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1月26日
1月22日(水)配信
【事案の経緯】
「そうめん流し器」に係る本件意匠権(登録第1551624号)を有する原告は、被告意匠の実施に対して意匠権侵害に基づく差止請求及び損害賠償請求等を行い、裁判所において侵害が認められた。本物品は、割竹にみたてた連結レールに上流から水を流下させて適宜そうめんを流し、レール上を流れるそうめん、あるいは下部トレイ内を回転するそうめんをすくい取って食することができるようにしたものである。
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【裁判所の判断】
本件侵害事件における類否判断は、公知意匠との関係が焦点となった。本件登録意匠は、ウォータースライダー型で下部のトレイ部に水流の回転器を備えたものである。公知意匠としてはウォータースライダー型でも回転器を備えないものがあり、他方、回転器を備えているが流水プール型のものがあった。本件登録意匠は公知意匠の構成を組み合わせた点に特徴を認められ、それが要部と認定された。そして、被告意匠は、その要部を本件登録意匠と共通し、類似すると判断された。
なお、本件では、被告は登録無効の主張(準用する特許法167条)を行った。しかし、既に特許庁になした意匠登録無効審判が確定しており、裁判所は、無効主張はその無効審判と「同一の事実及び同一の証拠」に基づくもとであるとして、いわゆる一事不再理の法理を適用し、準用する特許法104条の3の「当該特許が特許無効審判により…無効にされるべきものと認められるとき」に当たらないとして、その無効主張を退けた。
【本件登録意匠】
【被告意匠】
(執筆担当:創英国際特許法律事務所 弁理士 佐藤英二)
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