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1月26日
12月5日(木)配信
みなさま、こんにちは。Com Laude株式会社(コムラウデ)の村上でございます。安全なインターネット環境の提供実現をドメインの観点から日々考えている者です。
2019年の特許・情報フェア、大変お疲れ様でした。何か良いサービス等はみつかったでしょうか?
前回は、法人ドメインの管理と関連部署について書きましたが、法人ドメインネームは一定の管理が必要であり、かつ他の知的財産と異なり複数の部署が管理するものである事がお分かり頂けたと思います。とは言え、ドメインネームとウェブサイトの利用が一般化してから約20年、法人であれば既に何らかの対応をしていると思います。
ここで一度振り返って頂きたいのは、「貴社が持っているものと、そうではないドメインネームがしっかり整理されているのか」という事です。まずは、1)自社やグループが管理するドメインネームを把握し、自社内の誰(どの部署)がどのドメイン登録(利用、保護、その他)をしているのか知る事、そして2)貴社の名を騙ることで著名ブランドにフリーライドするドメインの把握をする事が必要であると考えます。
1)誰が何を登録しているのか
ドメインネームの登録は、特許や商標と比較して非常に簡単に行う事が出来ます。同じ法人内にいても、各部門がそれぞれ独自にドメインネームを登録している可能性もあります。ドメインネームは、企業の大事な資産です。体系的管理が必要であり、棚卸をする事が大事です。棚卸をする事で、誰がどのドメインを登録しており、グループでどのくらい費用が発生しているのか把握する事が出来ます。
2)著名ブランドへのフリーライドドメイン
企業名やブランド名が入っている、またはそれに類似する文字列で登録されているドメインネームですが、必ずしも、当該法人による登録ドメインネームとは限りません。悪意のある、または悪意の無い第三者による登録の可能性があります。第三者が登録したドメインネームは、当然法人が管理するドメインポートフォリオには入っておりません。オンライン上をパトロールして見つけ出す必要があります。このようなドメインネームはウェブサイト上での商標権侵害の他、フィッシングサイトになったり、スパムメールを送信する等、法人(または類似したドメイン)名で悪事を働く可能性があります。このような第三者による行為は、ドメインネームを使われた法人の評判を下げる可能性があり、何らかの対応が必要となります。
第三者登録の検知
では、登録商標と同一または類似したドメインネームを見つけるには、どうしたら良いのでしょうか。
一般的に、ドメインネームのウォッチング、モニタリングサービスがあり、第三者登録ドメインネームを見つける事が出来ます。これまで一般的だった第三者登録は、登録商標と同一またはその前後に何らかの文字列が含まれているものが主流でした。しかし、現在は登録商標やサービスに関連する文字列のうち、一文字欠けているもの等、第三者による手口も巧妙化しています。
現在、世界で約3億件以上のドメインネームが登録されており、そこから、法人による正規登録ドメインと、第三者登録ドメインをリストアップの上で、ドメインネームの整理が必要となります。
本社が登録したもの、グループが登録したもの、代理店などが登録したものとそのポートフォリオ作成が必要な一方、悪意の無い第三者が登録したもの、悪意の下第三者が登録したもの、そして、リスクがあると判断したドメインネームの分類も必要です。またどのドメインネームを使ったウェブサイトがフィッシングサイトになっているのか等も、消費者の安全も考慮した場合把握する必要があると考えます。
次回は、具体的な登録ドメインネームの検知と、リスク分類などについて見ていきましょう。
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