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11月17日
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9月22日(金)配信
特許・知的財産の情報サービスなどに関する国内最大級の見本市「2023特許・情報フェア&コンファレンス」が9月13日~15日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。3日間で延べ1万3000人弱が来場し、出展各社のブースで新たな製品やサービスの説明を受けたほか、講演やセミナーで最新の知財動向に触れた。
出展した企業・団体・機関は、知財情報の関連サービス会社など123社・団体に上る。このほか、パネル特設展示コーナーには大学や都道府県など17団体が出展し、自らの取り組みを紹介した。
日立製作所のブースでは、10月に提供を開始する「特許情報分析サービス」が注目を集めていた。知財の専門知識を持たない人でも特許情報を分析し事業戦略に役立てられるよう、グラフの自動生成や出力された結果の効果的な「読み取りガイド」などで分析作業を支援するソリューションだという。これまで手がけてきた知財管理システムと特許情報サービスを連携させることで、結果の出力に要する時間も短縮した。
Questelは、Equinoxの知財管理システムなどを紹介。2022年12月に新たにグループに加わったEquinoxは、法律事務所向けに包括的な知財管理ツールを提供してきた実績を誇る。今後は同システムを企業向けにも展開していく予定で、グループの幅広いラインナップがさらに拡充される。
GMOブランドセキュリティは、新サービス「GMOブランドサーベランス」などを紹介。ドメインネームやECサイト、SNSを含めたウェブ上のあらゆる分野でのブランド侵害に対して、AIを駆使して均質化・効率化した監視を実施。侵害発見後の警告状送付といった対応も一括して行う。もう一つの新サービス「BRANTECT byGMO」では、ブランド資産であるドメインネームと商標について、AIを活用した一元管理システムを提供する。
フューチャーアーキテクトは、主力の統合知財管理システム「DBBOY/uni」などを紹介。2008年のサービス開始以来、アップデートを重ねてきた同ソリューションは、従来サービスのオンプレミス版に加えてクラウド版の展開にも力を入れている。同システムを手がけてきた旧マイクロ・シー・エー・デーを2022年に吸収合併してから、「人材交流が活発化し、開発のスピードが上がるなどの相乗効果があった」といい、ソリューションのさらなるブラッシュアップが期待できるとしている。
IPエージェントは、生成AIを使った対話型特許検索ツール「Eureka」を紹介し、大きな注目を集めた。シンガポールのPatSnapが手がける同サービスは、業界で初めてChatGPTエンジンを搭載した特許検索ツールを提供、R&D(研究開発)における技術課題を解決するヒントを対話形式で効率よく導き出してくれるという。
このほか、トヨタ自動車が出展し、知財部の活動について情報発信をしていた。自動車業界を巡る環境が目まぐるしく変化し、「モビリティサービス企業」への変身が求められる中、保有する豊富な知財を生かせる中途人材を求めているという。
「特許・情報フェア」は、前回まで北の丸公園の科学技術館(東京都千代田区)で開催されていたが、来場者の利便性やバリアフリー対応、同時開催展との相乗効果などを理由に、今回、東京ビッグサイトに会場が移された。来場者は昨年11月に開催された前回フェアの延べ約9400人から同約1万3000人に大きく増加。特許に加え、展示対象を意匠や商標にも広げた点をアピールしたこともあり、出展内容もより多様になった。
次回のフェアは来年10月に開催される予定。会場は同じく「東京ビッグサイト」だが、今回の会場だった東ホールから、より鉄道・モノレールへのアクセスがいい西ホールに移るという。
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