ホーム > 知財判決速報/裁判例集 > 令和7(ネ)10070 特許権侵害差止等請求控訴事件
| 裁判所 | 控訴棄却 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 裁判年月日 | 令和8年8月18日 |
| 事件種別 | 民事 |
| 対象物 | ランプ |
| 法令 |
特許権 特許法29条2項5回 特許法134条の21回 特許法104条の31回 特許法100条1項1回 |
| キーワード | 進歩性53回 実施49回 無効21回 特許権10回 新規性9回 無効審判5回 侵害4回 差止2回 刊行物2回 審決1回 |
| 主文 | 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。 |
| 事件の概要 | 「原告」を「被控訴人」と、 「被告」を「控訴人」と、 「別紙」を「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。 ) |
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令和8年8月18日判決言渡
令和7年(ネ)第10070号 特許権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方
裁判所令和6年(ワ)第70139号)
口頭弁論終結日 令和8年6月30日
判 決
控 訴 人 細渕電球株式会社
同訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫
同 弓 削 田 博
同 平 塚 健 士 朗
同訴訟復代理人弁護士 山 田 亮
同訴訟代理人弁理士 今 堀 克 彦
同 下 田 俊 明
被 控 訴 人 株式会社ホタルクス
同訴訟代理人弁護士 工 藤 良 平
同 関 口 彰 正
同 石 川 裕 彬
同訴訟代理人弁理士 辻󠄀 丸 光 一 郎
同 伊 佐 治 創
主 文
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
主文と同旨
第2 事案の概要(略語は原判決の表記に従う。なお、「原告」を「被控訴人」と、
5 「被告」を「控訴人」と、「別紙」を「原判決別紙」とそれぞれ読み替える。)1 本件は、発明の名称を「ランプ」とする二つの特許(特許第6944719号〔本件特許1〕及び特許第7227646号〔本件特許2〕。併せて本件各特許)に係る特許権(本件特許権1及び本件特許権2。併せて本件各特許権)を有する被控訴人が、原判決別紙物件目録記載の製品(控訴人製品)は、本件特許1の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(本件発明1-1)、及び請求項12に係る発明(本件発明1-2。本件発明1-1と併せて本件発明1)、並びに本件特許2の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(本件発明2-1)及び請求項7に係る発明(本件発明2-2。本件発明2-1と併せて本件発明2。本件発明1と本件発明2を併せて本件各発明)の技術的範囲に属するものであり、控訴人が控訴人製品を製造、使用、販売及び販売の申出をすることは、被控訴人の本件特許権1又は本件特許権2を侵害すると主張して、控訴人に対し、特許法100条1項及び2項に基づき、控訴人製品の製造、使用、販売及び販売の申出の差止め並びに廃棄を求めた事案である。原審は、本件特許権1の侵害に基づく請求及び本件特許権2の侵害に基づく請求が選択的併合であることを前提に、控訴人製品は、本件発明1-1の技術的範囲に属するものであり、本件発明1-1に係る特許は、特許無効審判により無効にされるべきものとは認められないとして、被控訴人の請求をいずれも認容したので、控訴人がその取消しを求めて本件控訴を提起した。2 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおり補正し、後記3のとおり当審における控訴人の補充主張を、後記4のとおり当審における新たな主張を付加するほか、原判決「事実及び理由」中(原判決を引用する場合に「事実及び理由」中との記載を省略する。以下、同様である。)第2の2ないし4(原判決2頁16行目から17頁21行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
⑴ 原判決4頁16行目に「一項」とあるのを「1項」と改める。
5 ⑵ 原判決6頁12行目に「2N 本件発明2-1のランプを備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。」とあるのを「2N を備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。」と改める。
⑶ 原判決6頁15行目に「遅くとも令和5年7月23日までに」とあるのを「遅くとも令和5年7月25日までに」と改める。
⑷ 原判決7頁24行目末尾(前提事実⑹の末尾)に改行の上、以下を加える。「⑺ 訂正請求被控訴人は、本件特許1の特許無効審判請求(無効2025-800091)の手続及び本件特許2の特許無効審判請求(無効2025-800104)の手続において、それぞれ令和8年3月13日付けで、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲について訂正することを求める訂正請求をした(甲22、23。以下、併せて「本件各訂正請求」といい、本件各訂正請求に係る訂正を「本件各訂正」という。)。特許庁は、同年6月4日付け訂正拒絶理由通知書により、被控訴人に対し、明細書に係る訂正事項(ただし、段落【0022】、【0024】及び【0026】の記載に係る訂正事項。以下、明細書の段落は、【】内の番号により特定する。)は特許法134条の2第1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものではないことを理由に本件各訂正は認められない旨を通知した(甲25、26)。これを受けて、被控訴人は、同月25日付けで、本件各訂正請求について、明細書に係る訂正事項を削除し、特許請求の範囲に係る訂正のみとする手続補正を行った(甲27、28)。上記手続補正後の本件各訂正は、本件各特許の特許請求の範囲について別紙「特許請求の範囲(本件各訂正後のもの)」のとおりに訂正することを求めるものである(以下、上記訂正後の本件各発明を「本件訂正発明1-1」、「本件訂正発明2-1」などといい、本件訂正発明1-1、本件訂正発明1-2、本件訂正発明2-1及び本件訂正発明2-2を併せ
5 て「本件各訂正発明」という。訂正部分は同別紙の下線部分である。)。なお、本件口頭弁論終結時において、特許庁は、上記各特許無効審判請求について審決をしておらず、被控訴人の上記各手続補正後の本件各訂正の許否についても判断をしていない。
⑻ 本件各訂正発明本件各訂正発明を構成要件に分説すると、以下のとおりである。なお、本件各訂正に係る構成要件は下線部分である。ア 本件訂正発明1-11A 光源であるLEDモジュールと、1B 熱移送手段と、1C 配光手段としての筒状リフレクタと、1D 開口部を有する筐体と、1E 光透過性カバーとを含み、1F 前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、1G 前記筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直で、かつ、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、1H 前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記筒状リフレクタが配置され、1I 前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、1J 前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、1K 前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、1B-1 前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材であることを特徴とする、
5 1L ランプ。イ 本件訂正発明1-21A~1L(1B-1を含む)前記アと同じ。1M 航空機着陸誘導閃光装置に用いられるウ 本件訂正発明2-12A 光源であるLEDモジュールと、2B 熱移送手段と、2C 配光手段としての円筒状リフレクタと、2D 開口部を有する筐体と、2E 光透過性カバーとを含み、2F 前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、2G 前記円筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され、2H 前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記円筒状リフレクタが配置され、2I 前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、2J 前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、2K 前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、2L 前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有し、2B-1 前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材であることを特徴とする、2M ランプ。
5 エ 本件訂正発明2-22A~2M(2B-1を含む)前記ウと同じ。2N を備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。」
⑸ 原判決8頁4行目に「本件各特許の無効の抗弁の成否」とあるのを「乙2公報に記載された発明に基づく進歩性の欠如」と改める。
⑹ 原判決8頁6行目末尾に改行の上、以下を加える。「⑶ 乙9公報に記載された発明に基づく新規性及び進歩性の欠如(争点5)
⑷ 乙10公報に記載された発明に基づく進歩性の欠如(争点6)
⑸ 訂正の再抗弁の成否(争点7)(上記⑶ないし⑸は、当審における新たな主張に基づく争点である。)」3 当審における控訴人の補充主張
⑴ 構成要件1Kの充足性に関する原判決の判断の誤りア 本件明細書では、ヒートスプレッダと「熱移送手段」は、異なる部材として明確に用語を区別して記載されており(【0014】、【0025】)、特に、【0025】の記載は、あくまでもヒートスプレッダ(熱拡散部材)は熱移送手段とは異なる部材であることが前提となっている。また、控訴人製品の放熱板とヒートスプレッダは接着剤で接着されているだけであり、分離可能な別部材で構成されているため、「一体的に形成されている」とはいえない。したがって、ヒートスプレッダは「熱移送手段」に当たらないため、放熱板とヒートスプレッダがいずれも「熱移送手段」に当たるとした上で、放熱板とヒートスプレッダから成る「熱移送手段」が「前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されている」とする原判決の判断には誤りがある。イ 前記アのとおり、「熱移送手段」にヒートスプレッダは含まれないため、控訴人製品の放熱板がLEDモジュールの熱を筐体に放熱できるように
5 配置されているといえなければ、控訴人製品は、構成要件IKを充足しない。控訴人製品において、実際に、COB型LEDモジュールの熱が放熱板を通じて筐体にまで伝熱していることは何ら立証されていないから、原判決の構成要件1Kの充足性に関する判断は誤りである。
⑵ 効果不奏功に関する原判決の判断の誤り本件発明1-1の目的は、端的に「重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプの提供」にあり、重量増の原因は筐体内の構成に限定されない(【0005】、【0006】)。そのため、本件発明1-1の課題は、重量増を抑制しつつ、LEDモジュールの放熱を可能とすることにあり、特に重量増の抑制に関しては、筐体内外を問わず、ランプ全体の重量増を抑制することにある。ところが、控訴人製品は、放熱用のフィンを有しており、重量増を抑制するという本件発明1-1の課題を解決できておらず、重量増の抑制という効果が生じていない。原判決が、本件発明1-1の課題となる重量増の原因を、筐体内に放熱用のフィン等を設置することに限定した上で、控訴人製品が本件発明1-1の効果を奏すると判断したのは誤りである。
⑶ 乙2発明に基づく進歩性の欠如に関する原判決の判断の誤りア 相違点の認定の誤り原判決は、本件発明1-1と乙2発明との相違点に関し、本件発明1-1では、LEDモジュールが筐体内に配置され、前記熱移送手段が、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱することができるように配置されているのに対し、乙2発明では、COB型LED30が筐体10の内部に配置されているかが不明であり、筐体10の外部に配置された放熱部36により、COB型LED30の熱が筐体外部に放熱される点(相違点1´´)と認定した。しかし、乙2公報の【図7】、請求項1及び2の記載から、COB型LE
