の暗
号化されたファイルを受信し得る。ファイルの転送は、無線通信インターフェース 128、
例としてブルートゥース接続を介して実施し得る。(原告別紙1・甲2の2【0030】)
[0039] In step 606, the microcontroller 130 can decrypt the file(s) to
30 recover the massage program code and the graphical icons (the icons may be defined
as bitmap files), convert the code of the massage program into a machine executable
form, and then respectively store the massage program code and the icons in the
memory 136 and the remote controller 150. The graphical user interface at the
remote controller 150 can be thereby updated to display the icon(s) associated
35 with the downloaded massage program. FIGS. 7 A and 7B are schematic views
illustrating examples of display on the remote controller 150 with no downloaded
programs and after the download of a new massage program. In FIG. 7 A, the display
of the remote controller 150 can exemplary show a window frame F9 indicating that
there is no downloaded program in the massage apparatus 106. In FIG. 7B, the
display of the remote controller 150 can show an icon F10 indicating that there
is a newly downloaded program available for selection by the user.
ステップ 606 で、マイクロコントローラ 130 は、マッサージプログラムコードとグラフ
ィカルアイコン(アイコンはビットマップファイルとして定義し得る)を復元するためにフ
5 ァイルを復号し、マッサージプログラムのコードを機械が実行可能な形式に変換し、次い
でマッサージプログラムコードとアイコンをそれぞれ、メモリ 136 とリモートコントロー
ラ 150 に保存し得る。リモートコントローラ 150 のグラフィカルユーザインターフェース
はこのようにして、ダウンロード済みマッサージプログラムと関連付けられたアイコンを
表示するように更新され得る。図 7A および図 7B は、ダウンロード済みプログラムがない
10 状態と新しいマッサージプログラムをダウンロードした後の状態のリモートコントローラ
150 の表示の例を描写する概略図である。図 7A で、リモートコントローラ 150 の表示は、
典型的な例として、マッサージ装置 106 にダウンロード済みプログラムがないことを示す
ウィンドウフレーム F9 を示し得る。図 7B で、リモートコントローラ 150 の表示は、ユー
ザが選択可能な新しくダウンロードされたプログラムがあることを示すアイコン F10 を示
15 し得る。(原告別紙1・甲2の2【0031】)
[0040] In step 608, in response to an activation signal, the microcontroller
130 then can execute the new massage program through the massage unit 120 to apply
a sequence of massage actions on the body of the user. The user can activate the
20 massage apparatus 106 to execute the new massage program by, e.g., using the
terminal device 104 or the remote controller 150.
ステップ 608 で、起動信号に応じてマイクロコントローラ 130 は、一連のマッサージ動
作をユーザの身体に施すため、マッサージ部 120 を介して新しいマッサージプログラムを
実行し得る。ユーザは、例として端末装置 104 またはリモートコントローラ 150 を使用し
25 て新しいマッサージプログラムを実行するために、マッサージ装置 106 を起動し得る。
(原告別紙1・甲2の2【0032】)
[0041] While the foregoing describes the use of a wireless transmission
between the terminal device 104 and the massage apparatus 106, it is worth noting
30 that other methods can be applicable to transfer a new massage program to the
massage apparatus 106. For example, the new massage program downloaded to the
terminal device 104 first can be stored in an external device, e.g., another
terminal device, a USB memory stick or any suitable storage devices. The external
device then can be connected with the massage apparatus 106, and the new massage
35 program can be transferred from the external device to the massage apparatus 106
via the USB interface 142. After the transfer is completed, steps 606 and 608 can
be performed as described previously to install the new massage program in the
massage apparatus 106.
