〜
2月16日
4月22日(月)配信
先週(4月15日〜21日)は、スマートフォンの半導体の特許をめぐり、2017年から訴訟で争っていたアップルとクアルコムが全面和解すると発表し、大きく報じられた。これにより、アップルはライセンス料を支払ってクアルコム製のモデムを用い、5G対応機種の投入につなげる見通し。
国内では、特許権侵害が疑われる側の施設に専門家が立ち入り調査を行うことができる制度などが盛り込まれた、特許法などの改正案が衆院本会議で可決された。
アップルとクアルコムは米国時間16日、両社が世界中で争っているすべての訴訟を取り下げることで合意したと発表した。アップルが製造を委託する契約メーカーとの間でクアルコムが係争していた訴訟についても、すべて終了させる。両社はスマートフォンの半導体の特許などをめぐって2017年から係争を続けていた。合意には、アップルからクアルコムへの支払いが含まれている。両社は2019年4月1日を発効日とする6年間のライセンス契約を締結しており、この契約には2年間の延長オプションと複数年にわたるチップセット供給の合意が含まれているという。
各メディアが欧州系証券会社のアナリストレポートを引用して報じたところによると、今回の和解により、アップルはクアルコムに対して、この2年間の訴訟で争われていた「アップルがクアルコムに支払うべき特許使用料」として50〜60億ドルを1度に支払い、さらに、「将来、iPhoneが使用すると示唆されたチップセット供給契約」に関連するライセンス料として、iPhone1台につき8〜9ドルを支払うという。
クアルコムは、5Gに対応するスマートフォン向け半導体の開発で先行しており、アップルは5G対応機種にクアルコム製のモデムを搭載する見通し。
衆院本会議で16日、特許法などの改正案が全会一致で可決された。改正案では、特許権を侵害したことが疑われる側の工場などに裁判所が指名した専門家が立ち入り調査を行うことができる制度の創設や、損害賠償額の算定方法の見直しなどが盛り込まれている。
このほか、意匠法の改正案では、クラウド上に保存されてネットワーク上で提供される画像や道路に投影された画像といった、物品に記録・表示されていない画像まで保護対象を拡充している。建築物の外観・内観デザインも保護対象に入れた。関連意匠の出願可能期間を本意匠の出願日から10年以内まで延長するほか、意匠権の存続期間を「登録日から20年」から「出願日から25年」に変更する。
内閣府をはじめとする官庁や、トヨタ自動車やメガバンクなどを含む大手企業40社ほどが参加するオープンイノベーションのプラットフォームとして、「Innovation Techコンソーシアム」が15日に始動した。イノベーションの創造に関心の高い企業や個人の交流を促進しながら、だれもがイノベーションを起こせるような社会の実現を後押しすることを目指す。官民から参加するのは、内閣府、文部科学省、経済産業省、トヨタ自動車、パナソニック、全日本空輸(ANA)、電通、マイクロソフト、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、日本政策投資銀行、NEC、伊藤忠商事、三菱地所など。
こんな記事も読まれています