5 D30は筐体10の内部に存在することが理解されるから、上記原判決の認定は誤りである。本件発明1-1と乙2発明との相違点は、前記熱移送手段について、本件発明1-1では前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されていることを特徴とするが、乙2発明にはそのような構成が開示されていない点(相違点1)と認定されなければならない。イ 相違点の容易想到性(ア) 相違点1の容易想到性乙2発明と乙3記載事項(原判決第2の4⑶(控訴人の主張)ウ(ア))とは、同一の技術分野に関するものであり、かつ、解決すべき課題も共通するのであるから、相違点1に係る構成について、乙3記載事項を乙2発明に適用することには動機付けがあるといえ、相違点に係る本件発明1-1の構成は、乙2発明及び乙3記載事項に基づいて当業者が容易に想到することができたものである。(イ) 相違点1´´の容易想到性仮に相違点1´´が存在するとしても、乙2発明と乙3記載事項とは、解決すべき課題が共通するのであるから、相違点1´´に係る本件発明1-1の構成は、乙2発明及び乙3記載事項に基づいて当業者が容易に想到することができたものである。すなわち、乙2発明は、「放熱性能が低下するという問題」に鑑みて、「光源の発光素子から筐体への熱伝達を良好にしつつ、高い耐電圧性能を得ることができる照明器具を提供すること」を目的とするところ、乙2発明では、「放熱性能が低下するという問題」を解決する手段を採用しているものの、当業者であれば、乙2発明をベースにして、上記目的の方向で更なる性能向上を考えることは自然なことである。したがって、より高い放熱性能を得るために、乙2発明において、乙3記載事項に係る構成に置き換える動機付けがあるとい
5 える。原判決の相違点1´´の容易想到性に関する判断は誤りである。4 当審における新たな主張
⑴ 乙9公報に記載された発明に基づく新規性及び進歩性の欠如(争点5)(控訴人の主張)ア 乙9公報に記載された発明本件優先日前に頒布された刊行物である特表2009-519575公報(公表日平成21年5月14日。以下「乙9公報」という。)には、次の発明(以下「乙9発明」という。)が記載されている(以下、引用発明の構成について、付した符号に従い「構成9a」などということがある。)。9a 光源であるLEDダイ6と、9b ヒートパイプ流体10を有するキャビティ12と、9c 表面上に反射塗膜14を含む層構造8を有し、内部にLEDダイ6を保持するための凹部を有する筒状コリメ-タ2と、9d 開口した筐体3と、9e コリメ-タ2の照射面とキャビティ12を形成する面とでなる装置前面と、を有し、9a1 LEDダイ6は、複数のLEDと、LED駆動用の電気回路とを含み、9c1 コリメ-タ2は、その軸方向(図中上下方向)がLEDダイ6の発光面に対して垂直であり、かつ、コリメ-タ2の発光前面は、エポキシ接着剤を使用して筐体3の上方部に取り付けられていることから、コリメ-タ2はLEDダイ6の光照射側に配置されており、9d1 コリメ-タ2は筐体3内に取り付けられているとともに、且つLEDダイ6を有しており、9d2 前記筐体の開口は、コリメ-タ2の照射面とキャビティを形成
5 する面とでなる装置前面でカバーされ、少なくともコリメ-タ2の照射面は、光を透過するように形成され、9a2 LEDダイ6とヒートスプレッダ7とを含むLED装置5が、コリメ-タ2の下方部分に剛的に取り付けられており、ヒートスプレッダ7は、DBC(直接接着銅)から成り、キャビティ12内に設けられるヒートパイプ流体10への熱接触を強化するために使用され、LEDダイ6は照明装置の取付状態にかかわらずそこに部分的に浸漬され、キャビティ12に流体10が収容され流体を介した熱移送が行われる、という構成から、LEDダイ6が筐体3に接触しないこと、すなわち離れて配置されていることは自明であり、9b1 ヒートパイプ流体10は、LED装置5に部分的に浸漬されることによって気化され、その後、筐体3及び/又はコリメ-タ2の冷たい壁で凝縮される熱移送が行われる、9f 照明。イ 本件発明1-1の新規性又は進歩性の欠如乙9発明は、本件発明1-1の全ての構成要件を備えていることから、本件発明1-1は、乙9発明と同一の発明であって、新規性を欠く。仮に本件発明1-1と乙9発明との間に相違点があるとしても、極めて小さな相違にすぎず、相違点に係る構成は乙9発明に開示されているに等しいか又は周知技術にすぎない。そして、本件発明1-1により得られる作用効果は、乙9発明、特開2010-9814公報(公開日平成22年1月14日。以下「乙11公報」という。)に記載された事項及び特開2014-235820公報(公開日平成26年12月15日。以下「乙12公報」という。)に記載された事項から予測し得る範囲のものである。したがって、本件発明1-1は、乙9発明に基づき当業者において容易
5 に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。ウ 本件発明1-2の進歩性の欠如本件発明1-2の構成要件のうち構成要件1A~1L(本件発明1-1の構成要件)は、前記イのとおり、乙9発明に開示されている。他方で、乙9発明の照明が構成要件1Mの「航空機着陸誘導閃光装置に用いられる」ものであるかは乙9公報の記載からは明らかでない。しかし、特開2007-137187公報(公開日平成19年6月7日。以下「乙4公報」という。)には、「LEDモジュールを航空機着陸誘導閃光装置に用いること」が記載されている(以下「乙4記載事項」という。)ところ、乙9発明と乙4公報は、いずれもLED照明に関するものであり、技術分野が共通していることからすれば、上記構成は、乙9発明において乙4記載事項を組み合わせることで容易に想到し得たものである。したがって、本件発明1-2は、乙9発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。なお、仮に本件発明1-2の構成要件1A~1Lに係る相違点があるとしても、前記イと同様に、相違点に係る構成は乙9発明に開示されているに等しいか又は周知技術にすぎないから、本件発明1-2が進歩性を欠くものであることに変わりはない。エ 本件発明2-1の進歩性の欠如乙9発明の「コリメータ2」は、TIR(全反射)コリメータ(光学部品)であって、その表面には「反射塗膜14」を含む層構造8が形成されており、円筒状であるから、乙9発明における構成9cの「表面上に反射塗膜14を含む層構造8を有するコリメータ2」は、本件発明2-1における構成要件2Cの「配光手段としての円筒状リフレクタ」に相当し、本件発明2-1の構成要件2A~2K及び2Mは、乙9発明に開示されている。
5 他方で、本件発明2-1の構成要件2L「前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有する」は、乙9発明には開示されていない。しかし、「外部電源と接続するに際して、筐体にLEDモジュールと配線で接続される接続部を有する構造」は周知技術(乙5、14、15)であり、乙9公報には、電線を用いることで外部電源と接続する構造が開示されているから、外部電源と接続するために筐体に接続部を設けることには動機付けがある。そうすると、上記構成は、乙9発明に上記周知技術を適用することで容易に想到し得たものである。したがって、本件発明2-1は、乙9発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。オ 本件発明2-2の進歩性の欠如前記エのとおり、本件発明2-2の構成要件のうち構成要件2A~2K及び2Mは、乙9発明に開示されており、構成要件2Lは、乙9発明において周知技術(乙5、14、15)を適用することにより容易に想到し得たものである。他方で、乙9発明の照明が構成要件2Nの「航空機着陸誘導閃光装置」であるかは乙9公報の記載からは明らかでないものの、上記構成は、前記ウと同様に、乙9発明において、乙4記載事項に基づいて容易に想到し得たものである。したがって、本件発明2-2は、乙9発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。(被控訴人の主張)ア 本件発明1―1の新規性及び進歩性(ア) 新規性について乙9公報には、複数のLEDがLED基板の実装面に実装されている
5 ことについては記載がなく、乙9発明のLED装置は、「複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板」という本件発明1-1の構成要件1Fに相当しない。また、本件発明1-1において、「熱移送手段」(構成要件1B)は、「配置されている」ものである(構成要件1K)から、「有形物」であり「剛的」である(すなわち、流動体を含まないものである。)ことは明らかであるところ、乙9発明における熱移転媒体(ヒートパイプ流体)は、LED装置に力(振動等)が伝わらないような物であり(【0010】)、適当な加湿条件で気化する液体である(【0017】)から、「非剛的」であり、本件発明1-1の「熱移送手段」に相当しない。したがって、本件発明1-1と乙9発明は同一の発明ではないから、本件発明1-1は新規性を欠くものではない。(イ) 進歩性について乙9発明の特徴点は、LED装置に力が加わらないように、放熱機構としてヒートパイプ流体のような非剛的な熱移転媒体を使用する点にある(【0003】)。これに対し、特開2015-69708公報(公開日平成27年4月13日。以下「乙10公報」という。)では、ヒートパイプに発光素子基板(LED装置)を配置し、ヒートパイプにより筐体に熱を放熱しているから、熱移送手段は「剛的」である。また、乙11公報では、LED光源(LED装置)と灯具本体(筐体)の間に伝熱ユニットが配置され、伝熱ユニットを介して灯具本体(筐体)にLED光源の熱を放熱するところ、伝熱ユニットは、ヒートパイプを含む構成であるから、「剛的」なものである。このように、乙10公報及び乙11公報では、剛的な放熱機構が使用され、かつ、「剛的」な放熱機構が筐体及びLED装置の双方に接触した構成となっており、筐体に加わった力がLED装置にも加わ
5 る仕組みとなっている。そうすると、乙10公報及び乙11公報に記載された放熱機構は、乙9発明の特徴点に反するものであり、乙9発明の課題と同じ問題を持つものであるから、乙9発明において乙10公報又は乙11公報に記載された発明を組み合わせることには、阻害要因がある。さらに、乙12公報では、LED装置を取り付けた基板取付部材が筐体に結合しているため、基板取付部材を介して筐体に加わった力がLED装置にも加わることになる。そうすると、乙12公報に記載された放熱機構は、乙9発明の放熱機構と異なる仕組みであり、乙9発明の課題と同じ問題を持つものであるから、乙9発明において乙12公報に記載された発明を組み合わせることには、阻害要因がある。以上のとおり、乙9発明において、乙10公報、乙11公報及び乙12公報に記載された事項を組み合わせることには、当業者において阻害要因があるため、本件発明1-1の進歩性は否定されない。イ 本件発明1―2の進歩性乙9発明は車の照明装置(ヘッドライト等)に関する発明であるのに対し、乙4公報は、航空灯火システムに関するものであるから、両者は技術分野が異なる。また、乙9発明の課題及び効果は、車の照明装置(ヘッドライト等)において、LED装置に振動等の力が加わらないようにすることであるのに対し、乙4公報の課題及び効果は、航空灯火システムにおいて、構成部品の種類を少なくすることであるから、両者は、課題及び効果においても異なる。乙4公報には、「LEDモジュールを航空機着陸誘導閃光装置に用いること。」に関する記載はあるが、本件発明1-2のように、放熱機構を備えたLEDを利用したランプを閃光装置に用いることの記載は一切ない。
5 以上によれば、技術分野、課題及び効果が異なり、放熱機構を備えたLEDを利用したランプを閃光装置に用いることの記載も示唆もない乙4公報に記載された事項を、乙9発明に対し適用するという動機付けは存在しない。したがって、本件発明1-2の進歩性は否定されない。ウ 本件発明2-1の進歩性本件発明2-1と乙9発明とは、前記アの本件発明1-1と乙9発明との相違点に加え、本件発明2-1の構成要件2L「前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有する」という構成が、乙9発明にはない点において相違する。控訴人は、「外部電源と接続するに際して、筐体にLEDモジュールと配線で接続される接続部を有する構造」は周知技術である旨主張するものの、乙5及び乙14には筐体に接続部を設けることは記載されておらず、また、乙15は、本件発明2-1の接続部と機能的又は用途的に異なるものであるから、乙5、乙14及び乙15を根拠に、上記事項が周知技術であるとはいえないし、乙15には、筐体が接続部を有する構成が記載されているものの、本件発明2-1において、乙15を適用することには動機付けがない。したがって、本件発明2-1の進歩性は否定されない。エ 本件発明2-2の進歩性前記イと同様に、本件発明2-2の進歩性は否定されない。
