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12月1日
12月20日(火)配信
みなさま、こんにちは。法人ドメインのマネジメントとコンサルティングを提供しているCom Laude株式会社(コムラウデ)の村上です。
2022年も、残すところあと10日あまり。。。もう少しで2023年に変わりますね。変わると言えば、人間歳と共に変わると思いませんか?
私は、数年振り、数十年振りに会う友人等には、「村上全然変わらないね」と言われますが、いやいや変わっています(笑)。本質的なところはそんなに変わらないと思いますが、昔は、髪の毛が極端に長かったり、はたまた短かったり、ジーンズが穴だらけだったり、今とは著しく異なる外観だったと思います(笑)。社会に出てからは、外観はフルモデルチェンジを遂げましたが、働くようになってからも、年齢や職務(内勤vs外勤)の変化で、髪型や服装はマイナーチェンジを続けていると思います。
時代に合わせて変化をしていくのは、ビジネスも然り、もちろんドメインネームのマネジメントにも変化が必要です。ドメインネームが広く世の中で利用されるようになって25年、必ずしも新しいシステムを使う必要はありませんが、ドメインポートフォリオを作る最初のステップは、どのようなドメインネームが「登録されているのか?」、ドメインネームの「登録を維持する理由は何か?」、「ウェブサイトやIPアドレスを使用(名前解決)する理由は何か?」、「登録者情報(部門・個人)はどのようにするべきか」等を理解することから始めることは前回の記事でお伝えしました。
本記事では、「変化」を軸にドメインウォッチングとポートフォリオの整理に関して見ていきたいと思います。
ドメインネームに及ぼすリスクには様々な形があり、「コンプライアンス」や「知的財産権侵害」、そして「潜在的に有害な事象」等に関連していると考えられます。すべての脅威やリスクを理解することは非常に難しいと思います。組織のビジョンや戦略と共にドメインポートフォリオを管理することは、企業にとって非常に重要です。
■変化を見逃さない
ドメインウォッチングは、登録されたドメインネームを監視し、侵害の可能性を検知します。ドメインウォッチングを行うことで、企業は知的財産の侵害によるビジネスへの潜在的な脅威や、自社の誰かがドメイン管理チームを経由しないで登録したドメインネームを発見することができます。
ドメインネームは、ウェブサイトやメールを稼働させるものであり、ウェブサイトのコンテンツは頻繁に変わるものです。侵害の可能性のあるドメインネームは、検知した時点で消費者に実害を与えているものだけではなく、発見時はウェブサイト等で使用されていないが、ある日、ある瞬間にリスクをもたらす可能性もあります。従って検知後は、監視を継続することが非常に重要であると言えます。ある日突然偽サイトが出てくるのですが、それはビジュアル面での事象であり、偽サイトが現れる前に目に見えにくい変化が起きています。
このような変化を見逃さないために監視を続けるのが重要です。
■変化させる
近年私たちの周りで起こった変化と言えば、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)があげられますが、COVID‑19から学んだ事の一つに、私たちを取り巻く環境は急速に変化する可能性がある、と言う事でしょうか。COVID-19の影響で世界中の人の生活様式は変化したと思いますが、ドメインネームのポートフォリオも環境や市場の変化に伴い「見直す」必要があります。
前回は、自社で管理する全てのドメインネームを見つけて、(登録者等の)情報を整理することが必要だと言いましたが、さらに効果的な管理を目指すならポートフォリオ自体に変化を持たせる事です。一例としてドメインポートフォリオを4~5のカテゴリに分類するのは如何でしょうか。
カテゴリ1:最重要ドメインネーム
自社のビジネスにとって非常に重要なドメインネームは、利益をもたらす重要なインフラであり、知的財産保護の役割も持ち合わせています。つまり、絶対に失効させない管理が必要です。
カテゴリ2:実使用ドメインネーム
ビジネスで積極的に使用されているドメインネームでは、内部の基幹的ではないシステムに使われている事もあります。ですが第三者はドメインネームの価値を見出す可能性があるため、可能な限り長期間の登録・更新をする(失効させない)必要があります。
カテゴリ3:保護登録ドメインネーム
知的財産の観点から、最重要ではないが保護登録が必要となるドメインネームや、ドメイン名紛争解決処理方針(UDRP)を経て獲得したドメインネーム等は、登録継続の必要性を毎年見直す必要があります。
カテゴリ4:削除検討対象ドメインネーム
不要となったドメインネームは、次の更新期限のタイミングで不更新処理をするべきか、検討が必要です。
カテゴリ5:新規登録ドメインネームの扱い
新規登録されたドメインネームは、2年目以降は登録を継続するのか、それとも削除対象とするのか検討が必要です。
■マトリックス
ドメインネームのトレンドは、SEO(検索エンジン最適化)の変化や、新gTLDの登場等により、長年に渡って変化してきました。
ドメインネームのトレンドが変化していく中で大切なことは、自社ドメインネームのマトリックスを作成する事です。横軸にブランド等のキーワードを、縦軸にドメイン(TLD)を書き出します。このようなマトリックスを作る事で、現状と異常の検知を可視化できます。
マトリックス作成後に、ドメインウォッチング等の結果を重ね合わせることで、ポートフォリオのどこに問題があるか、競合する第三者登録のリスクを軽減するためにどのような手順を踏むべきなのか、明確になるでしょう。
次回は、ドメインネームポートフォリオ作成の最終段階として、登録戦略、権利保護メカニズム、第三者登録ドメインネームの獲得など、ドメインネームの管理戦略をご紹介します。
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