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1月26日
9月4日(水)配信
【事件概要】
「電動歯ブラシの本体」に係る本願意匠は引用意匠に類似するから、意匠法3条1項3号に該当するとした拒絶審決を受け、その取消を求めたが、裁判所は審決を支持し、請求を棄却した。
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【裁判所の判断】
裁判所は、主な需要者は一般消費者であるとして、需要者は本体把持部の握りやすさや操作の容易さを重視し、本体把持部の全体形状に特に注目をするとした。そして、全体形状の共通点である隅丸長方形状の底部より、僅かに正面側に偏心しながら、円状の上面部にかけて側面視背面側を窄めた略円柱状の電動歯ブラシ本体把持部と、該本体把持部上面に設けられた、該上面の略半径を直径とする略円柱状の基台部とその上に配された縦長板状のシャフトで構成をされている点(共通点1)及びシャフトが本体把持部の偏心にそって正面側に僅かに傾倒し、正面視中央部に横断する段差が設けられ、背面側には略縦長矩形の凹部が設けられている点(共通点2)の共通点全体として、共通の美感を起こさせるとした。これに対して、原告が要部と主張した本体正面側に形成された釦(小円形部)の数の違いは公知意匠を参酌して重視されないとした。その結果、両意匠は類似すると判断した。
原告は、共通点の一部を除いた構成につき、公知であると主張したが、全ての形状についてではないとして評価されなかった。
本件は基本的構成態様に相当する全体形状の共通性が評価された事案といえる。
【本願意匠】
【引用意匠】
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 佐藤英二)
書誌等(裁判所ウェブサイトまたは知的財産高等裁判所ウェブサイト)
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