⑵ 乙10公報に記載された発明に基づく進歩性の欠如(争点6)(控訴人の主張)ア 乙10公報に記載された発明本件優先日前に頒布された刊行物である乙10公報には、次の発明(以下「乙10発明」という。)が記載されている。10a 光源である、LEDが実装された発光素子基板と、10b 熱拡散手段12と、
5 10c 筐体の軸に沿って延びる筒状リフレクタ14と、10d 下端側が開口した筐体11と、を有し、10a1 前記LEDが実装された発光素子基板は、発光素子基板13を含み、10c1 図2(A)において、リフレクタ14は、その軸方向(長さ方向)が発光素子基板13に対して延伸しており、その延伸方向と垂直に発光素子基板13が配置され、かつ、図2(B)において、リフレクタ14の一端は筐体11の開口部付近まで延伸しており、その先端は発光素子基板13よりも図中下部にあることから、LEDの光照射側に配置されており、10d1 図2(A)及び(B)において、前記筐体11の内部にLED及び発光素子基板13とリフレクタ14が配置され、10a2 LEDが実装された発光素子基板13は筐体11内において、筐体11と離れて配置され、10b1 熱拡散手段12は、筐体11及び発光素子基板13と熱的に接触しており、また、発光素子が発した熱を熱拡散手段12を通じて筐体11の外周に伝えることができるため、LEDの熱を筐体に放熱できるように配置されている、10f 照明。イ 本件発明1-1の進歩性の欠如(ア) 対比本件発明1-1と乙10発明とは、以下の相違点10-1及び相違点10-2において相違し、その余の点において一致する。なお、乙10発明において、リフレクタ14は、その軸方向(長さ方向)が発光素子基板13に対して延伸しており、その延伸方向と垂直に発光素子基板13が配置され、かつ、図2(B)において、リフレクタ14の一端は筐
5 体11の開口部付近まで延伸しており、その先端は発光素子基板13よりも図中下部にあることから、LEDの光照射側に配置されている。(相違点10-1)構成要件1E「光透光性カバー」について、乙10発明にはそのような構成が開示されていない点。(相違点10-2)構成要件1A「光源であるLEDモジュ-ル」について、本件発明1-1では、構成要件1F「LEDが複数のLEDを含む」ことが特定されているのに対し、乙10発明にはそのような構成が開示されていない点。(イ) 相違点10-1の容易想到性乙11公報には、放熱性を課題としたLED照明において、「LED発光ユニット2は、2×6個の発光ダイオード素子40を1枚の基板44に実装した構成」であり、「前面枠12には、灯具本体4の投光開口10を閉塞する前面ガラス14が嵌め込まれていること」が開示されている(以下「乙11記載事項」という。)。また、乙12公報には、光源の発光素子から筐体への熱伝達を良好にすることを課題としたLED照明において、「 光源モジュール12はCOB型LED30であり、COB型LED30は多数のLEDをLED基板31の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部31Aを形成したチップオンボード(Chip On Board:COB)構造の発光デバイス」であり、「前面カバー14は、筐体10の出射口23を覆う透光性部材であること」が開示されている(以下「乙12記載事項」という。)。乙11記載事項及び乙12記載事項は、いずれも放熱性を課題としたLED照明に関する事項であることから、乙10発明と技術分野が共通
5 しており、解決すべき課題も共通している。そして、乙10公報には「塵埃」の堆積抑制の課題が開示されていることから、乙10発明において、「塵埃」の堆積抑制のための手段の一つである「光透光性カバー」を採用することには動機付けがある。したがって、相違点10-1に係る構成は、乙10発明において、乙11記載事項及び乙12記載事項を適用することにより、当業者が容易に想到し得たものである。(ウ) 相違点10-2の容易想到性乙10公報には、LEDのダウンライトから滑走路進入灯までの適用が明示されており、様々な用途に適用させるために幅広いLEDモジュールによる光の強さが求められることになるから、LEDモジュールの光を強くする構成を採用することについての示唆がある。したがって、相違点10-2に係る構成は、乙10発明において、乙11記載事項及び乙12記載事項を適用することにより、当業者が容易に想到し得たものである。(エ) 以上に加え、本件発明1-1により得られる作用効果は、乙10発明、乙11記載事項及び乙12記載事項から予測し得る範囲のものである。したがって、本件発明1-1は、乙10発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。ウ 本件発明1-2の進歩性の欠如本件発明1-2の構成要件のうち構成要件1A~1L(本件発明1-1の構成要件)は、前記イのとおり、乙10発明に開示されているか又は乙10発明において乙11記載事項及び乙12記載事項を適用することにより容易に想到し得たものである。また、構成要件1M「航空機着陸誘導閃光装置に用いられる」については、乙10公報には、乙10発明の照明装置を「飛行機を滑走路に誘導す
5 るための進入灯及び閃光灯等としても利用できる」こと(【0021】)が記載されており、構成要件1Mに相当する構成も開示されている。したがって、本件発明1-2は、乙10発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。エ 本件発明2-1の進歩性の欠如(ア) 対比乙10発明の「リフレクタ14」は、発光素子の光を反射して配光を制御するものであり、円筒状であるから、乙10発明における構成10cの「リフレクタ14」は、本件発明2-1の構成要件2Cの「配光手段としての円筒状リフレクタ」に相当する。したがって、本件発明2-1と乙10発明とは、相違点10-1及び相違点10-2(ただし、構成要件1Eを2E、1Aを2A、1Fを2Fとそれぞれ読み替える。以下、本件発明2と乙10発明の相違点(相違点10-1~10-3)を示す場合には、それらの相違点に示された本件発明1の構成要件を、本件発明2の対応する同旨の構成要件に読み替えるものとする。)に加え、以下の相違点10-4において相違し、その余の点において一致する。(相違点10-4)本件発明2-1の構成要件2L「前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有する」は、乙10発明には開示されていない点。(イ) 相違点10-4の容易想到性前記⑴(控訴人の主張)エのとおり、「外部電源と接続するに際して、筐体にLEDモジュールと配線で接続される接続部を有する構造」は周知技術(乙5、14、15)であるから、相違点10-4に係る本件発明2-1の構成(構成要件2L)は、乙10発明において、周知技術を
5 適用することにより容易に想到し得たものである。(ウ) 前記イと同様の理由により、本件発明2-1のうち、本件発明1-1に対応する構成要件2A~2K、2Mは、乙10発明に乙11記載事項及び乙12記載事項を適用することにより容易に想到し得たものである。また、上記(イ)のとおり、相違点10-4に係る本件発明2-1の構成(構成要件2L)は、乙10発明に周知技術を適用することにより容易に想到し得たものである。したがって、本件発明2-1は、乙10発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。オ 本件発明2-2の進歩性の欠如前記エのとおり、本件発明2-2の構成要件のうち構成要件2A~2M(本件発明2-1の構成要件)は、乙10発明に乙11記載事項、乙12記載事項及び周知技術を適用することにより容易に想到し得たものである。また、構成要件2N「を備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。」については、前記ウのとおり、乙10公報には、乙10発明の照明装置が航空機着陸誘導閃光装置に用いられる(構成要件1M)ことも開示されている。したがって、本件発明2-2は、乙10発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、進歩性を欠く。(被控訴人の主張)ア 本件発明1-1の進歩性(ア) 対比本件発明1-1と乙10発明とは、相違点10-1、相違点10-2のほか、以下の相違点10-3において相違する。(相違点10-3)構成要件1C「筒状リフレクタ」について、本件発明1-1では構成
5 要件1G「前記LEDモジュールの光照射側に配置され」ることが特定されているのに対し、乙10発明にはそのような構成が存在しない点。(イ) 相違点10-1の容易想到性乙10発明において、発光素子基板13と熱拡散手段(ヒートパイプ)12が筐体内に配置され、熱拡散手段(ヒートパイプ)12は、筐体11内にある筐体の仕切り板11a と接触している。発光素子基板の熱は、熱拡散手段(ヒートパイプ)12を介して仕切り板11aに伝熱し、仕切り板11aから筐体11に伝熱することになるが、筐体11の両端が開口しているため、筐体11の内部と筐体11の外部が連通した状態となっており、筐体11の内部に空気の流れが生じ、放熱効率は向上する。以上のとおり、乙10発明では、筐体11の両端が開口していることが、放熱効率の向上に寄与しているところ、この仕組みは、乙10公報の記載から、当業者であれば、容易に理解できるものである。したがって、乙10発明において、筐体11の両端が開口していることには、技術的意義があり、筐体11の開口を光透過性カバーで塞ぐことは、乙10発明の放熱効率を低下させることになり、その技術的意義を損ねることになるから、乙10発明において、乙11公報の「前面ガラス14」及び乙12公報の「前面カバー14」を適用することには、阻害要因がある。(ウ) 相違点10-2の容易想到性乙10発明は、滑走路進入灯の適用を明示していることから、指向性が重視されるものである。これに対し、乙11公報では、複数のLEDを一枚の基板に実装したLED光源ユニットが記載されているが、配光手段に関しては、記載も示唆もなく、このLED光源ユニットでは、光の指向性がまったく意図されていない。したがって、指向性を重視する乙10発明において、指向性が意図されていない乙11記載事項を適用
5 することには、動機付けが存在しない。また、乙12公報における課題は、筐体とLED基板との間の絶縁性を保持し、かつ、発光素子(LED)の放熱性能を向上させることである(【0002】、【0004】)。これに対し、乙10発明の放熱機構は、ヒートパイプ等の熱拡散部材を使用して筐体に放熱する技術であり、ヒートパイプは金属製であるため、絶縁性は低く、乙12公報における絶縁性の課題に反する構成である。したがって、乙12公報における課題に反して、乙10発明に乙12記載事項を適用することには、動機付けが存在しない。さらに、乙10発明の課題は、放熱器の塵埃及びオイルミストの堆積防止である(【0006】)のに対し、乙12公報に記載された照明器具は、筐体の外部に放熱部(放熱器)を取り付けるものであり、放熱部として多数の放熱板から構成される放熱フィンを採用しているため、工場の天井に取り付けると、放熱フィンに塵埃及びオイルミストが堆積することになり、乙10発明の課題を解決できない。したがって、乙10発明の課題に反して、乙10発明において乙12記載事項を適用することには動機付けが存しない。(エ) 相違点10-3の容易想到性乙11公報には、筒状リフレクタの記載がなく、また、乙12公報には、筒状リフレクタの記載はあるものの、乙10発明の課題に反して、乙10発明において乙12記載事項を適用することには動機付けが存しない。また、乙10発明のリフレクタ14は、具体的には、実際にリフレクタとして作用する傘状の部分に加え、熱拡散手段12に沿った長い板状の部分が存在する。この板状の部分は、熱拡散手段12としてのヒートパイプがある程度の長さを要することによるものである。このような乙
5 10発明のリフレクタに代えて、乙12公報のようなリフレクタを採用することは不可能である。(オ) 以上のとおり、本件発明1-1は、乙10発明、乙11記載事項及び乙12記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものではないから、その進歩性は否定されない。イ 本件発明1-2の進歩性本件発明1-2は、本件発明1-1の構成要件に加え、構成要件1M「航空機着陸誘導閃光装置に用いられる」を要件とするところ、乙10公報には、飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯の記載はあるものの、具体的に実施例として挙げられているのは工場等の天井に取り付けるランプであるから、乙10発明の技術分野は、工場等の天井に取り付けるランプである。これに対し、乙4公報の技術分野は、航空灯火システムであるから、両者の技術分野は異なる。また、乙10発明の課題及び効果は、工場等の天井に取り付けるランプにおいて、放熱器への塵埃及びオイルミストの堆積防止であるのに対し、乙4公報の課題及び効果は、航空灯火システムにおいて、構成部品の種類を少なくすることであるから、両者の課題及び効果は異なる。さらに、乙4公報には「LEDモジュールを航空機着陸誘導閃光装置に用いること。」に関する記載はあるが、本件発明1-2のように、放熱機構を備えたLEDを利用したランプを閃光装置に用いることの記載は一切ない。したがって、技術分野、課題及び効果が異なり、放熱機構を備えたLEDを利用したランプを閃光装置に用いることの記載も示唆もない乙4公報に記載された事項を、乙10発明に対し適用するという動機付けは存在しないのであり、本件発明1-2の進歩性は否定されない。ウ 本件発明2-1の進歩性
