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12月15日
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3月11日(月)配信
先週(3月4日〜10日)は、海賊版のあらゆる著作物のダウンロードを違法化する著作権法改正案について、自民党内での了承手続きをめぐって事態が二転三転した。漫画家などの関係者からの改善要請を背景に、1日の自民党総務会が了承を先送りしたものの、6日の文部科学部会などが一転して了承。しかし、その直後に安倍首相がダウンロード規制拡大の項目削除を指示したことを受け、了承が先送りとなった。自民党は改めて文部科学部会などで議論する予定。同項目をめぐっては、自民党が今回の改正案からの削除を求める方針を固めたと複数紙が報じている。
海外では、米中交渉に関連するとみられる動きとして、中国が、全国人民代表大会で外国企業に対する中国への技術移転の強要を禁止する法案の審議を開始したことなどが伝えられた。
違法ダウンロードの対象範囲を拡大する著作権法改正案について、週末にかけて複数のメディアが、自民党内での調整が続いており、了承が先送りとなっていることを報じた。この中で、8日付産経新聞は複数の関係者が明らかにした話として、自民党が違法ダウンロードに関する項目の削除を求める方針を固めたと伝えた。さらに、毎日新聞も9日付で、自民党が文化庁に対し、違法ダウンロードの対象を全著作物に拡大するとした項目を削除するよう求める方針を固めたと報じた。
同改正案をめぐっては、「ネット利用者の萎縮を招く」などとして、有識者などに加え、海賊版の被害者である漫画家からも改善を求める声が上がっていた。こうした中、安倍首相が同項目の削除を指示したとされ、自民党文部科学部会などで改めて議論されることになったという。
同改正案は、1日の自民党総務会が了承を先送りしていたが、6日の自民党文部科学部会、知的財産戦略調査階では一転、了承された。その際、参加議員からは法案の修正や見送りを求める声が相次いでいたとされる。各紙の報道によると、これを受け、6日夜に自民党総務会メンバーで「MANGA議連」会長の古屋圭司元国家公安委員長が首相に電話で直談判し、改正案了承への危惧を伝えたという。
韓国の元朝鮮女子勤労挺身隊員らが三菱重工業に賠償を求めて起こした訴訟で韓国最高裁が訴えを認めたことを受け、原告側の弁護団は7日、同社の韓国内の資産差し押さえをソウル中央地裁に申請したと発表した。対象は、商標権2件と特許権6件。このうち、8億4000ウォン(約8000万円)相当分の強制執行を申請したという。近日中に、元徴用工の弁護団も申請する予定。
韓国の裁判所は1月にも新日鉄住金の資産差し押さえを決定しており、三菱重工の資産差し押さえ申請が認められれば、2件目となる。
財務省が8日に発表した、2018年の知的財産侵害物品の輸入差止点数は、全国の税関合計分で92万9675点と、前年比83.5%増加し、過去5年で最高水準となった。輸入差止件数は2万6005件となり、前年から15.1%減少したものの、7年連続で2.5万件を超える高水準だった。
品目別でみると、医薬品の輸入差止点数が約32万点(前年の18.0倍)となり、大幅に増えた。たばこ及び喫煙用具の差止点数は2万8897点(3.6倍)。これらの輸入差止価額は、推定で約135億円とされる。
輸入差止件数を仕出国・地域でみると、中国が86.8%(2万2578件)を占め、9年ぶりに9割を下回ったものの、依然として高水準で推移している。
複数メディアの報道によると、中国の全国人民代表大会(全人代)は8日に開催した全体会議で、外国企業の技術を強制的に中国に移転させることを禁止する「外商投資法案」の審議を始めた。米中貿易協議で米国が強く批判している知財権の問題への対応姿勢を示す意味合いがあるとみられている。会期末の15日に採決する見通しと伝えられている。
米中間の貿易交渉については、首脳会談の開催時期が、これまで検討してきた3月から、4月にずれ込む可能性があることなどが明らかにされた。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長が現地時間8日、米テレビのインタビューで明かしたもので、同氏は「3月後半か、4月になるかもしれない」と述べた。
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