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11月17日
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3月7日(木)配信
優れた知財活用を行うスタートアップや、スタートアップ支援で実績を上げた知財専門家などを表彰する「IP BASE AWARD」(主催:特許庁)の第5回目となる授賞式がこのほど、都内で開催された。
スタートアップ部門でグランプリを受賞したのは、早稲田大学発のロボティクススタートアップ「東京ロボティクス」。スタートアップ支援者部門では、KDDI総務本部シニアエキスパート(知的財産戦略担当)の川名弘志氏と、森・濱田松本法律事務所の弁護士・弁理士である増島雅和氏がそれぞれグランプリを受賞した。
東京ロボティクスは、力制御可能なロボットアームや全身人型ロボットの開発などを手がけ、機械学習や画像認識といった先端領域の研究にも強みを持つ。知財やノウハウの管理を徹底した上でそれらを契約などで積極的に活用。複数の事業でそれぞれに整合した知財戦略を構築している点や、大企業とのアライアンスにおいて工夫した知財管理を行っている点などが高く評価された。
KDDIの川名氏は、同社が手がけるオープンイノベーション・プラットフォームの知財責任者として、「ベンチャーファースト」なスタンスを貫いたことで多くの後続企業に影響を与えた点が高く評価された。大企業に所属しながら自社利益に固執せず、社会全体の利益に対する貢献を意識して行ってきた活動が業界の「ベストプラクティス」として規範になっているという。
増島氏はコーポレートファイナンスなどが専門の弁護士・弁理士で、資金調達や金融業へのコンサルティングをしながら、オープンイノベーションやライセンスなどに重点を置いたスタートアップ支援に注力してきた。知財を巡り国の政策立案支援にも携わるなど、スタートアップ支援に限らず知財業界全般への高い貢献度が評価された。
スタートアップによる知財活用を後押しし、知財コミュニティの活性化などを目指すIP BASE AWARDの授賞式は、今年で5回目を数える。挨拶に立った濱野幸一特許庁長官は、「年々、応募者の知財意識が高まっており、今回は2部門ともに知財の取り組みで実績のある方々から多数ご応募いただいた」として受賞イベント全体がレベルアップしていると指摘。来場者やオンライン視聴者に対して、受賞者の取り組みを「ご自身の取り組みの参考にしていただけると幸いだ」と述べた。
■第5回「IP BASE AWARD」グランプリ受賞者
【スタートアップ部門】
東京ロボティクス株式会社
【スタートアップ支援者部門】
川名弘志 氏(KDDI株式会社)
増島雅和 氏(森・濱田松本法律事務所)
■第5回「IP BASE AWARD」奨励賞受賞者
【スタートアップ部⾨】
アスエネ株式会社
エイターリンク株式会社
コネクテッドロボティクス株式会社
株式会社CureApp
【スタートアップ支援者部門】
飯塚健 氏(飯塚国際特許事務所/ 株式会社 Unicorn IP Advisory)
加島広基 氏(日本橋知的財産総合事務所)
森岡智昭 氏(さくら国際特許法律事務所)
選考委員
委員長:鮫島正洋氏(弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表パートナー弁護士・弁理士)
委員:
加藤由紀子氏(SBIインベストメント株式会社 執行役員 CVC事業部⻑)
藤木実氏(株式会社IP Bridge 代表取締役)
丹羽匡孝氏(シグマ国際特許事務所 パートナー弁理士)
高宮慎⼀氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 代表パートナー)
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