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先週の知財ニューストピックス(10月27日〜11月2日)

11月4日(火)配信

 先週(10月27日〜11月2日)は、講談社をはじめとする国内出版社19社が、生成AIによるコンテンツの著作権侵害を容認しないとする共同声明を発表したニュースなどが報じられた。

国内19出版社・団体が共同声明「生成AIによる著作権侵害、容認しない」

 講談社、KADOKAWAなどの出版社や、アニメ制作会社からなる日本動画協会などの合計19社は10月31日、生成AIを用いたサービスによる「著作権侵害を容認しない原則を改めて確認する」との共同声明を発表した。米オープンAIがことし10月に公開した動画生成AIサービス「Sora2」を介して日本の人気コンテンツを模した生成物がSNS上にあふれた事態を受け、業界としての「原則的立場を改めて表明する必要があると判断した」としている。
 Sora2において、著作物の学習を拒否する「オプトアウト申請」を権利者が行わない限りコンテンツを学習して生成できるシステムが採用されている点について、共同声明では「我が国の著作権法の原則のみならず、世界194カ国が加盟するWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約の原則にも反する」との認識を示した。
 オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は批判を受け、Sora2のローンチから数日後に個人ブログで、著作権者に配慮する形で修正を加える方針を示し、事前に権利者からの同意を取る「オプトイン方式」への転換を示唆しているが、共同声明では「企業としての正式な方針なのか」は現時点で確認できないとしたほか、「『第二、第三のSora2』ともいうべき新たな生成AIが登場すること」も容易に予見できるとして警戒感を示している。
 その上で、生成AI技術の可能性を正しく生かすことが望ましいとして、同技術を使う場合は、①学習段階、生成・公表段階において著作権法の原作に沿って権利者に必要な許諾を得る等の対応をAI事業者が取ること、②学習データの透明性が担保されていること、③権利者が利用を許諾した場合、権利者への適正な対価還元が行われること、を原則として遵守するべきだと主張した。
 共同声明を発表したのは、以下の19社・団体。

【共同発出者】

  • 日本動画協会
  • 秋田書店
  • 一迅社
  • 宙出版
  • KADOKAWA
  • コアミックス
  • 講談社
  • 小学館
  • 少年画報社
  • 新潮社
  • スクウェア・エニックス
  • 竹書房
  • TO ブックス
  • 日本文芸社
  • 白泉社
  • 双葉社
  • 芳文社
  • リイド社
  • 日本漫画家協会

【参照ソース・ニュース】

集英社、生成AIの著作権問題で独自声明「侵害スパイラル止まらず、法整備など不可欠」

 集英社は10月31日、「生成AIを利用した権利侵害への対応について」とする声明を発表した。米オープンAIの動画生成AIサービス「Sora2」の運用開始によって日本の人気コンテンツを模した生成物がSNS上にあふれた事態を受け、サービスの提供者側が早急に「オプトアウト方式」以上の実効的な侵害対策、権利者に対する救済策を打ち出すよう求めた。そうした対応をとらない限り、「コンテンツ産業の基盤を揺るがし続ける生成AIサービスを利用した侵害のスバイラルは止まらない段階にきている」としたほか、「法整備を含め、コンテンツ保護に向けた国家レベルでの対応も不可欠だ」との考えを示した。
 Sora2などの生成AIサービスによる著作権侵害の問題を巡っては、講談社などの出版社や日本動画協会などを含む19社が同日、「容認しない」とする共同声明を発表していたが、集英社はこれに加わらなかった。

【参照ソース・ニュース】

CODA、オープンAIに要望書「日本の著作権制度、事前許諾が必要」

 コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は10月28日、米オープンAIに対して、動画生成AIサービスの運用に関する要望書を提出したと発表した。CODA会員社のコンテンツを無許諾で学習対象としないこと、著作権侵害についてCODA会員社から申し立て・相談があった場合に真摯に対応することを求めた。提出は27日付で行った。
 CODAは発表の際の声明で、Sora2のサービスが9月30日に開始されてから、日本の既存コンテンツに類似する映像が多数生成されている事実を確認しているとして、それが「日本コンテンツを学習データとして取り込んだ結果に起因すると判断している」との認識を示した。その上で、「Sora2のように特定の著作物が出力として再現・類似生成されている状況においては、学習過程での複製行為そのものが著作権侵害に該当し得ると考える」とした。
 さらにオープンAIがSora2において、著作権者が素材の利用を拒否する意向を示さない限りユーザーが自由に著作物を利用できる「オプトアウト方式」を採用している点について、「日本の著作権制度においては、著作物の利用には原則として事前の許諾が必要であり、事後的な異議申し立てによって侵害責任を免れる制度は存在しない」との見解を示した。

【参照ソース・ニュース】

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