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1月26日
10月24日(月)配信
先週(10月17日〜10月23日)は、マッサージチェアの販売会社の間で争われた特許侵害訴訟の控訴審が知財高裁の大合議で行われ、特許侵害を認めた上で、ライセンス実施相当額も損害額に含めるなど、従来より広範囲で特許権者の損害を認めた判決が下されたニュースなどが注目を集めた。
マッサージチェアの構造に関する特許を侵害されたとして、業界大手の会社がライバル会社に賠償請求を行った訴訟の控訴審で、知財高裁は10月20日、一審の大阪地裁判決を覆して特許侵害を認め、損害額をより広範囲に算定できる判断を示した。知財高裁の大合議で争われた同訴訟では、侵害した側がそれによって上げた利益に加え、侵害した側にライセンス供与したとみなした場合の実施料の算出額も損害額に含めた判決が下された。被告のファミリーイナダ(大阪市)は、原告のフジ医療器(同)に約3億9000万円の損害賠償を命じられた。
一方、同訴訟に先行し、同じ2社が大阪地裁で争った別の特許権侵害訴訟では、被告と原告が逆転した形で争われ、特許を侵害したフジ医療器に対し、ファミリーイナダへの約27億円の損害賠償を命じる判決が9月15日に下され、10月5日付で判決が確定している。こちらの判決も、ライセンス料相当額を損害額に含めるなど、従来よりも広範囲で特許侵害による損害額を認める内容となった。
特許法は2019年の改正で損害賠償額の算定方法が見直され、より幅広く損害を認定できる可能性が広がっていた。
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政府は10月21日、私的録音録画補償金制度の対象機器等としてブルーレイディスクレコーダー等を加える政令を閣議決定した。
同制度は、音楽や動画の私的な複製行為によって被る著作権者の損失に対し、補償金を機器の出荷価格に上乗せする仕組み。徴収した補償金は管理団体を通じて権利者に分配する。1992年の著作権法改正で導入された制度。これまでブルーレイレコーダーについては、アナログ放送をデジタル信号に変換する機器が同制度の対象となってきたが、今回の決定により、あらゆるブルーレイレコーダーが対象となった。文化庁は8月23日~9月21日まで、同案についてパブリックコメントを実施。合計2406件の意見が寄せられたという。
今回の決定により、実際に販売価格に反映される時期がいつになるかは未定とされる。
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無断で複製した新聞記事を社内で共有されて著作権を侵害されたとして、中日新聞が「つくばエクスプレス」の運営会社、首都圏新都市鉄道を相手に起こした訴訟で、中日新聞は10月18日、判決の一部を不服として知財高裁に控訴したと発表した。東京地裁で下された一審判決では、著作権侵害があったことを認め、約192万円の損害賠償を行うよう首都圏新都市鉄道に命じた。中日新聞側は同訴訟で約4240万円の損害賠償を求めていた。
「控訴に至る経緯」で、中日新聞は、「損害認定の方法とその内容について、著作権侵害者側を利するものとなっており、当社としては不服」だとして、再審理を求めるとしている。
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