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1月19日
11月8日(金)配信
みなさま、こんにちは。Com Laude株式会社(コムラウデ)の村上でございます。安全なインターネット環境の提供実現をドメインの観点から日々考えている者です。
前回は、ドメインネームの構造や、法人は使用と保護の二面からドメインネームについて考えなければならない、と言う問題提起まで話させて頂きました。
本日は、法人におけるドメインネームの管理と、第三者登録による影響を考えて行きたいと思います。
ドメインと聞いてみなさんが思い浮かべるのは「.COM」や「.JP」ではないかと思います。私自身も、ドメインの業務を始める際、最初に当時の上司から言われた言葉は「村上君、ドメインネーム知ってる?.COMとか.JPでお馴染みのドメインネーム」と聞かれました(当時は商標業務をしたかったので「えっ?なにそれ?」と思いましたが笑)。
ドメインと聞いて.COMや.JPが最初に浮かぶのは今も変わらない流れだと思いますが、ドメインネームの利用が一般化してから20年、現在は1,000を超えるドメインが存在しており、故に、法人においては、保護ドメインを含む体系的なドメインネームの管理が求められます。
現在、マーケットにあるドメインは、一般名称(gTLD)と国・地域別(ccTLD)を合わせて1,583件で、国・地域別ドメインを除いた、誰でも登録できるドメインは500件程度あります。
現在存在するドメインは以下のリンクより確認頂けます。
https://www.iana.org/domains/root/db
つまり、法人の立場としては、自社のビジネスを表すようなドメイン(例 .CONSULTING)と意味が類似するドメインにてドメインネームを全て登録をする事が、貴社のビジネスを推進する上でも、そして消費者を保護するという観点からも最善策であると思われます。ですが、ドメインネームは、提供する側でも上位サーバの保守管理等費用が発生することから、無料で分配する訳にはいかず、必然的に登録者から費用を取らなければいけません。つまり、法人と言う立場では、使用と(消費者)保護の側面から複数のドメインを登録する必要がありますが、500件登録をすると言う事は、それなりの費用が掛かる事になります。
費用が掛かるのであれば、どのような観点から、どのドメインネームを、どんな目的(使用・保護)で登録すべきであるのか、さらには管理は誰がするのかまで考える必要があります。
ドメインってどの部署が管理するの?
私は、お客様より良く聞かれる一言があります。「ドメインってどの部署が管理するの?」です。私の勝手な想像ですが、おそらく「うちの部署で管理したくないな~」と思われている方もいると思います。実際のところ、誰が法人ドメインを管理するのでしょうか。少なくとも「知的財産部門」「マーケティング部門」「IT部門」の三部門が関わるものだと考えています。
皆様ご存知の通り、上述の三部門は全く別の事をしています。三部門関わる理由ですが、ドメインネームには三つの異なる側面があると考えているからです。
知的財産としての側面
特許や商標は、各国法に基づき技術や名称の権利を保護します。他方、ドメインネームはサイバースペースで使われるものであり、サイバースペースにおける貴社の登録商標と言えると考えます。一定地域で保護された商標には、実際のブランド名(会社名、製品・役務名)の他、類似するものも商標登録されます。商標と比較してドメインネームは一般による使用を重要としており、登録が容易かつ費用も商標程掛からないため、貴社のサイバースペースにおける権利が第三者に侵害される可能性があります。ご存知の通り、商標は45区分あり、製品・役務が異なれば同一文字列でも重複して登録されますが、ドメインネームはオンライン上での消費者の混同を避けるため、同じ文字列が重複して登録されることはありません。つまり各国における商標登録は、異なるドメインでの、ドメインネームの保護登録であると考えられます。
マーケティングツールとしての側面
以前触れましたが、ドメインネームはウェブサイトへアクセスするための住所(アドレス)ですが、人間が判別し易くするため、「数字の羅列(IPアドレス)」をあえて「文字の羅列(ドメインネーム)」で表したものです。携帯電話から電話する際、相手方の名前で検索しますが、実際の通信は「電話番号」という規則性のある数字の羅列で行われているのと似ています。消費者が企業の情報を得る際、ウェブサイトへアクセスすると思います。つまり、ウェブサイトは、消費者のファーストタッチとなるものであり、法人ドメインネームの場合、消費者がより分かりやすく、そしてウェブサイトが真正であることを伝えるには、貴社のブランド(会社名、製品・役務名)をドメインネームにするのが良いと考えられています。さらに、ドメインネームはメールアドレスでも使用されます。
ITとしての側面
ドメインネームはインターネットウェブサイトへ消費者を導くものであり、正しいウェブサイトへアクセスするようサーバ等での技術設定が必要となります。ダイレクトにウェブサイトへ導く方法の他、複数のドメインネームをひとつのサイトに導く方法等、会社の戦略により異なる設定が必要となります。
次回は、法人ドメインの整理について考えて行きましょう。
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