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2月16日
6月3日(月)配信
先週(5月27日〜6月2日)は、著作権協会国際連合(CISAC)が、日本の「私的録音録画補償金」制度を改正して対象機器をスマホなどにまで拡大することで、著作権者に支払われる対価を増やすことを求める考えを発表したことなどが報じられた。
ノーベル賞を受けた京都大学の本庶佑教授の研究をもとに開発されたがん免疫治療薬の特許をめぐり、米連邦地裁が米研究所の研究者2人も共同開発者に加えるべきとした判決をめぐっては、本庶氏がこれを不服として控訴する考えを示した。
CISACは5月31日、加盟メンバーでもある日本音楽著作権協会(JASRAC)と都内で開いた合同会見で、時代の状況に即していない日本の「私的録音録画補償金」制度をアップデートし、著作権者に公正な対価を支払うものにするべきとの見解を発表した。前日に都内で開催された総会での決議を受けたもので、今後、日本政府に同制度の改正を求めていく考えだという。
「私的録音録画補償金」は、録音・録画が可能な機器を販売したメーカーなどが著作権者に保証金を支払う制度で、それらの売価にあらかじめ著作権料を上乗せするもの。CISACは、現在の日本の同制度は1998年に改正されたもので、現在では時代遅れとなった録音機器やメディアを対象としているとしており、スマホのようなデジタル市場で実際に使われている機器まで、保証金制度の対象を拡大したい考えを示した。
本庶佑教授の研究をもとに開発されたがん免疫治療薬の特許について、米連邦地裁が米研究所の研究者2人を共同発明者として認定した件をめぐり、複数メデイアが本庶氏が控訴する考えを示したと報じた。27日付日本経済新聞によると、本庶氏は同日の大阪市内での講演で、「米国の判決は論理的にありえないので、控訴することに決めた」と述べたという。先に控訴する意向を示していた小野薬品工業と連携するか否かについては、「話をするかどうかはわからない」としたという。
判決の対象となった特許6件は、本庶氏と小野薬品が保有している。
本庶氏と小野薬品工業との間では、がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許契約の契約料をめぐる立場の違いが明らかになっている。複数メディアの報道によると、27日の大阪での講演で、本庶氏は小野薬品が京大に寄付するとして提示した金額が200億〜300億円であったことを明らかにし、「常識的にあり得ずに拒否した」と述べたという。
オプジーボの特許契約では、本庶氏が小野薬品から支払われる特許料が大幅に低く抑えられているとして引き上げを求めていたが、これに対し、小野薬品側は22日にコメントを発表。特許料の上乗せという形ではなく、京都大学への寄付を本庶氏側に提案していたことを明らかにしていた。
任天堂は5月30日、同社のゲームソフト「マリオカート」の略称「マリカー」を社名に使い、「マリオ」の衣装を貸与して公道カートを走らせるサービスを提供していたことが知的財産侵害に当たるとして「MARIモビリティ(マリカー)」に対して起こしていた訴訟の控訴審で、知財高裁が同社の主張を認める中間判決を下したと発表した。判決では、「マリカー」「maricar」などを表示した営業上の使用行為とともに、衣装貸与が不正競走行為に当たるとして、任天堂の知財を侵害していることを認めた。今後は、これらの侵害行為から生じた損害額の審理などが継続して行われる予定。
同訴訟では、2018年9月の東京地裁における一審でも、任天堂の訴えを認める判決が下されている。
フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)とルノーは27日、経営統合案を検討すると発表。29日には、ルノーと傘下の日産自動車、三菱自動車の「3社連合」の首脳が集まる定例会合で、ルノーがFCAとの経営統合案について説明し、同意を求めたとされる。
ロイター通信は30日付で、日産は保有するプラットフォームやパワートレインなどの先進技術をめぐり、ルノーと特許使用契約を結んでいるが、こうした契約がFCAの統合経営計画に影響を与える可能性があるとして、複数の関係筋が明らかにしたと報じた。これによると、統合が実現すれば、統合後の企業は、日産、三菱自の技術を使用するたびに特許使用料を支払う必要が出てくるため、2社が恩恵を得られるとしている。
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