5 本件発明2-1と乙10発明とは、前記アの本件発明1-1と乙10発明との相違点に加え、本件発明2-1の構成要件2L「前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有する」という構成が、乙10発明にはない点において相違する。控訴人は、「外部電源と接続するに際して、筐体にLEDモジュールと配線で接続される接続部を有する構造」は周知技術である旨主張するものの、当該事項が周知技術であるとはいえないことは、前記⑴(被控訴人の主張)ウで主張したとおりである。また、乙10公報には、照明装置を交換するために筐体に接続部を設けるという記載も示唆もない。したがって、本件発明2-1の進歩性は否定されない。エ 本件発明2-2前記イと同様に、本件発明2-2の進歩性は否定されない。
⑶ 訂正の再抗弁の成否(争点7)(被控訴人の主張)ア 本件各訂正による無効理由の解消仮に本件各発明に控訴人の主張する無効理由が存するとしても、本件各訂正により無効理由はいずれも解消される。乙9発明に基づく無効理由については、以下のとおりである。すなわち、乙9の「ヒートパイプ流体」は、LED装置に力(振動等)が加わらない液体であり、非剛的で一定の形を有さないものであるのに対し、本件各訂正発明の「熱伝導部材」は、剛性がある一定の形を有する有形物であるから、乙9の「ヒートパイプ流体」は、「熱伝導部材」(構成要件1B-1、2B-1)に該当しない。そうすると、本件各訂正発明と乙9発明とは、前記⑴(被控訴人の主張)の相違点のほかに、本件各訂正発明の熱伝導部材は、剛性で一定の形を有する有形物であるが(構成1B-1、2B-1)、乙9のヒートパイプ流体は、非剛性の形を有さない液体である点において
5 相違する。したがって、仮に本件発明1-1が新規性を欠くものであったとしても、本件各訂正により当該無効理由は解消される。また、前記⑴(被控訴人の主張)のとおり、LED装置に力が加わらないように、放熱機構としてヒートパイプ流体のような「非剛的」な熱移転媒体を使用している乙9発明において、乙10公報、乙11公報及び乙12公報に記載された「剛的」な放熱機構で、かつ、筐体に加わった力がLED装置にも加わることとなる構成を組み合わせることには阻害要因があるから、本件各訂正発明は、乙9発明に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、仮に本件各発明が進歩性を欠くものであったとしても、本件各訂正により当該無効理由は解消される。イ 本件各訂正が訂正要件を充足すること本件各訂正における本件各発明の訂正事項は、「前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材である」という構成要件を追加したことであり、特許請求の範囲の減縮に該当し、また、本件明細書に記載した事項の範囲内(【0024】)で行うものであって、新規事項を追加するものではないし、実質上特許請求の範囲を拡張ないし変更するものでもない。被控訴人は本件各訂正請求について手続補正を行い(甲27、28)、令和8年6月4日付け訂正拒絶理由通知書(甲25、26)に係る拒絶理由は全て解消されている。ウ 控訴人製品は本件各訂正発明の技術的範囲に属すること(ア) 控訴人製品における放熱板(構成b)及びヒートスプレッダ(構成c)は、熱伝導素材(金属)から形成された熱伝導部材であるから、控訴人製品は、原判決第2の2⑹の構成に加えて、以下の構成を有する。b-1 前記放熱板は熱伝導部材である。c-1 前記ヒートスプレッダは熱伝導部材である。
5 (イ) 控訴人製品は、本件各発明の構成要件を全て充足するから、本件各訂正発明の構成要件1B-1及び2B-1以外の構成要件を充足する。そして、控訴人製品の構成b-1及びc-1は、本件訂正発明1-1及び1-2の構成要件1B-1、本件訂正発明2-1及び2-2の構成要件2B-1に相当する。したがって、控訴人製品は、本件各訂正発明の技術的範囲に属する。(控訴人の主張)本件各訂正発明における「熱伝導部材」(構成要件1B-1、2B-1)は、剛性のある有形物に限定されないから、乙9発明における、熱を移送可能なヒートパイプ流体は、「熱伝導部材」に相当する。したがって、本件各訂正によっても、乙9に基づく無効理由は解消されない。
第3 当裁判所の判断
1 事案に鑑み、無効の抗弁のうち、乙10公報に記載された発明に基づく進歩
性の欠如(争点6)から判断する。なお、被控訴人は、乙9発明に基づく新規性・進歩性の欠如及び乙10発明に基づく進歩性の欠如に係る控訴人の無効の抗弁主張は、審理を不当に遅延させることを目的として提出されたものであるとして、特許法104条の3第2項に基づく却下を申し立てているものの、本件発明1-1に係るそれらの主張は、原判決を踏まえ、控訴理由書においてされていることに照らせば、控訴人において審理を不当に遅延させることを目的としてするものであるとまでは認められないから、被控訴人の上記申立てを却下する。
2 争点6(乙10公報に記載された発明に基づく進歩性の欠如)について
⑴ 本件明細書の記載等
ア 本件各発明の特許請求の範囲の記載は、補正の上で引用した原判決第2の2⑶のとおりである。イ 本件明細書には、本件特許1に係る明細書(甲4の2)及び本件特許2
5 に係る明細書(甲5の2)に共通して、以下の記載がある(なお、図面は
別紙本件図面目録のとおりである。)。(ア) 技術分野【0001】本発明は、ランプに関する。(イ) 背景技術【0002】従来から、空港等において、着陸する航空機の滑走路への誘導に、キセノンランプを用いた閃光装置が用いられている…。(ウ) 発明が解決しようとする課題【0004】…キセノンランプを、発光ダイオード(LED)ランプに置き換えられれば、寿命を大幅に伸ばし、消費電力を削減することも可能である。しかしながら、前記LEDランプを用いる場合、前記LEDランプに搭載するLEDモジュールの放熱が必要となる。【0005】前記LEDモジュールの放熱を促進するため、放熱用のフィンを前記LEDランプ内に設置することが考えられる。しかしながら、前記閃光装置に用いる閃光灯(ランプ)の重量には、全体で5.5kg以下との規格がある…。このため、放熱用のフィン設置等による重量増は、好ましくない。【0006】そこで、本発明は、重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプの提供を目的とする。(エ) 課題を解決するための手段【0007】前記目的を達成するために、本発明のランプは、光源であるLEDモジュールと、熱移送手段と、配光手段と、開口部を有する筐体と、光透過性カバーとを含み、前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記配光手段は、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記配光手段が配置され、
5 前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、前記LEDモジュ
ールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されていることを特徴とする。(オ) 発明の効果【0008】本発明によれば、重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプを提供することができる。(カ) 発明を実施するための形態【0010】本発明のランプにおいて、例えば、前記熱移送手段は、熱伝導部と放熱部とを有し、前記熱伝導部は、前記LEDモジュールの熱が伝導されるように配置され、前記放熱部は、前記筐体に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されている。【0011】本発明のランプにおいて、例えば、前記放熱部は、前記熱移送手段の一端に形成されており、前記熱移送手段の他端は、前記LEDモジュールと熱的に接続されている。【0012】本発明のランプにおいて、例えば、前記放熱部は、前記筐体と熱的に接続されている。【0013】本発明のランプにおいて、例えば、前記熱移送手段は、ヒートパイプを含む。【0014】本発明のランプは、例えば、さらに、ヒートスプレッダを有し、前記ヒートスプレッダは、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、前記熱移送手段は、前記ヒートスプレッダと熱的に接続されている。【0015】本発明のランプは、例えば、前記筐体内において、前記LEDモジュールと、前記筐体と、前記熱移送手段とに囲まれた空間が、前記LEDモジュールに接続する配線を収容する配線収容部である。
5 【0016】本発明のランプにおいて、例えば、前記筐体は、前記ラ
ンプ外の配線と接続可能な接続部を有し、前記配線収容部に収容された配線は、前記接続部と接続している。【0017】本発明のランプにおいて、例えば、前記筐体は、前記筐体外から前記筐体内に、配線を導入可能な貫通孔を含む。【0018】本発明のランプにおいて、例えば、前記配光手段は、リフレクタおよびレンズの少なくとも一方を含む。【0019】本発明のランプにおいて、例えば、前記リフレクタは、筒状であり、前記LEDモジュールは、前記リフレクタの光源側開口に、前記実装面を前記リフレクタの光照射側の開口側に向けて配置されている。【0020】本発明のランプは、例えば、航空機着陸誘導閃光装置に用いられる。(キ) 実施形態1【0022】[実施形態1]本実施形態は、航空機着陸誘導閃光装置に用いられるランプの一例である。図1に、本実施形態のランプの構成の一例を示す。図1に示すように、本実施形態のランプ10は、光源であるLEDモジュール11と、熱移送手段12と、配光手段13aと、開口部を有する筐体14と、光透過性カバー15とを含む。図示していないが、LEDモジュール11は、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面(図1においては、左側の面) を有するLED基板とを含む。図1に示すように、LEDモジュール11は、筐体14から離れて配置されている。また、熱移送手段12は、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側(図1においては、LEDモジュール11の右側)に配置されており、その一端が、LEDモジュール11と熱的に接続し、他端が、筐体14と熱的に接続している。これにより、熱移送手段12
5 は、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱するように配置されて
いる。配光手段であるリフレクタ13aは、LEDモジュール11の光照射側(図1においては、前記実装面が位置する左側)に配置されている。LEDモジュール11、熱移送手段12およびリフレクタ13aは、筐体14の内部に配置されている。光透過性カバー15は、筐体14の開口部に配置されている。【0024】本実施形態のランプ10において、熱移送手段12は、ヒートパイプであるが、熱移送手段12は、熱を移送可能であればよく、公知の熱移送手段を用いることができる。具体例として、熱移送手段12は、例えば、熱伝導素材で形成された部材(熱伝導部材)、ヒートパイプ、これらの組合せ等があげられる。前記熱伝導素材は、特に制限されず、公知の熱伝導素材があげられ、具体例として、金属、セラミックス、セラミックスと金属との複合材料、ダイヤモンド等があげられる。…前記ヒートパイプは、特に制限されず、例えば、自励振動式ヒートパイプ等があげられ、市販品を用いてもよい。本実施形態のランプ10において、熱移送手段12は、2つであるが、熱移送手段12の数は、特に制限されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。【0025】熱移送手段12は、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱できるように配置されていればよく、例えば、図1に示すように、熱移送手段12の一端が、LEDモジュール11に熱的に接続されおり、熱移送手段12の他端が、筐体14に熱的に接続されていてもよい。本実施形態のランプ10において、熱移送手段12は、その一端がLEDモジュール11に直接的に接しているが、間接的に接していてもよい。後者の場合、LEDモジュール11と、熱移送手段12との間には、例えば、熱拡散部材が介在しており、前記熱拡散部材が、LEDモジュール11と熱移送手段12とに熱的に接続している。前記熱拡散部
5 材は、例えば、前述の熱伝導素材を形成材料とするヒートスプレッダ
