先週の知財ニューストピックス（6月19日〜6月25日）

　先週（6月19日〜6月25日）は、「画像生成AI」の権利問題への対応と、活用しやすい環境の整備を目的に、AI開発者やAIの実務家、弁護士などを集めたコンソーシアムが設立されたニュースなどが伝わった。

画像生成AIの権利問題と学習環境整備に向け団体設立、アマナイメージズなど

　写真・イラスト素材の販売を手がけるアマナイメージズは6月20日、日本で「画像生成AI」を安全・安心に使うための議論と実証を行う団体として、「日本画像生成AIコンソーシアム」（JIGAC）を設立したと発表した。クリエイターの知的活動を妨げることなく日本のAI技術を世界と対等のレベルに引き上げたいとして、「著作物の保護」と「テクノロジーの進化」を両立させることを目的に掲げている。参画メンバーには、AI開発者やAI研究者、AIを活用する企業の担当者、法律家などが名を連ねる。
　コンソーシアムでは、権利者とAI開発者の双方にとって透明性があり、説明可能な「学習データ環境」、権利者がデータ提供の許諾の可否について意思表示できる「コミュニケーション環境」、権利者への「収益分配環境」をそれぞれ実現することを目指すとしている。

【参照ソース・ニュース】

• 「日本画像生成AIコンソーシアム」記者会見レポート（6月22日　アマナイメージズ）
• 画像生成AI 学習データの透明化取り組む 開発者らが団体設立（6月21日　NHK NEWS WEB）
• 画像生成AIの学習環境整備へ　コンソーシアム設立（6月20日　日本経済新聞）
• 「日本画像生成AIコンソーシアム」設立　ストックフォトのアマナイメージズが主導（6月20日　ITmedia NEWS）
• 日本画像生成AIコンソーシアム発足　著作物保護とテクノロジー進化の両立目指す（6月21日　ASCII）
• 画像生成AI　著作権や収益分配など課題考える“国内初”の団体発足（6月21日　テレ朝news）

文化庁、「AIと著作権」セミナー開催　資料を一般公開

　文化庁は6月19日にオンラインセミナー「AIと著作権」を開催し、22日にセミナー資料と動画を公開した。セミナーでは、AIと著作権については、「AI開発・学習段階」「生成・利用段階」「生成物が著作物となるか」などの各段階・論点に分けて検討することが必要だとし、それぞれの段階における著作権の考え方について解説した。

【参照ソース・ニュース】

• 令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」の講演映像及び講演資料を公開しました。（6月22日　文化庁）
• 文化庁、「AIと著作権」の講演映像をYouTubeで公開　全64ページの講演資料も無料配布中（6月22日　ITmedia NEWS）
• 文化庁、話題の「AIと著作権」セミナーをYouTubeでアーカイブ配信（6月22日　ASCII）
• 「AI生成物は著作物にあたるか」文化庁がセミナー　担当者は何と答えた（6月20日　京都新聞）

「エヴァ」「鬼滅」偽コスプレ衣装販売か、著作権法・商標法違反容疑で販売会を書類送検

　各メディアの報道によると、人気アニメ「エヴァンゲリオン」や「鬼滅の刃」に登場するキャラクターのコスプレ衣装の偽物を所持、販売していたとして、神奈川県警は6月22日、著作権法違反と商標法違反の疑いで横浜市の衣料雑貨販売会社とその社長を横浜地検に書類送検した。社長は容疑を認めているという。

【参照ソース・ニュース】

• 3,000万円を売上か、偽コスチューム衣装の販売目的所持で法人ら摘発（6月22日　ACCS）
• 「エヴァ」「鬼滅」偽コスプレ衣装販売疑い　大船署、ネット通販会社役員の男性書類送検（6月22日　共同通信）
• エヴァや鬼滅のコスプレ衣装、不正に販売・所持の容疑で書類送検（6月22日　毎日新聞）
• 無許可複製コスプレ衣装販売や所持か　ヱヴァ「綾波レイ」や「式波アスカ」も　著作権侵害などの疑い　販売会社と社長を書類送検（6月22日　TBS NEWS DIG）