先週の知財ニューストピックス（6月3日〜6月9日）

先週（6月3日〜6月9日）は、政府が「知的財産推進計画2024」を発表したニュースなどが報じられた。

知財推進計画2024、国際標準化巡る国家戦略刷新へ　AIの活用と知財保護を両立

　政府は6月4日、知的財産戦略本部会合を開き、「知的財産推進計画2024」を決定した。国際標準化を巡る総合的な国家戦略を19年ぶりに刷新し、2025年春をめどに方針を策定すること、AI技術の進歩と知的財産保護が両立するエコシステムを築くために手引き・ガイドラインを策定しAI事業者や権利者等による取り組みを促すこと、高度知財人材の戦略的な育成を進めることなどを盛り込んだ。
　特に、AIと知財を巡っては、AIを活用した発明でも、人間を発明者とすべきとの見解を示した。現在のAIの技術水準では、人間が関与しないところでAIが自律的に創作活動を行っている事実は確認できないとして、「自然人の発明者を認定すべき」とした。その一方で、AIの技術が急速に発展し自律的に創作活動を行えるようになった場合は、技術動向やニーズに合わせて対応を検討するとした。
　あわせて、「新たなクールジャパン戦略」も決定し、コンテンツ産業をはじめとする関連産業を基幹産業に位置づけ、2033年までに海外展開を50兆円以上に拡大する目標も掲げた。

【参照ソース・ニュース】

• 知的財産推進計画２０２４～イノベーションを創出・促進する知財エコシステムの再構築と「新たなクールジャパン戦略」の推進に向けて～（6月4日　首相官邸）
• 知的財産推進計画2024の概要（6月4日　首相官邸）
• 知的財産戦略本部（6月4日　首相官邸）
• 閣議の概要について（6月4日　首相官邸）
• 高市大臣記者会見（6月4日　政府広報オンライン）
• AI 時代の知的財産権検討会　中間とりまとめ（5月28日　首相官邸）
• 経済安保の重要技術、流出防止を徹底　政府知財計画（6月4日　日本経済新聞）
• AIが学習したデータに対価　政府、活用と知財保護両立（6月4日　日本経済新聞）
• 国際ルール形成へ来春戦略＝クールジャパン３３年５０兆円目標―政府知財計画（6月4日　時事通信）
• ＡＩの創作物でも発明者は「人」、政府が知的財産推進計画決定…今後については「検討が望ましい」（6月4日　読売新聞）

ゲームキャラに虫画像加えSNSで公開、著作権法違反容疑で書類送検

　複数のメディアの報道によると、スマートフォンのアイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ！！」のキャラクターに虫などを加えた画像をSNS上で公開して著作権を持つゲーム会社の権利を侵害したとして、京都府警が6月3日、東京都葛飾区の女性会社員を書類送検した。女性は容疑を認めているという。
　報道によると、女性は2023年1月頃、ゲーム会社の許可を得ずにキャラクターの画像を編集し、SNSを通じてインターネット上に拡散したとされる。ゲーム会社であるハッピー・エレメンツ（京都市）は、コンテンツのイメージを大きく毀損するとして、6月に京都府警に女性を刑事告訴していた。

【参照ソース・ニュース】

• 弊社キャラクター画像に不適切な加工を施し、SNS上で拡散した悪質行為者に対する法的な対応について（2023年4月12日　Happy Elements）
• 悪質行為者に対する損害賠償請求訴訟の提起について（2023年12月1日　Happy Elements）
• アイドル育成ゲームのキャラに虫加工 著作権法違反容疑 京都
• スマホゲーム「あんスタ」キャラにゴキブリの画像貼り付け拡散疑い　25歳会社員を書類送検（6月3日　京都新聞）
• 「あんスタ」キャラ無断加工疑い　25歳書類送検「推しの扱い粗末」（6月3日　毎日新聞）