(integrated heat spreader)等があげられる。【0027】…例えば、ランプ10において、リフレクタ13aが、図1に示すような筒状であり、LEDモジュール11は、リフレクタ13aの一方(図1においては、右側)の開口(光源側開口)に、LEDモジュール11の前記実装面がリフレクタ13aの筒内、すなわち、リフレクタ13aの光照射側の開口側を向くように配置されていてもよい。図1には、一方の開口面積が、他方の開口面積よりも狭い筒状(例えば、傘状)のリフレクタ13aを例示しているが、リフレクタ13aの2つの開口面積は、同じであってもよい。また、リフレクタ13aの断面形状は、図1に例示するような円弧状であってもよいし、直線状であってもよい。リフレクタ13aは、支持部材等により、LEDモジュール11の光照射側に配置されてもよい。【0030】本実施形態のランプ10によれば、熱移送手段12が、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱できるように配置されていることにより、前記放熱ファン等を用いずに、LED モジュール11の熱を筐体14に放熱できる。このため、本実施形態のランプ10によれば、前記放熱ファン等の設置による重量増を抑制できる。さらに、本実施形態のランプ10によれば、筐体14内の熱の伝導に、故障が懸念されるファン等を用いる必要がないため、例えば、前記LEDの耐用年数である20~30年程度の期間、筐体14内のメンテナンスを行う必要がない。【0031】本実施形態のランプ10は、熱移送手段12は、熱伝導部と放熱部とを有してもよい。この場合、前記熱伝導部は、LEDモジュール11の熱が伝導されるように配置され、前記放熱部は、筐体14に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されていることが
5 好ましい。具体例として、前記熱伝導部は、LEDモジュール11と熱
的に接続されている。また、前記放熱部は、例えば、筐体14と熱的に接続されている。前記熱伝導部と前記放熱部とは、例えば、熱的に接続されており、より具体的には、一体的に形成されている。前記熱伝導部は、例えば、LEDモジュール11の熱を前記放熱部に伝導できる部材であればよく、具体例として、前記ヒートパイプ等があげられる。前記放熱部は、例えば、前記熱伝導部が伝導してきた熱を筐体14に放熱できる部材であればよく、具体例として、前記熱伝導部材等があげられる。【0032】熱移送手段12が、前記熱伝導部および前記放熱部を有する場合、熱移送手段12における前記熱伝導部と前記放熱部との位置は、特に制限されない。前記放熱部は、例えば、熱移送手段12の一端に形成されている。この場合、熱移送手段12の他端から前記放熱部までの領域を、前記熱伝導部ということもできる。また、熱移送手段12の他端は、LEDモジュール11と熱的に接続されていることが好ましい。【0034】本実施形態のランプ10は、例えば、さらに、ヒートスプレッダを有してもよい。この場合、前記ヒートスプレッダは、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、熱移送手段12は、前記ヒートスプレッダと熱的に接続されていることが好ましい。前記ヒートスプレッダは、例えば、市販品を用いてもよい。前記ヒートスプレッダは、熱移送手段12と一体的に形成されてもよい。この場合、前記ヒートスプレッダは、熱移送手段12の吸熱部ということもできる。このように、前記ヒートスプレッダを有することにより、例えば、LEDモジュール11の熱を効率良く吸熱および分散でき、且つ熱移送手段12に効率良く伝導できるため、放熱効率がさらに向上する。【0035】本実施形態のランプ10は、例えば、前記筐体内におい
5 て、LEDモジュール11と、筐体14と、熱移送手段12とに囲まれ
た空間が、LEDモジュール11に接続する配線を収容する配線収容部としてもよい。前記配線収容部に収容される配線は、例えば、LEDモジュール11に電力を供給する配線があげられる。…【0036】さらに、本実施形態のランプ10において、例えば、筐体14は、ランプ10外の配線と接続可能な接続部を有してもよい。この場合、前記配線収容部に収容された配線は、前記接続部と接続していることが好ましい。前記接続部は、特に制限されず、例えば、電源コネクタ等の公知のコネクタを用いることができる。前記接続部は、野外に設置した際の故障を低減できることから、防水性であることが好ましい。前記接続部は、例えば、前記配線収容部に隣接するように配置されることが好ましい。このように、前記接続部を有することにより、例えば、前記航空機着陸誘導閃光装置に設置し使用している際に故障が生じても、故障したランプ10を新たなランプ10に交換することで、前記航空機着陸誘導閃光装置がすぐに使用可能となる。このため、前記接続部を有することにより、例えば、航空機着陸誘導閃光装置のメンテナンスが容易になる。(ク) 実施形態2【0040】[実施形態2]本実施形態は、航空機着陸誘導閃光装置に用いられるランプの別の例である。図3は、本実施形態のランプの構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、本実施形態のランプ20は、前記実施形態1のランプ10の構成に加えて、ヒートスプレッダ16、離隔部材17、支持部材18、および配線19を有する。本実施形態のランプ20において、ヒートスプレッダ16と、筐体14と、熱移送手段12とに囲まれた空間が、配線収容部である。LEDモジュール11は、一端が筐体14に、他端がヒートスプレッダ16に接続した
5 離隔部材17により、筐体14と離れて配置されている。LEDモジュ
ール11は、リフレクタ13aの光源側の開口側において、前記実装面をリフレクタ13aの光照射側の開口側に向けて配置されている。熱移送手段12は、一体形成された熱伝導部12aおよび放熱部12bを含み、熱伝導部12aは、放熱部12bとは反対端において、ヒートスプレッダ16と熱的に接続し、放熱部12bは、筐体14と熱的に接続している。これにより、LEDモジュール11の熱は、ヒートスプレッダ16、熱伝導部12a、および放熱部12bを介して、筐体14に放熱される。さらに、リフレクタ13aは、LEDモジュール11側の端部が、LEDモジュール11に接続しておらず、代わりに、一端が筐体14に、他端がリフレクタ13aに接続した支持部材18により支持されている。筐体14は、前記配線収容部に隣接するように接続部である電源コネクタ14aを有する。ヒートスプレッダ16は、LEDモジュール11の前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、熱的に接続している。そして、配線19は、筐体14の接続部14aから、前記配線収容部を介してLEDモジュール11に接続している。この点を除き、本実施形態のランプ20は、前記実施形態1のランプ10と同様の構成を有し、その説明を援用できる。【0042】本実施形態のランプ20によれば、ヒートスプレッダ16を含み、且つ熱移送手段12が、熱伝導部12aおよび放熱部12bを有することにより、LEDモジュール11の熱を非常に効率良く筐体14に放熱することが可能である。また、筐体14が接続部14aを有することにより、ランプ20の交換が容易となり、航空機着陸誘導閃光装置のメンテナンスが容易になる。さらに、前記配線収容部を有することにより、例えば、ランプ20内の配線19を1箇所に集約できるため、配線のためのスペースを低減でき、筐体14の大きさを低減できるため、
5 重量増をより抑制できる。このため、本実施形態のランプ20は、航空
機着陸誘導閃光装置に用いられるランプとして、より好適に用いることができる。ウ 前記ア及びイの記載によれば、本件各発明を通じた構成及びその特徴は、以下のとおりであると認められる。(ア) 本件各発明は、ランプに関する。従来、空港等において、着陸する航空機の滑走路への誘導に、キセノンランプを用いた閃光装置が用いられているところ、これを発光ダイオード(LED)ランプに置き換えられれば、寿命を大幅に伸ばし、消費電力を削減することも可能であるものの、前記LEDランプを用いる場合、前記LEDランプに搭載するLEDモジュールの放熱が必要となる。前記LEDモジュールの放熱を促進するため、放熱用のフィンを前記LEDランプ内に設置することが考えられるが、前記閃光装置に用いる閃光灯(ランプ)の重量には、全体で5.5kg以下との規格があるため、放熱用のフィン設置等による重量増は、好ましくない。(イ) そこで、本件各発明は、重量増を抑制でき、かつLEDモジュールの放熱が可能なランプの提供を目的とするものであり、その解決手段として、本発明のランプは、光源であるLEDモジュールと、熱移送手段と、配光手段と、開口部を有する筐体と、光透過性カバーとを含み、前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記配光手段は、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記配光手段が配置され、前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されていることを特徴とする、という構
5 成を採用した。
(ウ) 本件各発明によれば、重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプを提供することができる。
⑵ 乙10公報の記載
ア 乙10公報には、以下の記載がある。(ア) 特許請求の範囲【請求項1】両端が開口した筒状の筐体と、熱拡散手段と、リフレクタと、発光素子が実装された発光素子基板とを含み、前記熱拡散手段は、前記筐体と熱的に接触した状態で前記筐体内部に配置され、前記発光素子基板は、前記筐体内部の一端側に前記熱拡散手段と熱的に接触した状態で配置され、前記リフレクタは、前記発光素子基板の発光素子の光を前記筐体の一端側に反射するように前記筐体内部に配置されていることを特徴とする照明装置。(イ) 技術分野【0001】本発明は、照明装置に関する。(ウ) 背景技術【0002】体育館、工場等の天井に取り付ける高輝度なHID(High Intensity Discharge)ランプが各種提案されている…。(エ) 発明が解決しようとする課題【0004】一方、発光ダイオード(LED)を用いた照明装置は、当初は数百lm(ルーメン)の白熱電球の代替として用いられる程度であったが、最近は数万lmのHIDランプ代替用途にまで研究が進んでいる。【0005】しかしながら、消費電力が百数十Wから数百WとなるHID代替用途のLED照明装置では、消費電力が数Wから十数Wの白熱
5 電球代替用途のLED照明装置よりも表面積が大きく巨大な放熱器が必
要となり、製造時のコストが増大し、かつ、重量が増すことで天井への取り付けも困難となる。【0006】また、巨大な放熱器を用いることで、その表面に塵埃及びオイルミストが堆積するという問題もある。さらに、放熱器表面に塵埃等が堆積することで、放熱を阻害することも懸念される。【0007】そこで、本発明は、軽量で、塵埃及びオイルミストの堆積が抑制され、かつ、放熱に優れた照明装置を提供することを目的とする。(オ) 発明の効果【0009】本発明によれば、軽量で、塵埃及びオイルミストの堆積が抑制され、かつ、放熱に優れた照明装置を提供することができる。(カ) 実施形態1【0012】[実施形態1]図1(A)は、本実施形態の照明装置の構成の一例を示す分解斜視図である。図1(B)は、図1(A)に示す照明装置のI-I方向から見た断面図である。図1(A)及び(B)に示すように、本実施形態の照明装置10は、両端が開口した筒状の筐体11と、熱拡散手段12と、リフレクタ14と、発光素子が実装された発光素子基板13とを含む。熱拡散手段12は、後述するように、筐体11と熱的に接触した状態で筐体11内部に配置される。発光素子基板13は、筐体11内部の一端側(図1(B)においては、下側)に熱拡散手段12と熱的に接触した状態で配置される。リフレクタ14は、発光素子基板13の発光素子の光を筐体11の一端側(図1(B)においては、下側)に反射するように筐体11内部に配置される。図1(A)及び(B)では、照明装置10を円筒状としているが、照明装置10は、楕円筒状、角筒状等であってもよい。本実施形態の照明装置10は、筐
5 体11が筒状のため、塵埃及びオイルミストの堆積が抑制される。また、
