ホーム > 知財人材インタビュー企画 > 若手女性弁理士 辻野彩子さん
成田 仕事をする上で、心がけていることや、クライアントとの関係について、考えていることなどがあれば教えてください。
辻野 そうですね、クライアントからは色々と相談を受けることが多いのですが、 たとえばランチをとりながら世間話の流れから軽く相談されたりして、 そういう場合、その場でちょっと考えた程度のことを答えてしまいがちなのですが、 クライアントにしてみれば、弁理士の見解なので、その見解に基づいて社内の決裁が進んでしまうことがあります。 どんな場合もしっかり考えて、責任をもって答えることはいつも肝に銘じています。
辻野 あとは、顧客にとって心地のよい楽観的な見解に走るのではなく、 無理なものは無理と伝えることですかね。 それとは逆に、自分が無理だと思っていても、そこを曲げてやりきることも必要だと思っています。 たとえば拒絶理由通知がきて、これは無理かもと思っても、いざ対応するとなったら、 自分が「これは無理だな」と思ったことは一切忘れて、「これは絶対に登録になる!」と自己暗示を掛けるようにしています。
成田 ほう
辻野 「これはダメかも」と心のどこかで諦めていると、極限まで考えられないので。 絶対に登録になると思っていると、突破口が見えてくるし、意見書にも説得力が出てくると思います。 それは常にそうやっています。
成田 商標といえば、今年(2015年)の4月から、新しいタイプの商標が登録可能になりましたが、それについては何か考えていることはありますか?
辻野 新しいタイプの商標については、私はけっこう慎重派でして、 たとえば色彩で取りたいという話はあるのですが、色彩で商標を取る場合には著名性が必要ですよね。 もしも拒絶になると、著名性がないといわば烙印を押されたことになってしまうので、 クライアントのブランディングにとって、良くはないですよね。 クライアントとはそうしたことも議論しながら、対応しています。 これから査定が出てきて、段々と見極めがつくようになってくると思いますので、それまでは慎重にやっていきます。
成田 ブランディングですか。
辻野 ブランディング戦略を立てて、それに基づいて商標戦略をやるって、大手企業はやっていると思いますが、 そこまでやれていない会社も多いと思います。 そういうブランディング戦略の段階から関与できたらいいなと思います。
成田 さて、最後に将来のお話を。まだ独立されたばかりですが、これからどうしていきたいですか?
辻野 そうですね、独立したばかりなので、 まずはクライアントに安定してサービスを提供できるようにすることに専念します。 それができたら、もう少し大局観に立って、クライアントが安心できる体制をつくったりとか、 考えられるようになればいいですが。 これまでもそうでしたが、仕事を一生懸命にやっていると、何か道が見えてくるというか、 そういうやり方が自分には合っているように思います。 うーん、地味ですが(苦笑)、これからもそうやって地道にやっていきたいと思います。
成田 辻野さんにとっては、その考え方というか姿勢が、これまでも原動力になってきたし、 これからも原動力になっていくし、迷ったときの道しるべになるのではないかと思います。 これからも大切にしてください。
辻野 はい(笑)
成田 今日は時間を作っていただき、ありがとうございました。 若手や女性が勇気や希望を持てるように、ガンガン活躍して成功事例を作っていってください。 今後ますますの活躍を期待していますよ。
辻野 こんな話でいいですか?(笑)。 ありがとうございました。
弁理士になった経緯や女性弁理士としての苦労など、話しづらいことも含めて率直に話して頂きました。ありがとうございました。 辻野さんと同じように「知財をやってみようかなと」思っている若い方や女性の方、 すでに知財の仕事で奮闘している若い方の参考や刺激になれば幸いです。
(了)
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