『人×IP』Force~知財人材それぞれのキャリア~

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『人×IP』Force ~知財人材それぞれのキャリア~
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弁護士志望から挫折が一転、天職へ
ビジネスの最前線で活躍する商標弁理士

弁理士 桐山 大さん

地方での商標の現状

商標の現状を語る

成田 福井の焼き芋屋さんの話が出ましたが、地方の案件も多いのですか?

桐山 地方に行くと、全く商標なんて無視してしまっているケースもかなり多いので、本来やるべき仕事は山のようにあるはずなんですけど、なかなかアクセスできていないというか。

成田 今後は増やしていきたいと?

桐山 今も頼まれてセミナーとかはやっているんですけど、積極的に営業活動はしていないので、まあこれからですね。例えば、以前に、着物レンタルの「はれのひ」という会社が問題になったことがあるじゃないですか。

成田 成人式に晴れ着が着られなかったという、あの事件ですね。

桐山 はい。あの時、地方にある同じハレノヒという名前の会社に、連絡がバンバンいってしまったそうですね。商標関係の仕事をしている人間からしたら、どうしてそんなことになるのかと思うじゃないですか。同じ「はれのひ」という社名で同じ商売はできないはずなのに、って。どちらの社も商標登録していなかったっていう、商標弁理士からしたらありえないと思うことが起きているんですよね。

商標に対する意識

成田 最近の世の中の、商標に対する意識や傾向についてはどうですか?

桐山 商標って、話が始まるときはまだビジネスは始まっていないので、イメージですよね。こんなことやりたいと思っています、といった話を聞いて、それで商標登録する。でもビジネスが始まってみたら、違う展開になっていたというのもよくある話で。1年後とかに自社の業務の範囲で登録できているかとか、見直さないといけないことがあって。そこまでできているクライアントとか代理人ってそんなにいないと思うので、そこまできちんとやれたら、もっと面白いんじゃないかなと思いますね。

成田 クライアントとしては、「商標登録しています」で終わってしまうんですよね。

桐山 そうなんです。Jリーグのクラブチーム職員に向けた研修などでも話すのですが、「商標知っていますか?」「はい、知っています」「商標登録していますか?」「はい、登録しています」「ではどの商標を登録していますか?」「う~ん」ってなります。さらにどの商品区分で登録していますか、と聞くとなおさらわからない。どの商品区分で持っているかがすごく重要なのに、そこまで意識が届いていないケースが多いですね。

成田 なるほど。

桐山 あと、商標って、相談に来るとき、これを他人に使わせたくない、っていう人が多いのですよ。これを登録して、他の人に使わせないんだ、っていう。でも本当はそこが大事なんじゃなくて、自分がその名前をずっと使っていけるようにするのが重要だと思うのです。ところが、相談に来るときにそういう意識がある人はそんなにいないですね。 かといって「別に他の人が使ったっていいから、登録しなくてもいいよ」というのも間違いで、他の人が登録したら自分は使えなくなるわけですが、そういう意識が低いケースがある。自分が使い続けるために、商標を登録する。そこが一番重要なんですけど、そういう意識で来る顧客は少ないですね。

成田 うーん、やっぱりまだそうなのですね。逆に、意識が高くなっていると感じることもありますか?

桐山 はい。ネット社会になって類似のものがすぐに見つかったり、すぐにクレームがくることも多くなっていると思います。あとは起業する人ですね。相談すべき専門家として、税理士、弁護士、司法書士などがいるかと思いますが、最近では弁理士にも声がかかることが多い気がします。実際、会社名はほとんどのケースで商標の問題になるので、気をつけるべきなのですが、以前はそこまで意識が高くなかったと思いますね。

成田 そうなのですね。起業家から直接依頼がくるのですか。

桐山 弁護士からの紹介が多いですね。これは私が司法試験の勉強をしていたことで、知り合いが多いこともありますが、弁護士はノンジャンルで法律相談を受けるので、弁護士が知財の問題に気づいて、弁理士にバトンを渡す、というケースは今後も増えると思います。弁護士の先生方が知財の問題に気づかないといけないので、啓蒙活動も必要ですね。

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