本実施形態の照明装置10は、熱拡散手段12が、筐体11及び発光素子基板13と熱的に接触しているため、発光素子が発した熱を熱拡散手段12を通じて筐体11の外周に伝えることができ、放熱に優れる。【0013】本発明において、「熱的に接触した状態」とは、接触により熱を伝達可能な状態を意味する。前記「熱的に接触した状態」は、対象となる二つの熱伝達部材が直接接触していることで熱を伝達可能な状態と、対象となる二つの熱伝達部材が他の熱伝達部材を介して間接的に接触していることで熱を伝達可能な状態とを含む。【0015】図3(A)~(D)に、筐体11を例示する。図3(A)及び(B) は、筐体11が一部材として形成された例であり、図3(C)及び(D)は、筐体11が二つの部材から形成された例である。筐体11は、図3(B)に示すように、内部に熱拡散手段12の他端側(図1(B)においては、上側)を固定するための仕切り板11aを有することが好ましい。仕切り板11aを有することで、熱拡散手段12と筐体11とが仕切り板11aを介して間接的に接触することとなり、熱拡散手段12から筐体11への熱の伝達を高めることができる。仕切り板11aは、図3(D)に示すように、二つの半円筒により形成されてもよい。図3(B)及び(D)では、後述の図4(C)に示す熱拡散手段12を固定するための仕切り板11aを示したが、図4(A)及び(B)に示す熱拡散手段12を仕切り板11aに固定する場合には、仕切り板11aの中央に熱拡散手段12を挿入するための切欠き部を設ければよい。図3(A)~(D)は例示に過ぎず、筐体11は、両端が開口した筒状でありさえすればよく、三つ以上の部材から形成されていてもよい。筐体11 は、例えば、押出成形等により製造可能である。【0016】熱拡散手段12は、筐体11と熱的に接触した状態で筐
5 体11内部に配置されるものであればいかなる態様であってもよいが、
図1(A)及び(B)に示すように、筐体11の他端(図1(B)においては、上側の端部)から筐体11の軸方向に沿って配置されていることが好ましい。熱拡散手段12が筐体11の他端(図1(B)においては、上側の端部)から筐体11の軸方向に沿って配置されることで、筐体11の軸方向における照明装置10の温度のばらつきを少なくできる。熱拡散手段12と筐体11とは、前述の筐体11内部の仕切り板11aにより間接的に接触していることが好ましいが、例えば、筐体11の形成材料と同様の金属製の針金等、他の固定部材により間接的に接触していてもよい。熱拡散手段12の形成材料としては、例えば、筐体11の形成材料と同様の金属等があげられる。また、熱拡散手段12の形成材料は、例えば、高熱伝導性フィラーを含有させた樹脂でもよい。前記樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等があげられる。さらに、熱拡散手段12の形成材料は、例えば、グラファイト又は炭素繊維等と、アルミニウム又は銅等の金属との複合材料でもよい。熱拡散手段12は、ヒートパイプであることが好ましく、自励振動式ヒートパイプであることが特に好ましい。前記ヒートパイプ及び自励振動式ヒートパイプは、例えば、市販品を使用可能である。熱拡散手段12がヒートパイプであれば、熱を急速に伝達できる。また、熱拡散手段12が自励振動式ヒートパイプであれば、後述のように、照明装置10の向きを変えても放熱可能なため、照明装置10の用途が広がる。本実施形態の照明装置10は、巨大な放熱器を用いることなく発光素子が発した熱を外部に放出できるため、軽量である。【0017】発光素子基板13に実装される発光素子としては、例え
5 ば、LED、有機EL、無機EL等があげられ、LEDであることが好
ましい。LEDは、特に限定されず、従来公知のものを使用できるが、白色LEDであることが好ましい。前記発光素子は、熱伝導性に優れた基板13に形成された配線パターン上に実装されている。【0020】図1(A)及び(B)に示す照明装置10のリフレクタ14は、図5に例示する部材を二つ用いて形成されているが、リフレクタ14は、筐体11と同様に、一部材として形成されていてもよいし、三つ以上の部材により形成されていてもよい。リフレクタ14の他端側(図1(B)においては、上側)は、図1(A)及び(B)に示すように、筐体11の他端(図1(B)においては、上側の端部)まで延びていてもよいし、筐体11の他端(図1(B)においては、上側の端部)に達していなくてもよい。【0021】本実施形態の照明装置10は、いかなる用途に用いてもよく、例えば、従来のHIDランプを代替するものとして、体育館、工場等の天井に取り付けるダウンライト又はペンダントライト等として利用できる。熱拡散手段12として、自励振動式のヒートパイプを用いた本実施形態の照明装置10は、光の出射方向を下方とせずとも放熱可能であるため、例えば、投光器、飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯等としても利用できる。(キ) 実施形態2【0022】[実施形態2]図2(A)は、本実施形態の照明装置の構成の一例を示す分解斜視図である。図2(B)は、図2(A)に示す照明装置のII-II方向から見た断面図である。図2(A)及び(B)に示すように、本実施形態の照明装置10は、熱拡散手段12及び発光素子基板13の態様が異なる点、及び、取付板15を含む点を除き、図1(A)及び(B)に示す実施形態1の照明装置10と同様である。
5 【0023】図2(A)及び(B)に加え、図4(C)も参照して、
本実施形態の照明装置10に用いられる熱拡散手段12及び発光素子基板13について説明する。本実施形態の照明装置10では、熱拡散手段12として、二枚の板状の自励振動式ヒートパイプを用いている。前記二枚の自励振動式ヒートパイプは、筐体11の他端(図2(B)においては、上側の端部)から筐体11の軸方向に沿って配置され、一端(図2(B)においては、下側の端部)が外側に折り曲げられて略L字状となっている。熱拡散手段12の一端側(図2(B)においては、下側)の面に、発光素子基板13の発光素子と反対側の面が直接接触している。熱拡散手段12は、自励振動式ヒートパイプに限定されず、前述の自励振動式ヒートパイプ以外の熱拡散手段を用いてもよい。【0024】取付板15は、発光素子基板13を固定するための任意の構成部材であり、いかなる材料から形成されていてもよく、これを用いずとも発光素子基板13を熱拡散手段12の一端側(図2(B)においては、下側)の面に固定可能であれば、照明装置10に含まれなくてもよい。【0025】実施形態1の照明装置10では、発光素子基板13の発光素子が発した光は、必ず一回はリフレクタ14により反射された後、照明装置10外部へと出射される。これに対し、本実施形態の照明装置10では、発光素子基板13の発光素子から発した光の一部が、リフレクタ14で反射されることなく、直接照明装置10外部へと出射する。このため、本実施形態の照明装置10では、リフレクタ14による反射減衰が低減され、出射光強度がより高まる。【図2】(A) 【図2】(B)イ また、乙10公報の図面から、以下の事項を看取することができる。(ア) 図2(A)、(B)から、リフレクタ14は、筐体11の一端側が略円錐状であること。(イ)図2(B)から、リフレクタ14は、その軸方向が発光素子基板13に対し垂直で、かつ、発光素子基板13の光照射側に配置される部分を含むこと。(ウ) 図2(B)から、発光素子基板13が、筐体11と離れて配置されることウ 前記ア及びイの記載によれば、乙10公報には、実施形態2(【図2】)に係る発明として、以下の発明(乙10発明)が記載されているものと認められる。「10a 発光素子としてLEDが実装された発光素子基板13と、10b 熱拡散手段12と、10c 発光素子基板13のLEDの光を筐体11の一端側に反射する
5 ように筐体11内部に配置される筐体11の一端側が略円錐状で
あるリフレクタ14と、10d 両端が開口した筒状の筐体11と、を有し、10f 発光素子としてLEDが実装された発光素子基板13は、LEDと、基板13に形成された配線パターン上にLEDが実装される基板13とを含み、10g 筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14は、その軸方向が発光素子基板13に対し垂直で、かつ、発光素子基板13の光照射側に配置される部分を含み、10h 筐体11内部に、LEDが実装された発光素子基板13および筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14が配置され、10j 発光素子としてLEDが実装された発光素子基板13は、筐体11内において、筐体11と離れて配置され、10k 熱拡散手段12が、筐体11及び発光素子基板13と熱的に接触しているため、LEDが発した熱を熱拡散手段12を通じて筐体11の外周に伝えることができ、放熱に優れ、10b-1 熱拡散手段12の形成材料としては、筐体11の形成材料と同様の金属等があげられ、高熱伝導性フィラーを含有させた樹脂でもよく、さらに、グラファイト又は炭素繊維等と、アルミニウム又は銅等の金属との複合材料でもよく、熱拡散手段12は、二枚の板状の自励振動式ヒートパイプであり、10l 飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯等としても利用できる照明装置。」
⑶ 本件発明1-1の進歩性の有無
ア 本件発明1-1と乙10発明との対比(ア) 乙10発明の構成10a「発光素子としてLEDが実装された発光素
5 子基板13」は、発光機能を奏する1つの部品群(モジュール)といえ
るから、本件発明1-1の構成要件1A「光源であるLEDモジュール」に相当する。(イ) 乙10発明の構成10b「熱拡散手段12」は、構成10kのとおり「LEDが発した熱を熱拡散手段12を通じて筐体11の外周に伝えることができ」るものであるから、本件発明1-1の構成要件1B「熱移送手段」に相当する。(ウ) 乙10発明の構成10c「発光素子基板13のLEDの光を筐体11の一端側に反射するように筐体11内部に配置される筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14」は、本件明細書【0027】に、一方の開口面積が他方の開口面積よりも狭い傘状のリフレクタ13aについて、「筒状」である旨記載していることからみて、本件発明1-1の構成要件1C「配光手段としての筒状リフレクタ」に相当する。(エ) 乙10発明の構成10d「両端が開口した筒状の筐体11」は、本件発明1-1の構成要件1D「開口部を有する筐体」に相当する。(オ) 乙10発明の構成10f「発光素子としてLEDが実装された発光素子基板13は、LEDと、基板13に形成された配線パターン上にLEDが実装される基板13とを含」むことと、本件発明1-1の構成要件1F「前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含」むこととは、「前記LEDモジュールは、LEDと、前記LEDを実装する実装面を有するLED基板とを含」むという限りで一致する。(カ) 乙10発明の構成10g「筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14は、その軸方向が発光素子基板13に対し垂直で、かつ、発光素子基板13の光照射側に配置される部分を含」むことと、本件発明1-1の構成要件1G「前記筒状リフレクタは、その軸方向が前記LED
5 モジュールに対し垂直で、かつ、前記LEDモジュールの光照射側に配
置され」ることとは、「前記筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直で、かつ、前記LEDモジュールの光照射側に配置される部分を含」むという限りで一致する。(キ) 乙10発明の構成10h「筐体11内部に、LEDが実装された発光素子基板13および筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14が配置され」ることは、本件発明1-1の構成要件1H「前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記筒状リフレクタが配置され」ることに相当する。(ク) 乙10発明の構成10j「発光素子としてLEDが実装された発光素子基板13は、筐体11内において、筐体11と離れて配置され」ることは、本件発明1-1の構成要件1J「前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され」ることに相当する。(ケ) 乙10発明の構成10k「熱拡散手段12が、筐体11及び発光素子基板13と熱的に接触しているため、LEDが発した熱を熱拡散手段12を通じて筐体11の外周に伝えることができ、放熱に優れ」ることは、乙10発明の「LEDが発した熱」は、LEDが実装された発光素子基板13が発した熱といえるから、本件発明1-1の構成要件1K「前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されている」ことに相当する。(コ) 乙10発明の構成10l「飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯等としても利用できる照明装置」は、本件発明1-1の構成要件1L「ランプ」に相当する。以上によれば、本件発明1-1と乙10発明との一致点及び相違点は以下のとおりであると認められる。(一致点)
5 「光源であるLEDモジュールと、熱移送手段と、配光手段としての筒状
