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1月19日
11月5日(火)配信
みなさま、こんにちは。Com Laude株式会社(コムラウデ)の村上でございます。安全なインターネット環境の提供実現をドメインの観点から日々考えている者です。
前回は、ドメインネームの構造及び現在あるドメインの種類に関して見ていきました。今回は、ドメインネームの実使用と保護の違いを見て行きたいと思います。
消費者の視点から考えると、法人が使用するウェブサイトは、分かりやすく、魅力的なデザインや豊富なコンテンツ等、いわゆる「UX」が重要でありますが、他方、消費者がアクセスしたウェブサイトが正規のものであるのか、それとも第三者による悪用サイトであるのか等、消費者に被害が及ばないための方針も必要であると考えます。
それでは、消費者の視点で考えた場合、法人は実使用と保護に関してどのようなドメインネーム戦略を持つべきであるのか考えて行きましょう。
実際に使用するドメインネーム
法人が登録・使用するドメインネームは、一般的に企業名やブランド名と同一ものが使われていると思います。つまり、登録商標と同一の文字列がドメインネームとして登録されていると言えるでしょう。日本弁理士会のウェブサイトには「商標権とは、商品又はサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権で、その効力は同一の商標・指定商品等だけでなく、類似する範囲にも及びます」と記載されています。商標権保護の必要があれば、該当国にて商標を登録する必要があります。ドメインネームについても同様の事が言え、製品やサービスに関するオンライン上での使用権を得るためには、該当する製品・サービスをドメインネームとして登録する必要があります。商標は各国で登録されますが、ドメインネームは「サイバースペース」と呼ばれる仮想空間で登録されるものです。各国法とは異なりますが、各ドメインがそれぞれの管轄であり、.COMでドメインネームを登録するという事は、つまり.COMが管轄するサイバースペースにおける権利を確保したと言い換える事ができます。
法人は、自社の名称、製品名、サービス名を中心に、どのようなドメインネームを、どのサイバースペース=ドメインネーム(.COM、.JP等)で登録すべきか慎重に検討する必要があります。
保護をするドメインネーム
ドメインネームは、広く一般による使用を広げるため、安価で登録条件が無いものが比較的多いと言えます。つまり、登録商標と同一または類似する文字列のドメインネームが第三者に登録され、かつ利用される可能性があります。ドメインネームの保護と言うと「法人が有すべき権利を第三者による侵害から保護する」と言うイメージがありますが、実際は消費者を守るための方針と言えるのではないでしょうか。ドメインネームが第三者に登録されるという事は「法人の名を騙り悪意のあるウェブサイトを展開される可能性がある」という事です。正規の法人が、フィッシング等で個人情報やクレジットカード情報を不正に取得する等悪意のあるサイトを運営する事は考え難く、仮に第三者が法人の名を騙ってドメインネームの登録と使用をした場合、法人の評判の低下はもちろんの事、法人サイトへアクセスを試みた個人が被害を受ける可能性があります。
つまり、法人と同一または類似するドメインネームを保護登録する事は、その先の個人を悪意から保護する事でもあります。誰でも登録が可能なドメインネームであるからこそ、企業名やブランド名と類似したドメインネームを敢えて「保護登録」し、消費者を混乱させない事も企業の使命であると考えます。
次回は、法人ドメインの管理について考えていきます。
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