端末装置 104 とマッサージ装置 106 との間の無線送信の使用について上述したが、新し
40 いマッサージプログラムのマッサージ装置 106 への転送に他の方法も適用できることは注
目に値する。たとえば、端末装置 104 にダウンロードされた新しいマッサージプログラム
はまず、例として他の端末装置、USB メモリスティックまたは何らかの適切な記憶装置な
どの外部装置に保存され得る。外部装置は次いでマッサージ装置 106 と接続され、新しい
マッサージプログラムは USB インターフェース 142 を介して外部装置からマッサージ装置
5 106 に転送され得る。転送が完了した後、新しいマッサージプログラムをマッサージ装置
106 にインストールするため、前述のようにステップ 606 および 608 が実行され得る。
(原告別紙1・甲2の2【0033】)
[0042] At least one advantage of the systems and methods described herein
10 includes the ability to download new massage programs, perform graphical user
interface update on the remote controller of the massage apparatus, and using
either the remote controller or the external device for execution of new downloaded
massage programs on a massage apparatus. Accordingly, the massage apparatus can
be used in in a more flexible manner, and the user can enjoy enriched massage
15 experience on the massage apparatus.
本明細書で説明されているシステムと方法の少なくとも 1 つの利点は、新しいマッサー
ジプログラムをダウンロードし、マッサージ装置のリモートコントローラのグラフィカル
ユーザインターフェースの更新を実行し、マッサージ装置で新しくダウンロードされたマ
ッサージプログラムを実行するためにリモートコンローラーまたは外部装置を使用する能
20 力を含む。したがって、マッサージ装置はより柔軟な仕方で使用することができ、ユーザ
はマッサージ装置の強化されたマッサージ体験を楽しむことができる。(原告別紙1・甲
2の2【0034】)
WHAT IS CLAIMED IS;
25 1. A massage apparatus comprising:
a massage unit;
a driver operable to drive motion of the massage unit; and
a microcontroller connected with the driver, wherein the microcontroller is
configured to:
30 connect with an external device;
receive a program code of a massage program from the external device and store
the massage program in a memory; and
execute the massage program through the massage unit to apply a sequence of
massage actions on a body.
35 マッサージ装置であって、
マッサージ部と、
前記マッサージ部の運動を駆動するように機能する駆動部と、
前記駆動部と接続されたマイクロコントローラとを備え、前記マイクロコントローラは、
外部装置と接続し、
マッサージプログラムのプログラムコードを前記外部装置から受信して前記マッサージ
プログラムをメモリに保存し、
一連のマッサージ動作を身体に施すために前記マッサージ部を介して前記マッサージプ
ログラムを実行する
5 ように構成される、マッサージ装置(甲2の2【請求項1】)
12. A system of providing massage related services, comprising:
the massage apparatus according to claim 1 ;
a first and a second server computer; and
a terminal device operable to:
10 conduct a transaction with the first server computer to purchase the massage
program;
download the massage program from the second server computer; and
transfer the massage program to the massage apparatus.
マッサージ関連サービスを提供するシステムであって、
15 請求項 1 に記載のマッサージ装置と、
第 1 および第 2 のサーバコンピュータと、
前記マッサージプログラムを購入するために前記第 1 のサーバコンピュータと取引を実
施し、
前記マッサージプログラムを前記第 2 のサーバコンピュータからダウンロードし、
20 前記マッサージプログラムを前記マッサージ装置に転送する
ように機能する端末装置と
を備える、システム(甲2の2【請求項12】)
【符号の説明】甲2の2【0036】
25 100 マッサージ関連サービスを提供するシステム
102 第 1 のサーバコンピュータ
103 第 2 のサーバコンピュータ
104 端末装置
106 マッサージ装置
30 114 アプリケーションプログラム
120 マッサージ部
122 駆動部
124 制御インターフェース
126 無線通信インターフェース
35 130 マイクロコントローラ
132 処理装置
134 第 1 のメモリ
136 第 2 のメモリ
138 入力/出力ポート
40 140 送受信機
142 USB インターフェース
150 リモートコントローラ
154 マイクロコントローラ
156 メモリ
5 F1 画像フレーム
F2 画像フレーム
F3 確認ウィンドウ
F4 クエリポップアップウィンドウ
F5 ダウンロード進行状況ウィンドウ
10 F6 クエリウィンドウ
[図1]
30 [図2]
[図3]
15 [図4]
[図5A]
[図5B]
15 [図5C]
[図5D]
[図5H]
[図6]
[図7A]
20 [図7B]
以上
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