リフレクタと、開口部を有する筐体とを含み、前記LEDモジュールは、LEDと、前記LEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直で、かつ、前記LEDモジュールの光照射側に配置される部分を含み、前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記筒状リフレクタが配置され、前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されている、ランプ。」(相違点10-1)本件発明1-1は、構成要件1E「光透光性カバー」を含み、構成要件1I「前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され」るのに対し、乙10発明は、光透過性カバーを有していない点。(相違点10-2)LEDモジュールに関し、本件発明1-1は、構成要件1F「複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含」むのに対し、乙10発明は、LEDが複数であるか不明な点。(相違点10-3)筒状リフレクタに関し、本件発明1-1は、LEDモジュールの構成要件1G「光照射側に配置され」るのに対し、乙10発明は、LEDモジュールの構成10g「光照射側に配置される部分を含」む点。イ 相違点10-1の検討(ア) 乙12公報には、屋外又は屋内の各種の照明に用いられる照明器具において、筐体10の出射口23を覆う透光性部材である前面カバー14を設けることが記載されている(【0060】、【0020】)。そして、乙10発明は、構成10l「飛行機を滑走路に誘導するための
5 進入灯及び閃光灯等としても利用できる照明装置。」であるところ、屋外
用の照明装置において、筐体内への風雨や塵埃等の進入を防止すべく、カバーを設けることは自明な課題というべきであるから、乙10発明において、風雨や塵埃の進入を防止すべく、乙12公報に記載された「光透過性である前面カバー14」を適用し、相違点10-1に係る本件発明1-1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであると認められる。(イ) これに対し、被控訴人は、乙10発明では、筐体11の両端が開口していることが放熱効率の向上に寄与しているところ、この仕組みは、乙10公報の記載から、当業者であれば、容易に理解でき、筐体11の両端が開口していることには技術的意義があり、筐体11の開口を光透過性カバーで塞ぐことは、乙10発明の放熱効率を低下させることになって、その技術的意義を損ねることになるから、乙10発明において、乙12公報の「前面カバー14」を適用することには阻害要因がある旨主張する。しかし、乙10公報には、筐体の両端が開口していることによる放熱効率の向上や、筐体内部の空気の流れに関する記載はない。一方、乙10発明は、構成10kのとおり「熱拡散手段12が、筐体11及び発光素子基板13と熱的に接触しているため、LEDが発した熱を熱拡散手段12を通じて筐体11の外周に伝えることができ、放熱に優れ」るものであるから、乙10発明において、筐体11の両端の開口が照明装置の放熱を行う上で必須の構成であるとまではいえない。したがって、乙10発明に乙12公報の「前面カバー14」を適用することに阻害要因があるとはいえず、被控訴人の上記主張は採用することができない。ウ 相違点10-2の検討(ア) 乙12公報には、光源モジュールとして、多数のLEDをLED基板
5 31の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発
光部31Aを形成したチップオンボード(Chip On Board:COB)構造の発光デバイスであるCOB型LED30を用いることが記載されている(【0022】)。そして、乙10発明と乙12公報の上記記載事項とは、LED照明装置という共通の技術分野に属し、光源という作用、機能も共通するから、乙10発明の発光素子基板13として、乙12公報に記載された、多数のLEDをLED基板31の上に密集配置したCOB型LED30を採用し、相違点10-2に係る本件発明1-1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであると認められる。(イ) これに対し、被控訴人は、①乙12公報における課題は、筐体とLED基板との間の絶縁性を保持し、かつ、発光素子(LED)の放熱性能を向上させることであるのに対し、乙10発明の放熱機構は、ヒートパイプ等の熱拡散部材を使用して筐体に放熱する技術であり、ヒートパイプは金属製であるため、絶縁性は低く、乙12公報における絶縁性の課題に反する構成であるから、乙12公報における課題に反して、乙10発明に乙12記載事項を適用することには、動機付けが存在しない、②乙10発明の課題は、放熱器の塵埃及びオイルミストの堆積防止であるのに対し、乙12公報に記載された照明器具は、筐体の外部に放熱部(放熱器)を取り付けるものであり、放熱部として多数の放熱板から構成される放熱フィンを採用しているため、工場の天井に取り付けると、放熱フィンに塵埃及びオイルミストが堆積することになり、乙10発明の課題を解決できないから、乙10発明の課題に反して、乙10発明において乙12記載事項を適用することには動機付けが存在しないなどと主張する。しかし、被控訴人の上記主張は、乙10発明において乙12公報の放
5 熱機構を適用することの動機付けをいうものであるところ、乙10発明
において採用すべき構成は、乙12公報に記載された放熱機構ではなく、乙12公報に記載された「多数のLEDをLED基板31の上に密集配置したCOB型LED30」であるから、被控訴人の上記主張は、前記(ア)の判断を左右しない。エ 相違点10-3の検討(ア) 筒状リフレクタに関し、乙10発明は、LEDモジュールの構成10g「光照射側に配置される部分を含む」から、少なくとも当該部分をもって、光照射側に配置されているといえる。したがって、相違点10-3は実質的な相違点とはいえない。仮に相違点10-3が実質的な相違点であるとしても、乙12公報には、ベースプレート32にCOB型LED30を取り付けるとともに(【0023】)、ベースプレート32の表面に反射鏡固定具42を固定し(【0024】)、反射鏡34を反射鏡固定具42に取付固定する(【0025】)こと、すなわち、反射鏡34を、COB型LED30の光照射側に配置することが記載されている。そして、乙10発明と乙12公報の上記記載事項とは、LED照明装置という共通の技術分野に属し、乙10発明のリフレクタ14と乙12公報記載の反射鏡34とは、LEDの光を筐体の一端側に反射するという共通の作用、機能を奏するものであるから(乙10【0012】、乙12【0027】)、乙10発明のリフレクタ14に換えて、乙12公報に記載された「反射鏡34を、COB型LED30の光照射側に配置する構成」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。(イ) これに対し、被控訴人は、乙12公報には、筒状リフレクタの記載はあるものの、乙10発明の課題に反して、乙10発明において乙12記載事項を適用することには動機付けが存しない旨主張する。
5 しかし、被控訴人の上記主張は、乙10発明において乙12公報の放
熱機構を適用することの動機付けをいうものであるところ、乙10発明において適用すべき構成は、乙12公報に記載された放熱機構ではなく、乙12公報に記載された「反射鏡34を、COB型LED30の光照射側に配置する構成」、すなわち筒状リフレクタの配置であるから、被控訴人の上記主張は、前記(ア)の判断を左右しない。また、被控訴人は、乙10発明のリフレクタ14は、リフレクタとして作用する傘状の部分に加え、熱拡散手段12に沿った長い板状の部分が存在し、この板状の部分は、熱拡散手段12としてのヒートパイプがある程度の長さを要することによるものであるから、このような乙10発明のリフレクタに代えて、乙12公報のようなリフレクタを採用することは不可能である旨主張する。しかし、乙10発明のリフレクタ14の板状の部分はリフレクタとして作用する部分ではなく、また、当該板状の部分が格別の作用や効果を奏するものであることについては乙10公報に記載がない。他方で、乙10公報には、発光素子基板13を取付体15に固定することが記載され(【0024】)、また、乙12公報には、COB型LED30を取り付けるベースプレート32に反射鏡34を固定することが記載されている(【0023】~【0025】)から、乙10公報に記載された取付体15に、乙12公報に記載された反射鏡34を固定することは、当業者にとって容易というべきである。オ 小括以上のとおり、本件発明1-1と乙10発明との相違点に係る本件発明1-1の構成は、いずれも、当業者において容易に想到し得たものである。そして、上記の相違点に係る本件発明1-1の効果については、当業者の予測を超えるものであったことを窺わせるような事情はなく、当業者が予
5 測し得た程度のものであると認められる。したがって、本件発明1-1は、
乙10発明及び乙12公報に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性を欠き、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
⑷ 本件発明1-2の進歩性の有無
ア 本件発明1-2と乙10発明との対比(ア) 乙10発明の構成10l「飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯等としても利用できる照明装置」は、本件発明1-2の構成要件1M「航空機着陸誘導閃光装置に用いられる」、「ランプ」に相当する。そうすると、本件発明1-2と乙10発明との間には、前記⑶アの相違点10―1ないし相違点10-3以外の相違点はなく、その余の点で一致する。(イ) これに対し、被控訴人は、乙10公報には、飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯の記載はあるものの、具体的に実施例として挙げられているのは工場等の天井に取り付けるランプであるから、乙10発明の技術分野は、工場等の天井に取り付けるランプである旨主張する。しかし、乙10公報の記載によれば、乙10公報に記載された発明は、発光ダイオード(LED)を用いた照明装置は、HIDランプ代替用途にまで研究が進んでいるものの、HID代替用途のLED照明装置では、表面積が大きく巨大な放熱器が必要となり、製造時のコストが増大し、かつ、重量が増すことで天井への取り付けも困難となる(【0004】、【0005】)、巨大な放熱器を用いることで、その表面に塵埃及びオイルミストが堆積する、さらには、放熱器表面に塵埃等が堆積することで、放熱を阻害するという問題があった(【0006】)ことから、軽量で、塵埃及びオイルミストの堆積が抑制され、かつ、放熱に優れた照明装置
5 を提供することを目的とする(【0007】、【0009】)ものであり、
「いかなる用途に用いてもよく」、「光の出射方向を下方とせずとも放熱可能であるため、例えば、投光器、飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯等としても利用できる」ものである(【0021】)。したがって、乙10発明の用途は、工場等の天井に取り付けるランプに限られるものではないから、被控訴人の上記主張は採用することができない。イ 相違点の検討前記⑶で説示したのと同様に、本件発明1-2と乙10発明との相違点(相違点10-1~10-3)に係る本件発明1-2の構成は、いずれも、当業者において容易に想到し得たものであり、上記の相違点に係る本件発明1-2の効果については、当業者の予測を超えるものであったことを窺わせるような事情はなく、当業者が予測し得た程度のものであると認められるから、本件発明1-2は、乙10発明及び乙12公報に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性を欠き、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
⑸ 本件発明2-1の進歩性の有無
ア 本件発明2-1と乙10発明との対比(ア) 乙10発明の構成10c「発光素子基板13のLEDの光を筐体11の一端側に反射するように筐体11内部に配置される筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14」は、本件発明2-1の構成要件2C「配光手段としての円筒状リフレクタ」に相当する。(イ) 乙10発明の構成10g「筐体11の一端側が略円錐状であるリフレクタ14は、その軸方向が発光素子基板13に対し垂直で」あることは、本件発明2-1の構成要件2G「前記円筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され」ることに相当する。
5 そして、本件発明2-1の構成要件2Gは「前記円筒状リフレクタは、
