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1月26日
6月24日(月)配信
先週(6月17日〜6月23日)は、政府が2019年の「知的財産推進計画」を決定。知財訴訟を含めた民事訴訟手続きなどのIT化に向けた検討をさらに進めるほか、国内外の知財紛争解決を円滑化するための施策を強化する方針などを示した。また、出願件数が増加している商標法について、審査体制を強化し、長期化している審査期間を短縮する方針を盛り込んだ。さらに、スタートアップやベンチャーを始め、中小企業の知財戦略の支援をいっそう進める方向性も示された。
政府は21日、知的財産戦略本部の会合を開催し、2019年の知的財産推進計画を決定した。同計画では、知財訴訟を始めとした民事訴訟手続きなどのIT化に向け、訴訟記録の全面電子化、オンラインでの書面提出やウェブ会議による手続きを可能にするといった制度的検討をさらに進める方針が示された。2019年度中の法制審議会への諮問を目指し、具体的検討を引き続き進める。
審査に関わる分野では、近年、商標出願件数の大幅な増加で商標の審査機関が長期化していることを踏まえ、2022年度末までに一次審査通知までの期間を6.5ヶ月とすることにより、権利化までの期間を国際的にそん色のないスピードである8ヶ月にできるよう、商標審査体制を強化する。
知財紛争などへの対応に関しては、国内企業が直面する国際紛争の解決を円滑化するため、外国法事務弁護士などによる国際仲裁・国際調停代理の範囲拡大・拡充を図り、これらの手続きについても一貫して代理することができる措置などを速やかに講じる。
また、知財紛争解決の諸課題を議論するため、経済界と司法関係者との直接対話の枠組みを設け、海外の事例や動向も踏まえながら、紛争解決インフラをさらに強化するための検討を進める。
ベンチャー・スタートアップ支援の施策では、「スタートアップ・エコシステム」の構築に向け、拠点都市を形成するための集中支援を行うほか、公共調達における中小・ベンチャー企業の活用促進などの施策を進める。地方・中小の知財戦略支援では、中小企業の課題について知財を活用した解決を図る「知財ビジネス提案書」の作成支援を地銀などを対象に実施する。
また、中小企業の技術情報管理などへの指導助言や認定制度を活用することで、管理体制の底上げを図るとしている。
さらに、地域・中小企業とつながりのある弁理士を対象とした標準化についての研修を日本弁理士会を通じて行うことや、知財・標準活動の相談窓口を持つ工業所有権情報・研修館(INPIT)と日本企画協会(JSA)との連携強化を通じ、企業による知財と標準化の一体的な検討を後押しする環境を整備する方針も盛り込んだ。
このほか、漫画やアニメ、ゲームといったコンテンツの著作権を守るため、海賊版や模倣品への対策に引き続き注力していく考えなども示した。
欧州特許庁(EPO)は現地時間20日、2019年の「欧州発明家賞」(非欧州部門)を旭化成名誉フェローの吉野彰氏に授与すると発表した。吉野氏は、リチウムイオン電池の発明で知られる。
EPOでは、同氏を「リチウムイオン電池の父」とし、同氏が発明・開発した充電可能なリチウム電池は、50億台近くのスマホやノートパソコンなどの携帯電子機器に加え、電気自動車(EC)などに搭載されているとして功績をたたえた。
経済産業省は17日、日米欧中韓の特許庁が13日に韓国・仁川で開催した第12回五庁長官会合の内容を公表した。これによると、同会合では、AI関連発明の審査基準等について議論するタスクフォースを設立することや、特許審査ハイウェイ(PPH)の審査スピードや特許査定率を評価するための指標の定義内容で合意した。また、審査関連情報へのユーザーのアクセス向上を図る取り組みの一環として、日本の特許庁がワンポータルドシエのAPIを公開するパイロットプログラムを進めることで合意した。これにより、ユーザーはより自由に審査関連情報にアクセスできるようになり、特許情報の管理や分析が容易になるという。
17日付(米国時間)ロイター通信は、米共和党のルビオ上院議員が同日、ファーウェイが米国で特許訴訟を起こすことなどを阻止する法案を提出したと伝えた。同報道によると、この法案は、米政府の監視対象となっている企業が米特許をめぐり、特許侵害での提訴も含め、米国法による救済措置を求めることを禁止する内容になっているという。ファーウェイは、米政府の監視リストに含まれる。
複数メディアの報道によると、欧州連合(EU)の高等裁判所にあたる一般裁判所は19日、アディダス社の「3本線」の商標権(指定商品は被服、靴、帽子。商品に任意の向きで付された3本の等間隔で等幅のストライプ)について、保護するに足る独自性に欠けるとして、EU域内での商標権を無効とする判断を下した。
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