知財人特別インタビュー~LexisNexis IP Business Journal~

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現場に寄り添い、
アグレッシブな知財活動で事業貢献を

ヤマハ株式会社 技術本部 知的財産部長 小杉 直弘 さん

会社への貢献度を高めるために

――昨今、多くの会社が、研究開発や事業、経営に対して、より貢献できる知財部への変革を謳っていますが、御社ではどのように考えていらっしゃいますか。

小杉さん知財業界では“三位一体” “IPランドスケープ”ということがよく言われていますが、それらを知財部が自己中心的に推進しようとしても上手くいかないような気がしてなりません。私は、各部門への支援、貢献を考える上では“寄り添う”というキーワードを大事にしています。

今、“サポートプロジェクト”という取り組みを始めていまして、開発部門に「どういう知財情報を提供したら嬉しいですか?」「何かできることはありますか?」とコミュニケーションをとるところから始めています。

開発部門は、自分の開発テーマに集中するあまり、時に外部環境に目が向きにくくなることがあると思います。一方、知財部は、社内の他の開発や競合他社の動向を俯瞰的に見ることができる立場にあり、会社や開発が目指すべき方向を示せるのではないかと思っています。そのために、知財以外のデータや情報も含めて収集・分析し、知財視点からの情報として提供することで貢献できると思います。そういった活動を日々実行することにより、社内の信頼を勝ち得て、その先に経営への提言や、M&Aなどの提案ができるようになれると信じています。

まずは手始めに身近なところからコツコツとやっていこうということで、他部門から感謝される仕事を増やしていきたいと思っています。冗談半分ですが、「ありがとう」の数を評価指標にしようかと言っているぐらいです。

――確かな信頼感を、着実に高めていくということですね。

小杉さんはい。直面している環境の変化を考えれば、あまり悠長なことは言っていられませんが、実績のない領域ですので段階を踏んでいくことが必要だと思います。そして、会社が新しい価値創造ができるように、能動的に現場を支援する戦略部門にしていきたいと思います。

『IP Business Journal 2018/2019』(レクシスネクシス・ジャパン)より転載

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