その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され、」であり、本件発明1-1の構成要件1Gと異なり、円筒状リフレクタがLEDモジュールの光照射側に配置されること(相違点10-3に係る本件発明1-1の構成)は要件とされていないから、本件発明2-1と乙10発明との間には、相違点10-3は存在せず、その他前記⑶ア(本件発明1-1と乙10発明との対比)で検討したところと、上記の対比を考慮すると、本件発明2-1と乙10発明とは、前記⑶アの相違点10-1及び相違点10-2並びに以下の相違点10-4で相違し、その余の点で一致する。(相違点10-4)本件発明2-1は、構成要件2L「前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有する」のに対し、乙10発明は、それに対応する構成を有するか明らかでない点。イ 相違点10-4の検討(ア) 乙5(特開2014-211989公報。公開日平成26年11月13日)には、LED21と内部配線30で接続され(【0030】)、外部コネクタ部15が設けられた駆動装置10(【0022】)を、後方カバー62に取り付けること(【0021】)が記載されており、また、乙14(特開2017-4773公報。公開日平成29年1月5日)には、LEDアッシー3とソケットコンタクト26で接続され(【0025】、【0026】)、コネクタを一体化したソケットハウジング2を、ランプボディ101に装着すること(【0014】)が記載されているように、ランプの技術分野において、電源を供給するために、筐体にLEDモジュールと配線で接続される接続部を設けることは、周知技術であったと認められる。そして、乙10発明においても、LEDモジュールに電源を供給する
5 必要があることは自明の課題であるから、乙10発明に上記周知技術を
適用し、相違点10-4に係る本件発明2-1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。なお、相違点10-1及び相違点10-2については、前記⑶で説示したのと同様に、これらの相違点に係る本件発明2-1の構成は、いずれも、当業者において容易に想到し得たものである。(イ) これに対し、被控訴人は、①乙5では、筐体が接続部を有する構成が開示されているとはいえず、開示されているのは、筐体(後方カバー)に取付及び取外しが可能なLED駆動装置であり、当該駆動装置が、内部コネクタ部及び外部コネクタ部といった接続部を有する、②乙14では、筐体に取り付けられているのは光源モジュールであり、乙14には、筐体が接続部を有するという構成が記載されているとはいえないなどと主張する。しかし、乙5には、外部コネクタ部15は、駆動装置10が後方カバー62に取り付けられた状態では、灯具外空間であり、且つ車両の後方側に外部端子19が露出することになる旨記載されているから(【0027】)、後方カバー62(筐体)が、駆動装置10の外部コネクタ部15(接続部)を有する構成が記載されていると認められる。また、乙14には、光源モジュール1は、ソケットハウジング2と発光素子アッシー3とで構成されており(【0013】)、ソケットハウジング2はコネクタを一体化した構成であり(【0014】)、そして、ハウジング部2はバヨネット構造によりランプボディ101の光源取付穴103に着脱可能とされているから(【0014】)、ランプボディ101(筐体)が、コネクタを一体化したソケットハウジング2(接続部)を有する構成が記載されていると認められる。したがって、被控訴人の上記主張は採用することができない。
5 ウ 小括
以上のとおり、本件発明2-1と乙10発明との相違点に係る本件発明2-1の構成は、いずれも、当業者において容易に想到し得たものである。そして、上記の相違点に係る本件発明2-1の効果については、当業者の予測を超えるものであったことを窺わせるような事情はなく、当業者が予測し得た程度のものであると認められる。したがって、本件発明2-1は、乙10発明、乙12公報に記載された事項及び周知技術(乙5、14)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性を欠き、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
⑹ 本件発明2-2の進歩性の有無
ア 本件発明2-2と乙10発明との対比乙10発明の構成10l「飛行機を滑走路に誘導するための進入灯及び閃光灯等としても利用できる照明装置。」は、本件発明2-2の構成要件2N(本件発明2-1のランプ)「を備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。」に相当する。前記⑶ア、⑸アで検討したところと、上記の対比を考慮すると、本件発明2-2と乙10発明との間には、前記⑶アの相違点10-1及び相違点10-2並びに前記⑸アの相違点10-4以外の相違点はなく、その余の点で一致する。イ 相違点の検討前記⑶及び⑸で説示したのと同様に、本件発明2-2と乙10発明との相違点に係る本件発明2-2の構成は、いずれも、当業者において容易に想到し得たものであり、上記の相違点に係る本件発明2-2の効果については、当業者の予測を超えるものであったことを窺わせるような事情はなく、当業者が予測し得た程度のものであると認められるから、本件発明2
5 -2は、乙10発明、乙12公報に記載された事項及び周知技術(乙5、
14)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、進歩性を欠き、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
3 争点7(訂正の再抗弁の成否)について
⑴ 本件各訂正は、補正の上で引用した原判決第2の2⑺及⑻のとおり、本件
各発明の構成要件として「前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材であることを特徴とする、」(構成要件1B-1、2B-1)を付加するものである。
⑵ 本件各訂正による無効理由の解消の有無
乙10発明の構成10b-1「熱拡散手段12の形成材料としては、筐体11の形成材料と同様の金属等があげられ、高熱伝導性フィラーを含有させた樹脂でもよく、さらに、グラファイト又は炭素繊維等と、アルミニウム又は銅等の金属との複合材料でもよく、熱拡散手段12は、二枚の板状の自励振動式ヒートパイプであ」ることは、自励振動式ヒートパイプが熱伝導素材で形成された熱伝導部材であるのは技術常識であるから、本件各訂正発明の「前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材であること」(構成要件1B-1 又は構成要件2B-1)に相当する。そうすると、本件各訂正発明と乙10発明との間には、前記2で認定したもの以外の相違点はない。そして、前記2で認定した相違点に係る構成は、いずれも、当業者において容易に想到し得たものであることは、既に説示したとおりであるから、本件各訂正発明は進歩性を欠くものであって、本件各訂正によっても、乙10発明等に基づく無効理由は解消しない。
⑶ したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人の訂正の
再抗弁は理由がない。
5 4 まとめ
以上によれば、本件各発明は、いずれも特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり、同法123条1項2号により特許無効審判において無効とされるべきものであるから、被控訴人は、控訴人に対し、本件各発明に係る本件各特許権を行使することはできない(同法104条の3第1項)。したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人の請求はいずれも理由がない。
第4 結論
よって、本件控訴に基づき、原判決を取り消し、被控訴人の請求をいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。知的財産高等裁判所第3部裁判官今 井 弘 晃裁判官柵 木 澄 子裁判長裁判官中平健は、退官のため署名押印することができない。裁判官今 井 弘 晃別紙特許請求の範囲(本件各訂正後のもの)
1 本件特許1
【請求項1】
5 光源であるLEDモジュールと、
熱移送手段と、配光手段としての筒状リフレクタと、開口部を有する筐体と、光透過性カバーとを含み、前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直で、かつ、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記筒状リフレクタが配置され、前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材であることを特徴とする、ランプ。【請求項2】前記LEDモジュールは、前記筒状リフレクタの光源側開口に、前記実装面を前記筒状リフレクタの光照射側の開口側に向けて配置されている、請求項1記載のランプ。【請求項3】光源であるLEDモジュールと、熱移送手段と、配光手段としてのレンズと、開口部を有する筐体と、光透過性カバーとを含み、
5 前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面
を有するLED基板とを含み、前記レンズは、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記レンズが配置され、前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されていることを特徴とする、ランプ。【請求項4】前記熱移送手段は、熱伝導部と放熱部とを有し、前記熱電動部は、前記LEDモジュールの熱が伝導されるように配置され、前記放熱部は、前記筐体に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されている、請求項1または2に記載のランプ。【請求項5】前記放熱部は、前記熱移送手段の一端に形成されており、前記熱移送手段の他端は、前記LEDモジュールと熱的に接続されている、請求項4記載のランプ。【請求項6】前記放熱部は、前記筐体と熱的に接続されている、請求項4または5記載のランプ。【請求項7】(削除)【請求項8】さらに、ヒートスプレッダを有し、前記ヒートスプレッダは、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、
5 前記熱移送手段は、前記ヒートスプレッダと熱的に接続されている、請求項1、
2、4、5、または6に記載のランプ。【請求項9】(削除)【請求項10】(削除)【請求項11】前記筐体は、前記筐体外から前記筐体内に、配線を導入可能な貫通孔を含む、請求項1、2、4、5、6または8に記載のランプ。【請求項12】航空機着陸誘導閃光装置に用いられる、請求項1、2、4、5、6、8または11に記載のランプ。
2 本件特許2
【請求項1】光源であるLEDモジュールと、熱移送手段と、配光手段としての円筒状リフレクタと、開口部を有する筐体と、光透過性カバーとを含み、前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記円筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され、前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記円筒状リフレクタが配置され、
5 前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、
前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有し、前記熱移送手段は、熱伝導素材で形成された熱伝導部材であることを特徴とする、ランプ。【請求項2】前記円筒状リフレクタは、前記LEDモジュールに接続しておらず、一端が前記筐体に接続した支持部材に接続、支持されていることを特徴とする、請求項1記載のランプ。【請求項3】光源であるLEDモジュールと、熱移送手段と、配光手段としてのレンズと、開口部を有する筐体と、光透過性カバーとを含み、前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記レンズは、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、前記筐体の内部に、前記LEDモジュール、前記熱移送手段および前記レンズが配置され、前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、
5 前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有することを特
徴とする、ランプ。【請求項4】前記接続部は、前記ランプ外の配線と接続可能なものであることを特徴とする、請求項1または2に記載のランプ。【請求項5】(削除)【請求項6】前記LEDモジュールと、前記熱移送手段との間に介在する熱拡散部材と、前記LEDモジュールを前記筐体から離隔する離隔部材を有し、前記離隔部材は、一端が前記筐体に、他端が前記熱拡散部材に接続したものであることを特徴とする、請求項1、2または4に記載のランプ。【請求項7】請求項1、2、4または6に記載のランプを備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。以 上別紙本件図面目録【図1】【図3】
| 特許裁判例 実用新案裁判例 |
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