先週の知財ニューストピックス（9月30日〜10月6日）

　先週（9月30日〜10月6日）は、TDKの元社員が研究データを不正に持ち出したとして、不正競争防止法違反容疑で警視庁から書類送検されたニュースなどが報じられた。

TDK、元社員が研究データを不正持ち出しか　不正競争防止法違反容疑で書類送検

　電子部品大手のTDKは10月4日、元社員が同社の秘密情報を不正に持ち出したとして、警視庁が不正競争防止法違反の容疑で東京地検に書類送検されたと発表した。同社は社内調査によってこの元社員の情報持ち出しを把握し、警視庁に被害届を提出していた。これまでのところ、この元社員から第三者への情報流出は確認されていないという。
　複数のメディアの報道によると、持ち出された情報には国内外で開発競争が進む微小電気機械システム「MEMS（メムス）」の開発データが含まれていた。元社員は研究員として同社の工場に勤務していた2023年6月にデータを会社のパソコンから自身のメールアドレスに送信する形で不正に情報を持ち出していた疑いが持たれているという。
　TDKを巡っては、今回の件とは別で5月にも、元社員2人が秘密情報を不正に持ち出して流出させたとして書類送検されていたことがわかっている。

【参照ソース・ニュース】

• 当社元従業員の書類送検について（10月4日　TDK）
• TDK元社員、営業秘密を情報流出か　警視庁公安部が書類送検（10月4日　朝日新聞）
• ＴＤＫの研究データを不正持ち出し容疑、元研究員を書類送検…転職に利用計画か（10月4日　読売新聞）
• TDK元社員、営業秘密持ち出しか　不正競争防止法違反疑い書類送検（10月4日　毎日新聞）
• TDKの開発データ、不正持ち出し疑い　元社員を書類送検（10月4日　日本経済新聞）
• 60代のTDK元社員を公安部が書類送検　研究データを社有パソコンから不正に持ち出しか（10月4日　ITmedia NEWS）
• ＴＤＫ元研究員を書類送検　データ不正持ち出し容疑―警視庁（10月4日　時事通信）

キヤノン、米アマゾンと共同で商標権侵害訴訟　トナーカートリッジ模倣品販売事業者らに

　キヤノンは10月3日、米アマゾン・ドット・コムなどと共同で、米アマゾンストアでキヤノンのトナーカートリッジの模倣品を販売していたとみられる18の販売事業者に対し、商標権を侵害しているとしてワシントン州西部地区連邦地裁に訴訟を起こしたと発表した。
　両社は2023年5月にも、キヤノンのカメラ用バッテリーと充電器の模倣品を米アマゾンストアで販売したとして販売事業者を商標権侵害で訴えている。

【参照ソース・ニュース】

• キヤノンとアマゾンがトナーカートリッジの模倣品販売者に対して米国で商標権侵害訴訟を共同提起（10月3日　キヤノン）
• 米国でキヤノンとアマゾンが商標権侵害訴訟を共同提起（2023年5月11日　キヤノン）
• キヤノン、米で模倣品販売業者に訴訟提起　商標権侵害で（10月3日　日本経済新聞）