先週の知財ニューストピックス（6月13日〜6月19日）

　先週（6月13日〜6月19日）は、スポーツ用品メーカーの独アディダスが同業の米ナイキを特許侵害で提訴したニュースなどが伝わった。

アディダス、ナイキに特許侵害訴訟

　ロイター通信は米国時間6月11日、スポーツ用品メーカーの独アディダスが同業の米ナイキを特許侵害で提訴したと報じた。提訴は同10日付。テキサス州東部地区連邦地裁に提出された訴状によると、アディダスは、ナイキの複数のモバイルアプリとスニーカーのフィット感を調整するシステムの技術が、自社の9つの特許を侵害していると主張しているという。
　両社はこれまで、特許をめぐり対立を繰り返してきたが、アディダスがナイキを相手取り、米連邦地裁に提訴するのは初めてだという。

【参照ソース・ニュース】

• Adidas sues Nike over run-tracking, shoe-adjusting technologies（6月11日　REUTERS）
• Adidas sues Nike for patent infringement（6月13日　Portland Business Journal）
• adidas が Nike を特許権侵害で提訴（6月13日　HYPEBEAST）

アマゾン、商標登録支援策「IPアクセラレーター」の提供開始

　アマゾンジャパンは6月15日、事業者に対する商標登録支援策である「Amazon IPアクセラレーター」の日本での提供を開始したと発表した。同社によると、Amazon IPアクセラレーターは、日本における中小のブランドオーナーに対し、質の高い商標登録サービスを競争力の高い価格で提供する知財専門の法律事務所を紹介するサービスだという。
　同社はこれまで、主に商標権などの知財を持つ事業者を対象に知財を保護するツールを提供してきたが、新サービスを利用することで、商標が登録される前でも、これらの既存ツールを利用してブランド保護が図れるようになるという。

【参照ソース・ニュース】

• Amazonが提供するブランド保護の4つのツールとサービス、日本でも全てご利用可能に（6月15日　アマゾンジャパン）
• ブランド保護をテーマに第8回Amazon Academyを開催（6月15日　アマゾンジャパン）
• アマゾン、「IPアクセラレーター」を提供開始--法律事務所紹介などで知的財産を保護（6月17日　CNETJapan）
• Amazon、商標登録支援など模倣品対策の取り組み説明（6月15日　日本経済新聞）

WTO、ワクチン特許の一時停止などで合意

　世界貿易機関（WTO）の閣僚会議は欧州時間6月17日、新型コロナウイルスワクチン特許の一時停止などを盛り込んだ閣僚宣言を採択して閉幕した。当初、会議は12日～15日まで開催される予定だったが、合意に至るまで難航したため、17日まで延長された。

【参照ソース・ニュース】

• WTO members secure unprecedented package of trade outcomes at MC12（6月17日　WTO）
• MC12 Package of Draft Decisions and Declarations（WTO）
• WTO、コロナワクチン特許の途上国向け緩和で合意（6月17日　ウォール・ストリート・ジャーナル）
• ＷＴＯ、ワクチン特許の一時停止などで合意－15年以来の閣僚宣言採択（6月17日　ブルームバーグ）
• ＷＴＯ閣僚会議、食料安保・ワクチン特許問題で合意　宣言採択（6月17日　ロイター）

アウディ、中国EVメーカーに商標権侵害訴訟

　独経済紙ハンデルスブラットは現地時間6月16日付で、独アウディが中国の電気自動車（EV）メーカーであるNIO（上海蔚来汽車）を商標権侵害でミュンヘンの裁判所に提訴したと報じた。記事によると、NIOが欧州で販売する多目的スポーツ車（SUV）のうち2車種に「ES6」と「ES8」の名称を使用したことが、アウディが数年前から販売する「S6」と「S8」の商標を侵害したと主張しているという。

【参照ソース・ニュース】

• Streit um Markenrechte: Audi verklagt chinesischen Newcomer Nio（6月16日　Handelsblatt）
• 独アウディ、中国の新興ＥＶ提訴　車名の商標権侵害で＝新聞報道（6月17日　ロイター）